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神様だって間違えるし、快適に生活したい
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神無月。神様が一同に集いあれこれ決める月、所謂神様サミットも終盤。ある神様がとある酒場でため息混じりに飲んでいました。
「そりゃさ、間違った私が悪いよ。悪いけどさ、なにもあそこまでいわないでもいいと思うんだよ。神様に向かって、ドジ男、ボケサク、ヌケスケって酷くないか、うちの神使ってさ」
ウザい、面倒な客に当たったなと思いつつも神使の立場では無下にもできず、適当に流す。
「ちょっと傍線一本書き漏らして、本来は116才まで生きるはずが16才でコッチの世界に来ただけじゃん」
"いやいや、それ、ちょっとじゃないし。116才ってギネスに挑戦できるって”
「余った寿命どうするんですかって言われてもどうしょうもないじゃんか!燃えないゴミや資源ゴミに出せるなら出したい」
クダを巻く神様とバカなのこの神様と睥睨する神使の横では別の神様が鎮痛な面持ちで別の神使に絡んでいた。
「信心してくれるならお願いを叶えるのはやぶさかではないよ。けど、過ぎたるは及ばざるが如しだよ」
「はぁ・・・そうですね」
「お香を焚いてくれるのはいいよ。でもね、暗視ゴーグルかけないと周りが見えないとか、煙で目をヤられ、涙目になるってどうよ!しかも、お香の匂いが香害レベルで、3分いたら頭痛、吐き気がして気絶するからと御使達防毒マスクしてんだよ」
「暗視ゴーグルに防毒マスクって・・・さっさとお願い叶えちゃえばいいんじゃないですか?」
「叶えられるなら叶えてるよ、私だって。たけどね、そう簡単に寿命なんて延ばせないんだよ。余ってる寿命あればいいんだけど、その寿命が無いの!」
それを聞いた神使が隣の神使の肘を突っつく。
「寿命があればいいんですか?別世界のでも?」
「うん。そこはね何とかできるよ。曲がりなりにも神様だしさ」
ニタリ
「実はこちらの神様、余った寿命の使い道に困ってまして」
「こちらの神様は寿命が欲しいそうなんですよ」
神様同士、お互いに見つめ合うとおそるおそる
「頂けますか?」
「貰って頂けますか?」と白色玉を取り出す。
「貰いますというか、ぜひ頂きたいです!」
「差し上げます。いえ、貰って頂きたいです。そうとなれば、ちょっとこの寿命に加護付けときますね」
「あっ、なら私も付けておきます」
ふわふわとした白色の玉が虹色にキラキラと輝いた
「なら、さっそく」
「ええ」
眩いほどの光が溢れ、とある世界の地上に吸い込まれた・・・
その子は酷い難産の挙げ句、仮死状態で侯爵家に生まれた。医師がどう手を尽くそうと産声を上げず、周囲も諦め棺を用意し始めたときにようようヒィィィと蚊の鳴くような産声を上げた。普通の子より小さく、乳を飲んでは気道に詰まらせては死にかけ、風が吹けば低体温状態に陥り、気温が上がれば熱中症になり死にかける。このままでは育つまいと思われたが、母親は半狂乱でありとあらゆる神仏を信心し帰依した。香を炊く煙が火事と間違われ、30メートル先にいても香の匂いがし、屋敷の前を通るときは全速力で走り抜けるのが当たり前となった頃、ある僧侶が託宣を請けたと告げに来た。
何でも女の子、姫と育てれば無事に成長すると。
母親はその託宣に縋った。両の手を合わせ、姫として育て上げてみせるので、どうぞこのまま生かさせてくださいと。
一方、侯爵は・・・
病弱ここに極まれりの子供だ。成長するまいと思った。なので、侯爵は母親の気持ちを優先し、姫と育てることを許した。まさか、その子が無事に成長し、美姫の名を欲しいままにするとは思わずに・・・
「そりゃさ、間違った私が悪いよ。悪いけどさ、なにもあそこまでいわないでもいいと思うんだよ。神様に向かって、ドジ男、ボケサク、ヌケスケって酷くないか、うちの神使ってさ」
ウザい、面倒な客に当たったなと思いつつも神使の立場では無下にもできず、適当に流す。
「ちょっと傍線一本書き漏らして、本来は116才まで生きるはずが16才でコッチの世界に来ただけじゃん」
"いやいや、それ、ちょっとじゃないし。116才ってギネスに挑戦できるって”
「余った寿命どうするんですかって言われてもどうしょうもないじゃんか!燃えないゴミや資源ゴミに出せるなら出したい」
クダを巻く神様とバカなのこの神様と睥睨する神使の横では別の神様が鎮痛な面持ちで別の神使に絡んでいた。
「信心してくれるならお願いを叶えるのはやぶさかではないよ。けど、過ぎたるは及ばざるが如しだよ」
「はぁ・・・そうですね」
「お香を焚いてくれるのはいいよ。でもね、暗視ゴーグルかけないと周りが見えないとか、煙で目をヤられ、涙目になるってどうよ!しかも、お香の匂いが香害レベルで、3分いたら頭痛、吐き気がして気絶するからと御使達防毒マスクしてんだよ」
「暗視ゴーグルに防毒マスクって・・・さっさとお願い叶えちゃえばいいんじゃないですか?」
「叶えられるなら叶えてるよ、私だって。たけどね、そう簡単に寿命なんて延ばせないんだよ。余ってる寿命あればいいんだけど、その寿命が無いの!」
それを聞いた神使が隣の神使の肘を突っつく。
「寿命があればいいんですか?別世界のでも?」
「うん。そこはね何とかできるよ。曲がりなりにも神様だしさ」
ニタリ
「実はこちらの神様、余った寿命の使い道に困ってまして」
「こちらの神様は寿命が欲しいそうなんですよ」
神様同士、お互いに見つめ合うとおそるおそる
「頂けますか?」
「貰って頂けますか?」と白色玉を取り出す。
「貰いますというか、ぜひ頂きたいです!」
「差し上げます。いえ、貰って頂きたいです。そうとなれば、ちょっとこの寿命に加護付けときますね」
「あっ、なら私も付けておきます」
ふわふわとした白色の玉が虹色にキラキラと輝いた
「なら、さっそく」
「ええ」
眩いほどの光が溢れ、とある世界の地上に吸い込まれた・・・
その子は酷い難産の挙げ句、仮死状態で侯爵家に生まれた。医師がどう手を尽くそうと産声を上げず、周囲も諦め棺を用意し始めたときにようようヒィィィと蚊の鳴くような産声を上げた。普通の子より小さく、乳を飲んでは気道に詰まらせては死にかけ、風が吹けば低体温状態に陥り、気温が上がれば熱中症になり死にかける。このままでは育つまいと思われたが、母親は半狂乱でありとあらゆる神仏を信心し帰依した。香を炊く煙が火事と間違われ、30メートル先にいても香の匂いがし、屋敷の前を通るときは全速力で走り抜けるのが当たり前となった頃、ある僧侶が託宣を請けたと告げに来た。
何でも女の子、姫と育てれば無事に成長すると。
母親はその託宣に縋った。両の手を合わせ、姫として育て上げてみせるので、どうぞこのまま生かさせてくださいと。
一方、侯爵は・・・
病弱ここに極まれりの子供だ。成長するまいと思った。なので、侯爵は母親の気持ちを優先し、姫と育てることを許した。まさか、その子が無事に成長し、美姫の名を欲しいままにするとは思わずに・・・
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