32 / 53
32 怖すぎる話を聞いてしまいました。
しおりを挟む
リードル様のことも噂も気にしない方と言われて考えてみるも、この人だろうかと思い浮かぶ人は1人もいなかったアーリエアンナは、素直に尋ねることにした。
「その条件に該当しそうな方は、思い浮かびません。もしかして、私は知らない方ですか?お母様のお知り合いとか?」
まだ見ぬ素敵な方に期待が高まるアーリエアンナである。母の口から「強面ムキムキ」というワードは一度も出ていないが。
「貴方も子供の頃から知っている、ピンクアータ様よ。」
「確かに、ピンクアータ様のことは存じていますし、変わった方なので、リードル様のことも、噂のことも確かに、全く気にされないとは思いますけど?それが何か?」
ここでピンクアータ様の名前が出てくる意味がわからず、疑問形で返事を返す、アーリエアンナに、母は困った顔をして、爆弾を落とした。
「昔の話だけれど。貴女とリードル様の婚約が結ばれた時、その知らせを受けたピンクアータ様が、かなり荒れられたらしくて。小さい頃のピンクアータ様は、貴女のことが大好きだったでしょう?なので、もしも、リードル様と破談になった時には、ピンクアータ様と婚約してもらえないだろうかと、アスターダ公爵様が。貴女をお嫁にもらうではなく、ピンクアータをこちらに寄越すから、考えてみて欲しいと仰っていて。カルードル様経由で、その申し入れをリードル様も聞いてしまって、結構揉めましたのよ?」
「えええっっっっっっっっ!」
嫌ぁ~~~~~~~!
宇宙人の嫁、無理、絶対ヤダ!
淑女の仮面が床に落ちて粉々に割れる程の衝撃です。なんて、怖い申し入れ!嫌だったけど、子供時代にリードル様との婚約が白紙にならなくてよかった!
冒険はしたいけれど、宇宙には行きたくないのです!
未知との遭遇は、ピンクアータ様との出会い編だけで十分です。
怖い怖い!リードル様の3倍怖い!
どうしよ、逃げる?
って。子供の頃の話じゃない!
んもう!お母様ったら、お茶目さん!驚かせないでくださいな。
そんなことを考えていたのがわかったのか、母から更なる爆弾が投下された。
「ピンクアータ様は、小さい頃から変わったお子様だったけれど、大好きな貴女がリードル様に盗られてしまったと、貴女の婚約後に、奇行が激しくなってしまわれて。貴女が大好きで、貴女に憧れるあまり、彼の方の中で貴女っぽい、貴女みたいだと思える行動をされるようになってしまわれたの。貴女に成り替わりたいではなく、貴女になりたい、一体化したいという感じで。ドレスを着て、妹として貴女と一緒に暮らすだとか、同じ部屋で眠りたいだとか。危ない感じだったので、流石にアスターダ公爵様も、婚約の話は忘れて欲しいと言われて、貴女に接近させないようにしましょうということを決めましたの。」
あっぶな~~~!
宇宙人じゃなく、変態だったの?
ワタシキケン、ダレカタスケテ!!
怖くてブルブルしちゃってるアーリエアンナを置き去りにして、母の怖い話は続く。
「他家の子供も含め、子供時代の貴女達にそんな取り決めを知らせてしまうと、皆がピンクアータ様を避けてしまいそうでしょう?だから、ピンクアータ様が将来落ち着かれる可能性も考慮して、同世代の子供達には知らせない様にしました。このことは、王族を含めた王都の貴族の皆様もご存知のことです。ピンクアータ様の貴女への執着はずっっと続いていて、今でも接近は許していませんが、過去には何度か遭遇しているみたいですし、届くはずのない手紙が届いてますでしょう?おまけに先程の【アタラッシ】のジャム瓶に入れられたメッセージ。もし、貴女の婚約破棄のことを知られたら、どんな手を使ってでも、貴女にくっついて離れない様になるんじゃないかしら?」
確かに【アタラッシ】のジャムのラベルに書いてありました。
「貴女のピンクアータより愛を込めて」と。
痛くて怖いメッセージが、マジもんでしたのね?
私、泣いて良いですか?
もう、号泣したいです。
チーム宇宙人には、期待できないことはわかっています。
素敵な方、ここにか弱いお姫様がいるので、助けに来てください!
筋肉薄めでも、我慢します!なんなら、私のお小遣いもあげますから!
ヘルプミーー~~!
「その条件に該当しそうな方は、思い浮かびません。もしかして、私は知らない方ですか?お母様のお知り合いとか?」
まだ見ぬ素敵な方に期待が高まるアーリエアンナである。母の口から「強面ムキムキ」というワードは一度も出ていないが。
「貴方も子供の頃から知っている、ピンクアータ様よ。」
「確かに、ピンクアータ様のことは存じていますし、変わった方なので、リードル様のことも、噂のことも確かに、全く気にされないとは思いますけど?それが何か?」
ここでピンクアータ様の名前が出てくる意味がわからず、疑問形で返事を返す、アーリエアンナに、母は困った顔をして、爆弾を落とした。
「昔の話だけれど。貴女とリードル様の婚約が結ばれた時、その知らせを受けたピンクアータ様が、かなり荒れられたらしくて。小さい頃のピンクアータ様は、貴女のことが大好きだったでしょう?なので、もしも、リードル様と破談になった時には、ピンクアータ様と婚約してもらえないだろうかと、アスターダ公爵様が。貴女をお嫁にもらうではなく、ピンクアータをこちらに寄越すから、考えてみて欲しいと仰っていて。カルードル様経由で、その申し入れをリードル様も聞いてしまって、結構揉めましたのよ?」
「えええっっっっっっっっ!」
嫌ぁ~~~~~~~!
宇宙人の嫁、無理、絶対ヤダ!
淑女の仮面が床に落ちて粉々に割れる程の衝撃です。なんて、怖い申し入れ!嫌だったけど、子供時代にリードル様との婚約が白紙にならなくてよかった!
冒険はしたいけれど、宇宙には行きたくないのです!
未知との遭遇は、ピンクアータ様との出会い編だけで十分です。
怖い怖い!リードル様の3倍怖い!
どうしよ、逃げる?
って。子供の頃の話じゃない!
んもう!お母様ったら、お茶目さん!驚かせないでくださいな。
そんなことを考えていたのがわかったのか、母から更なる爆弾が投下された。
「ピンクアータ様は、小さい頃から変わったお子様だったけれど、大好きな貴女がリードル様に盗られてしまったと、貴女の婚約後に、奇行が激しくなってしまわれて。貴女が大好きで、貴女に憧れるあまり、彼の方の中で貴女っぽい、貴女みたいだと思える行動をされるようになってしまわれたの。貴女に成り替わりたいではなく、貴女になりたい、一体化したいという感じで。ドレスを着て、妹として貴女と一緒に暮らすだとか、同じ部屋で眠りたいだとか。危ない感じだったので、流石にアスターダ公爵様も、婚約の話は忘れて欲しいと言われて、貴女に接近させないようにしましょうということを決めましたの。」
あっぶな~~~!
宇宙人じゃなく、変態だったの?
ワタシキケン、ダレカタスケテ!!
怖くてブルブルしちゃってるアーリエアンナを置き去りにして、母の怖い話は続く。
「他家の子供も含め、子供時代の貴女達にそんな取り決めを知らせてしまうと、皆がピンクアータ様を避けてしまいそうでしょう?だから、ピンクアータ様が将来落ち着かれる可能性も考慮して、同世代の子供達には知らせない様にしました。このことは、王族を含めた王都の貴族の皆様もご存知のことです。ピンクアータ様の貴女への執着はずっっと続いていて、今でも接近は許していませんが、過去には何度か遭遇しているみたいですし、届くはずのない手紙が届いてますでしょう?おまけに先程の【アタラッシ】のジャム瓶に入れられたメッセージ。もし、貴女の婚約破棄のことを知られたら、どんな手を使ってでも、貴女にくっついて離れない様になるんじゃないかしら?」
確かに【アタラッシ】のジャムのラベルに書いてありました。
「貴女のピンクアータより愛を込めて」と。
痛くて怖いメッセージが、マジもんでしたのね?
私、泣いて良いですか?
もう、号泣したいです。
チーム宇宙人には、期待できないことはわかっています。
素敵な方、ここにか弱いお姫様がいるので、助けに来てください!
筋肉薄めでも、我慢します!なんなら、私のお小遣いもあげますから!
ヘルプミーー~~!
17
お気に入りに追加
202
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

白い結婚のはずでしたが、王太子の愛人に嘲笑されたので隣国へ逃げたら、そちらの王子に大切にされました
ゆる
恋愛
「王太子妃として、私はただの飾り――それなら、いっそ逃げるわ」
オデット・ド・ブランシュフォール侯爵令嬢は、王太子アルベールの婚約者として育てられた。誰もが羨む立場のはずだったが、彼の心は愛人ミレイユに奪われ、オデットはただの“形式だけの妻”として冷遇される。
「君との結婚はただの義務だ。愛するのはミレイユだけ」
そう嘲笑う王太子と、勝ち誇る愛人。耐え忍ぶことを強いられた日々に、オデットの心は次第に冷え切っていった。だが、ある日――隣国アルヴェールの王子・レオポルドから届いた一通の書簡が、彼女の運命を大きく変える。
「もし君が望むなら、私は君を迎え入れよう」
このまま王太子妃として屈辱に耐え続けるのか。それとも、自らの人生を取り戻すのか。
オデットは決断する。――もう、アルベールの傀儡にはならない。
愛人に嘲笑われた王妃の座などまっぴらごめん!
王宮を飛び出し、隣国で新たな人生を掴み取ったオデットを待っていたのは、誠実な王子の深い愛。
冷遇された令嬢が、理不尽な白い結婚を捨てて“本当の幸せ”を手にする

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる