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魔力の秘密

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 それから俺は人生で一番と言っていいくらい、勉強した。新しい言葉を覚えるって大変だ。でもまぁ、おかげで特区の職員の話してることを聞き取れる様になってきた。やっぱり、転移者はあまりよく思われてないらしい。

 それから、少し気になるのは「54と68はどうだ?」みたいな会話が聞こえることだ。たぶんだけど……俺ら転移者を数字で呼んでるんだと思う。俺は72。ヒロさんは36、たぶん、部屋番号?だと思うけど…問題は、ヒロさん以外の転移者を見たことがないってことだ。54とか68って人たちは何をしているんだろう?それに空室より、人のいる部屋の方が多いみたいだし、たぶんもっとたくさんいるわけだよな。んー……。あ、いかん……。


 最近、困っていることがある。自分の部屋で勉強したり、こうやって考えごとをしていると、ムラムラしてしまう。転生前にもまぁ、ちん……が、勃つことはあったけど、それにしても頻度が高いように思う。つい昨日も我慢できなくて二回もオナニーしたばかりなのに、こんな……。あと、なんというか……一回で出る量が、多い。気がする、というか、絶対多い!いや、他の人の量とか知らないけど、俺の記憶のある限り、前はこんなには出てなかったと思う。処理にも困るし……どうすれば……。


「お、ウタ。なんか久しぶりだな。」
「あ、ヒロさん。そうですね。」

食堂でヒロさんに出くわした。最近ヒロさんは忙しそうだ。何かあったのだろうか?

「最近、忙しそうですね。」
「ん?あー、そうだな。ちょっといろいろあってね。」

ん?何か隠してる?いや、でもだからなんだって話だな。

「あ、そういや、ウタお前、魔法の方はどうよ?」
「んー、なんか魔力の流れ?みたいなのはわかるようになったんですけど、こう、うまく動かせないというか、ぐるぐるしてる感じです。」
「あー、それたぶんな、魔力量が多いんだよ。量が多いからコントロールできねぇの。一部だけを動かすイメージでやってみ。」

そう、実はヒロさんは魔法が使えるのだ。自分に対してなら使えるって教えてくれたのもヒロさんだ。でも、なんか教えるのは無理!って言ってたのに……でも、なるほどね。確かに……俺MP∞だからな……。

「は?」
「え?」
「お前、今、無限って言った?」
「え?俺、口に出してました?うわ、恥ずっ!」
「いや、そんなのはどうでもいい!お前、MP上限ないの?は?あー、まじか。ウタ、お前オナニーしてるか?」
「は?え、な、な、な突然何言ってるんですか!こんなとこで!」
「いや、大事な話だ。前に魔力は生命力って言ったろ。で、俺ら転移者は基本的にものすごい量の魔力を持ってる。」
「は、はぁ……。」

その話は確かに前に聞いた。でもなんでそれがオナニー?

「で、肝心なことだが、魔力は生命力、精力と同じだ。溜めすぎると爆発する。」
「え……?」
「ちんこ吹っ飛ぶぞ。」
「そんな馬鹿な…………マジっすか?」

ヒロさんは真剣な表情で俺を見ている。冷や汗が止まらない。最近、やけにむらむらする。出る量が多い。うん、なんとなく繋がった。うそだろ。え、爆発?吹っ飛ぶ?ど、ど、どうしよう……!

「あ、あの、俺、最近、めっちゃむらむらして、でも擦りすぎて、ちょっと痛くて……」

狼狽えていると、ヒロさんが、ニカっと笑って言った。

「じゃあ、オレが手伝ってやろうか。」
「え……。」
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