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1章スローライフ準備編
6 アセナの部屋
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一間というよりも、屋根裏だから一フロア分の広さがある。そこそこ広い。
あまり生活感がなく、冒険者としてのグッズが実用的に置かれている程度だ。
シングルのベッドが唯一生活感を醸し出すぐらいか。
服も最低限、ブーツの手入れ用のクロスが干されていたり。でも散らかっている要素はない。冒険者が住む家!っていうお題で作られたモデルルームのようだ。
「ほんと、家具とか調度品ぐらい買えばいいのにね」
下からミラ母さんが二人分の料理を持って上がってきた。
僕とアセナの前、床の上にお盆をドンっと置かれる。
僕のには牛乳、、、アセナのはお茶だろうか?
僕もお茶がよかった、、、
「アンタはもっと大きくならなきゃいけないんだからサービスよ。飲んどきなさい。ちょっと待ってね。折りたたみのテーブル持ってくるから」
すぐにミラ母さんは持ってきてくれた。それを挟んでアセナと向かい合って食べた。
「明日はどうするの?」
冒険で間違い無いだろう。
「北の森に行く。平原や他の森より圧倒的に強いモンスターが多い」
つい最近、まともに魔法を使いはじめて、雑魚をやっと一掃する程度なのだ。早くないだろうか?
ただ、それでも剣や身のこなしも鍛錬のおかげがあって自信はある。そして何より、はじめてここに来た時、森だったのだ。
実は森では強いモンスターに出くわすことを最近知った。転移のお陰で出会いにくかっただけかもしれない。
ちなみに最近は転移を使っていない。そもそも必要ないというのもあるが、冒険者として戦う上では魔力の消費やあの酔いが相性悪い。さらに、この国の常識では、そうのような魔法には生涯の使用回数に上限があるとか、、、
つまりあの数字は使える回数だったらしい。
かなり使っちゃったけど大丈夫か?
「お待たせね。アセナのクサイベッドじゃ寝れないだろからね。しっかり干した布団持ってきたわよ。ベッドじゃないけど、敷いてよく眠るんだね!」
「はぁ?誰がクサイだこのババア!」
アセナからは体臭はしない。むしろたまにいい匂いがするぐらいだ。完全にミラさんが揶揄っているのだ。
布団は階段を上がってすぐのところに置いて行かれた。
なんか気まずい空気が流れる。
アセナのベッドは僕の真後ろである。
「スンスン」
やっぱりクサイとは程遠いと思う。
そこで自分でも何を思ったか分からないが、アセナの匂いが気になった。そんなクサイクサイ言われる理由が無いのはわかっているが、単に気になった。、
「スンスン」
「なっ!」
机を超えてアセナの首のところを嗅いでみた。
「全くクサくないよ?なんならむしろ、ほんのりいい匂いが、スンスン」
「なにしやがる!!!あ、あたりめーだ!」
そう言いながら自分で自分の匂いを嗅ぐ。
冒険帰りっということはアセナと同じだが、たぶん僕の方が臭っているだろう。獣人は鼻が効くらしいから申し訳ないとは思う。
僕もアセナみたいにいい匂いがすればいいのに。
一口牛乳を飲んで、溢れそうになった分を手の甲で拭う。
「オ、オレはシャワー浴びてくる。その間に布団でも好きなところに敷いとけ、んで寝とけ!死ね!」
この時、アセナのしっぽが異常に揺れていることに違和感はなかった。
あまり生活感がなく、冒険者としてのグッズが実用的に置かれている程度だ。
シングルのベッドが唯一生活感を醸し出すぐらいか。
服も最低限、ブーツの手入れ用のクロスが干されていたり。でも散らかっている要素はない。冒険者が住む家!っていうお題で作られたモデルルームのようだ。
「ほんと、家具とか調度品ぐらい買えばいいのにね」
下からミラ母さんが二人分の料理を持って上がってきた。
僕とアセナの前、床の上にお盆をドンっと置かれる。
僕のには牛乳、、、アセナのはお茶だろうか?
僕もお茶がよかった、、、
「アンタはもっと大きくならなきゃいけないんだからサービスよ。飲んどきなさい。ちょっと待ってね。折りたたみのテーブル持ってくるから」
すぐにミラ母さんは持ってきてくれた。それを挟んでアセナと向かい合って食べた。
「明日はどうするの?」
冒険で間違い無いだろう。
「北の森に行く。平原や他の森より圧倒的に強いモンスターが多い」
つい最近、まともに魔法を使いはじめて、雑魚をやっと一掃する程度なのだ。早くないだろうか?
ただ、それでも剣や身のこなしも鍛錬のおかげがあって自信はある。そして何より、はじめてここに来た時、森だったのだ。
実は森では強いモンスターに出くわすことを最近知った。転移のお陰で出会いにくかっただけかもしれない。
ちなみに最近は転移を使っていない。そもそも必要ないというのもあるが、冒険者として戦う上では魔力の消費やあの酔いが相性悪い。さらに、この国の常識では、そうのような魔法には生涯の使用回数に上限があるとか、、、
つまりあの数字は使える回数だったらしい。
かなり使っちゃったけど大丈夫か?
「お待たせね。アセナのクサイベッドじゃ寝れないだろからね。しっかり干した布団持ってきたわよ。ベッドじゃないけど、敷いてよく眠るんだね!」
「はぁ?誰がクサイだこのババア!」
アセナからは体臭はしない。むしろたまにいい匂いがするぐらいだ。完全にミラさんが揶揄っているのだ。
布団は階段を上がってすぐのところに置いて行かれた。
なんか気まずい空気が流れる。
アセナのベッドは僕の真後ろである。
「スンスン」
やっぱりクサイとは程遠いと思う。
そこで自分でも何を思ったか分からないが、アセナの匂いが気になった。そんなクサイクサイ言われる理由が無いのはわかっているが、単に気になった。、
「スンスン」
「なっ!」
机を超えてアセナの首のところを嗅いでみた。
「全くクサくないよ?なんならむしろ、ほんのりいい匂いが、スンスン」
「なにしやがる!!!あ、あたりめーだ!」
そう言いながら自分で自分の匂いを嗅ぐ。
冒険帰りっということはアセナと同じだが、たぶん僕の方が臭っているだろう。獣人は鼻が効くらしいから申し訳ないとは思う。
僕もアセナみたいにいい匂いがすればいいのに。
一口牛乳を飲んで、溢れそうになった分を手の甲で拭う。
「オ、オレはシャワー浴びてくる。その間に布団でも好きなところに敷いとけ、んで寝とけ!死ね!」
この時、アセナのしっぽが異常に揺れていることに違和感はなかった。
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