薬師、奴隷を買う、、、ん?奴隷に襲われるってどういうこと!?

さえ

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第三十六話 解放 (リク視点)

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リョウが薬事ギルドに呼び出されたらしい。
最近リョウといるのが普通だったから少し不安だ。昼食代として金貨一枚を置いていきやがった。
普通こんなに置いていくか?とリョウの金銭感覚が心配になる。

リョウがいねぇとやることがねーんだよな。こんなにもオレの生活、オレ自身がリョウに依存してたなんて。この感覚は寂しいという奴なのかもしれない。

無気力だ。まぁゆっくりさせてもらおう。














「ただいま」
昼過ぎにリョウが帰ってきた。結局オレは昼メシを食べずに寝ていた。


リョウが何かオレに言いたそうにじっと見つめてくる。目を合わそうとしたら逸らしてくる。
オレに隠し事かよ。残念からくるイライラ。

「んだよ」

「へ?」
なんてわかりやすい奴なんだ。

「チッ、言え」
リョウに薬事ギルドであったことを全て話させた。



フィリップ伯爵の名前が出た瞬間に何が起きたのか大方予想がついた。
オレの元主人、フィリップ伯爵が薬事ギルド長なんかしてるとは知らなかった。

オレの過去や有る事無い事を吹き込まれたようだ。

いらんことしやがって。
鵜呑みにしなかったリョウの好感度がさらに高くなる。

オレからも過去を少しだけ話した。
奴隷の話題になった時、
「解放して欲しい?」
と聞かれた。

してほしくない。いや、してくれてもいいんだが、リョウと離れたくない。
でもそんなことは言えない。

「まぁ、して欲しくねぇこともねーんだが。爵位も剥奪された今、突然解放されても生きてけねぇんだよ。お前が開業したらオレに金を払って雇え」

上手く言えた。




後日、リョウの店が開店の時本当に奴隷から解放されて雇われた。
生活自体はリクの名をもらったときから変わらないが、お金がもらえている。
たまに厄介な客もくるが店もうまくやれているだろう。

このなんの刺激もない日々を幸せと呼ぶのかもしれない。そんな生活を手に入れたのだ。あとはリョウを手に入れたい。
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