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1章スローライフ準備編
53 閑話2
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街だー!
うん。たぶんこの国の中規模な街。平屋かせいぜい二階建ての木造しかないシバフォレスト村とは違う。ここには石造で三階建て、下手したら四階や地下も!?
とにかく久しぶりに村とは違う活気に満ち溢れた場所に来た。
「お、おい。はぐれるなよ」
ウキウキで歩くスピードが早くなったらアセナから注意を受けた。
物珍しい雑貨を扱う露店に、庶民的な服が着せられたマネキンの並ぶ店舗。
つい最近家というデカい買い物をしてしまったばかりではあるが、少しばかり財布の紐を緩めて散財するのも悪くはないのではないだろうか?
とはいえ自分で稼いだお金もあるが、今財布に入っているお金は大半はアセナが稼いだ分である。僕の一存で好きなように使えばアセナ様に愛想を尽かされるかもしれない。
そんなことになったら、、、
暗い感情に心が支配され、視線が下に向いた。
「あれは、、、」
アセナの目と同じ色をした宝石のストラップだ。
既に剣の鞘にはこの前迷宮で拾ったアセナのやつがついているが、これもまたアセナを感じられる品である。露店の店主の爺さんはは不景気そうに下を向いている。
でもお金は無駄に使わないんだった。
「ギルドに行こう?」
「チッ、、、気になるなら渡してあるの好きに使えやアホが」
「いや、、、いい」
必需品ではないのだから。
フンと何かわかったようなわかっていないような、そんな面持ちで露店に向かって歩いていく。
ポケットに手を突っ込んで、猫背に睨み顔というヤンキーを彷彿させるアセナが歩いていく姿はノシノシという言葉が相応しいだろう。
「おいジジィ。これ、いくらだ?」
並べられた琥珀色の宝石のついたストラップを、お爺さんの顔の前に持っていく。
「銀貨1枚」
目が開いてるのか開いていないのかわからないほど老いた顔を上げ、しゃがれた声でそう告げた。
「フン、はいこれ。そんな顔してたら誰も寄り付かねーぞ」
言われた通り銀貨一枚を爺さんに渡して僕のところへ戻ってきた。
「おい、それ、オレのだから。返せ。代わりにこれでも付けとけ」
僕の愛剣の鞘についていたアセナのストラップを指さしてそう言ってきた。
「ありがとう、アセナ」
別にこの何かの牙のストラップも無断でつけていたわけではないので、返せと言われたら返す。
アセナ曰くその牙は別に高いものではなかったらしい。らしいが、少し名残惜しい気もする。後付けではあるが、迷宮の始めであのストラップを見つけられたから、諦めることなく探せたんだと思ったり。もちろんあの時の精神状態にそこまで大きく作用したわけではないが、’今'思えばそんなふうに考えたりもするのだ。
そのキーホルダーを外してアセナに渡す。
「チッ、、、、これにでもつけとけ。そんな目で見るな」
そう言って今度は二人で建てた、、富や愛の象徴といえば大袈裟ではあるが、家のキーを渡してきた。
なんだか嬉しかった。
うん。たぶんこの国の中規模な街。平屋かせいぜい二階建ての木造しかないシバフォレスト村とは違う。ここには石造で三階建て、下手したら四階や地下も!?
とにかく久しぶりに村とは違う活気に満ち溢れた場所に来た。
「お、おい。はぐれるなよ」
ウキウキで歩くスピードが早くなったらアセナから注意を受けた。
物珍しい雑貨を扱う露店に、庶民的な服が着せられたマネキンの並ぶ店舗。
つい最近家というデカい買い物をしてしまったばかりではあるが、少しばかり財布の紐を緩めて散財するのも悪くはないのではないだろうか?
とはいえ自分で稼いだお金もあるが、今財布に入っているお金は大半はアセナが稼いだ分である。僕の一存で好きなように使えばアセナ様に愛想を尽かされるかもしれない。
そんなことになったら、、、
暗い感情に心が支配され、視線が下に向いた。
「あれは、、、」
アセナの目と同じ色をした宝石のストラップだ。
既に剣の鞘にはこの前迷宮で拾ったアセナのやつがついているが、これもまたアセナを感じられる品である。露店の店主の爺さんはは不景気そうに下を向いている。
でもお金は無駄に使わないんだった。
「ギルドに行こう?」
「チッ、、、気になるなら渡してあるの好きに使えやアホが」
「いや、、、いい」
必需品ではないのだから。
フンと何かわかったようなわかっていないような、そんな面持ちで露店に向かって歩いていく。
ポケットに手を突っ込んで、猫背に睨み顔というヤンキーを彷彿させるアセナが歩いていく姿はノシノシという言葉が相応しいだろう。
「おいジジィ。これ、いくらだ?」
並べられた琥珀色の宝石のついたストラップを、お爺さんの顔の前に持っていく。
「銀貨1枚」
目が開いてるのか開いていないのかわからないほど老いた顔を上げ、しゃがれた声でそう告げた。
「フン、はいこれ。そんな顔してたら誰も寄り付かねーぞ」
言われた通り銀貨一枚を爺さんに渡して僕のところへ戻ってきた。
「おい、それ、オレのだから。返せ。代わりにこれでも付けとけ」
僕の愛剣の鞘についていたアセナのストラップを指さしてそう言ってきた。
「ありがとう、アセナ」
別にこの何かの牙のストラップも無断でつけていたわけではないので、返せと言われたら返す。
アセナ曰くその牙は別に高いものではなかったらしい。らしいが、少し名残惜しい気もする。後付けではあるが、迷宮の始めであのストラップを見つけられたから、諦めることなく探せたんだと思ったり。もちろんあの時の精神状態にそこまで大きく作用したわけではないが、’今'思えばそんなふうに考えたりもするのだ。
そのキーホルダーを外してアセナに渡す。
「チッ、、、、これにでもつけとけ。そんな目で見るな」
そう言って今度は二人で建てた、、富や愛の象徴といえば大袈裟ではあるが、家のキーを渡してきた。
なんだか嬉しかった。
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