異世界は転移者管理社会でした。〜性犯罪者呼ばわりされてもめげないぜ〜

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特区という場所

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 ここ、異世界人特別管理保護区域は、転移者を保護して言語や文化などを教育し、転移者がこの世界に馴染めるようにする施設、と言うことになっている。しかし、実態は転移者を隔離、管理、研究、活用する施設だ。

確かに、言語や一般常識は教わったが、チート魔法は封じられているし、そもそも外に出られないどころか、案内の人がいないと部屋の外にも出られない。それから、研究と称して様々なことに協力させられる。基本的に抵抗は許されない。ただ、特区から出て行った転移者は結構いる。むしろ……気づくと見なくなる人がかなり多い。あぁ、あと、特区には男しか居ない。転移者は男と女で隔離されているからだ。ちなみに理由は異世界人同士で増えないように、だそうだ。


~~~


 あの日、意識を失った。いやただ寝ただけだったんだけど……とにかく、意識を失った俺が、目を覚ますと――

見知らぬ男が立っていた。黒髪……?もしかして!ガバッと身体を起こすと、男は驚いた顔をして、それから苦笑いをした。

「おはよう。といってもまだ夜だk」
「日本語だ……」
「あぁ。そうだね。オレ日本人だからさ。」
「日本人……じゃあ、今までのはゆ」
「夢じゃないんだよなー、コレが。」
「え……。」
「とりあえず、おはよう。そしてようこそ、特区へ。」
「あ、おはようございます。……とっく?」
「ん。異世界人特別管理保護区域、通称特区な。お前は異世界転移して、ここに連れてこられて、監禁されるんだよ。」
「は?」
監禁?一生ここにいるってこと?え?俺の混乱が伝わったのか、男が苦笑しつつ説明してくれる。

「んー、まずどこから話そうか。」

男がチラリと扉の方を伺う。気づいてなかったけど、緑の髪の男が立っていた。何してるんだろう?

「あの人はね、オレらを監視してんの。オレたちは、あー……。まず、お前もオレも、日本から来たした転移者って存在な。これはオッケー?」
「うん。」

さっきのステータスの画面にも(転移者)って書いてあったもんな。

「んで、この世界には結構頻繁に転移者が来るんだ。」
「う、うん。」
「これについてはまぁ、とりあえずそんなもんだと思っといて。んで、転移者は必ず、5つのやばい魔法を使える。たぶんお前も確認したと思うけど、」
「魔法……まほ、あぁー!そ、そうだ、その魔法……そ、その……」
「ん?どうした?顔真っ赤だぞ?あぁ、もしかして……」

男がにやりと笑って続ける。

「エロだったか?」
「は?」
「お?違うのか?あー、さっきの話の続きなんだが、転移者はやばい魔法が使えるけど、まぁ、その魔法を悪用してやらかした奴らが過去に結構いたらしい。んで、転移してきた奴らはみーんな、お前と同じように鑑定を受けて、その結果次第で行き先が決まるってワケ。基本的にはみんな特区行きなんだけどな。しかし、恥ずかしがるってことはお前さん、童貞だろ?」
「え、なんで、わかっ……そうデス、けど……。」
「まぁ、まだ若いし普通か。ちなみに使える魔法は9割型エロ系だから、そっちもあんまり気にしないほうがいいぞ。転移者ってのは。欲求不満で死ぬ奴ばっかなのかねぇ……。あ、そういや、自己紹介がまだだったな。オレは森山裕之もりやまひろゆき、転生して三年目の二十歳だ。」
「……俺、は、高橋陽太たかはしようた、です。えっと、十五です。」
「まじで若いねぇ。オレはここではヒロって呼ばれてるから。お前もそう呼んで。お前は、……うーん、ヨウって奴はいた気がするから、ウタだな!よろしく、ウタ。」
「え、あ、は、はい!」

そう言って、ヒロさんは手を差し出してきた。なんかよく分からないうちに、あだ名まで決まってるし、俺のくそ恥ずかしい魔法の件も詳しくではないけどバレてるし……訳分からんけど、ええぃ!なるようになれ!

「よ、よろしくお願いします!」



こうして、俺の管理される生活が始まった。
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