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第三十六話 砂漠出身
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「お客さんそろそろ発車しますよ?」
「わかりました」
そう言って元の馬車に乗る。
また乗り心地の悪い馬車が発車する。
「ハスクさんとジャックさんは先程のザークトの街出身なんですか?」
「いや、砂漠から来た」
「いやいや嘘でしょう。砂漠から来た人はそんな見た目してませんよ。本当ならもっと肌が焼けていますし」
「ハスクさんも?」
「はい。砂漠・・・です」
「言えない事情があるのですね」
それ以上会話が弾むことはなかった。
リーズが船を漕ぎ始め、ジャックが腕を組んで寝るまでに時間は掛からなかった。
寝ている2人に気を使い、話すこともなく、微かな眠気を覚える中レーシェルも眠りに落ちてしまった。
俺は前世ではありえないことをして神経が昂っているからか、単に悪魔だからかはわからないが眠りに落ちることはなかった。
ガタガタと揺れる車体。
隣に座るジャックはいつしか自分の肩に頭を預ける。
見た目以上に柔らかく、ふわふわな毛並みを持つ彼の耳が頬に当たる。
俺は正面に見える静かに眠る魔法使いと僧侶の後ろの夕日が刺す車窓を見ていた。
「俺は本当に異世界に来てしまったのだなぁ」
少し感傷的な気分になる。
呆けた時間を過ごすうちに日が地平線に隠れる。
もう街につくのだろうか、遠くに人間の光が見え隠れする。
「わかりました」
そう言って元の馬車に乗る。
また乗り心地の悪い馬車が発車する。
「ハスクさんとジャックさんは先程のザークトの街出身なんですか?」
「いや、砂漠から来た」
「いやいや嘘でしょう。砂漠から来た人はそんな見た目してませんよ。本当ならもっと肌が焼けていますし」
「ハスクさんも?」
「はい。砂漠・・・です」
「言えない事情があるのですね」
それ以上会話が弾むことはなかった。
リーズが船を漕ぎ始め、ジャックが腕を組んで寝るまでに時間は掛からなかった。
寝ている2人に気を使い、話すこともなく、微かな眠気を覚える中レーシェルも眠りに落ちてしまった。
俺は前世ではありえないことをして神経が昂っているからか、単に悪魔だからかはわからないが眠りに落ちることはなかった。
ガタガタと揺れる車体。
隣に座るジャックはいつしか自分の肩に頭を預ける。
見た目以上に柔らかく、ふわふわな毛並みを持つ彼の耳が頬に当たる。
俺は正面に見える静かに眠る魔法使いと僧侶の後ろの夕日が刺す車窓を見ていた。
「俺は本当に異世界に来てしまったのだなぁ」
少し感傷的な気分になる。
呆けた時間を過ごすうちに日が地平線に隠れる。
もう街につくのだろうか、遠くに人間の光が見え隠れする。
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