上 下
2 / 12

猫耳の生えたおっさんなんて需要ねぇよな?

しおりを挟む

 ずっと好きだった人と恋人になった日、好きな人が死んだかもしれないと聞かされた絶望の淵で、まさかの幸運が舞い降りた日から、はや数日。俺はロイドさんと恋人同士になった、はず。なのに――

「――うん、そう、そうなんだよ。てなわけでしばらくはソロでやってくからさ、もしいい奴いたら紹介してくんない? ん? あぁ、ははっ、おぅ、気をつけるわ!」

俺は、ギルド職員と楽しそうに話しているロイドさんを見つめている。ロイドさん……。



 ――数日前。

 「っ、たく……回復にこんなにかかるとはな。お前せいだからな、クリス!」
「っ! はいっ♡ すみません!!」
「なぁ、お前本当に反省してんのか?」
「はいっ♡  ロイドさんっ♡」
「……怒らないから正直に言えよ? 今何考えてる?」
「はいっ♡  ロイドさんが俺の名前を呼んでくれて嬉しいです。あと、怒ってるロイドさんが不機嫌な猫ちゃんみたいでかわいいです。あぁ、ぐーって伸びをするロイドさんかわいい、えろい! 回復なんてしないで、ずっと俺のベッドで寝ててくれたらいいのに。あ、いっそのことこのまままたぶち犯してベッドに逆戻りしてもら――ぉ、怒らないんじゃなかったんですか?」
「怒ってないぞー」

怒ったロイドさんによって、床に正座させられて説教されたあと、ふと気になったことを尋ねる。

「そう言えば、ロイドさんっていつからソロになったんですか? 魔法使いっぽい人とパーティ組んでましたよね?」
「なんで知ってんだよ……。あー……、お前に拾われた前日だな。」
「何かあったんですか?」
「んー……実はな、」

とロイドさんが話す内容を聞いて、唖然とする。そんなことがあったとは、あの元パーティメンバー……消すか。

「おい、クリス、あいつに手ェ出すなよ?」
「なんのことです?」
「とぼけてんじゃ……いや、まぁとにかくオレと過去関わりのあった奴らに何もすんなって話」

ロイドさんに牽制された。まぁ、確かにパーティが解消された結果、ロイドさんは俺のものになったわけでもあるし、仕方ないか。

「何のことかわかりませんが、わかりました。てことは、ロイドさんは今、ソロなんですよね!俺とパ」
「組まねぇよ」
「え」
「お前と組む理由がねぇ。あとメリットも」

念願のパーティ! 俺はロイドさん以外と組む気はもともとなかった。ソロで十分だったし。絶対受けてくれると思ってたのに、すげなく断られた。メリット?

「は? え……だって、俺、強いですよ! ロイドさんがいたらもっと……」
「もっと、なんだ? 強くなれるって? はっ、笑わせんな。俺はな、足手まといで、守られる存在になることが分かりきってるパーティなんざ組みたくないね。そういうのはかわいい女の子にでも言うんだな」
「で、でも……」
「これでも俺はベテラン前衛職だぞ?それくらいのプライドはある。そもそもお前の戦闘スタイルとも相性悪いしな。ま、しばらくはソロでやってくつもりだ」

……プライド?

「そんな……猫だったときは、プライドなんて微塵もなかったじゃないですか…」
「ぐっ!」
「連れて帰ってきて風呂入った後から、明らかに俺に媚びうってましたよね?」
「そ、それは……っ、と、とにかく! オレはお前とはパーティ組まねぇからな!」
「でも、」
「でもじゃねぇ! それにな、お前外でオレにあんま関わんなよ。」
「どうしてです?」
「どうしてもだ!」
「答えになってませんよ!」

だいぶ説得したけど、ロイドさんは結局認めてくれなかった。というわけで、俺は正直機嫌が悪い。恋人になったのに、ロイドさんといちゃいちゃできない。部屋でも、抱きつくとかは許してくれるけど、セックスはあれ以来できてない。恋人同士なのに!! ……さっきから誰か話しかけてくるが、ロイドさん以外はどうでもいいから、正直近づかないでほしい。周りに群がる奴らも、鬱陶しい視線も無視して、受付カウンターに上半身を預けて話をするロイドさんの、突き出された尻を見ながら、悶々とする。

あー、えろいお尻。そんなに無防備で……襲ってくださいってことですか?けしからん!……それにしても猫のロイドさん、ロイも可愛かったよなぁ。そりゃあ、ベッドで鳴くロイドさんはそれ以上にかわいいけど、やっぱり、猫のときもいいよなぁ。俺の手をぺろぺろしたり、すり寄ってきたり……そうだよ。猫だったときはあんなに甘えてくれたのに、人間に戻った途端ツンなんだもんな……。猫のときは……猫、そうだ!猫になってくれればいいんじゃないか?いや、でも猫とはさすがにヤれないか……。いや、なら、身体の一部を猫にして――

――はっ!俺って天才なんじゃないか!?さっそく魔法式を、たしか例の依頼されてたダンジョンのトラップを確認して、あと変身関係と――楽しくなってきたぞ!!


***


「――ふっ」

キャー!っという声で背後を振り返ると、クリスが女の子に囲まれている。どうやら珍しくクリスが笑ったのを見て悲鳴があがったようだ。けっ、相変わらずだな。

例の日からこっち、オレはクリスの滞在している部屋に世話になっている。というのも、オレが猫になっている間に、オレが拠点にしていた宿屋がツケ分としてオレが部屋に残していた荷物を売っぱらい、部屋自体もに別の奴に貸していたからだ。

んで、オレは、ソロで討伐に出た挙句死にかけていたところをクリスに助けられて、なんとか帰還した。けど、街では死んだと思われてて、正真正銘無一文のおっさんになった――そういうことにした。で、そんな憐れなおっさんに手を差し伸べたのが、命の恩人でもある、この辺りで一番の実力者のクリスだった、という訳だ。だからクリスには、猫云々の話は外で絶対するなと言ってある。

キャーキャー言われるクリスを遠目に見ながら、はっ、お前らソイツ、部屋に戻ったらおっさんに抱きついて「ロイドさ~ん、疲れました~♡」って頬ずりかますんだからな!騙されんなよ!と、負け惜しみ的なことを思いつつ、クリスを観察すると珍しく、本当に楽しそうな表情をしている。

「……珍しいな。」
「何がですか?」
「ん?あ、あぁ、いや、クリスがさ、楽しそうにしてんのめずらしいなって。」
「あぁ、確かに。クリスさんって、いっつも無表情で、無口ですもんね~。私もここで働いて3年ですけど、『あぁ』『わかった』しか、クリスさんが話すの聞いたことないですもん。」

ギルドの受付の嬢ちゃんがクリスの方を見ながらそんなことを言うので、オレは猫撫で声のクリスを思い出して吹き出してしまう。

「ぶふっ!」
「え!?どうかしました?」
「あ、い、いや!なんでもないよ!」
「あ。」
「ん?」
「――ロイドさん。」
「ぅおっ!?」

不意に嬢ちゃんが、口を開けたまま止まるので、背後を振り返ろうとしたところ、すぐ後ろに音もなく立っていたクリスに声をかけられた。

「ど、どうした?」
「やることがあるので、部屋は好きに使ってください。」
「お、おぉ……?わかった、…。」

オレの返事をきくと、クリスはギルドを出て行った。え?どういうこと?


◇◇◇


 ――クリスが帰ってこない。

 やりたいことがあるから部屋は好きに使っていいと言われてから5日。クリスは一度も帰ってきていない。ふむ、オレに飽きた、いや幻滅したのか?クリスの部屋のベッドに腰掛けながら思う。結局組んでくれそうな相手も見つからないし、低ランクの討伐依頼で細々食いつないでいるのが現状だ。正直、住居を借りなくていいこの状況はありがたい。けど、オレみたいなおっさんが好きだなんてやっぱり気の迷いだったのかね。

「装備も借りて、いや、貰った、でいいのか?とにかく世話になってるからなぁ……」
装備をくれた時のことを思い出す。『これはきっとロイドさんに似合うなぁ~って思ったら、買ってしまった品々なので、実質ロイドさんのです!使ってください!』……うん、いや、気の迷いだったってのはねぇな。何てったって意識失ったオレを何時間も犯すような奴だからな。たった半月やそこらで心変わりなんかしねぇだろ。それに、なんかわからんが何となく嫌な予感がする。逃げてぇなぁ。けど、行くあても先立つものもねぇからな……。たまには優しく言うこと聞いてやるか……。


***


 うーん……、思ったより厄介だな。ついでにこのダンジョン調査してみたけど、あちこちにアレなトラップがあるし、魔物もさほどいないし、いっそのこと閉鎖した方がいいんじゃないかな。というかここたぶんダンジョンじゃないな。誰かが作ったものだと思うけど、ま、そんなことはどうでもいいか。必要な情報は手に入れたし、一応実験は成功したし、帰ってさっそくロイドさんと……ふふっ、楽しみだなぁ。

 ロイドさん猫化計画のためにダンジョンに籠って既に数日が経っている。時々報告のためにギルドには寄ったけど、ロイドさんには会えなかった。ロイドさんが不足している。あー、ロイドさん、ロイドさん。

……勃った。確かにあの日からやってないから――かれこれ半月くらい?抱きつくくらいなら許してくれるけど、ヤらせてくんないんだよな、ロイドさん。あー、ちょっとコレ治んなさそう。抜いてから帰るしかないかな……。映像記録の魔法を使い、あの日のロイドさんを撮影した映像を再生する。意識が朦朧もうろうとしている時のやつで、撮られてることには気づいてないと思う。

『ん゛ぁ、あ…、や、くり、すぅ……も、むり。はら、いっぱ、いで……くるしっ、』
眉間に皺を寄せて、涙目で俺の体を押しのけようとしてる姿。全然力入ってなくて可愛かったなぁ……。
『っぐ、んお゛っ!は、あ゛ひっ!ま゛、でぇ!むりぃ゛!も、や゛め、んん゛っ!あ゛っう!ぅぐ、――っ!!』
ぷしゅぷしゅと潮を吹きながら、白目をむいて叫ぶロイドさん、身体中ガクガク痙攣してて、死ぬっ!イくっ!って悦んでたの、可愛かったなぁ。

再生される映像を見ながら自身を扱く。本物が恋しいが、仕方ない。
「はっ、ふっ…、ロイド、さんっ、は……、くっ――、ふぅ……」
ロイドさんのエロ映像によって無事ムスコを落ち着かせ、手早く後片付けをすると、俺はダンジョンを後にした。


***


 クリスが帰ってきた。オレがトラップに引っかかったあのダンジョンの調査をしていたらしい。たまたまギルドに報告に寄ったタイミングで、同じく報告に来ていたクリスに出くわした。オレを見つけた途端、嬉しそうな顔をしそうになって、慌てて無表情になるクリスが可愛くて、つい笑ってしまう。と、同時にやっぱり無理させてんのかなぁ、とか思ってしまった。パーティー組むのはともかく、外ではあまり関わるなってのは言い過ぎだったかね。

そもそも、あいつが他人に対して無口で無愛想なのは、冒険者としてはあまり良くないと思う。英雄視されたところで良いことなんか何もねぇだろうし、オレ以外の前でも、もう少し人間らしくさせたほうがいいのかもしれない。よし!帰ったらその話でもするか。

互いに報告を終えて、帰路につく。部屋に入ったところで口を開いた。

「なぁ――」「あのっ――」
「お前からどうぞ?」
「ろ、ロイドさん!!」

クリスが抱きついてくる。

「本物のロイドさんだ!ロイドさん!俺がいない間、寂しかったですか?俺はロイドさんが恋しかったです!あー、やばい、ロイドさんの汗の匂い、興奮する。」

大人しくされるがままでいると、だんだん息が荒くなって、しまいに興奮するとか言って腰を押しつけてきたので頭突きをして距離を取る。

「おまえな!おっさんの汗の匂いなんぞに興奮してんじゃねぇ!この変態!」
「えー……」
「っ、たくよ……こんなつもりじゃなかったんだがな。お前に無理させてたかと思って反省したんだぞ、こっちは。」
「無理、ですか?」
「おぅ、外でもなるべく関わんなとかな。まぁ、そのなんだ……でもよく考えたらお前のが若いんだし、オレの都合で振り回されるのはよくないんじゃないかってな。」

クリスがぽかんとした顔をしている。

「無理とかはしてないですけど……でもつまり、外でもロイドさんに普通に話しかけて良いってことですね!ロイドさんと恋人っぽいことして良いってことですね!」
「いや、それは普通ではない!!って……恋人?」

恋人だったのか?

「はっ!?え!俺とロイドさんは恋人ですよね!!」
「そうなのか?」
「ロイドさんはそう思ってなかったってことですか!?」

「ん、あ、あぁ。」
そもそも、恋人ってどんな関係だ?好き同士でいつでもヤれる関係のことか。じゃあ、オレたちは?
「そうか、恋人、なのか……」

「え?え……もしかして、今、ですか?俺はずっと恋人になったんだと思ってたのに……」
「す、すまん……その、そういうのは久しく経験がないからな……」

恋人がほしいとか思ってたこともあった気がするし、モテたいなんてこぼした日もあったが、そもそも縁がなかったしな……。発想がな~、出てこないんだよなぁ。あ、やべぇ、クリス凹んでる。

「そんな……じゃあ、俺は、恋人でもない男の胸に頬ずりする変態だと思われてたんですか……」
「いや、そうは、思っ、……」
「思ってたんですね。」

えっと、ええぃ、ままよ!

「お、おい!クリス!その、詫びとして……な、なんでも言うこと聞いてやってもいい、ぞ。」


***


よし、言質はとった。別に恋人同士じゃなくても、ロイドさんの特別なら何だっていい。セックスはしたいけど。ところで、ロイドさんはベテラン冒険者としてこんなにちょろくていいのだろうか?心配だ。

「じゃあ、あの、ちょっとえっちになっちゃう魔法をかけた上で、セックスしてください。」
「え、あ、おう……。」

ロイドさんが引き気味に頷いた。


◇◇◇


 「――じゃあ、リラックスしててくださいね。」
準備しておいた布の上にロイドさんに立ってもらい、魔法を展開する。
「ところで、なんの魔法?」
と言ったロイドさんの頭から耳が消え、猫の耳が生える。たぶん、しっぽも生えているはず。

「おい、にゃんにゃんだよ……にゃ?はぁっ!?」

ロイドさんがペタペタと自分の頭を触る。猫耳の感触とたぶん聞こえ方が変わったことに気づいたんだと思う。その後、しっぽの存在にも気づいたようだ。


◇◇◇


 「で?にゃんだこれは?っ!くそっ!」
しっぽがタシッタシッとベッドを打っている。俺は、ベッドに座るロイドさん、の前の床に正座されられている。さっきから話すたびに「な行」が「にゃ行」になるらしく、言ってしまうたびにイライラしている。かわいい♡

「……猫の時はあんなにすりすりしてくれたのに、人に戻ってから全然構ってくれないし、だったら猫になってくれればと思ったけど、そしたらエッチできないから、間をとってみました。」
「はぁっ!?……ったく、しゃあにぇーにゃ……はぁ……で、どうやって戻すんだ?いつ戻る?」
「……。」
「いつ、どうすれば、戻るんだ?」
「……戻せません。」
「はぁっ!?」
「いつ戻るんだ!?」
「一生、そのままです。」
「……うそだろ?」
「だって――」
「……まじかよ――」

あ、やばい。これは、やらかした?ロイドさん怒ってる?そ、そうだよな。俺、自分のことしか、考えてなかった。ロイドさんは他に友人もたくさんいるし、知り合いだって多いのに、こんな――

「はぁー……、あのにゃぁ、お前がそんな顔すんなよ。怒りにくいだろ?」

――は?
「ったく、あ、お前まさか、やりたかったことってこの魔法か?ふざけやがっ――」
思わずロイドさんを抱きしめる。この人は、なんでこんなに……、こんなに優しいんだ。

「おい。にゃいてんのか?お前……ほんとに、ばかだなぁ。」
「ロイドさん、ロイドさん――ごめんなさい。」
「いいよ。ま、一回は猫ににゃろうと思った身だしな。それに比べれば、多少はマシだ。それに、責任は取ってくれるんだろ?ゴシュジンサマ。」
「ロイドさん……」
「ん?どうした?」
「今ので勃ちました。」
「っ、お前はほんとに――」

ロイドさんが、困ったヤツだなって顔しながら、俺の背中を叩くけど、その目はめちゃくちゃ優しくて、たまらなくて、キスをする。

「んっ、は、ふっ……っ、んん。ちゅ、は……」

とろんとロイドさんの目の力が弱まる。唾液で濡れた唇がえろい。
「ロイドさん、いいですよね。」
「あぁ、お手柔らかににゃ。」
「善処します。」


***


東洋人でもないんだから、善処するって言ったら善処しろよ!ばかやろう!

「ん!あっ、は、あ゛、う!にゃ、あぅ!に゛っ!」
「はっ、は……ロイド、さん、あえぎ声、ネコちゃん、みたいでっ、かわいっ!」
「うっ、るせ、えぁ!ひにゃ!あ!あっ!あァっ!」
「っ、イき、ますね」
「え、あっ、ナカは、やめっ、ろぉ!っ、あ、んんっ!」

あぁ、ナカでクリスのがどくどくと脈打っている……。終わった。長ぇよ。死ぬかと思った。と言うか腰は死んでる。ずるっと引き抜かれる感触に、鳥肌が立つ。

「――ぅ、あァ」
「そんな声上げられたら、俺……」
「もう、むりだぞ。ケツがゆるゆるににゃったらどうしてくれんだ!」
「んー……」

クリスが、俺の頭に顔を寄せて、俺の新しい耳に向かって気のない返事をする。吐いた息が耳にかかってぞわぞわする。

「んー?あ、もしかしてロイドさん耳、感じるんですか?って、この耳!めちゃくちゃ触り心地いい!」
「ぅ、にゃ!やめろ!さわるにゃ!っ、くそっ!」

腰が痛くてまともに抵抗できん!その上、猫みたいな声が出やがる!!

「ぁ、じゃあしっぽも?えっと、猫ってしっぽの付け根が性感帯なんでしたっけ?」
「っ、おい!やめろ!もう無理だ、か、ふにゃああァ!」

「えっ!」

慌てて口をふさぐ。なんだ今の声。あ、やばい。絶対やばい。ちらっとクリスを見ると、完全にエレクトしてる。目がイってるし……あぁ、終わった。

「ふに゛ゃぁ!ひぎゅ、ぅぎっ!あ゛ぇっ!あ、に゛っ!」

まじで、クリスこいつの体力どうなってんだ?死ぬ。イき過ぎて死ぬ。何度目かの潮を吹きながら、意識が遠のく。


◇◇◇


 ――一度ならず二度までも。お前は学習能力が無いのか?死ぬかと思ったぞ。

と、訴える。案の定、俺はまたベッドの住人になった。

「すみませんでした。でも、猫耳、しっぽがかわいくて……ハイ、黙ります。」

でも、ま、オレも半分は同意してたし、一応お詫びってことだったしな。あとは、

「パーティ、組むか。」

声はがさがさだったが、ちゃんとクリスには伝わったようだ。

「え――……いいんですか!?はい!俺、もっとがんばります!!」

甘えてほしいって理由でおっさんに猫耳生やすやつの面倒みれんのはオレくらいだろ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

「優秀で美青年な友人の精液を飲むと頭が良くなってイケメンになれるらしい」ので、友人にお願いしてみた。

和泉奏
BL
頭も良くて美青年な完璧男な友人から液を搾取する話。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

【完結】地獄行きは確定、に加え ~地獄の王に溺愛されています~

墨尽(ぼくじん)
BL
地獄の長である獄主に、何故か溺愛されてしまった34歳おっさんのお話 死んで地獄に行きついた霧谷聡一朗(34)は、地獄の長である獄主の花嫁候補に選ばれてしまう 候補に選ばれる条件は一つ「罪深いこと」 候補者10人全員が極悪人の中、聡一朗だけは罪の匂いがしないと獄主から見放されてしまう 見放されたことを良いことに、聡一朗は滅多に味わえない地獄ライフを満喫 しかし世話役の鬼たちと楽しく過ごす中、獄主の態度が変わっていく 突然の友達宣言から、あれよあれよと聡一朗は囲い込まれていく 冷酷無表情の美形×34歳お人好し天然オジサン 笑ったことのない程の冷酷な獄主が、無自覚お人良しの聡一朗をあの手この手で溺愛するストーリーです。 コメディ要素多めですが、シリアスも有り ※完結しました 続編は【続】地獄行きは~ です

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた! どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。 そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?! いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?! 会社員男性と、異世界獣人のお話。 ※6話で完結します。さくっと読めます。

処理中です...