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1.聖女、召喚されたけど逃げる
9.旅支度
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カウンターの向こうから突き出される杖を避けつつ、荷物を換金したいと懸命に伝えた結果、なんとか店から追い出される事態は避けられた。異世界老婆の杖捌きは凄まじかった。
胡乱な目で空澄とカウンターに広げた荷物を見比べた老婆は、衣類と装飾品、調度品の検分を終える頃にはまたゆったりと間延びした口調に戻っていた。温度差に風邪をひきそうだ。
「ひひひひひ、お嬢ちゃぁん必要なもんは揃えてあげようねぇ」
「あ、ありがとうございます……。換金できるものは全てお願いします」
むしろ最初より猫撫で感が三割増しした声に、どうやら老婆のお眼鏡に適ったようだと一息つく。
金策している時間的余裕はないだろうし、行く先々で売っていては足がつく恐れもあるのですべて換金してしまうつもりだ。
「今着てんのも良い生地だいねぇ、女の一人旅ならもうちぃっと質の悪い男もんに変えた方が無難だよぉ」
こんなふうに、とカウンターの下の箱から引っ張り出されたのは着古した感のあるチュニックのような服だった。生成り色で飾り気のない、良く言えばシンプルなものだ。現代日本人の感覚では質素ともいう。
「じゃあこれも換金するので、着替えさせてもらっても良いですか?」
「いいよぉ、お嬢ちゃんは良いお客様だからねぇ。どれ、その間に荷物を用意してやろうねぇ」
老婆が差し出してくれたチュニックとシャツ、それに合わせたズボン、さらにフード付きの外套を受け取り、店の奥の物影で着替えさせてもらう。
お客様、という響きが<カモ>に聞こえた気がするが、きっと気のせいだろう。気にしていたら、なんかもう色々と追い付かない。
どれも質が悪いという言葉の通り、現代日本人の空澄には馴染みのないごわごわとした手触りのものだったが、生地自体は厚手で縫製もしっかりしており、旅装には適しているように思えた。
召喚時に着ていた肌着の上からシャツを被り、ズボンを履く。全体的に大きいが、紐で縛って留めればさほど気にならなくなった。
チュニックだと思ったものは前開きになっていて、裾の長いジレと言っても良いかもしれない。それも身につけた後、腰の低い位置で留め具のないベルトをぐるりと巻き付け留める。
なお、着替える前に思わずにおいを嗅いでしまったが、特に嫌な臭いはしなかったので抵抗なく着替えられた。多少かび臭いのは仕方がない。
「ありがとうございました」
「はいよぉ、こっちもできたよぉ」
外套を羽織ってから物陰から出て声をかければ、老婆はカウンターの上に衣服のほか、旅に必要な道具を積み上げていた。
脱いだ服も換金してもらうため老婆に手渡してから、用意された道具類を見る。ぱっと見でなんだかわかる物から、用途のわからないものまでさまざまだ。
「着替えと水筒、財布、ナイフ、夜営用のテントと寝袋、調理器具と食器類、保存食、とまぁだいたいはこんなもんかいねぇ」
一つ一つ指差しながら簡単に説明を受け、最後に大きな鞄と、ポーチのような鞄が一つずつ載せられた。どちらも革製で肩から斜め掛けするタイプの物らしい。
「この鞄ならテントも入るだろぉよぅ。こっちはいいもん売ってくれたからおまけだよぉ」
「ありがとうございます」
老婆にアドバイスを受けながら、大きな鞄に荷物を詰め込んだ。小さいポーチはナイフと水筒を詰める。
「金貨は使いにくいだろうから崩しといてあげたよぉ、ひひひ」
最後に換金したお金から、買うものの代金を差し引いたお金を受け取る。これは迷ってからポーチの底に押し込んだ。
防犯を考え、一度外套を脱いでから鞄を肩にかけた。不格好になるが、この荷物たちは空澄の生命線でもある。用心するに越したことはない。
装備が整ったことを確認してから、この際なので老婆から聞けることは聞いておく。王都に戻って来るつもりはないので、この老婆にももう会う事はないはずだ。だからカモにもならない。
「北部へ向かうにはどれくらいかかりますか?」
「天気次第だねぇ。一か月か、三か月か。それによって途中でかかる宿や飯の代金も膨らんじまう。お嬢ちゃんなら護衛付きの旅馬車がいいだろうし、だいたい銀貨三枚くらいで乗れるよぉ」
財布にしまった大小の銀色と銅色の硬貨を思い浮かべる。
「……足りないのでは?」
「ひひっ、足りないねぇ。途中で冒険者登録でもすりゃあ飯代ぐらいは稼げるよぉ」
冒険者。召喚やら聖女に次ぐファンタジックな響きである。それだけで少し気分が浮上した。
「まぁ戦闘手段がなけりゃ報酬の高い依頼は受けられないけどねぇ」
浮上した気分が沈んだ。乱高下である。
戦闘とは無縁の現代っ子の空澄だ。アラサーだが。
空手は習ったがあくまでそれは競技として。組み手と実戦は別物だ。
しかし老婆の口ぶりからするに低報酬の依頼もあるようだし、ひとまずは冒険者登録をしておいても良いかもしれない。
一応スキルに光魔法があったので、戦闘手段はあると言えばあるはずだ。使い方はわからないが。そしてイメージ的に補助系の魔法が多そうだが。
異世界物作品では冒険者証的なあれが身分証としても使えていたし、なにより冒険者という響きが良い。異世界感がぐっと増す。
なお、より異世界感強めな<職業:聖女>やら<称号:爛れ顔の聖女>については空澄自身に実感がなく、認めたら爛れまで認めることになりそうなので、見なかったことにした。現実逃避ではない。断じて。
「いろいろとありがとうございました」
「ひひ、達者でやんなよぉ」
老婆に馬車乗り場までの道を教えてもらい、空澄は外套のフードを深く被ってから店を後にした。
思ったよりも時間がかかっていたようで、大通りからは美味しそうなにおいと共に客引きの声が響いてくる。
朝市よりも空腹感を刺激する声とにおいに、脱出前にスープを飲んだきりの空澄の腹が切なく鳴いた。
今にも出発しそうな馬車に飛び乗る羽目になったが、王都の屋台はどこもなかなかレベルが高い、と空澄は膨らんだ腹を満足気に撫でた。
なお、睡眠不足と疲労にくわえ、初めての馬車で尻と三半規管をやられた空澄の末路は語るまでもない。
胡乱な目で空澄とカウンターに広げた荷物を見比べた老婆は、衣類と装飾品、調度品の検分を終える頃にはまたゆったりと間延びした口調に戻っていた。温度差に風邪をひきそうだ。
「ひひひひひ、お嬢ちゃぁん必要なもんは揃えてあげようねぇ」
「あ、ありがとうございます……。換金できるものは全てお願いします」
むしろ最初より猫撫で感が三割増しした声に、どうやら老婆のお眼鏡に適ったようだと一息つく。
金策している時間的余裕はないだろうし、行く先々で売っていては足がつく恐れもあるのですべて換金してしまうつもりだ。
「今着てんのも良い生地だいねぇ、女の一人旅ならもうちぃっと質の悪い男もんに変えた方が無難だよぉ」
こんなふうに、とカウンターの下の箱から引っ張り出されたのは着古した感のあるチュニックのような服だった。生成り色で飾り気のない、良く言えばシンプルなものだ。現代日本人の感覚では質素ともいう。
「じゃあこれも換金するので、着替えさせてもらっても良いですか?」
「いいよぉ、お嬢ちゃんは良いお客様だからねぇ。どれ、その間に荷物を用意してやろうねぇ」
老婆が差し出してくれたチュニックとシャツ、それに合わせたズボン、さらにフード付きの外套を受け取り、店の奥の物影で着替えさせてもらう。
お客様、という響きが<カモ>に聞こえた気がするが、きっと気のせいだろう。気にしていたら、なんかもう色々と追い付かない。
どれも質が悪いという言葉の通り、現代日本人の空澄には馴染みのないごわごわとした手触りのものだったが、生地自体は厚手で縫製もしっかりしており、旅装には適しているように思えた。
召喚時に着ていた肌着の上からシャツを被り、ズボンを履く。全体的に大きいが、紐で縛って留めればさほど気にならなくなった。
チュニックだと思ったものは前開きになっていて、裾の長いジレと言っても良いかもしれない。それも身につけた後、腰の低い位置で留め具のないベルトをぐるりと巻き付け留める。
なお、着替える前に思わずにおいを嗅いでしまったが、特に嫌な臭いはしなかったので抵抗なく着替えられた。多少かび臭いのは仕方がない。
「ありがとうございました」
「はいよぉ、こっちもできたよぉ」
外套を羽織ってから物陰から出て声をかければ、老婆はカウンターの上に衣服のほか、旅に必要な道具を積み上げていた。
脱いだ服も換金してもらうため老婆に手渡してから、用意された道具類を見る。ぱっと見でなんだかわかる物から、用途のわからないものまでさまざまだ。
「着替えと水筒、財布、ナイフ、夜営用のテントと寝袋、調理器具と食器類、保存食、とまぁだいたいはこんなもんかいねぇ」
一つ一つ指差しながら簡単に説明を受け、最後に大きな鞄と、ポーチのような鞄が一つずつ載せられた。どちらも革製で肩から斜め掛けするタイプの物らしい。
「この鞄ならテントも入るだろぉよぅ。こっちはいいもん売ってくれたからおまけだよぉ」
「ありがとうございます」
老婆にアドバイスを受けながら、大きな鞄に荷物を詰め込んだ。小さいポーチはナイフと水筒を詰める。
「金貨は使いにくいだろうから崩しといてあげたよぉ、ひひひ」
最後に換金したお金から、買うものの代金を差し引いたお金を受け取る。これは迷ってからポーチの底に押し込んだ。
防犯を考え、一度外套を脱いでから鞄を肩にかけた。不格好になるが、この荷物たちは空澄の生命線でもある。用心するに越したことはない。
装備が整ったことを確認してから、この際なので老婆から聞けることは聞いておく。王都に戻って来るつもりはないので、この老婆にももう会う事はないはずだ。だからカモにもならない。
「北部へ向かうにはどれくらいかかりますか?」
「天気次第だねぇ。一か月か、三か月か。それによって途中でかかる宿や飯の代金も膨らんじまう。お嬢ちゃんなら護衛付きの旅馬車がいいだろうし、だいたい銀貨三枚くらいで乗れるよぉ」
財布にしまった大小の銀色と銅色の硬貨を思い浮かべる。
「……足りないのでは?」
「ひひっ、足りないねぇ。途中で冒険者登録でもすりゃあ飯代ぐらいは稼げるよぉ」
冒険者。召喚やら聖女に次ぐファンタジックな響きである。それだけで少し気分が浮上した。
「まぁ戦闘手段がなけりゃ報酬の高い依頼は受けられないけどねぇ」
浮上した気分が沈んだ。乱高下である。
戦闘とは無縁の現代っ子の空澄だ。アラサーだが。
空手は習ったがあくまでそれは競技として。組み手と実戦は別物だ。
しかし老婆の口ぶりからするに低報酬の依頼もあるようだし、ひとまずは冒険者登録をしておいても良いかもしれない。
一応スキルに光魔法があったので、戦闘手段はあると言えばあるはずだ。使い方はわからないが。そしてイメージ的に補助系の魔法が多そうだが。
異世界物作品では冒険者証的なあれが身分証としても使えていたし、なにより冒険者という響きが良い。異世界感がぐっと増す。
なお、より異世界感強めな<職業:聖女>やら<称号:爛れ顔の聖女>については空澄自身に実感がなく、認めたら爛れまで認めることになりそうなので、見なかったことにした。現実逃避ではない。断じて。
「いろいろとありがとうございました」
「ひひ、達者でやんなよぉ」
老婆に馬車乗り場までの道を教えてもらい、空澄は外套のフードを深く被ってから店を後にした。
思ったよりも時間がかかっていたようで、大通りからは美味しそうなにおいと共に客引きの声が響いてくる。
朝市よりも空腹感を刺激する声とにおいに、脱出前にスープを飲んだきりの空澄の腹が切なく鳴いた。
今にも出発しそうな馬車に飛び乗る羽目になったが、王都の屋台はどこもなかなかレベルが高い、と空澄は膨らんだ腹を満足気に撫でた。
なお、睡眠不足と疲労にくわえ、初めての馬車で尻と三半規管をやられた空澄の末路は語るまでもない。
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