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淡雪、大公領に立つ
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大体、大公なんて若くて四十代後半、下手をすれば祖父と同年代なんじゃないか?
片や僕はもうすぐ成人となる十六歳。
親子ほど年の離れた人物、ましてや青髭鬼元帥と言われている男に嫁ぐって、何の罰だ。
絶対に嫌だと僕がゴネれば、父上は泣き落としに走り、僕が泣き落としに入ると父上が宥め賺したりとすったもんだしたしているうちに輿入れの日を迎えた。
垂髪を背半ばで緩く結び白地に淡い桜色の花を刺繍した準婚礼衣装ともいえるハイカラーの上着に同色無地のパンツを身に纏った僕は西蓮寺家の領地に向かうため馬車に揺られていた。
馬車の中は僕と都築が仏頂面で座っているせいか殺伐とした雰囲気だったが、それをものともせず、にこにこしながら窓の外を見ている晴は大物に違いない。
「淡雪様、花嫁がそんな表情をしちゃダメですよ」
晴よ、死地に赴く僕にどんな顔をしろと?
「とって食われるわけじゃないんですから」
「そうですね、食われるわけじゃありませんね。どちらかといえば、昇天させられる方ですね」
「イヤ~ん、都築さんのエッチ。昇天だなんて女の子の前でいっちゃダメです~それに淡雪様はまだ婚姻前なんですからね」
晴、お前は何を想像したんだよ。
ほら、見ろ。
都築が呆れ果てて脱力したじゃないか。
「西蓮寺家の領地って何が美味しいんでしょうね?」
「あの領地だけで採れる果物、茘枝が有名ですよ」
「さすが都築さん、伊達に30数年いきてませんね」
「晴、君は私の事を馬鹿にしているのかな?」
「そんなことありませんよ~年長者は敬わないといけませんもの。で、どんな味なんですか?」
「・・・馥郁たる香りにプリッとした実。口に入れると上品な甘さを含んだ果汁が口に広がるよ」
「楽しみです~お腹一杯食べましょうね、淡雪様」
晴を見ていたら鬱々としていた自分が何だか馬鹿らしくなった。
それは都築も同様でお互いにふっと笑いがでた。
「都築、頼りにしてるよ」
「お任せください、淡雪様」
うん?と訝しげに都築を見るとニヤリと不敵に笑った。
「要は早々に離縁されるかすればいいんですよ。着いた日に離縁は難しいでしょうが、婚礼迄の間に愛想を尽かされて破談にするか、何かしら弱みか瑕疵を見つけて離縁に持っていけば生きて帰れます。そのためにここは一つ、頑張りましょう、淡雪」
「絶対に弱みを握ってやる。都築も粗探しを頼んだよ」
「御意」
「あれ~何ですか、おふたりで意気投合しちゃって。怪しいです~」
「今日から僕と都築は一蓮托生、一心同体になったってこと」
「淡雪様、そこは同心協力でお願いします。私、淡雪様と運命を共にする気はありませんので」
「・・・」
こいつ、イマイチ信じられないな。
馬車は順調に進み、領地境に差し掛かったところで停まった。
なんだ?
都築も訝しげに外を伺っている。
馬車の窓からそっと盗み見ると前方に西蓮寺家からの護衛らしき一団が出迎えに来ていた。
先頭に立った隙のない武将が声高に
「来栖家の御家中の御一行と見受けます。我等、西蓮寺家より遣わされました者、これより我等が護衛し、当家までご案内いたします。御家中の方々はここでお引取り願いたい」
大公家の家紋を見せながら位高に言い放つその態度に我が家からついてきていた者たちがざわついた。
いくら大公家の家臣とはいえ、相手は同じ家臣。
指図される謂れはないと暗に態度で示し、場の空気が悪くなる。
「これは、また、たかが一武将がなかなかな物言いですね」
聞いていた都築もいい笑顔で皮肉る。
「余所者は去れって感じだよね」
「ええっ~、かっこいいですよ、あの武将。鎧姿が凛々しいです。都築さんと同じ位の年齢ですかね~淡雪様」
「晴、ちょっと静かにしなさい。それと、あの武将に比べると私の方が断然若いです。さて、どうしますか、淡雪様」
「ゴネたところで聞いてくれそうにもないよね、あれは」
「そうですね」
僕は一つため息をつくと
「皆、ご苦労だった。ここまででいいから帰りなさい」
「淡雪様」
「無駄な諍いは避けたいからね」
「くっ」
不満が残るのだろう。
「わかるけどさ、お前たち荒事向きじゃないよね。喧嘩したら負けるよ。だから引き上げようね」
と、笑顔に載せた。
長年侯爵家に仕えてきた者たちは表情ひとつで主の気持ちを理解する。
反対にできないと暇をだされるからね。
付いてきた者たちは渋々ながら踵を返していった。
「では、これより我等が先導させていただきます」
「よしなに」
「前へ進め」
馬車は再びカラカラと音をさせて動きだした。
「先行きが思いやられますね」
「そうだね。家中からして傍若無人だし、大公は推して知るべしといところかな」
「多分にそうでしょうね」
「ええっ?武将だから武骨なだけですよ、きっと」
「晴はボジティブだね」
「羨ましいくらいです」
「誉められちゃった~」
誉めてないから。
僕と都築は顔を見合わせると小さくため息をついた。
暫くすると森の中に差し掛かった。
木々の発する深緑の匂いに鼻をくすぐられ、ささくれていた気分が落ち着いてきた。
森の中でも道が整備されているのはさすが大公家の領地と感心していたところ、急に馬車の外が慌ただしくなった。
馬が嘶き、急に馬車が停まる。
「都築、もの凄く嫌な予感がするんだが・・・」
「私もです」
窓の外を覗いた晴の眉が寄り、顔が険しくなっている
「淡雪様、馬車の前に弓や武器を持った人が一杯います」
「な、なんだって!」
都築が晴を押し退けて窓から顔を出す。
「都築、外はどうなっているの⁉」
「一言でいえば、一触即発。こちらの倍の人数に囲まれてます。青髭公の元に嫁ぐ前に帰らぬ人になりそうな状況です」
「うそッ!何で?大公領だよ、ここ。領地安定してるって言ってたよね」
「ガセ情報だったみたいです。あの情報屋、今度シメときます」
「僕も生きてたら一緒にシメる」
「ええ、そうしましょう」
一気に外が騒然となり、タンタンと馬車に何が突き刺さる音がする。
窓の隙間から矢が入り、顔の真横に突き刺さった。
ひっ。
僕はゴクリと唾を飲み込んだ。
馬車の扉を抉じ開けようとしているのか一瞬扉が軋んだが、直ぐに「ぐはっ」と言う声がして軋むのが止んだ。
激しい金属音と怒声に僕らは生きた心地がしない。
身を寄せ合っていたが、一向に止む気配はなく、それどころか攻撃が激しくなる一方だった。
僕は意を決した。
「外に出て、隙をついて逃げるよ、都築、晴」
「えっ?無謀です~淡雪様」
「このまま馬車の中にいても助かる保証はないですね。なら、外に出て戦闘に紛れて逃げる方が助かる確率は高いです。味方が勝てば捜してくれるでしょうし」
都築が扉の前で外の様子に耳をそばだて逃げ出すチャンスを伺った。
「淡雪様、先に言っておきますが、私に武力は期待しないでくださいね」
「うん。暗躍専門の都築には期待してない」
「なにいってるんですか~おふたり共。ヤバくなったら金的一本、蹴り上げるんですよ、思いっきり~」
晴の言葉にぎょっとする。
「金的一本って・・・」
「この中で一番強いのは晴ですね」
同感です。
「では、イチ、ニのサンで行きますよ」
都築が大きく息を吸い合図をする。
「イチ、ニのサン、今です!」
僕たち3人は一気に馬車の外へと躍り出た。
そこは正に戦場だった。
怒声と剣がぶつかり合う金属音がそこここであがり、血の匂いが辺りを包んでいた。
「淡雪様、身を低くして」
都築の忠告に従い身を低くくして前に歩を進める。
弓が空気を引き裂き飛び交い、目の端に槍が繰り出されるのが映る。
立ち止まると動けなくなりそうで僕は前に進むことだけを考えた。
多勢に無勢、よく戦ってはいるがジリジリと大公家の兵達が押し込まれ、劣勢になっていくのが見てとれた。
このままあの兵達は討死するしかないのかと思ったとき、戦いの音とは別に近づいてくる蹄の音が聞こえた。
目を凝らすと葦毛の馬に跨った武将が単騎でこちらに駆けってきている。
近づくに連れその異様な容姿に目を奪われた。
靭やかな体躯に鎧を身を包んだその武将は鬼神を模した面頬で顔下半分を覆っていた。
その武将に気づいたのは敵も同じで、何本もの矢が射掛けられると武将は翻した身を馬体に隠し避け、そのまま僕の傍を駆け抜けて行く。
駆け抜ける刹那、目が合ったのは気のせいか。
武将は勇猛に敵の中に身を踊らせていくと敵が浮き足立った。
「今のうちです、淡雪様」
「淡雪様、早く~」
「ああ・・・」
僕は急ぎその場を後にした数十分のち、
背後で勝鬨が上がった・・・
片や僕はもうすぐ成人となる十六歳。
親子ほど年の離れた人物、ましてや青髭鬼元帥と言われている男に嫁ぐって、何の罰だ。
絶対に嫌だと僕がゴネれば、父上は泣き落としに走り、僕が泣き落としに入ると父上が宥め賺したりとすったもんだしたしているうちに輿入れの日を迎えた。
垂髪を背半ばで緩く結び白地に淡い桜色の花を刺繍した準婚礼衣装ともいえるハイカラーの上着に同色無地のパンツを身に纏った僕は西蓮寺家の領地に向かうため馬車に揺られていた。
馬車の中は僕と都築が仏頂面で座っているせいか殺伐とした雰囲気だったが、それをものともせず、にこにこしながら窓の外を見ている晴は大物に違いない。
「淡雪様、花嫁がそんな表情をしちゃダメですよ」
晴よ、死地に赴く僕にどんな顔をしろと?
「とって食われるわけじゃないんですから」
「そうですね、食われるわけじゃありませんね。どちらかといえば、昇天させられる方ですね」
「イヤ~ん、都築さんのエッチ。昇天だなんて女の子の前でいっちゃダメです~それに淡雪様はまだ婚姻前なんですからね」
晴、お前は何を想像したんだよ。
ほら、見ろ。
都築が呆れ果てて脱力したじゃないか。
「西蓮寺家の領地って何が美味しいんでしょうね?」
「あの領地だけで採れる果物、茘枝が有名ですよ」
「さすが都築さん、伊達に30数年いきてませんね」
「晴、君は私の事を馬鹿にしているのかな?」
「そんなことありませんよ~年長者は敬わないといけませんもの。で、どんな味なんですか?」
「・・・馥郁たる香りにプリッとした実。口に入れると上品な甘さを含んだ果汁が口に広がるよ」
「楽しみです~お腹一杯食べましょうね、淡雪様」
晴を見ていたら鬱々としていた自分が何だか馬鹿らしくなった。
それは都築も同様でお互いにふっと笑いがでた。
「都築、頼りにしてるよ」
「お任せください、淡雪様」
うん?と訝しげに都築を見るとニヤリと不敵に笑った。
「要は早々に離縁されるかすればいいんですよ。着いた日に離縁は難しいでしょうが、婚礼迄の間に愛想を尽かされて破談にするか、何かしら弱みか瑕疵を見つけて離縁に持っていけば生きて帰れます。そのためにここは一つ、頑張りましょう、淡雪」
「絶対に弱みを握ってやる。都築も粗探しを頼んだよ」
「御意」
「あれ~何ですか、おふたりで意気投合しちゃって。怪しいです~」
「今日から僕と都築は一蓮托生、一心同体になったってこと」
「淡雪様、そこは同心協力でお願いします。私、淡雪様と運命を共にする気はありませんので」
「・・・」
こいつ、イマイチ信じられないな。
馬車は順調に進み、領地境に差し掛かったところで停まった。
なんだ?
都築も訝しげに外を伺っている。
馬車の窓からそっと盗み見ると前方に西蓮寺家からの護衛らしき一団が出迎えに来ていた。
先頭に立った隙のない武将が声高に
「来栖家の御家中の御一行と見受けます。我等、西蓮寺家より遣わされました者、これより我等が護衛し、当家までご案内いたします。御家中の方々はここでお引取り願いたい」
大公家の家紋を見せながら位高に言い放つその態度に我が家からついてきていた者たちがざわついた。
いくら大公家の家臣とはいえ、相手は同じ家臣。
指図される謂れはないと暗に態度で示し、場の空気が悪くなる。
「これは、また、たかが一武将がなかなかな物言いですね」
聞いていた都築もいい笑顔で皮肉る。
「余所者は去れって感じだよね」
「ええっ~、かっこいいですよ、あの武将。鎧姿が凛々しいです。都築さんと同じ位の年齢ですかね~淡雪様」
「晴、ちょっと静かにしなさい。それと、あの武将に比べると私の方が断然若いです。さて、どうしますか、淡雪様」
「ゴネたところで聞いてくれそうにもないよね、あれは」
「そうですね」
僕は一つため息をつくと
「皆、ご苦労だった。ここまででいいから帰りなさい」
「淡雪様」
「無駄な諍いは避けたいからね」
「くっ」
不満が残るのだろう。
「わかるけどさ、お前たち荒事向きじゃないよね。喧嘩したら負けるよ。だから引き上げようね」
と、笑顔に載せた。
長年侯爵家に仕えてきた者たちは表情ひとつで主の気持ちを理解する。
反対にできないと暇をだされるからね。
付いてきた者たちは渋々ながら踵を返していった。
「では、これより我等が先導させていただきます」
「よしなに」
「前へ進め」
馬車は再びカラカラと音をさせて動きだした。
「先行きが思いやられますね」
「そうだね。家中からして傍若無人だし、大公は推して知るべしといところかな」
「多分にそうでしょうね」
「ええっ?武将だから武骨なだけですよ、きっと」
「晴はボジティブだね」
「羨ましいくらいです」
「誉められちゃった~」
誉めてないから。
僕と都築は顔を見合わせると小さくため息をついた。
暫くすると森の中に差し掛かった。
木々の発する深緑の匂いに鼻をくすぐられ、ささくれていた気分が落ち着いてきた。
森の中でも道が整備されているのはさすが大公家の領地と感心していたところ、急に馬車の外が慌ただしくなった。
馬が嘶き、急に馬車が停まる。
「都築、もの凄く嫌な予感がするんだが・・・」
「私もです」
窓の外を覗いた晴の眉が寄り、顔が険しくなっている
「淡雪様、馬車の前に弓や武器を持った人が一杯います」
「な、なんだって!」
都築が晴を押し退けて窓から顔を出す。
「都築、外はどうなっているの⁉」
「一言でいえば、一触即発。こちらの倍の人数に囲まれてます。青髭公の元に嫁ぐ前に帰らぬ人になりそうな状況です」
「うそッ!何で?大公領だよ、ここ。領地安定してるって言ってたよね」
「ガセ情報だったみたいです。あの情報屋、今度シメときます」
「僕も生きてたら一緒にシメる」
「ええ、そうしましょう」
一気に外が騒然となり、タンタンと馬車に何が突き刺さる音がする。
窓の隙間から矢が入り、顔の真横に突き刺さった。
ひっ。
僕はゴクリと唾を飲み込んだ。
馬車の扉を抉じ開けようとしているのか一瞬扉が軋んだが、直ぐに「ぐはっ」と言う声がして軋むのが止んだ。
激しい金属音と怒声に僕らは生きた心地がしない。
身を寄せ合っていたが、一向に止む気配はなく、それどころか攻撃が激しくなる一方だった。
僕は意を決した。
「外に出て、隙をついて逃げるよ、都築、晴」
「えっ?無謀です~淡雪様」
「このまま馬車の中にいても助かる保証はないですね。なら、外に出て戦闘に紛れて逃げる方が助かる確率は高いです。味方が勝てば捜してくれるでしょうし」
都築が扉の前で外の様子に耳をそばだて逃げ出すチャンスを伺った。
「淡雪様、先に言っておきますが、私に武力は期待しないでくださいね」
「うん。暗躍専門の都築には期待してない」
「なにいってるんですか~おふたり共。ヤバくなったら金的一本、蹴り上げるんですよ、思いっきり~」
晴の言葉にぎょっとする。
「金的一本って・・・」
「この中で一番強いのは晴ですね」
同感です。
「では、イチ、ニのサンで行きますよ」
都築が大きく息を吸い合図をする。
「イチ、ニのサン、今です!」
僕たち3人は一気に馬車の外へと躍り出た。
そこは正に戦場だった。
怒声と剣がぶつかり合う金属音がそこここであがり、血の匂いが辺りを包んでいた。
「淡雪様、身を低くして」
都築の忠告に従い身を低くくして前に歩を進める。
弓が空気を引き裂き飛び交い、目の端に槍が繰り出されるのが映る。
立ち止まると動けなくなりそうで僕は前に進むことだけを考えた。
多勢に無勢、よく戦ってはいるがジリジリと大公家の兵達が押し込まれ、劣勢になっていくのが見てとれた。
このままあの兵達は討死するしかないのかと思ったとき、戦いの音とは別に近づいてくる蹄の音が聞こえた。
目を凝らすと葦毛の馬に跨った武将が単騎でこちらに駆けってきている。
近づくに連れその異様な容姿に目を奪われた。
靭やかな体躯に鎧を身を包んだその武将は鬼神を模した面頬で顔下半分を覆っていた。
その武将に気づいたのは敵も同じで、何本もの矢が射掛けられると武将は翻した身を馬体に隠し避け、そのまま僕の傍を駆け抜けて行く。
駆け抜ける刹那、目が合ったのは気のせいか。
武将は勇猛に敵の中に身を踊らせていくと敵が浮き足立った。
「今のうちです、淡雪様」
「淡雪様、早く~」
「ああ・・・」
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