襲ってください不良様!!

さえ

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第十話 イジメ?

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学校に着く。指定の駐輪所に自転車を停める。
「本当は禁止のはずなのに」
ついついボソッと言ってしまう。周りには誰もいない。

そこには禁止されているはずの単車が普通に止めてある。ナンバーは曲がっているし、マフラーは変な色だし。
免許取ってもこんなのには乗りたくないなあ。
寧ろヤンキー達が好むバイクをめちゃくちゃ綺麗に乗りたい。あれ、変に改造されて五月蝿くなってるけど、素はきっといいバイクなんだと思う。だから龍牙とかもいい乗り方だよね。節度を保った改造で。

節度もなにも龍牙の場合はそもそも無免なんだがな!
って自分にツッコミを入れてしまった。

「って言うか、普通入学式の次の日って学校あるか?」
ボヤきが止まらない。



廊下を歩く。誰にも絡まれませんように。トラブルを起こしたくないんだよ。

不本意にも暴走族か何かの頭を蹴り飛ばしたからか絡まれることはなかった。昨日も絡んできたのは龍牙と訳のわからん先生ぐらいだったもんな。

教室の扉に手をかける。
「あれ?」
建て付けが悪いのか?鍵を閉められているのか?
なんで?ついにイジメ発生?龍牙以外にイジメられるのは嫌なんだけど。俺はそんなイジメ望んでないんだけど。

え?悲しい。
思いっきり力を込める。

メキ、バンッ!

やっぱり建て付けが悪いだけだったのか。鍵はかかってなさそうだった。

「やっべチビった」
そう言って何人かが股間を押さえながら出ていった。
なんの話?

なぜかクラスの人らが目を合わせてくれない。
「アイツ今日絶対不機嫌だわ。気をつけんとぶっ飛ばされんぞ?」

俺のこと!?絡まれたくないとは思ってたけど、避けられたいとは思ってないんだけど。でも自分の蒔いた種で怖がられているなら仕方がないのかもしれない。

ちょっとショックを受けつつ自分の席に着く。

「おいお前、試しにアイツに話しかけてこいよ」
馬鹿なのか?どこかで誰かが誰かに唆される。
もちろん気分悪いし、唆される人が可哀想だ。
そんなこと、お互いに嫌な思いをする。

実際にこっちに歩いてくる。
髪の毛を染めていて一見ヤンキー。実際にヤンキー一味に加わっているみたいだし。ただ、こう見えて実は気の弱いやつかもしれない。
すごく気分は悪いが穏便に行こう。

「なんだ?」

「いや、あの、その、いい天気ですね」

コミュ障かよって思ったが気持ちは分かる。すごく分かる。多分、無理してるんだろな。あんな奴らと合わせるのに。そして、あんな奴らはあんな奴らで合わせてきてるって分かってるんだろな。
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