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62 君は俺のすべて
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「アリン、会いたかった……。」
リヒテルはアリンの腕を引っ張り上げるとそのままきつく抱きしめた。
「えっ、え……フェアンなの?本当に?」
抱きしめられたまま驚きで混乱してるアリンは何度もフェアンの背中を叩いた。
フェアンは抱きしめていた体をゆっくり離すと愛しい者を見るかのように優しい目でアリンを見つめた。
「フェアンだよ。アリン、待たせてしまってごめん。」
そのままアリンの頬や猫耳を優しく撫でていると後ろから大声が聞こえた。
「フェアン陛下!急に一人で飛び出すのおやめください!あなたの馬、速いんですから……。」
「タイラーすまないな。探していた大切な人が見つかったから、思わず。」
アリンは幸せそうに微笑むフェアンをしばらく見ていたが、二人の会話を聞いて咄嗟に一歩下がった。
「陛下ってフェアンが……?あれ、フェアンってリヒテル王子じゃなかったの……?」
不安そうに尻尾をユラユラ揺らしながら見上げるとフェアンは嬉しそうにアリンの左手薬指にキスをした。
「離れていた間の事、話したいことがたくさんあるんだ。アリン、今日君さえよければ家に行ってもいいかい?」
「えっ今から……僕はいいけど、えっと……レイとマーケットに来ていて荷物もあるし。その……」
アリンは困った顔でちらっとタイラーの方を見ると、タイラーはあぁ……と一言呟いた。
「こっちは大丈夫ですよ。でも念のため近くに見張りはつけさせてもらいますね。」
「ありがとう、タイラー。アリン、レイの方はこちらで説明しておくよ。荷物も運んでおく。」
それでいいかな?と尋ねるとアリンは何度も首を縦に振った。
―――
フェアンの馬に一緒に乗りノスティアの家に着くまで二人はお互いの体温を絡ませるように手をつないだままだった。
家に着き玄関の扉を閉めた途端、フェアンはまたアリンをきつく抱きしめた。
「会いたかった、アリン。俺の可愛いアリン……。」
アリンはフェアンの体温を感じると目を閉じその大きな背中に腕を回した。
「僕も……僕も会いたかった、ずっとずっと待ってた。」
閉じた瞳から涙が零れるとフェアンはその涙を指で掬った。
「アリン、この指輪も髪紐も……まだ俺を想ってくれてるのか?」
アリンが涙で濡れた瞳で微笑むとフェアンは顔をほころばせ優しくキスをした。
「んっ…フェアン、ちょっと待って、聞きたいことあるのっ。」
「ん……そうだな、じゃあ部屋に入ろう。」
そう言うとフェアンはキスをしたままアリンを横抱きで抱え部屋に入った。
アリンが入れる紅茶を飲みながらフェアンとアリンはたくさん話をした。離れてからの事、王になった際に改名して正式に『フェアン』になったこと、そしてお互いがどれだけ想いあっていたかということを。
「そんなことがあったんだね……。フェアン、ありがとう。僕のことを想っていてくれて……。」
「俺の方こそっ!アリン、俺は今後の人生は君と過ごしたいと思っているんだ。…一緒に来てくれないか?」
フェアンがアリンの両手を握りながら聞くとアリンはうつ向いたまま首を横に振った。
「フェアンは王様になったんだよ?僕じゃ一緒にいられない。子供もつくれないし、いくら獣人への差別がなくなったとしても僕があなたの恋人って知られたらフェアンが嫌な思いするかもしれないよ……。」
「子供のことは大丈夫。俺が王になった時に支持してくれた叔父に子供がいるんだ。ゆくゆくはその子が後継者になる予定だよ。それに実はもう知られているんだ。」
「え……なにが?」
「俺に好きな人がいるってこと。それが君だってことだよ。だから世継ぎもなにも言われない。大丈夫なんだよアリン。」
まさかそこまで考えていたとは知らずアリンは驚き目を見開いた。
「どうして、そこまでするの……。」
フェアンはアリンの言葉を聞くと座っていたソファをおり、アリンの目の前で片膝をついた。
「君が俺の全てだから。……アリン俺と結婚してください。」
リヒテルはアリンの腕を引っ張り上げるとそのままきつく抱きしめた。
「えっ、え……フェアンなの?本当に?」
抱きしめられたまま驚きで混乱してるアリンは何度もフェアンの背中を叩いた。
フェアンは抱きしめていた体をゆっくり離すと愛しい者を見るかのように優しい目でアリンを見つめた。
「フェアンだよ。アリン、待たせてしまってごめん。」
そのままアリンの頬や猫耳を優しく撫でていると後ろから大声が聞こえた。
「フェアン陛下!急に一人で飛び出すのおやめください!あなたの馬、速いんですから……。」
「タイラーすまないな。探していた大切な人が見つかったから、思わず。」
アリンは幸せそうに微笑むフェアンをしばらく見ていたが、二人の会話を聞いて咄嗟に一歩下がった。
「陛下ってフェアンが……?あれ、フェアンってリヒテル王子じゃなかったの……?」
不安そうに尻尾をユラユラ揺らしながら見上げるとフェアンは嬉しそうにアリンの左手薬指にキスをした。
「離れていた間の事、話したいことがたくさんあるんだ。アリン、今日君さえよければ家に行ってもいいかい?」
「えっ今から……僕はいいけど、えっと……レイとマーケットに来ていて荷物もあるし。その……」
アリンは困った顔でちらっとタイラーの方を見ると、タイラーはあぁ……と一言呟いた。
「こっちは大丈夫ですよ。でも念のため近くに見張りはつけさせてもらいますね。」
「ありがとう、タイラー。アリン、レイの方はこちらで説明しておくよ。荷物も運んでおく。」
それでいいかな?と尋ねるとアリンは何度も首を縦に振った。
―――
フェアンの馬に一緒に乗りノスティアの家に着くまで二人はお互いの体温を絡ませるように手をつないだままだった。
家に着き玄関の扉を閉めた途端、フェアンはまたアリンをきつく抱きしめた。
「会いたかった、アリン。俺の可愛いアリン……。」
アリンはフェアンの体温を感じると目を閉じその大きな背中に腕を回した。
「僕も……僕も会いたかった、ずっとずっと待ってた。」
閉じた瞳から涙が零れるとフェアンはその涙を指で掬った。
「アリン、この指輪も髪紐も……まだ俺を想ってくれてるのか?」
アリンが涙で濡れた瞳で微笑むとフェアンは顔をほころばせ優しくキスをした。
「んっ…フェアン、ちょっと待って、聞きたいことあるのっ。」
「ん……そうだな、じゃあ部屋に入ろう。」
そう言うとフェアンはキスをしたままアリンを横抱きで抱え部屋に入った。
アリンが入れる紅茶を飲みながらフェアンとアリンはたくさん話をした。離れてからの事、王になった際に改名して正式に『フェアン』になったこと、そしてお互いがどれだけ想いあっていたかということを。
「そんなことがあったんだね……。フェアン、ありがとう。僕のことを想っていてくれて……。」
「俺の方こそっ!アリン、俺は今後の人生は君と過ごしたいと思っているんだ。…一緒に来てくれないか?」
フェアンがアリンの両手を握りながら聞くとアリンはうつ向いたまま首を横に振った。
「フェアンは王様になったんだよ?僕じゃ一緒にいられない。子供もつくれないし、いくら獣人への差別がなくなったとしても僕があなたの恋人って知られたらフェアンが嫌な思いするかもしれないよ……。」
「子供のことは大丈夫。俺が王になった時に支持してくれた叔父に子供がいるんだ。ゆくゆくはその子が後継者になる予定だよ。それに実はもう知られているんだ。」
「え……なにが?」
「俺に好きな人がいるってこと。それが君だってことだよ。だから世継ぎもなにも言われない。大丈夫なんだよアリン。」
まさかそこまで考えていたとは知らずアリンは驚き目を見開いた。
「どうして、そこまでするの……。」
フェアンはアリンの言葉を聞くと座っていたソファをおり、アリンの目の前で片膝をついた。
「君が俺の全てだから。……アリン俺と結婚してください。」
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