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27初仕事
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「ジュリです、今日からよろしくお願いします!」
「あぁ、あんたが勇者様が言ってたジュリだね。私はここの寮母をしてるレベッカ。さっそく今日の昼食の仕込みから働いてもらうからね」
「はい!」
ここは、騎士団員がいつも訓練している中庭近くにある寮。二階建ての建物で、結婚をしていない騎士団員はこの寮で暮らしている。
白髪交じりの髪の毛を後ろでお団子にし、グレーのロングワンピースに白のエプロンを着ているレベッカはここの寮母である。大柄で縦も横もジュリよりはるかに大きいが、れっきとした女性だ。
ジュリは今日からこの寮で働くことになった。
というのも、この寮は以前まではレベッカともう一人の寮母二人で切り盛りしていたが、国王が亡くなり魔族に襲われる事件が発生してから一人辞めてしまい、今はレベッカだけでこの寮の仕事をしているのだ。
レベッカもう年だ。いくら年齢の割に若々しく元気だと言っても、若い食欲旺盛な騎士団員の食事を毎日一人で作るのは体力的にも精神的にも大変だ。そこに調度「働きたい」ジュリが現れたのだ。
仕事内容は主に昼食の準備、後片付けと夕食の仕込み。騎士団員が午前の訓練をしている間に調理や食器の準備、昼食が終わったら皿洗いと、夕食の下処理の手伝いだ。
ジュリは早速レベッカと共に調理場へ向かった。
「あんた、料理はしたことあるの?」
「あっ、はい。弟がいるので簡単な料理なら……」
「そう、じゃあ期待してるわね。騎士団員に作る料理は栄養はもちろんだけど、何より”量”だよ!みんなお腹減らしてここに帰ってくるからね。たくさん食べさせてあげないと!」
この日の昼食はカツサンドと野菜のスープ。カツサンドに使う食パンは、王国一のパン屋から取り寄せている一級品だ。
大型の冷蔵庫から野菜を大量に取り出すと、その中から人参と包丁をジュリに手渡した。
「こんなに、たくさん使うの……!?」
「当り前じゃない!ほらほら早く、間に合わないわよ!」
そう言いながらレベッカは凄い速さでキャベツを千切りにしていく。
ジュリもそれに追いつくよう慌てながら人参や玉ねぎ、ベーコンを切るとそれをコンソメと水と一緒に大鍋に入れた。
「あら、なかなか手際がいいじゃないの!……あっ、ここからちょうど訓練が見れるわよ」
レベッカが指さす小窓からはちょうど騎士団が走り込みをしていた。
ショウの姿も見える。汗を拭いながら真剣に訓練をしている。
その姿を見ると胸がきゅうと苦しくなった。
ー-これ食べて、力つけてくれたら嬉しいなぁ……。生涯を共に過ごす相手にはなれないけど、僕なんかを大切にしてくれるショウの力にちょっとでもなれたらいいな。
そんな風に思いながら。ジュリは大鍋をかき回すお玉に力をいれた。
「あぁ、あんたが勇者様が言ってたジュリだね。私はここの寮母をしてるレベッカ。さっそく今日の昼食の仕込みから働いてもらうからね」
「はい!」
ここは、騎士団員がいつも訓練している中庭近くにある寮。二階建ての建物で、結婚をしていない騎士団員はこの寮で暮らしている。
白髪交じりの髪の毛を後ろでお団子にし、グレーのロングワンピースに白のエプロンを着ているレベッカはここの寮母である。大柄で縦も横もジュリよりはるかに大きいが、れっきとした女性だ。
ジュリは今日からこの寮で働くことになった。
というのも、この寮は以前まではレベッカともう一人の寮母二人で切り盛りしていたが、国王が亡くなり魔族に襲われる事件が発生してから一人辞めてしまい、今はレベッカだけでこの寮の仕事をしているのだ。
レベッカもう年だ。いくら年齢の割に若々しく元気だと言っても、若い食欲旺盛な騎士団員の食事を毎日一人で作るのは体力的にも精神的にも大変だ。そこに調度「働きたい」ジュリが現れたのだ。
仕事内容は主に昼食の準備、後片付けと夕食の仕込み。騎士団員が午前の訓練をしている間に調理や食器の準備、昼食が終わったら皿洗いと、夕食の下処理の手伝いだ。
ジュリは早速レベッカと共に調理場へ向かった。
「あんた、料理はしたことあるの?」
「あっ、はい。弟がいるので簡単な料理なら……」
「そう、じゃあ期待してるわね。騎士団員に作る料理は栄養はもちろんだけど、何より”量”だよ!みんなお腹減らしてここに帰ってくるからね。たくさん食べさせてあげないと!」
この日の昼食はカツサンドと野菜のスープ。カツサンドに使う食パンは、王国一のパン屋から取り寄せている一級品だ。
大型の冷蔵庫から野菜を大量に取り出すと、その中から人参と包丁をジュリに手渡した。
「こんなに、たくさん使うの……!?」
「当り前じゃない!ほらほら早く、間に合わないわよ!」
そう言いながらレベッカは凄い速さでキャベツを千切りにしていく。
ジュリもそれに追いつくよう慌てながら人参や玉ねぎ、ベーコンを切るとそれをコンソメと水と一緒に大鍋に入れた。
「あら、なかなか手際がいいじゃないの!……あっ、ここからちょうど訓練が見れるわよ」
レベッカが指さす小窓からはちょうど騎士団が走り込みをしていた。
ショウの姿も見える。汗を拭いながら真剣に訓練をしている。
その姿を見ると胸がきゅうと苦しくなった。
ー-これ食べて、力つけてくれたら嬉しいなぁ……。生涯を共に過ごす相手にはなれないけど、僕なんかを大切にしてくれるショウの力にちょっとでもなれたらいいな。
そんな風に思いながら。ジュリは大鍋をかき回すお玉に力をいれた。
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