オオカミ獣人にスローライフの邪魔される ツンデレはやめてくれ!

さえ

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1章スローライフ準備編

11 依頼(アセナ視点)

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「アセナさん。指名依頼が入っています」

森から帰り、アキトが換金している間に受付嬢に呼び止められた。

そろそろではないかと思っていたが、やはりいつも通りの依頼が来た。
商人のお迎えと護衛。

その商人は近隣の村を回っているのだが、ワガママにも北の森を抜けてこの村に来たいと言う。

北の森は迷宮があったり、魔力溜まりで凶暴強大化した魔物などがいたりして非常に難易度が高い。
面倒なことこの上ないが、金払いがいい挙句、この村にはそれを受けられるのがオレしかいない。

「チッ」
その商人のおっさんはオレの気質をわかってか一切話しかけてこないから気楽は気楽である。

アキトを連れて行くにはオレの能力が足りない。この前連れて行ったのはまだ浅いところなのだ。だから置いていく。暫くはアキトとは離れ離れになってしまうだろう。それが何故か異様にイライラする。オレが働いている時にアキトは村でゆっくりするのかというイライラだと自己分析する。

「本当にいいの?アセナ?」
こう気安く話しかけてくれるのはアキトだ。

「いらねーよそんな端金。、、、オレ指名依頼がきた。だからしばらく出かける」

「え?連れ「連れてけねぇ」」
被せたせいかアキトが黙ってしまう。

「北の森だ。いずれは連れてってやるけどよ、まだ早ぇ」

「そっか。僕もっと強くなるね」
少し残念そうだが納得してくれた。

「はっ、いきがるなガキが」
純粋に楽しみだ。









「おかえんなさい。アセナ!アキトに怪我させてないでしょうね!!」

「させてねぇよババアが」

アキトは後ろで苦笑いしている。

「今日はここで食う」

「そうかい、ならシャワーでも浴びて待ってな」
先にオレがシャワーを浴びて、カウンターにアキトと並んで座る。

「酒、ミラ酒」

「僕はお茶を」

はいはいと言いながらテキパキと準備してくれる。
やっぱり食堂の店主だけあって酒も料理も味は確かだ。

出てきた酒でクッと喉を潤す。

「やっぱりここの酒、味は確かだな」

「当たり前よ。舐めたこと言ってると次は水だかんね!」
そんなことを話している間に料理が出てくる。

揚げ物に、パスタにパンだ。
冒険者仕様でどれも満足いく量が盛られている。

「えっ、、、」
何故かアキトは戸惑っているがこんなの冷めたら負けだ。温かいうちに美味しく食べきるのが一番いい。

「おら、お前もあやううえはやくくえ

アキトも覚悟が決まったのかガツガツと食い始める。
出会ったばかりの時は残しそうになっていたが、最近は食べ切れるようになってきているようだ。

全く食い物の量はどうでもいいが、酒が回ってきたからか雑魚冒険者が蔓延ることに苛立ちを思えた。そんな雑魚たちに比べたらなんてアキトは可愛いことか。素直に聞いて成長してくれるし。
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