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26 訓練(雪上訓練)
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今日は地元のスキー場で雪上訓練。
官品の白いスキー板と白いストック、防寒靴(革靴)、迷彩色の防寒着が陸上自衛隊スタイル。
冬季戦闘教育隊とは違い、季節限定数日間の訓練のため、ゴーグルや帽子、グローブは個人の物を使うことも多い。
元々入隊前からスキーの経験がある者も全く未経験の者も、官品のスキー板を履くとき必ず戸惑う。
まず、革紐で防寒靴に板を固定する。
一般的なスキーならば、ガッチリと足をホールドするスキーブーツに、ビンディング付のスキー板だろう。
しかし、陸上自衛隊では、半長靴を分厚くしたような革靴に、革紐を締めてスキー板に固定…固定とはいえ、踵が浮くような造りなのだ。
いわゆるスノーハイクスタイルだが、強いて言うなら、クロカンスキーか、バックカントリースキーのウォークモードのシステムが近いと言えるかも。
僕「え~、このスキーはウロコ板と言って斜面を登ることができる構造になっている。滑って遊ぶのが目的ではない。
雪中行軍で荷物も背負うし人を運ぶこともある。
あくまでも冬季の防衛業務の一環である…だから、スキー履いて動けるようにはなろうねぇ~。」
そう言って、僕は初心者コースの緩斜面を真っ直ぐ登ってみせた。
あ、今日の僕は新隊員(官品スキー初心者)の担当指導官です(•᎑•)
僕「はい。ではここまで登ってみようか。」
新隊員A「おお!登れる!面白い!」
新隊員B「本当だ。踵がフリーなのはこのためか!」
新隊員C「これ、どこでも行ける!」
スキー板で斜面を登るときはカニのように横歩きでちょこちょこするか逆ハの字で必死にスケーティングするかしか経験したことのない新隊員達は楽しそうに登っている。
体重移動さえ気をつければ、実はこのスキー板は登るほうが簡単なくらいなのだ。
僕「では、次。ここから滑って下山する。
ポイントは、ハの字、エッジ立てはスキーブーツと違って難しいから、体重移動で曲がるんだけど、まずはプルークか横滑りができたら合格。重心はデッドリフトのようにしてやや後ろである。」
そして、ゆっくり少しだけ滑って見せる。
新隊員A「う、動けない…。」
新隊員B「お、オレも…。いつも滑るみたいに脛に体重預けても革靴じゃ抑えが効かないから曲がれない。」
新隊員C「エッジが効かない…ってうわっ!(派手にすっ転ぶ)」
新隊員A「転んだらまた立つのが大変なんだよ…あっ!(ステンとすっ転ぶ)」
新隊員B「お、おれ滑れた!あー曲がれっ!曲がれた!あ!(曲がった瞬間すっ転ぶ)」
追突や滑落防止のために張られたネットに、何人もの新人達が引っ掛かってジタバタしている。
まるで網にかかった魚のようだ。
僕「あはは~、大漁だなぁ(笑)
さあ、全員早く立って~。板並べてそうそう、がんば~♪」
新隊員C「…後ろ向きに滑ってる…っハッ( ゚д゚)その方がもしかして」
新隊員A「そうか、後ろ向きのほうが立ちやすい!よし!…ってウロコ板のせいで滑らない???」
僕「重心移動で後ろも滑れるよ♪ソリで装備とか運ぶし。滑るのが目的じゃないって言ったでしょ?いつものように雑嚢背負って小銃担いで行軍するためだから。
プルークと、横滑りが安定してできたら、背嚢背負ってもらおうかな~。
まずは、空身でも転ばないように特訓だねぇ(•᎑•)」
新隊員「「「は、はい!」」」
僕、雪国の山の中育ちだからか、雪上訓練好きです♪(o^^o)
イメージ画像
官品の白いスキー板と白いストック、防寒靴(革靴)、迷彩色の防寒着が陸上自衛隊スタイル。
冬季戦闘教育隊とは違い、季節限定数日間の訓練のため、ゴーグルや帽子、グローブは個人の物を使うことも多い。
元々入隊前からスキーの経験がある者も全く未経験の者も、官品のスキー板を履くとき必ず戸惑う。
まず、革紐で防寒靴に板を固定する。
一般的なスキーならば、ガッチリと足をホールドするスキーブーツに、ビンディング付のスキー板だろう。
しかし、陸上自衛隊では、半長靴を分厚くしたような革靴に、革紐を締めてスキー板に固定…固定とはいえ、踵が浮くような造りなのだ。
いわゆるスノーハイクスタイルだが、強いて言うなら、クロカンスキーか、バックカントリースキーのウォークモードのシステムが近いと言えるかも。
僕「え~、このスキーはウロコ板と言って斜面を登ることができる構造になっている。滑って遊ぶのが目的ではない。
雪中行軍で荷物も背負うし人を運ぶこともある。
あくまでも冬季の防衛業務の一環である…だから、スキー履いて動けるようにはなろうねぇ~。」
そう言って、僕は初心者コースの緩斜面を真っ直ぐ登ってみせた。
あ、今日の僕は新隊員(官品スキー初心者)の担当指導官です(•᎑•)
僕「はい。ではここまで登ってみようか。」
新隊員A「おお!登れる!面白い!」
新隊員B「本当だ。踵がフリーなのはこのためか!」
新隊員C「これ、どこでも行ける!」
スキー板で斜面を登るときはカニのように横歩きでちょこちょこするか逆ハの字で必死にスケーティングするかしか経験したことのない新隊員達は楽しそうに登っている。
体重移動さえ気をつければ、実はこのスキー板は登るほうが簡単なくらいなのだ。
僕「では、次。ここから滑って下山する。
ポイントは、ハの字、エッジ立てはスキーブーツと違って難しいから、体重移動で曲がるんだけど、まずはプルークか横滑りができたら合格。重心はデッドリフトのようにしてやや後ろである。」
そして、ゆっくり少しだけ滑って見せる。
新隊員A「う、動けない…。」
新隊員B「お、オレも…。いつも滑るみたいに脛に体重預けても革靴じゃ抑えが効かないから曲がれない。」
新隊員C「エッジが効かない…ってうわっ!(派手にすっ転ぶ)」
新隊員A「転んだらまた立つのが大変なんだよ…あっ!(ステンとすっ転ぶ)」
新隊員B「お、おれ滑れた!あー曲がれっ!曲がれた!あ!(曲がった瞬間すっ転ぶ)」
追突や滑落防止のために張られたネットに、何人もの新人達が引っ掛かってジタバタしている。
まるで網にかかった魚のようだ。
僕「あはは~、大漁だなぁ(笑)
さあ、全員早く立って~。板並べてそうそう、がんば~♪」
新隊員C「…後ろ向きに滑ってる…っハッ( ゚д゚)その方がもしかして」
新隊員A「そうか、後ろ向きのほうが立ちやすい!よし!…ってウロコ板のせいで滑らない???」
僕「重心移動で後ろも滑れるよ♪ソリで装備とか運ぶし。滑るのが目的じゃないって言ったでしょ?いつものように雑嚢背負って小銃担いで行軍するためだから。
プルークと、横滑りが安定してできたら、背嚢背負ってもらおうかな~。
まずは、空身でも転ばないように特訓だねぇ(•᎑•)」
新隊員「「「は、はい!」」」
僕、雪国の山の中育ちだからか、雪上訓練好きです♪(o^^o)
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