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1章スローライフ準備編

30 迷宮③ 再会

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階層主の部屋が見えてきたところで、いきなりモンスターが集まり始めた。


まさか!階層主の部屋が閉まっているということは、、、


「ここまできて、待ては無理だ」
買っておいた魔剣を取り出し、最大の一撃を放つ。



雑魚が殲滅されていくのはまさにチート。
これぞ金の暴力、課金パワーみたいだ。




数で圧倒しようと集まったモンスターが一気に塵になる。
残った奴らは剣で仲間の元に連れて行く。

階層主の部屋まで一直線。はやる気持ちのせいで転けそうになった。
重そうに見えて意外と軽い扉を開ける。

「アセナ!!」





・・・・・・







「ははは、ついに幻覚まで見えてくらぁ」











想像以上に追い詰められていた。







アセナの気が階層主からこちらに逸れる。

相手の一撃が、、、


「危、、」
咄嗟に走るが間に合うか、、、スローモーションになる。

相手も瀕死だが最後の一撃をアセナに加えようとした。

「ありがとなぁ。そんな幻覚まで見せてくれてっ!!」

抜け殻のようになってしまったのかと思ったが、そうではなかったらしい。
しっかりと反応してトドメを刺した。

やっぱり村一番、、、最強の冒険者だけある。


「アセナ!!」
魔石を拾おうとしていたその背中に勢いよく抱きついた。





「うぉっ」
本当に僕のことは幻覚かと思っていたのだろうか?普段こんなのでよろめくはずのないアセナが膝をついた。



「倒したのに幻覚が消えねぇ。もうダメだこりゃ」

「本物だって!」
今まで何があったのかはわからなないが、身体的な負担より精神的な負担が大きかったようだ。

「ごめんなさい。もう師弟関係なんてやめよう」







「は、はははっ」
壊れないでくれ。







「付き合ってくれませんか?」






「お前ホンモノか?」
目の視点が合ってくる。

「何度もそう、、、うっぶ」

突然、口に蓋される。


すぐにアセナからの了承だと気がつく。


今度は積極的に受け入れる。
望んでいたアセナの温もりが全身に伝わり、口から脳を溶かされる。

「なんで来たんだよ。これじゃ意味ねぇじゃんかよ」

追い払うではなく、ニヤニヤと意地悪をする様に言われる。

「ダメだった?」

意地悪に聞き返す。

「べっ、別に、、、丁度手こずりはじめたところだし」
ボソボソと言われる。













「この迷宮は7層ある。もう戻るより突き進もう。お前の鍛錬のためにも」
ここにきて僕の鍛錬を引き合いに出された。

「制圧したいんだね」

「な!?お前のためだかんな!!!」

二人でなら百人力だ。



「次の階層に行く前に、一旦休憩しない?」
アセナは多分だがノンストップでここまで来た。そして僕もノンストップだった。

階層主が復活するまでは結構な時間がある。その間この部屋はセイフティエリアになる。

「一応回復のポーションとか、色々持ってきたよ」
マジックバッグをポケットから取り出し、アセナに渡す。


「おうよ、、、ありがとな」
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