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第三十八話 窓口

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一筋縄にはいかなかったがなんとか船着場に着いた。

「ふぁー。やっとついたわ。私お腹減った」

「そうですね。座席が確保できたら夜ご飯にしましょうか」

窓口に向かう。

「大人四名でしょうか?自由席で大部屋の2等席、4~8人の個室の1等席、1~2人の特等席があります。現在特等席は1人部屋の空きひとつだけとなっております」

「仕方がないわね。本当は2人部屋の特等のつもりだったんだけど。ジャックとハスクさんも同じ部屋でいいかしら?レーコも仕方がないよね?」

「私はそうですね。仕方がないです」
やっぱり男性と同じ部屋は思うところが合うようだ。

「僕は別にいいですよ」
ジャックと居られればどこでもいい。

「俺はどこでもいい」
ジャックは少し嫌そうだったが一晩だけなので我慢してくれたみたいだ。

「では4人部屋の1等席をお願いします」

窓口の方が慣れた手つきでチケットを発行する。

「ついでに近くでご飯の美味しいところを聞いても?」

「そこを入った裏の宿はアリですよ。ただ、船の出発時刻は決まっておりますので遅れないように気をつけてくださいね」

受付で言われた宿屋で飯を済ませる。この町では道に迷うのがお約束なのかもしれない。距離にして100mも無かったはずだ。
帰り道も迷ったせいで余裕があったはずの時間はカップラーメンすら作れなくなっていた。
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