10 / 26
10 盗賊
しおりを挟む
「あの話はしたのかい?」
メイドが兄に聞く。
「まだだ」
あの話とはなんだろう?
「そう、、、」
疑問の目を兄に向ける。
「気にするな西カルボンの情勢の話だ」
なぜ今その話が出たのかがわからないが、、まぁそういうことなのだろう。
草原を進み、変わり映えしない景色と疲れでウトウトしていた時、馬車が突然止まった。
「ラースさんユーリさん盗賊です!」
出番か。
馬車を出ると既に御者に雇われた護衛が交戦していた。
「兄さん、本気出す。魔力切れたらなんとかしてください」
さっきは歩かないといけなかったから出し惜しみしていたのだ。
「しらねーよ」
そうは言ってるが兄ならなんとかしてくれる。
「『盲目』『麻痺』」
二つ同時にかける。もちろん全員にだ。
何人かにレジストされた感覚はあったが、効いたようだ。
その分ガッツリと魔力が抜ける感覚がした。
護衛と兄の逆襲が始まる。
レジストしたそれなりの強さであろう盗人は兄が相手をする。
僕の魔法が効いて伸びている人たちはなすすべなく馬車の護衛に縛られていっている。
「あなたの魔法すごいね」
護衛の人に褒められた。
「褒めるのはいいけど気を抜くんじゃないぞー」
別の護衛が言う。
いいね。フラグが立たない感じが。
「抜かないよ。今まで静かすぎて腕が鈍っていたとこなんだから」
女性なのにタフだな。
「おい」
後ろから兄に頭をつかまれる。
「なん「戻るぞ」」
なぜか不機嫌な感じだ。
兄に半強制的に連れ戻された。
「あまり他の人と話すな。殺されるぞ」
ん??意味がわからん。
助けを求めるようにメイドを見るが、なぜかニコニコしている。
メイドは意味がわかっているのだろうか?
メイドがニコニコしているおかげか、ピリピリした雰囲気とは少し違う。
魔力が減ったおかげもあり、また眠気が復活した。
馬車の揺れに合わせて船を漕ぐ。
「チッ!寝とけ」
また乱暴に頭を掴まれて膝の上に置かれる。
乱暴なのか優しいのか。
「まぁ」
膝枕スタイルを見てメイドが驚いているのだろうか、眠い頭では考えるのが辛い。
やはり兄の膝枕は怖いものですぐに落ちてしまった。
「仲がよろしいのですね」
「あったりめーだ」
今度は自分から起きた。
というよりも、起きるまで寝てもまだ着いていなかったのだ。
兄は壁にもたれながら寝ている。
兄さんも疲れてるんだな。
僕ばかりが楽をさせてもらって申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
僕も膝枕を、、、兄はそういうの嫌がるか。
今度なにか別の形で労ろう。
「んぅ、起きたのか?」
兄の膝から離れると兄も起きた。
メイドが兄に聞く。
「まだだ」
あの話とはなんだろう?
「そう、、、」
疑問の目を兄に向ける。
「気にするな西カルボンの情勢の話だ」
なぜ今その話が出たのかがわからないが、、まぁそういうことなのだろう。
草原を進み、変わり映えしない景色と疲れでウトウトしていた時、馬車が突然止まった。
「ラースさんユーリさん盗賊です!」
出番か。
馬車を出ると既に御者に雇われた護衛が交戦していた。
「兄さん、本気出す。魔力切れたらなんとかしてください」
さっきは歩かないといけなかったから出し惜しみしていたのだ。
「しらねーよ」
そうは言ってるが兄ならなんとかしてくれる。
「『盲目』『麻痺』」
二つ同時にかける。もちろん全員にだ。
何人かにレジストされた感覚はあったが、効いたようだ。
その分ガッツリと魔力が抜ける感覚がした。
護衛と兄の逆襲が始まる。
レジストしたそれなりの強さであろう盗人は兄が相手をする。
僕の魔法が効いて伸びている人たちはなすすべなく馬車の護衛に縛られていっている。
「あなたの魔法すごいね」
護衛の人に褒められた。
「褒めるのはいいけど気を抜くんじゃないぞー」
別の護衛が言う。
いいね。フラグが立たない感じが。
「抜かないよ。今まで静かすぎて腕が鈍っていたとこなんだから」
女性なのにタフだな。
「おい」
後ろから兄に頭をつかまれる。
「なん「戻るぞ」」
なぜか不機嫌な感じだ。
兄に半強制的に連れ戻された。
「あまり他の人と話すな。殺されるぞ」
ん??意味がわからん。
助けを求めるようにメイドを見るが、なぜかニコニコしている。
メイドは意味がわかっているのだろうか?
メイドがニコニコしているおかげか、ピリピリした雰囲気とは少し違う。
魔力が減ったおかげもあり、また眠気が復活した。
馬車の揺れに合わせて船を漕ぐ。
「チッ!寝とけ」
また乱暴に頭を掴まれて膝の上に置かれる。
乱暴なのか優しいのか。
「まぁ」
膝枕スタイルを見てメイドが驚いているのだろうか、眠い頭では考えるのが辛い。
やはり兄の膝枕は怖いものですぐに落ちてしまった。
「仲がよろしいのですね」
「あったりめーだ」
今度は自分から起きた。
というよりも、起きるまで寝てもまだ着いていなかったのだ。
兄は壁にもたれながら寝ている。
兄さんも疲れてるんだな。
僕ばかりが楽をさせてもらって申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
僕も膝枕を、、、兄はそういうの嫌がるか。
今度なにか別の形で労ろう。
「んぅ、起きたのか?」
兄の膝から離れると兄も起きた。
26
お気に入りに追加
964
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
乙女ゲームが俺のせいでバグだらけになった件について
はかまる
BL
異世界転生配属係の神様に間違えて何の関係もない乙女ゲームの悪役令状ポジションに転生させられた元男子高校生が、世界がバグだらけになった世界で頑張る話。
チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。
悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる