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1章スローライフ準備編

13 別れ、出会

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朝起きるとそこにはもうアセナはいなかった。指名依頼に行ってしまったのだろう。
1週間ぐらいかかるそうな。

階段を降りて店に行くとミラ母さんは皿洗いをしていた。

「やっと起きたかいな」

「おはようございます、、、アセナは、、」

「早朝に、二日酔いだぁって言いながら出発したよ。アンタを頼むって言われたかんね!ちゃんと鍛錬とかは怠らないように!」
ヤッベ。もう既に朝のランニングの時間にしては遅すぎる。
が、今日は大工のオリさんとの打ち合わせに行こうと思っている。今からランニングして朝食を取ればいい時間になるだろう。

早速ランニングの服装に着替えて店の外に出た。
いつものように日の出を見ながらではなく、村人たちの活気ある営みも始まりつつある時間である。

「おはよう」

「おはようございますー」
村人たちからの挨拶に返しながら、いつものランニングスタートポイントへ向かう。

「お?アキトじゃん。おはよー」
そこには既にランニング中のラルフとオスカーがいた。

「おはようございますー」

「ちゃんと走ってるなんて偉いねぇ」
走っている最中のラルフに言われる。

「そういうラルフさんも走ってるじゃないですか」

「ちょっと心入れ替えようと思って」

「まぁ俺はなんかしゃーねーから走ってるって感じだな」
オスカーの方は部活みたいなノリのようだ。

「何周目ですか?」

「まだ一周、今二周目入ったところ。どう?一緒に走るか?」
どうしようかな、ついていけないかもしれない。

「安心しろって俺らもそんな飛ばさないからさ!いつも何周してるんだ?」

「三周です、、、最近始めたばかりで体力に自信が、、、」

「ならちょうどいいね。俺らもあと三周しよっか」

そう言われて連れられるように三人のランニングが始まった。
正直ペース配分とかすごくしんぱいだったが、この二人についていくと不思議と走り切れた。いつものようにアセナに置いて行かれる、なんてことはなかったし。

「なあなあ!今度一緒に冒険に行かねーか?」
走り終えた時、まだまだ体力があるであろう二人がそう誘ってくれた。

この二人と行って足手まといに成らないだろうか?でも一人で森に行くのはもっと怖い。

「いいの?僕なんかが」

「もちろんさ!いつ行く???」

具体的な日程は決めかねたが、絶対行こうということになった。二人も普段はあまり森へは行かないらしいが、3人でならって事で森でも海でもどこでも着いてきてくれると言ってくれた。


立ち話もそろそろかと思い、オリさんのところに行こうとすると、ついてくると言ってくれていたが、さすがに断った。二人も冒険しないと稼ぎがなくなってしまうからね。

この時、「あいつのところに一人で大丈夫かよ」などと二人が言っていたことを僕は知らない。
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