33 / 40
2.聖女、仲間を得てやらかす
32.S級冒険者の邂逅3
しおりを挟む
トルトゥからイェーレブルー方面へ向かう旅馬車のルートはいくつかある。経由する村や町が異なるのだが、複数のルートで被る町を中心に女の行方を追った。
王都からトルトゥまでは旅馬車ならば道や天候にもよるがおおよそ二、三日。馬ならば一日とかからない距離だ。
すでに二週間ほど遅れを取っているとはいえ、移動速度を考えればどこかしらで追いつくはず、――と思っていたが、どうもうまくいかないままアスローに到着してしまった。
人目を避けて移動しているとはいえ、夏も間近のこの時期にフードを目深に被った人物は目立つ。その証拠に女らしき人物が立ち寄った村や町はこれまでにいくつかあった。
それらをつなぐと旅慣れていないせいか、地理がわからないせいか、御者によいカモにされて無駄に遠回りなルートを時折辿っているようだったので、おそらくどこかでヴィルが追い越してしまったのだろう。
「イェーレブルーに向かうならアスローは必ず通るだろうし、待つか……」
ここまでの旅路は南部へ向かう際の、悪路や魔物を蹴散らすような強行軍とは真逆と言ってよかった。借りた馬たちはみな絶好調で軽快に駆け、天候も強い風や急な豪雨が多くなる季節にしては穏やかで、魔物にも襲われることなくあまりにも順調すぎる旅路だった。
アスローの街でゆっくりしつつ、街道沿いの平原あたりを見回ればそのうち見つけられるだろう。
そう思った数日後、確かにヴィルは探していた女を見つけた。
見つけたというか、たまたま助けた新人冒険者が、女――クラシャナだった。
<穴熊>の老婆に確認した通り、王城から持ち出した調度品や衣類を売った金だけでは心許なかった旅費を稼ぐため、あとは身分証のために冒険者になったのだろう。
不慣れということを差し引いても頭を抱えたくなる有り様だったが。
武器も持たず、防具らしい防具もないのに手には何やら麻袋と草を大事に握りしめている。無防備が過ぎる。
「えーと……、危ないところを助けていただきありがとうございました」
「あー……、この辺はせめてもうちょい装備整えてからにしとけ、よ……?」
よく見れば王都で会ったときよりも顔色は悪く、頬はますますこけていた。冒険者というより病人といった方がよほどしっくりくる。
目の下の濃い隈がここまでの旅路の過酷さを物語っていた。
(確証はないとはいえ、危険でも王都で保護しておくべきだったか……)
「……初めまして、E級冒険者のクラシャナです」
自分の判断を後悔していたヴィルの内心など知らない女は、少し考えた後、改めて自己紹介をして頭を下げた。
普段、冒険者相手で名乗る必要がないことの多いヴィルである。そういえば名乗っていなかった、と遅れて気づいた。
たとえメンバーの顔を知らずとも、<北辰の牙>と聞けば冒険者であれば皆一様に尊敬や畏怖の目を向けるものだが、案の定シャナはきょとんと眼を瞬かせただけだった。
相変わらず世間知らずらしい。
平原で軽く指導した翌朝、筋肉痛で動けないと申し訳なさそうに頭を下げては痛みに呻くシャナに、ヴィルは内心で頭を抱えた。
なんだこのか弱い生き物は。
やはり王都ですぐに保護すべきだった。
シャナは聖女(仮定)としても冒険者としてもあまりに弱い。そのうえ装備も整っておらず、使える魔法も攻撃手段に乏しいものばかり。よくここまで一人で来られたものだといっそ感心したほどだ。
せめて自衛ぐらいはできるようになってもらわねば、道中もイェーレブルーに到着してからも目が離せそうにない。
その点、シャナの仲間というのが小さい頃からヴィル達の後をついて回る同郷のエドガーだったのは都合がよかった。
道中の食事にも期待が持てそうなのもありがたい。保存食には慣れているとはいえ、やはりまずいものはまずい。
+++
目覚めたシャナに何をしていたのか聞けば、あちらこちらに視線をさまよわせつつ「泳ぎたくなって……」だの、「趣味の滝登りを……」だのと言い出した。最終的に「魚だった前世を思い出して……」などと言い始めたあたりで止めた。
泳げない設定はどうした。
誤魔化すにももう少しあるだろうと呆れつつ、ヴィルが把握している国の状況とシャナの外見から、異世界のニホンから召喚された聖女だと予想していることを告げれば、今度はぼろぼろと泣き出したので大いに慌てることになった。
やっと落ち着いたところで、召喚されてからの話を聞くことができた。
「――つまり、召喚されてから特に説明も何もないままずっと閉じ込められていて、戦地に送られると知って王城から抜け出してここまで来た、と?」
「まぁ、そうなりますね」
シャナに出会ってから何度目かわからない頭痛を感じて額をおさえた。
資料室で課題として積んだ資料のうち、特に聖女に関する記載を食い入るように見ていたのもあって、嫌な予感はしていた。
伝え聞く聖女の武勇伝とはあまりにかけ離れたシャナの戦闘能力の低さや、世間知らずぶり――王家は一体なにをしているのか。いや、この場合は第二王子を傀儡としている公爵か。
どちらにせよ、ろくでもない。
「あ、お城では爛れ顔の化け物とかなんかいろいろ呼ばれてたけど、爛れてないから! ……これ! これ顔に貼るお肌のお手入れ用品なんだけど、これが剝がれかけちゃっただけだから!」
――普通、わざわざ膨大な魔力と高価な触媒を注ぎ込んで召喚した聖女が怪我をしていたなら、まずは治療する。
そうでなくても女が顔に怪我など、貴族からすれば大事だろうに治療どころか蔑むなど……。
ヴィルは頭痛がひどくなった気がして、額をおさえていた手をずらして目元を覆った。
ただ、シャナがこれ、と見せた干からびた生地は、確かに目鼻口がわかるだけに剥いだ顔の皮に見えなくもないとは思った。
「なんか客室? は豪華なお部屋だったけど毎回硬いパンと味のしないスープだけで……これがこの世界の普通の食事だったら生きてけないと思ったけど、街で白パンとか肉とか売ってるの見て安心したよね」
――貧しい農民でももっと良いものを食べている。
王城の食事をヴィルは知らないが、少なくともパンは毎日焼きたての柔らかい白パンだろうし、スープにも具材がふんだんに使われているはずだ。あと焼いた肉などのメインの皿もあるだろう。
町や村の食堂だってそれくらいの食事を提供しているのだから、王城の使用人も毎食それくらいが普通のはずだ。
初めて会ったときの顔色の悪さは精神的な疲労だけでなく、栄養失調も原因だったようだ。
話すうちに打ち解けたというより、気が抜けたらしいシャナは砕けた口調であはは、と笑う。
――もうやめてくれ。
正確な状況把握のため、その一言が言えないヴィルの精神をごりごりと削りながら、シャナの話は続いた。
王都からトルトゥまでは旅馬車ならば道や天候にもよるがおおよそ二、三日。馬ならば一日とかからない距離だ。
すでに二週間ほど遅れを取っているとはいえ、移動速度を考えればどこかしらで追いつくはず、――と思っていたが、どうもうまくいかないままアスローに到着してしまった。
人目を避けて移動しているとはいえ、夏も間近のこの時期にフードを目深に被った人物は目立つ。その証拠に女らしき人物が立ち寄った村や町はこれまでにいくつかあった。
それらをつなぐと旅慣れていないせいか、地理がわからないせいか、御者によいカモにされて無駄に遠回りなルートを時折辿っているようだったので、おそらくどこかでヴィルが追い越してしまったのだろう。
「イェーレブルーに向かうならアスローは必ず通るだろうし、待つか……」
ここまでの旅路は南部へ向かう際の、悪路や魔物を蹴散らすような強行軍とは真逆と言ってよかった。借りた馬たちはみな絶好調で軽快に駆け、天候も強い風や急な豪雨が多くなる季節にしては穏やかで、魔物にも襲われることなくあまりにも順調すぎる旅路だった。
アスローの街でゆっくりしつつ、街道沿いの平原あたりを見回ればそのうち見つけられるだろう。
そう思った数日後、確かにヴィルは探していた女を見つけた。
見つけたというか、たまたま助けた新人冒険者が、女――クラシャナだった。
<穴熊>の老婆に確認した通り、王城から持ち出した調度品や衣類を売った金だけでは心許なかった旅費を稼ぐため、あとは身分証のために冒険者になったのだろう。
不慣れということを差し引いても頭を抱えたくなる有り様だったが。
武器も持たず、防具らしい防具もないのに手には何やら麻袋と草を大事に握りしめている。無防備が過ぎる。
「えーと……、危ないところを助けていただきありがとうございました」
「あー……、この辺はせめてもうちょい装備整えてからにしとけ、よ……?」
よく見れば王都で会ったときよりも顔色は悪く、頬はますますこけていた。冒険者というより病人といった方がよほどしっくりくる。
目の下の濃い隈がここまでの旅路の過酷さを物語っていた。
(確証はないとはいえ、危険でも王都で保護しておくべきだったか……)
「……初めまして、E級冒険者のクラシャナです」
自分の判断を後悔していたヴィルの内心など知らない女は、少し考えた後、改めて自己紹介をして頭を下げた。
普段、冒険者相手で名乗る必要がないことの多いヴィルである。そういえば名乗っていなかった、と遅れて気づいた。
たとえメンバーの顔を知らずとも、<北辰の牙>と聞けば冒険者であれば皆一様に尊敬や畏怖の目を向けるものだが、案の定シャナはきょとんと眼を瞬かせただけだった。
相変わらず世間知らずらしい。
平原で軽く指導した翌朝、筋肉痛で動けないと申し訳なさそうに頭を下げては痛みに呻くシャナに、ヴィルは内心で頭を抱えた。
なんだこのか弱い生き物は。
やはり王都ですぐに保護すべきだった。
シャナは聖女(仮定)としても冒険者としてもあまりに弱い。そのうえ装備も整っておらず、使える魔法も攻撃手段に乏しいものばかり。よくここまで一人で来られたものだといっそ感心したほどだ。
せめて自衛ぐらいはできるようになってもらわねば、道中もイェーレブルーに到着してからも目が離せそうにない。
その点、シャナの仲間というのが小さい頃からヴィル達の後をついて回る同郷のエドガーだったのは都合がよかった。
道中の食事にも期待が持てそうなのもありがたい。保存食には慣れているとはいえ、やはりまずいものはまずい。
+++
目覚めたシャナに何をしていたのか聞けば、あちらこちらに視線をさまよわせつつ「泳ぎたくなって……」だの、「趣味の滝登りを……」だのと言い出した。最終的に「魚だった前世を思い出して……」などと言い始めたあたりで止めた。
泳げない設定はどうした。
誤魔化すにももう少しあるだろうと呆れつつ、ヴィルが把握している国の状況とシャナの外見から、異世界のニホンから召喚された聖女だと予想していることを告げれば、今度はぼろぼろと泣き出したので大いに慌てることになった。
やっと落ち着いたところで、召喚されてからの話を聞くことができた。
「――つまり、召喚されてから特に説明も何もないままずっと閉じ込められていて、戦地に送られると知って王城から抜け出してここまで来た、と?」
「まぁ、そうなりますね」
シャナに出会ってから何度目かわからない頭痛を感じて額をおさえた。
資料室で課題として積んだ資料のうち、特に聖女に関する記載を食い入るように見ていたのもあって、嫌な予感はしていた。
伝え聞く聖女の武勇伝とはあまりにかけ離れたシャナの戦闘能力の低さや、世間知らずぶり――王家は一体なにをしているのか。いや、この場合は第二王子を傀儡としている公爵か。
どちらにせよ、ろくでもない。
「あ、お城では爛れ顔の化け物とかなんかいろいろ呼ばれてたけど、爛れてないから! ……これ! これ顔に貼るお肌のお手入れ用品なんだけど、これが剝がれかけちゃっただけだから!」
――普通、わざわざ膨大な魔力と高価な触媒を注ぎ込んで召喚した聖女が怪我をしていたなら、まずは治療する。
そうでなくても女が顔に怪我など、貴族からすれば大事だろうに治療どころか蔑むなど……。
ヴィルは頭痛がひどくなった気がして、額をおさえていた手をずらして目元を覆った。
ただ、シャナがこれ、と見せた干からびた生地は、確かに目鼻口がわかるだけに剥いだ顔の皮に見えなくもないとは思った。
「なんか客室? は豪華なお部屋だったけど毎回硬いパンと味のしないスープだけで……これがこの世界の普通の食事だったら生きてけないと思ったけど、街で白パンとか肉とか売ってるの見て安心したよね」
――貧しい農民でももっと良いものを食べている。
王城の食事をヴィルは知らないが、少なくともパンは毎日焼きたての柔らかい白パンだろうし、スープにも具材がふんだんに使われているはずだ。あと焼いた肉などのメインの皿もあるだろう。
町や村の食堂だってそれくらいの食事を提供しているのだから、王城の使用人も毎食それくらいが普通のはずだ。
初めて会ったときの顔色の悪さは精神的な疲労だけでなく、栄養失調も原因だったようだ。
話すうちに打ち解けたというより、気が抜けたらしいシャナは砕けた口調であはは、と笑う。
――もうやめてくれ。
正確な状況把握のため、その一言が言えないヴィルの精神をごりごりと削りながら、シャナの話は続いた。
1
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】初めて嫁ぎ先に行ってみたら、私と同名の妻と嫡男がいました。さて、どうしましょうか?
との
恋愛
「なんかさぁ、おかしな噂聞いたんだけど」
結婚式の時から一度もあった事のない私の夫には、最近子供が産まれたらしい。
夫のストマック辺境伯から領地には来るなと言われていたアナベルだが、流石に放っておくわけにもいかず訪ねてみると、
えっ? アナベルって奥様がここに住んでる。
どう言う事? しかも私が毎月支援していたお金はどこに?
ーーーーーー
完結、予約投稿済みです。
R15は、今回も念の為

冷徹公に嫁いだ可哀想なお姫様
さくたろう
恋愛
役立たずだと家族から虐げられている半身不随の姫アンジェリカ。味方になってくれるのは従兄弟のノースだけだった。
ある日、姉のジュリエッタの代わりに大陸の覇者、冷徹公の異名を持つ王マイロ・カースに嫁ぐことになる。
恐ろしくて震えるアンジェリカだが、マイロは想像よりもはるかに優しい人だった。アンジェリカはマイロに心を開いていき、マイロもまた、心が美しいアンジェリカに癒されていく。
※小説家になろう様にも掲載しています
いつか設定を少し変えて、長編にしたいなぁと思っているお話ですが、ひとまず短編のまま投稿しました。
夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜
梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーレットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。
そんなシャーレットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。
実はシャーレットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーレットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーレットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。
悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。
しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーレットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーレットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーレットは図々しく居座る計画を立てる。
そんなある日、シャーレットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~
緑谷めい
恋愛
ドーラは金で買われたも同然の妻だった――
レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。
※ 全10話完結予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる