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1章スローライフ準備編
50 閑話1 獣人は胃袋を掴まれる
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アセナが狩ったボアとキャベツ、そして村で買った調味料と牛肉みたいな謎の肉。
謎の肉は謎の肉だ。僕の知らない生物の肉らしい。アセナ曰くこの辺りでは出会わないらしい。
何を作ろうか、
買っておいたエプロンに着替えて、キッチンに立つ。
「よし、やるぞー!」
腕を捲りながら気合を入れる。
「ヤるか」
突然の耳の幸せに身体を震わした。
「ヤらない!」
アセナが真後ろからもたれかかってくる。
僕の肩にアセナの頭が、、、
いいか?性欲と食欲は共存しないんだよ、という説法を説く気にはならなかった。
「お前がそそる姿をしてんのが悪りぃんだろ!」
そう言いながらも手元の邪魔はしてこない。
「そもそもお前、料理なんてできんのかよ」
「昔はやってた」
幸いにもこの世界でも調味料は同じだったり似ていたりで、なんとかはなりそうなのだ。
「ふーん」
草と焼いた肉だけ、という事態にはならないであろうことを察したアセナが興味を失ったような返事をする。
芯の周りにナイフを刺し切れ目を入れ、ついさっき買った鍋をぐつぐつさせて、芯を下にしてに沈める。記憶が正しければこうだ。
グツグツ
今のうちにこの謎肉とボアの肉を合い挽きのミンチにする。ハンバーグを作る手順でこねる。
あ、やっべ、キャベツが、、、、
クタクタになってしまう前に外側から一枚ずつ葉をベロンと剥がす。
そしてまた鍋に沈める。
これを数回。
葉の数だけハンバーグの種をこねる。
「この料理はこの世界でもあるのっかなぁ」
キャベツが芯だけになったら、一旦退けて冷ましておく。
そして今のうちにトメトやオネオンを切っておく。この地域ではトメトやオネオンなど少し鈍ったような名前だが、普通にトマトや玉ねぎで通じる。これはひょっとしたらひょっとしなくても極東の島国~なんでいうものが存在するかもしれない。
実際に軽く調べてみれば、なんとなく日本を感じるものが見つかる。僕のような転生者が持ち込んだものなのか、似たような気候、歴史で独自に発達したのかはわからないが一度しっかりと調べようと思う。
アセナもいるし特に帰りたいとは思っていないが。
それはいいとして、そろそろハンバーグの種もできたし、キャベツも冷めた。
この俵形のハンバーグをキャベツでそっと包む。破れないように気をつけて、爪楊枝のような木の杭で留める。
全ての肉を包み鍋に入れる。
余ったキャベツは一口ぐらいの大きさにしてまた鍋に入れる。
トマトも玉ねぎも入れてスパイスの類を感覚に任せて入れていく。塩、胡椒、出汁が出るとか言う謎の羽。
無水調理をしたいが、そんな高度なことできないので少しだけ水を入れて、蓋をする。
上に重しを載せて蒸気口を少し塞ぐ。これでなんちゃって圧力鍋ということにしよう。
中火、沸騰してる気がしたら弱火に変えて後はアセナを補給。
「なんだよ、」
後ろで僕に引っ付き回していたアセナに向かう。
抱きついて補給。
「あー幸せ」
「邪魔されて幸せとか気ぃ狂ってんじゃねぇのか?」
とか言いながらしっかりと腕を背中に回してくる。
僕より少し身長の高いアセナからキスが降ってくる。それを唇でキャッチする。
「もう少しだけ待ってね」
謎の肉は謎の肉だ。僕の知らない生物の肉らしい。アセナ曰くこの辺りでは出会わないらしい。
何を作ろうか、
買っておいたエプロンに着替えて、キッチンに立つ。
「よし、やるぞー!」
腕を捲りながら気合を入れる。
「ヤるか」
突然の耳の幸せに身体を震わした。
「ヤらない!」
アセナが真後ろからもたれかかってくる。
僕の肩にアセナの頭が、、、
いいか?性欲と食欲は共存しないんだよ、という説法を説く気にはならなかった。
「お前がそそる姿をしてんのが悪りぃんだろ!」
そう言いながらも手元の邪魔はしてこない。
「そもそもお前、料理なんてできんのかよ」
「昔はやってた」
幸いにもこの世界でも調味料は同じだったり似ていたりで、なんとかはなりそうなのだ。
「ふーん」
草と焼いた肉だけ、という事態にはならないであろうことを察したアセナが興味を失ったような返事をする。
芯の周りにナイフを刺し切れ目を入れ、ついさっき買った鍋をぐつぐつさせて、芯を下にしてに沈める。記憶が正しければこうだ。
グツグツ
今のうちにこの謎肉とボアの肉を合い挽きのミンチにする。ハンバーグを作る手順でこねる。
あ、やっべ、キャベツが、、、、
クタクタになってしまう前に外側から一枚ずつ葉をベロンと剥がす。
そしてまた鍋に沈める。
これを数回。
葉の数だけハンバーグの種をこねる。
「この料理はこの世界でもあるのっかなぁ」
キャベツが芯だけになったら、一旦退けて冷ましておく。
そして今のうちにトメトやオネオンを切っておく。この地域ではトメトやオネオンなど少し鈍ったような名前だが、普通にトマトや玉ねぎで通じる。これはひょっとしたらひょっとしなくても極東の島国~なんでいうものが存在するかもしれない。
実際に軽く調べてみれば、なんとなく日本を感じるものが見つかる。僕のような転生者が持ち込んだものなのか、似たような気候、歴史で独自に発達したのかはわからないが一度しっかりと調べようと思う。
アセナもいるし特に帰りたいとは思っていないが。
それはいいとして、そろそろハンバーグの種もできたし、キャベツも冷めた。
この俵形のハンバーグをキャベツでそっと包む。破れないように気をつけて、爪楊枝のような木の杭で留める。
全ての肉を包み鍋に入れる。
余ったキャベツは一口ぐらいの大きさにしてまた鍋に入れる。
トマトも玉ねぎも入れてスパイスの類を感覚に任せて入れていく。塩、胡椒、出汁が出るとか言う謎の羽。
無水調理をしたいが、そんな高度なことできないので少しだけ水を入れて、蓋をする。
上に重しを載せて蒸気口を少し塞ぐ。これでなんちゃって圧力鍋ということにしよう。
中火、沸騰してる気がしたら弱火に変えて後はアセナを補給。
「なんだよ、」
後ろで僕に引っ付き回していたアセナに向かう。
抱きついて補給。
「あー幸せ」
「邪魔されて幸せとか気ぃ狂ってんじゃねぇのか?」
とか言いながらしっかりと腕を背中に回してくる。
僕より少し身長の高いアセナからキスが降ってくる。それを唇でキャッチする。
「もう少しだけ待ってね」
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