薬師、奴隷を買う、、、ん?奴隷に襲われるってどういうこと!?

さえ

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第十三話 誰かと食べるご飯は美味しい

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「いい時間だし、どこか美味しいところ知らない?」
リクに聞いてみる。

「知るかよ。冒険者ギルドの周りに食堂ぐらいいくらでもあるだろ。そもそも奴隷はまともな飯食わせてもらってねぇんだよ」

「そっか。じゃ肉にするか。なんか良いもの食べたいし」
もうリクの驚く顔は見慣れてきた。

俺は適当な店を見つけて、店に入った。

「いらっしゃいませ。2名様ですね」

「奴隷なのに一緒に入れるのか」
リクが耳打ちしてきたが、大丈夫だと伝えた。
リクの服装は俺とさして変わらない。強いて言うならボサボサの髪ぐらいが奴隷の名残か。
後で切ってやろう。変になるかもだけど。

「何が食べたい?」

「知らねー。なんでもいい」
基本冷たい態度にも慣れてきた。

「おすすめを2人分お願いします。それに合う飲み物もよろしく」
調子に乗って変な頼み方してしまった。


「お待たせしました。王都限定ステーキです。お好みで塩、胡椒、プレート上のワインベースのデミグラスソースをお使いください」
前世で言うファミレスみたいなプレートがスッと机の上に置かれる。
肉は霜降りとかではなく赤身だ。

「お飲み物はこちらになります。王宮料理人謹製白ワインです」
うわーまさかのお酒が来ちゃったよ。
まぁ飲めなくもないが。

「ありがとう」

結構美味しそうだ。




「それじゃ、乾杯」
俺はリクがグラスを持つのを見計らって乾杯を促した。

「えっ?おま、やっぱりそのつもりで俺を買ったのか!」

なんか怒らせてしまった?

「なんのこと?」

「今乾杯って、、、ははっ、そうだったなお前。なんの常識も知らないんだったな」

なぜか笑われた。

「乾杯って言うのはな?異性を遠回しに誘う言葉なんだよ」

異性を誘う!?それって、、、

赤面しているのを隠すためにワインを流し込んだ。


「けっ、結構美味しいじゃん」
俺は慌ててそう言った。

「はは、そうだな」
リクが肉をナイフとフォークでぎこちなく切り分けて食べる姿を見ると、複雑な環境で育ったことが理解できる。

「不快にさせた?」

「いや?正直、前の主人に比べたら少し、ほんの少しだけいいかもって思ったかも」

「そりゃどうも。ワイン飲める?」

「飲める。でも久し「ワインボトルごとお願いしまーす」」

さっきの一気飲みの酔いに任せて頼んでしまった。
でも肉に合うんだよなこれが。

パンにバターを塗り、口に運ぶ。
ふわふわで、パンの風味がしっかりしてて美味しい。

こんなに美味いのは久しぶりだ。

「ご馳走様」
しっかりと手を合わせて言う。

肉を食べ終え、久しぶりのお酒に結構酔った。

「宿に帰ろっか」

「ああ」

お会計は銀貨8枚ぐらいだった。

リクも満足そうだった。

「そういえば、戦闘用の装備も揃えなくちゃね。明日の予定はそれを買いに行って、早速冒険に出ようか」

「そうだな」
少し物腰が柔らかな気がする。リクも酔っているからだろうか?

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