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24翔の過去①
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「俺は”日本”っていう国に住んでいたんだ」
「二ホン……?国の名前?」
「そう、国の名前。日本人はみんな黒髪で黒い瞳。ジュリみたいに初めから紫色の瞳の人はいないし、マーリンさんのような金髪も染めなきゃできない。あと、一番の違いは”アルファ”とか”オメガ”とかそういう性別もない。言ってしまえばみんな”ベータ”っていうことになるなぁ」
その言葉にジュリは、え!と大きい声を出して驚いた。
「それじゃあ、子供産むのは誰なの?」
「女の人だよ。恋愛は男女だったり、男同士、女同士色々あるけど……。子供を産めるのは女の人だけ。もちろん、色っぽい人はいるけどフェロモンとかそういうのは出ないから。だから初めて会った時は本当にごめん……あんな風になるとは思ってなくて。俺がアルファってことも調べて初めてわかったんだ」
「いや、もういいよ。あの時は僕もわざと弱い抑制剤使ってたし。……でもいいなぁ、フェロモンに左右されない恋をして誰かと結ばれるなんて。まぁ、僕には無理だけど……」
そう言いながら、せわしなく指を動かし悲しそうな笑みを浮かべるジュリ。ショウは堪らなくなってジュリの手を握りしめようとした時だ。
ジュリは突然立ち上がると満面の笑みでショウの向かいに立った。
「そうだ!ケイサツカンってなに!?凄く気になってたんだ!」
「えっあー、警察官っていうのは。この国の騎士団みたいな……んーちょっと違うかな。悪者から人々を守り平和な街を守る人のことだ。俺はそれになりたかった」
「へー、じゃあ元居たところに帰ったらショウはケイサツカンになるの?」
「そつもりだった。……けど、今は騎士団員でいられたらいいと思っているんだ」
ショウはジュリを見上げるとその細い手を引っ張ると、自分の足の間に座らせた。
驚き体をびくつかせるジュリに「何もしないから話を聞いてほしい」と言うとショウはそのまま話し始めた。
「俺が警察官を目指していたのには理由があるんだ。……小さい頃、もう十五年以上前になるけど、俺誘拐されたんだ。母親と買い物中、迷子になった俺を若い女の人がお母さんの所に連れて行ってあげるって……。結局それは誘拐で俺はしばらく女の人と小さいアパートの部屋で過ごしてたんだ」
「それって……部屋から出ようとはしなかったの?」
「もちろん。帰りたいって何度も言った。でも言うたびに、その女の人真っ赤な唇を歪ませて般若みたいな顔で俺を殴ったんだ。それが怖くて俺は泣くことしか出来なくて動けなくなった。……変に思った近所の人が通報してくれたおかげで俺は助かったんだ」
そこまで話すとショウの足の間に座っているジュリの肩が小刻みに震えていることに気づいた。
「どうした?」といいジュリの顔を覗き込むとジュリは声を漏らさないように唇をぎゅっと噛みながらポロポロと涙を流していた。
「だってさ、怖かったよね。たった一人で、知らないところに連れてかれて殴られて……」
ジュリは一旦話し出すと余計に涙が止まらなくなり次第にうえーん、とまるで小さい子供のように泣き出してしまった。
そんなジュリの頭をよしよしと優しくなでるとショウはジュリを落ち着かせるように優しい声で続きを話した。
「二ホン……?国の名前?」
「そう、国の名前。日本人はみんな黒髪で黒い瞳。ジュリみたいに初めから紫色の瞳の人はいないし、マーリンさんのような金髪も染めなきゃできない。あと、一番の違いは”アルファ”とか”オメガ”とかそういう性別もない。言ってしまえばみんな”ベータ”っていうことになるなぁ」
その言葉にジュリは、え!と大きい声を出して驚いた。
「それじゃあ、子供産むのは誰なの?」
「女の人だよ。恋愛は男女だったり、男同士、女同士色々あるけど……。子供を産めるのは女の人だけ。もちろん、色っぽい人はいるけどフェロモンとかそういうのは出ないから。だから初めて会った時は本当にごめん……あんな風になるとは思ってなくて。俺がアルファってことも調べて初めてわかったんだ」
「いや、もういいよ。あの時は僕もわざと弱い抑制剤使ってたし。……でもいいなぁ、フェロモンに左右されない恋をして誰かと結ばれるなんて。まぁ、僕には無理だけど……」
そう言いながら、せわしなく指を動かし悲しそうな笑みを浮かべるジュリ。ショウは堪らなくなってジュリの手を握りしめようとした時だ。
ジュリは突然立ち上がると満面の笑みでショウの向かいに立った。
「そうだ!ケイサツカンってなに!?凄く気になってたんだ!」
「えっあー、警察官っていうのは。この国の騎士団みたいな……んーちょっと違うかな。悪者から人々を守り平和な街を守る人のことだ。俺はそれになりたかった」
「へー、じゃあ元居たところに帰ったらショウはケイサツカンになるの?」
「そつもりだった。……けど、今は騎士団員でいられたらいいと思っているんだ」
ショウはジュリを見上げるとその細い手を引っ張ると、自分の足の間に座らせた。
驚き体をびくつかせるジュリに「何もしないから話を聞いてほしい」と言うとショウはそのまま話し始めた。
「俺が警察官を目指していたのには理由があるんだ。……小さい頃、もう十五年以上前になるけど、俺誘拐されたんだ。母親と買い物中、迷子になった俺を若い女の人がお母さんの所に連れて行ってあげるって……。結局それは誘拐で俺はしばらく女の人と小さいアパートの部屋で過ごしてたんだ」
「それって……部屋から出ようとはしなかったの?」
「もちろん。帰りたいって何度も言った。でも言うたびに、その女の人真っ赤な唇を歪ませて般若みたいな顔で俺を殴ったんだ。それが怖くて俺は泣くことしか出来なくて動けなくなった。……変に思った近所の人が通報してくれたおかげで俺は助かったんだ」
そこまで話すとショウの足の間に座っているジュリの肩が小刻みに震えていることに気づいた。
「どうした?」といいジュリの顔を覗き込むとジュリは声を漏らさないように唇をぎゅっと噛みながらポロポロと涙を流していた。
「だってさ、怖かったよね。たった一人で、知らないところに連れてかれて殴られて……」
ジュリは一旦話し出すと余計に涙が止まらなくなり次第にうえーん、とまるで小さい子供のように泣き出してしまった。
そんなジュリの頭をよしよしと優しくなでるとショウはジュリを落ち着かせるように優しい声で続きを話した。
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