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淡雪 参内する
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謁見の間にて直江と伴に陛下に拝謁した。
陛下は小康状態を保たれているらしく、玉座にお座りになられていた。
幾分回復したとはいえ、五十路を過ぎた身ということでいつまた急変するかと周囲が騒がしい。
陛下もそれと感じているのか、久方ぶりに参内した直江を傍に呼ぶとしきりとなにかを切望しては、直江から”任に非ず”といわれていた。
あれ、堂堂巡りじゃん。
堂堂巡りするくらいの体力はあるんだから今すぐコロリとはいかないんじゃないか?
“早く終わらないかなぁ・・・”
うんざりしていたら、女官が僕に近づいてきた。
小さな声で後宮へと促されたので、僕はひとりで後宮へと足を向けた。
通常なら拝謁途中で陛下の御前を辞すなど無礼極まりないが、事前にそういう段取りだったので僕は静々と退出した。
女官に付き添われ後宮へと渡る。
後宮の入口では晴と九重が僕を待っていた。
茶褐色のシオン材を板張りをした壁には花鳥風月を描いた額が左右対になるように飾られ、床には緋色の絨毯が敷かれている。
少し行くと御簾が下ろされている部屋の前を通り過ぎた。
控室?それにしては中の人口密度多すぎじゃないかな。
すし詰めじゃん。
降ろされた御簾の向こうから“ほうっ”という女性のため息が洩れる。
皇后への挨拶のため渡殿を歩いていた僕は“よしっ”と心の中で歓声をあげた。
最初、晴達を伴に後宮に足を踏み入れたとき、その異様なまでのギラついた視線というか、値踏みするような視線に僕は内心たじろいた。
女性の粗を探るような目力の威圧は半端ない。
怖っ。
「供人を連れて上がるなんて、入内気取りではないの」
「何やらお持ちのようですけど、なんでございましょうか」
「ご実家のご領地や北のご領地の御品ではございませんの?この帝都に鄙びた物をお持ち込みされるとはねぇ」
「帝都に縁のない方ですから仕方のないことでは?」
「まことに・・・本朝三美人と噂ですがどこまで真実やら」
と囁く悪意ある声が御簾を通り越し漏れ聞こえてきた。
女の園って怖い。怖すぎるだろう。
意識が飛びそうなんだけど・・・けど、ここで倒れてなるかっ。
数日前の地獄の日々が脳裏に甦った。
参内に辺り急遽、宮中規範の講師が呼ばれ立ち居振る舞いについて講釈された。
参内するだけというのに、指先から足の運びの一つ、挨拶一つに果ては笑い方まで指導矯正されたのだ。
それだけでも目眩がしたというのにその傍らで宮中勢力は言うに及ばず、後宮の勢力背景まで三日三晩寝る暇も惜しんで叩き込まれたんだぞ。
半分脳が死んだよ。
あの地獄の日々は晴や九重も一緒だったからなんとか乗り切れたけど、僕ひとりだったら早々にブチ切れ、あれ以来、肌見放さず持っているあの護身薬を講師にぶっかけていたな。
ちなみにあの護身薬は痛みで目が真っ赤になることから「赤涙」という名前がついき、大公領では接近戦の武器扱いとなっている。
話はそれたけど、ここで負けたらあの血涙の努力が水の泡になると思うと踏ん張るしかなく、僕は、つと顔を向けるとちらりと視線をそちらに流した。
一斉に息を飲むのがわかった。
その虚を逃さず、僕は微笑みかけるだけではなく、優雅に慎み深く会釈した。
悪意に満ちた空気ががらりと変わる。
僕の仕草に御簾の中の女官達からため息がもれた。
「ご覧になられませ、お美しさが零れるようではございませんか」
「ほんに・・・大公様と並び立たれたお姿を想像するだけで何やら胸が熱くなりますわ」
「些か恐ろしいお噂はあれど、大公様も美丈夫ですものね。わかりますわ」
「その大公様ですけど、あの御方をお迎えになられそれはもう大切になさっておいでで、片時も離さないらしいわ」
「そうそう、此度など御子様をお望みとかで、宝珠を授かりにこらたとの噂で持ちきりとか」
「それ、私も聞きましたわ。なんでも強くお望みで、お二人揃って頂きに伺うらしいですわ」
な、なぜ話がそっちにいく。
いや、それよりその話がどうして後宮まで伝わっているんだよ。
情けないやら恥ずかしいやらで、かっと顔が紅くなった。
それを目ざとく見つけたのか、更に御簾の中が盛り上がっている。
悪事千里を走るというが、下世話な話は三千里を走るんじゃないか?
もう恥ずかしくて恥ずかしくて頭がくらくらしてきた。
一刻も早くこの場を去らないと羞恥で倒れてしまいそうだ。
早くこの場を離れたいが、先導する女官を追い抜くことができず、僕は紅くなった顔を俯き隠しながら謁見の場に赴いたのだった。
「西蓮寺直江が配、淡雪と申します。皇后様におかれましてはご健勝の由、お喜び申し上げます」
正面には紫檀の椅子に座された静皇后、左に朱夏貴妃、右に桜花貴妃が一段低い場所で座し、その他の妃嬪は左右に別れて立っている。
噎せ返るような香が部屋に漂っていた。
唯一の皇子の母である朱夏貴妃は噂に違わぬ艶やかさを持っており、後宮での勢力は皇后と二分する。
一方の静皇后は怜悧な顔立ちと思慮深さを感じさせる女性で背後には複数の有力貴族の後ろ盾があり、皇后という立場とその手腕で後宮を治めていた。
桜花貴妃は幾分ふくよかでおっとりとしているのと容姿から見受けられるが、朱夏貴妃と同等の貴妃位に就いていることから見た目どおりの性格ではないとのこと。
彼女たちを見ていると三竦みの絵図が浮かび、背中に嫌な汗が流れそうだ。
「そなたが来栖家の至宝といわれた淡雪殿か。大公とは仲睦まじいそうでなにより」
微笑んではいるが目が笑ってない。
絶対零度、全ての物を凍らせることのできる視線だよ~っ。
「ありがたく」
「彼の地は厳しき地故、大変ではないか」
「大公家の方々に良くして頂いておりますので」
「そうか。ならば重畳」
僕は晴に目配せをした。
「私から心ばかりの品ですが、お受取いただければと」
晴と九重がそれぞれをお付きの侍女に手渡した。
侍女からそれぞれの主へと渡り、披露された。
皇后は侍女が捧げ持った箱の中を見て寸の間目を輝かせた。
「この香は・・・まさか黄熟香か?」
「香道がご趣味とお伺いしましたので」
朱夏貴妃には瑠璃の玉を配した錦の帯飾り、桜花貴妃には五絃の螺鈿細工の施された紫檀の琵琶を献上した。
「朱夏貴妃様、そちら玉は朱夏貴妃様の国の王と同じ造りとなっております」
「王と」
懐かしさからか朱夏貴妃の白く細い指が愛おしいそうに撫でる。
「桜花貴妃様は琵琶の名手とお聞きしております。四絃は多々あれど、五絃の琵琶はめずらしいかと」
琵琶の弦を爪弾く
「ええ。細工といい音色といい素晴らしき琵琶ですわ。淡雪様、これほどの御品をいただいたからにはお礼をいたしたいのだけれど?」
何か嫌な予感がひしひしと・・・よし、断ろう。
「お気持ちだけで」
僕の言葉を遮るように朱夏貴妃が
「皇后様、桜花貴妃のいうことも一理かと」
「ふむ」
いやいや、そこは考えないで。
「淡雪殿、今しばらくここに留まりおくように。これほどのめずらかな品々、内内の鑑賞会を催すとしよう」
「はぁっ!?」
なにいってくれちゃってるんですか。
僕としては一刻も早くここを辞して、屋敷に帰参しだらけたいんだよ。
それに聞香や組香なんて年寄りくさい趣味はない。
全力で辞退しようと、
「ありがたいお心遣いですが・・・」
「誰ぞ、大公殿に伝言を」
「えっ、いや、待って」
「今宵の用意と淡雪殿のお部屋の支度を」
僕の意思などガン無視され、あれよあれよという間に部屋を賜わり後宮で過ごすことになった。
想定外以外の何者でもない辞退に僕は途方にくれたのだった・・・
陛下は小康状態を保たれているらしく、玉座にお座りになられていた。
幾分回復したとはいえ、五十路を過ぎた身ということでいつまた急変するかと周囲が騒がしい。
陛下もそれと感じているのか、久方ぶりに参内した直江を傍に呼ぶとしきりとなにかを切望しては、直江から”任に非ず”といわれていた。
あれ、堂堂巡りじゃん。
堂堂巡りするくらいの体力はあるんだから今すぐコロリとはいかないんじゃないか?
“早く終わらないかなぁ・・・”
うんざりしていたら、女官が僕に近づいてきた。
小さな声で後宮へと促されたので、僕はひとりで後宮へと足を向けた。
通常なら拝謁途中で陛下の御前を辞すなど無礼極まりないが、事前にそういう段取りだったので僕は静々と退出した。
女官に付き添われ後宮へと渡る。
後宮の入口では晴と九重が僕を待っていた。
茶褐色のシオン材を板張りをした壁には花鳥風月を描いた額が左右対になるように飾られ、床には緋色の絨毯が敷かれている。
少し行くと御簾が下ろされている部屋の前を通り過ぎた。
控室?それにしては中の人口密度多すぎじゃないかな。
すし詰めじゃん。
降ろされた御簾の向こうから“ほうっ”という女性のため息が洩れる。
皇后への挨拶のため渡殿を歩いていた僕は“よしっ”と心の中で歓声をあげた。
最初、晴達を伴に後宮に足を踏み入れたとき、その異様なまでのギラついた視線というか、値踏みするような視線に僕は内心たじろいた。
女性の粗を探るような目力の威圧は半端ない。
怖っ。
「供人を連れて上がるなんて、入内気取りではないの」
「何やらお持ちのようですけど、なんでございましょうか」
「ご実家のご領地や北のご領地の御品ではございませんの?この帝都に鄙びた物をお持ち込みされるとはねぇ」
「帝都に縁のない方ですから仕方のないことでは?」
「まことに・・・本朝三美人と噂ですがどこまで真実やら」
と囁く悪意ある声が御簾を通り越し漏れ聞こえてきた。
女の園って怖い。怖すぎるだろう。
意識が飛びそうなんだけど・・・けど、ここで倒れてなるかっ。
数日前の地獄の日々が脳裏に甦った。
参内に辺り急遽、宮中規範の講師が呼ばれ立ち居振る舞いについて講釈された。
参内するだけというのに、指先から足の運びの一つ、挨拶一つに果ては笑い方まで指導矯正されたのだ。
それだけでも目眩がしたというのにその傍らで宮中勢力は言うに及ばず、後宮の勢力背景まで三日三晩寝る暇も惜しんで叩き込まれたんだぞ。
半分脳が死んだよ。
あの地獄の日々は晴や九重も一緒だったからなんとか乗り切れたけど、僕ひとりだったら早々にブチ切れ、あれ以来、肌見放さず持っているあの護身薬を講師にぶっかけていたな。
ちなみにあの護身薬は痛みで目が真っ赤になることから「赤涙」という名前がついき、大公領では接近戦の武器扱いとなっている。
話はそれたけど、ここで負けたらあの血涙の努力が水の泡になると思うと踏ん張るしかなく、僕は、つと顔を向けるとちらりと視線をそちらに流した。
一斉に息を飲むのがわかった。
その虚を逃さず、僕は微笑みかけるだけではなく、優雅に慎み深く会釈した。
悪意に満ちた空気ががらりと変わる。
僕の仕草に御簾の中の女官達からため息がもれた。
「ご覧になられませ、お美しさが零れるようではございませんか」
「ほんに・・・大公様と並び立たれたお姿を想像するだけで何やら胸が熱くなりますわ」
「些か恐ろしいお噂はあれど、大公様も美丈夫ですものね。わかりますわ」
「その大公様ですけど、あの御方をお迎えになられそれはもう大切になさっておいでで、片時も離さないらしいわ」
「そうそう、此度など御子様をお望みとかで、宝珠を授かりにこらたとの噂で持ちきりとか」
「それ、私も聞きましたわ。なんでも強くお望みで、お二人揃って頂きに伺うらしいですわ」
な、なぜ話がそっちにいく。
いや、それよりその話がどうして後宮まで伝わっているんだよ。
情けないやら恥ずかしいやらで、かっと顔が紅くなった。
それを目ざとく見つけたのか、更に御簾の中が盛り上がっている。
悪事千里を走るというが、下世話な話は三千里を走るんじゃないか?
もう恥ずかしくて恥ずかしくて頭がくらくらしてきた。
一刻も早くこの場を去らないと羞恥で倒れてしまいそうだ。
早くこの場を離れたいが、先導する女官を追い抜くことができず、僕は紅くなった顔を俯き隠しながら謁見の場に赴いたのだった。
「西蓮寺直江が配、淡雪と申します。皇后様におかれましてはご健勝の由、お喜び申し上げます」
正面には紫檀の椅子に座された静皇后、左に朱夏貴妃、右に桜花貴妃が一段低い場所で座し、その他の妃嬪は左右に別れて立っている。
噎せ返るような香が部屋に漂っていた。
唯一の皇子の母である朱夏貴妃は噂に違わぬ艶やかさを持っており、後宮での勢力は皇后と二分する。
一方の静皇后は怜悧な顔立ちと思慮深さを感じさせる女性で背後には複数の有力貴族の後ろ盾があり、皇后という立場とその手腕で後宮を治めていた。
桜花貴妃は幾分ふくよかでおっとりとしているのと容姿から見受けられるが、朱夏貴妃と同等の貴妃位に就いていることから見た目どおりの性格ではないとのこと。
彼女たちを見ていると三竦みの絵図が浮かび、背中に嫌な汗が流れそうだ。
「そなたが来栖家の至宝といわれた淡雪殿か。大公とは仲睦まじいそうでなにより」
微笑んではいるが目が笑ってない。
絶対零度、全ての物を凍らせることのできる視線だよ~っ。
「ありがたく」
「彼の地は厳しき地故、大変ではないか」
「大公家の方々に良くして頂いておりますので」
「そうか。ならば重畳」
僕は晴に目配せをした。
「私から心ばかりの品ですが、お受取いただければと」
晴と九重がそれぞれをお付きの侍女に手渡した。
侍女からそれぞれの主へと渡り、披露された。
皇后は侍女が捧げ持った箱の中を見て寸の間目を輝かせた。
「この香は・・・まさか黄熟香か?」
「香道がご趣味とお伺いしましたので」
朱夏貴妃には瑠璃の玉を配した錦の帯飾り、桜花貴妃には五絃の螺鈿細工の施された紫檀の琵琶を献上した。
「朱夏貴妃様、そちら玉は朱夏貴妃様の国の王と同じ造りとなっております」
「王と」
懐かしさからか朱夏貴妃の白く細い指が愛おしいそうに撫でる。
「桜花貴妃様は琵琶の名手とお聞きしております。四絃は多々あれど、五絃の琵琶はめずらしいかと」
琵琶の弦を爪弾く
「ええ。細工といい音色といい素晴らしき琵琶ですわ。淡雪様、これほどの御品をいただいたからにはお礼をいたしたいのだけれど?」
何か嫌な予感がひしひしと・・・よし、断ろう。
「お気持ちだけで」
僕の言葉を遮るように朱夏貴妃が
「皇后様、桜花貴妃のいうことも一理かと」
「ふむ」
いやいや、そこは考えないで。
「淡雪殿、今しばらくここに留まりおくように。これほどのめずらかな品々、内内の鑑賞会を催すとしよう」
「はぁっ!?」
なにいってくれちゃってるんですか。
僕としては一刻も早くここを辞して、屋敷に帰参しだらけたいんだよ。
それに聞香や組香なんて年寄りくさい趣味はない。
全力で辞退しようと、
「ありがたいお心遣いですが・・・」
「誰ぞ、大公殿に伝言を」
「えっ、いや、待って」
「今宵の用意と淡雪殿のお部屋の支度を」
僕の意思などガン無視され、あれよあれよという間に部屋を賜わり後宮で過ごすことになった。
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