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第二十八話 昼食
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心地よいBGMが流れる店内。美味しそうな香りが充満している。
そんな場所にこのギラギラした指輪やらネックレスやらをつけたギルド長。派手すぎやしないだろうか。貴族ってみんなこんな感じなのか?
周りを見渡す。高貴そうな婦人や紳士が居るが、落ち着いていてなんだろう、、、シュッとしている。きっと貴族にも色々いるのだろう。
既に注文されていたようで、待つことなく少しずつ料理が出てくる。昼間っからコースだ。
「君を連れてきたのは、奴隷についての話をするためだ。ほら、居るだろう?」
リクのことだろうか?形上主人と奴隷の関係だが、人から奴隷奴隷と言われると気分は良くない。が、この世界では別に一般的で失礼でもなんでもないのだろう。
「ええ」
当たり障りのない返事をすることに決めた。
流石貴族御用達だけあって料理は美味いな。でも、肉に関しては、この前リクと行ったところの方が良い。
「単刀直入に言うとお前の奴隷は早く解放した方がいい」
元々解放するつもりではいたが、人から言われる筋合いはない。
「どうしてでしょうか?」
この国の奴隷文化は割と一般的ではある。別に奴隷を連れているから白い目で見られるなんてこともない。
「君の奴隷の過去を調べさせてもらった。ロクな過去を持っちゃいない。まぁ奴隷にまともな過去を持つ奴なんていないがな。君の奴隷は特にひどいね。殺人、放火、傷害に、、、犯罪盛りだくさんだな。よく死刑にならなかったぐらいだ。出自のおかげかな?最も、名前を剥奪された今は出自なんて関係ないだろうが」
確かに前の主人である貴族を傷つけたと聞いた。でも襲うなら買ってすぐに襲って、身ぐるみなり金なりを奪って逃げるだろう。何せ俺は奴隷紋の使い方すら知らなかったのだから。
「そんなこと突然言われても信用できませんし、経歴は関係ないですよ」
なぜか少しイライラしている。やっぱり言うことははっきり言おう。
「それもそうか、、、なら私が前の主人だと聞いても関係ない思えるか?」
リクって無闇に人を傷つけたりするように思えない。
「今の主人には関係ありません」
「君の奴隷、昔は貴族だった。だから過去の犯罪については疑わしいことが多い。貴族が他の貴族を潰すために冤罪を着せたりすることはよくあるからな。だから私も買うときは信じていなかった。ただ私があいつに傷つけられたのも事実なんだよ」
「解放はするつもりです。ただあなたの言うことは信用できません」
うまい飯も不味くなる。
「そうか、、、早めにしたほうがいい。お前の奴隷は男爵家だった。爵位は低いものの、しっかりと領地を持っていたりもしたんだ」
さっきからなんなんだよ。ネガティブなことを言いだしたと思ったら、いきなり同情するような口調でリクの過去を語り出す。
そんな場所にこのギラギラした指輪やらネックレスやらをつけたギルド長。派手すぎやしないだろうか。貴族ってみんなこんな感じなのか?
周りを見渡す。高貴そうな婦人や紳士が居るが、落ち着いていてなんだろう、、、シュッとしている。きっと貴族にも色々いるのだろう。
既に注文されていたようで、待つことなく少しずつ料理が出てくる。昼間っからコースだ。
「君を連れてきたのは、奴隷についての話をするためだ。ほら、居るだろう?」
リクのことだろうか?形上主人と奴隷の関係だが、人から奴隷奴隷と言われると気分は良くない。が、この世界では別に一般的で失礼でもなんでもないのだろう。
「ええ」
当たり障りのない返事をすることに決めた。
流石貴族御用達だけあって料理は美味いな。でも、肉に関しては、この前リクと行ったところの方が良い。
「単刀直入に言うとお前の奴隷は早く解放した方がいい」
元々解放するつもりではいたが、人から言われる筋合いはない。
「どうしてでしょうか?」
この国の奴隷文化は割と一般的ではある。別に奴隷を連れているから白い目で見られるなんてこともない。
「君の奴隷の過去を調べさせてもらった。ロクな過去を持っちゃいない。まぁ奴隷にまともな過去を持つ奴なんていないがな。君の奴隷は特にひどいね。殺人、放火、傷害に、、、犯罪盛りだくさんだな。よく死刑にならなかったぐらいだ。出自のおかげかな?最も、名前を剥奪された今は出自なんて関係ないだろうが」
確かに前の主人である貴族を傷つけたと聞いた。でも襲うなら買ってすぐに襲って、身ぐるみなり金なりを奪って逃げるだろう。何せ俺は奴隷紋の使い方すら知らなかったのだから。
「そんなこと突然言われても信用できませんし、経歴は関係ないですよ」
なぜか少しイライラしている。やっぱり言うことははっきり言おう。
「それもそうか、、、なら私が前の主人だと聞いても関係ない思えるか?」
リクって無闇に人を傷つけたりするように思えない。
「今の主人には関係ありません」
「君の奴隷、昔は貴族だった。だから過去の犯罪については疑わしいことが多い。貴族が他の貴族を潰すために冤罪を着せたりすることはよくあるからな。だから私も買うときは信じていなかった。ただ私があいつに傷つけられたのも事実なんだよ」
「解放はするつもりです。ただあなたの言うことは信用できません」
うまい飯も不味くなる。
「そうか、、、早めにしたほうがいい。お前の奴隷は男爵家だった。爵位は低いものの、しっかりと領地を持っていたりもしたんだ」
さっきからなんなんだよ。ネガティブなことを言いだしたと思ったら、いきなり同情するような口調でリクの過去を語り出す。
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