33 / 65
1章スローライフ準備編
33 迷宮⑥
しおりを挟む
「はっ、雑魚が何匹集まろうと雑魚だっつーの、、、なぁお前あとどれだけ魔剣を持ってる?」
アセナらしい建前である。
「本数だと4本。ただ、使用回数はかなり限られてる」
既に何回か使ってしまったやつも含めての4本だ。
魔剣は剣と言いながらナイフぐらいの大きさだ。剣ぐらいの大きさのやつもあるが驚きの値段だ。
「お前水が少し使えたか?」
「はい、、、」
火に比べて魔力の消費も激しいしできることも少ない。
「余力は置いておいけ、出来るだけ水を出せ。そして風の魔剣が有れば貸せ」
アセナに風の魔剣を渡して、僕はただただ水を作ることに専念する。初期魔法の水玉だ。
「そ、ろそろ、か、も」
人が一人中に入れるぐらいの水玉ができた。
リットル換算にしたら500Lぐらいありそうだ。よくぞ、ここまで出せたと自分でも思う。
これで火の海2回は作れただろう。
「行くぞ!」
アセナが風を足に纏う。
「おっりゃーー!」
その足で水玉をスプラッシュさせた。
あれだけの水がまるで急流滑りの最後のように飛沫となって虫たちとトレントにかかる。
「次はこれだ!」
アセナがポケットから黄色の刀身を露わにさせた。あの典型的な柄は霹靂の一閃を弾けされることができる。
「なに!?」
いつも通りブーツに吸い込ませて放つのかと思ったら剣ごと敵へ投げた。
予想外は立て続けに起きた。
「はぁ、付与されしぃ、閃光よ。かいほーせよ。オレの一存にてその力を望まん。ライトニングロッド」
詠唱、、なのか?すごく面倒そうに言ってたし、絶対台本通りではないが発動した。
なるほど。水に電気か。
ならもう一度火で!
「ファイア」
炙る程度に火を放った。
電気分解された水素と酸素に着火して、、、
っていうのはあまり効果がなかったようだ。
でも殆どのモンスターは絶命してくれた。これでまたあの木に攻撃ができる。
「ア☆♪%#%」
ぐっ。脳に直接響くようなその音は焦りを掻き立ててくる。
「クソッ」
今ならあの根をかわして本体に攻撃を、、
「落ち着け!音に惑わされるな!」
踏み込みかけた足がそこに止まる。
狙いを定めて狭くなった視界が再びトレント全体を捉えようと広くなる。
「なに!?」
走って行こうとしたその道中で、何もないところから根が突然地中から突き出た。
「おい!避けろ!」
アセナに押されて右によろめく。
アセナは左へ飛ぶ。
かなり強く押されたせいで、地面に手をつくほどよろけたが、危機一髪の回避を遂げた。
元いた場所には根が針のように突き出ていた。
「相当お怒りのようだなぁ、おい」
アセナも相当焦って避けたのか片膝をついていたが、無事なようだ。
「ココからは俺'ら'のターンだな」
「うん」
先程同様、アセナの後ろを追いかけるように駆け出した。
アセナらしい建前である。
「本数だと4本。ただ、使用回数はかなり限られてる」
既に何回か使ってしまったやつも含めての4本だ。
魔剣は剣と言いながらナイフぐらいの大きさだ。剣ぐらいの大きさのやつもあるが驚きの値段だ。
「お前水が少し使えたか?」
「はい、、、」
火に比べて魔力の消費も激しいしできることも少ない。
「余力は置いておいけ、出来るだけ水を出せ。そして風の魔剣が有れば貸せ」
アセナに風の魔剣を渡して、僕はただただ水を作ることに専念する。初期魔法の水玉だ。
「そ、ろそろ、か、も」
人が一人中に入れるぐらいの水玉ができた。
リットル換算にしたら500Lぐらいありそうだ。よくぞ、ここまで出せたと自分でも思う。
これで火の海2回は作れただろう。
「行くぞ!」
アセナが風を足に纏う。
「おっりゃーー!」
その足で水玉をスプラッシュさせた。
あれだけの水がまるで急流滑りの最後のように飛沫となって虫たちとトレントにかかる。
「次はこれだ!」
アセナがポケットから黄色の刀身を露わにさせた。あの典型的な柄は霹靂の一閃を弾けされることができる。
「なに!?」
いつも通りブーツに吸い込ませて放つのかと思ったら剣ごと敵へ投げた。
予想外は立て続けに起きた。
「はぁ、付与されしぃ、閃光よ。かいほーせよ。オレの一存にてその力を望まん。ライトニングロッド」
詠唱、、なのか?すごく面倒そうに言ってたし、絶対台本通りではないが発動した。
なるほど。水に電気か。
ならもう一度火で!
「ファイア」
炙る程度に火を放った。
電気分解された水素と酸素に着火して、、、
っていうのはあまり効果がなかったようだ。
でも殆どのモンスターは絶命してくれた。これでまたあの木に攻撃ができる。
「ア☆♪%#%」
ぐっ。脳に直接響くようなその音は焦りを掻き立ててくる。
「クソッ」
今ならあの根をかわして本体に攻撃を、、
「落ち着け!音に惑わされるな!」
踏み込みかけた足がそこに止まる。
狙いを定めて狭くなった視界が再びトレント全体を捉えようと広くなる。
「なに!?」
走って行こうとしたその道中で、何もないところから根が突然地中から突き出た。
「おい!避けろ!」
アセナに押されて右によろめく。
アセナは左へ飛ぶ。
かなり強く押されたせいで、地面に手をつくほどよろけたが、危機一髪の回避を遂げた。
元いた場所には根が針のように突き出ていた。
「相当お怒りのようだなぁ、おい」
アセナも相当焦って避けたのか片膝をついていたが、無事なようだ。
「ココからは俺'ら'のターンだな」
「うん」
先程同様、アセナの後ろを追いかけるように駆け出した。
1
お気に入りに追加
294
あなたにおすすめの小説
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、新たな人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートの威力はすさまじくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる