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第十話 戦い

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「だから早く逃げろと言っているd」

「危ないっ」
俺は次の攻撃が捕食であると予知した。

魔力を使いすぎてだるくなっている身体を走らせ獣人を突き飛ばす。そして自分も回避に移る。
回避はできたものの砂に潜り込むサンドワームの勢いに巻き込まれ吹き飛ばされた。
 空中で思考を巡らせる。確かディアベルに悪魔の能力ならなんでも使えると言っていた。「確か周囲の生命力を奪う能力があるとかいっていた」
決して綺麗とはいえない着地(落下)をした後、砂の中に潜むサンドワームの生命力を吸うことをイメージしながら砂に手をつこむ。

「さっきから死にてーのかお前は」

「どうやったらトドメをさせる?」
地面から少しずつサンドワームのものであろう生命力を吸う。さっきから思うのだが、サンドワームの生命力はエナジードリンクのような味がする。飲めなくはないが美味しくない。もちろん冷えてないし炭酸もない。

「あいつは頭部以外ならナイフでも刃が通るくらい柔らかい。地面から全身出ていれば俺でもトドメをさせる」

「分かった。地面から出せばいいんだな」
俺はそう答えてより生命力を吸い上げる。イメージはエナドリの一気飲みだ。

「うぉぇ」
胃は存在しないが胃に溜まる。胃もたれ待ったなしだ。

 一気に吸い上げられるのに辛くなったのかびっくりしたのかはわからないが、砂の中からサンドワームが勢いよく出てきた。
俺はさらに吸う。
サンドワームが砂上でのたうち回る。

「今だ!」

「分かってる」

獣人がナイフを抜きサンドワームののたうち回る体次々と傷をつける。
俺は獣人君から生命力を吸わないように注意しながら能力を使い続ける。

しばらくすると、生命力を吸われ尽くしたのか、失血したのかはわからないが動かなくなった。



「・・・怪我はねーか?」

「特に・・・獣人さんは?」

「俺はなんともねぇ。あのよ、その、助けてくれてありがとよ。
 あと、その獣人さんってのはやめろ。俺はジャックだ。あと俺は犬じゃねぇぞ。狼だ」
「ジャックさんですね。こちらこそ、助けていただいてありがとうございます」
「呼び捨てでいい」
「え?」
「呼び捨てにするか様付けで呼べ!あと硬い口調もいらん」
「ならお言葉に甘えて。僕はハスク・スヴァルトピレン」
俺は早速ディアベル・スヴァルトピレンにつけてもらった名前を名乗る。
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