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2章 スローライフ?(ハテナ)編

1 ダラダラ

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念願のスローライフもだいぶ慣れてきた。最近わかったのはスローライフ=ダラダラではないということだ。毎日変わらない余裕のある生活が続いていく。これがスローライフなのだと思う。だから、毎朝のランニングも欠かさないし、適度に冒険にも繰り出して収入を得て、食糧にしている。
冒険に出ない日、、、つまりは暇な日に、体力の塊である獣人と、それなりに体力の人間、二人がやること。まぁ言わなくてもわかることなので言わない。

そんな平和な日常はスタートから意外にも早く一時停止を喰らった。

「ん?」
手紙、、、

アセナ宛、ギルドのマークだよなこれ、、、封蝋。

あのツンデレ狼尻尾モフモフ獣人は僕のだぞ!!

って、僕宛のもあるじゃん、、、

重なっていたので早とちりしてしまった。

「アセナぁなんか手紙が来た」

「あぁんだよ、貸せ」
アセナ宛になっている方を渡す。

『アセナ殿(アキト殿)

北の森の迷宮制圧における活躍を非常に高く評価する。是非とも王都に一度顔を出してもらいたい。
詳細はシバフォレスト村のクリスティーナから

王都ギルド・総督ゴルド』


・・・・・・

「チッ」
同様の手紙なのだろう。アセナの舌打ちが静寂に響いた。

もらいたいと願望系になってはいるが、これは差出人を見る限りほぼ命令なのではないだろうか?

「行かなきゃ、、、いけないよね?」

「チッ、、、ああ」
本日2度目の舌打ちを頂きました。

「めんどくせぇ」
だよなぁ。

(シヴァフォレスト)村のギルドに関してはすぐに行けるので、外出の準備にかかる。

いつもお世話になっているクリスから話を聞けと、、、クリスに無理言って断ってもらおうか?なんて考えるうちに外出の準備なんてすぐに整う。




「おい何してる!早くしろ!置いてくぞ!」
考え事でぼうっとしてるうちにアセナは準備も整って玄関にいたようだった。

僕もすでに準備は整っているので慌てて家を飛び出る。

すでに10メートルほど先を進んでいたアセナに追いつき横に並んで歩く。
時間帯的には昼のはずだが、転生した頃に比べてあまり温度が上がりにくくなったこの頃。
サーと吹く風に少し冷気が含まれていたのでアセナに身を寄せた。
すでに長袖を着ているが、もう上着の必要な季節かもしれない。

そんなことを考えているうちに、'僕らの職場'なんて言い方が懐かしい冒険者ギルドに到着した。

もうお決まりの光景となった、アセナが乱暴に扉を開けてその後に僕が続く景色。「最近アセナのトゲが抜けたよね」なんてあちこちでコソコソと話す姿。ラルフとオスカーがいれば、「よっ!」と声をかけてくれる場所。

冒険者ギルドのこの感じが最近は気に入っている。
なのに本部からあんな呼び出しとは、、、由々しき事態なのでは?

いつもの受付嬢、クリスがいる受付台に一直線に向かい、アセナがその台をおもむろに叩いた。
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