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2章 スローライフ?(ハテナ)編
2 新生活
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「おいっ。なぁ?こりゃどういうことなんだよ?あ?」
「久しぶりに機嫌が悪いぞ」と騒ぎ始める雑踏。
アセナの背中で苦笑いしながら、まぁそう言われるのも仕方ないわなぁと、クリスには申し訳ないが助け舟を出さずにいる僕。というのも束の間、、、
「ひっひぃ」
引き攣った声が聞こえて、さすがにクリスが可哀想なのでアセナの前に割って入る。
「とりあえず、手紙に書かれているとおり事情を説明してくださいますか?」
「はっはい!」
アセナの威圧が晴れたので、クリスの不安も晴れたような表情になった。
窓口越しにある机の上の資料をゴソゴソと漁り出し、雪崩れていく書類に目も向けず一枚の紙を見つけ出す。
一瞬表情を曇らしたが、すぐに事務的に戻り、説明を始めた。
「はいっ!お二方はこの前北の森にある、誰も攻略したがらなかった迷宮をたった二人で攻略しましたよね。そのことについて国のギルド長が興味を持ったという感じですね」
断ろう。そう思った瞬間。
「怒らないでいただきたいのですが、断らないでくださいね!」
なんて言われて、こめかみがぴくついてしまった。
それにしても、、、、何か隠しているのか?
「もちろんですが、旅費や宿代はギルドが持ちますよ。内容は祝福や、表彰、歓迎などと書かれているので悪くはされないと思います」
ふーん、、、なんで全文読み上げないのだろう?
でもまぁタダでなら?行こうかな。
「まぁたまには、、、旅行がてら王都もいっか?」
「、、、勝手にしろ、ったく」
面倒と言えば面倒なのだ。
交通手段が少ないこの世界、王都までは馬車で行くことになるだろうが、時間はとてつもなくかかるだろう。
もちろんそれだけで疲れるし、王都はやはりその名前から連想されるとおり、人が集まっているだろう。それもまた疲れる。
「温泉、、、とも書かれてますね」
「温泉!?」
温泉と聞いて窓口に飛びかかってしまったが、アセナに首根っこ掴まれる。
「待て、王都に温泉はねぇ。なぁ、さっき何隠していやがる?」
「、、、、はぁ、私としたことが、、、王都から遠からずの位置に温泉街があるのはご存知ですよね?そこで一つ依頼、、、ええ指名依頼です。そちらを受けていただいてという内容になります」
なるほど。なんともひどい内容だ。
しかもギルドからの指名依頼は断れないに近い。
「ったくヨォ。んなことだろうと思ったけど」
どちらにせよ僕らには王都に行くという道しか残されていないらしい。
そうと決まれば準備だ。
ギルドにはいい馬車を用意してもらい、またまたグルタミンともう一頭別の馬を借りることとなった。
冒険者はフッ軽ではあるが、僕たちも例に漏れない。家の雨戸を閉めて、村の人に家の管理をお願いする。
1ヶ月2ヶ月はかかるだろうか?
しばしのスローライフ、さようなら。
お久しぶりです。冒険者生活。
「久しぶりに機嫌が悪いぞ」と騒ぎ始める雑踏。
アセナの背中で苦笑いしながら、まぁそう言われるのも仕方ないわなぁと、クリスには申し訳ないが助け舟を出さずにいる僕。というのも束の間、、、
「ひっひぃ」
引き攣った声が聞こえて、さすがにクリスが可哀想なのでアセナの前に割って入る。
「とりあえず、手紙に書かれているとおり事情を説明してくださいますか?」
「はっはい!」
アセナの威圧が晴れたので、クリスの不安も晴れたような表情になった。
窓口越しにある机の上の資料をゴソゴソと漁り出し、雪崩れていく書類に目も向けず一枚の紙を見つけ出す。
一瞬表情を曇らしたが、すぐに事務的に戻り、説明を始めた。
「はいっ!お二方はこの前北の森にある、誰も攻略したがらなかった迷宮をたった二人で攻略しましたよね。そのことについて国のギルド長が興味を持ったという感じですね」
断ろう。そう思った瞬間。
「怒らないでいただきたいのですが、断らないでくださいね!」
なんて言われて、こめかみがぴくついてしまった。
それにしても、、、、何か隠しているのか?
「もちろんですが、旅費や宿代はギルドが持ちますよ。内容は祝福や、表彰、歓迎などと書かれているので悪くはされないと思います」
ふーん、、、なんで全文読み上げないのだろう?
でもまぁタダでなら?行こうかな。
「まぁたまには、、、旅行がてら王都もいっか?」
「、、、勝手にしろ、ったく」
面倒と言えば面倒なのだ。
交通手段が少ないこの世界、王都までは馬車で行くことになるだろうが、時間はとてつもなくかかるだろう。
もちろんそれだけで疲れるし、王都はやはりその名前から連想されるとおり、人が集まっているだろう。それもまた疲れる。
「温泉、、、とも書かれてますね」
「温泉!?」
温泉と聞いて窓口に飛びかかってしまったが、アセナに首根っこ掴まれる。
「待て、王都に温泉はねぇ。なぁ、さっき何隠していやがる?」
「、、、、はぁ、私としたことが、、、王都から遠からずの位置に温泉街があるのはご存知ですよね?そこで一つ依頼、、、ええ指名依頼です。そちらを受けていただいてという内容になります」
なるほど。なんともひどい内容だ。
しかもギルドからの指名依頼は断れないに近い。
「ったくヨォ。んなことだろうと思ったけど」
どちらにせよ僕らには王都に行くという道しか残されていないらしい。
そうと決まれば準備だ。
ギルドにはいい馬車を用意してもらい、またまたグルタミンともう一頭別の馬を借りることとなった。
冒険者はフッ軽ではあるが、僕たちも例に漏れない。家の雨戸を閉めて、村の人に家の管理をお願いする。
1ヶ月2ヶ月はかかるだろうか?
しばしのスローライフ、さようなら。
お久しぶりです。冒険者生活。
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