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第二章 ギルドとクラン
第21話 ”スキャン”でスキルチェック
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めっちゃ緊張してきた。
「スキル調査担当のセリシャです。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
猫人族でボブカットの可愛らしい女の子だった。
どうして猫人族や犬人族の人を見ると頭を撫でたくなるのだろう?
思わず撫でてしまいそうになる気持ちをグッとこらえて、説明されたように右手を差し出す。
「では失礼します」
オレの手を握り、セリシャさんは目を閉じてブツブツと詠唱を始めた。
先ほどまで見ていた光景と同じように、光がオレを包み、染み込むように消えていった。
握手した辺りから体内に暖かい波紋のようなものが広がっていく感覚がある。
そしてその波紋が自分の中にある何かに触れ、通り過ぎていった感じがした。
……が、セリシャさんは目を開けた後、口も開けてこちらをじっと見て固まっている。
「あの……、どうかしましたか?」
「い、いえ、すみません! もう一回やってみてもいいですか?」
「あ、はい。構いませんが」
先程と同じようにセリシャさんが手を握って目を閉じ、詠唱を始めると光に包まれる。
後ろから『あいつベタベタとヴィトに触りたいだけなんじゃないのか?』とご立腹の声が聞こえてくるが無視だ。
再び光が染み込んでセリシャさんが目を開ける。
「終わりました……。やっぱり剣術Lv7、体術Lv8、弓術Lv7、隠密術Lv8、魔法Lv8です……」
一瞬の沈黙の後、今までで一番大きなどよめきが起こった。
高すぎて間違えたのかと思ったからもう1回やったのか。
Lvが高くて少し驚いたけど、本当のスキルまでは分からなかったようで安心した。
そして“スキャン”の感覚も理解したので“模倣”も出来そうだ。
うふふ……これは便利だぞ。
「すみません。こんなに高いのは初めてだったので失敗したかと思ったのですが、2回やっても同じ結果でした。それと、他にもまだスキルがある気がするのですが、まだこの“スキャン”がLv4だからか分かりませんでした。申し訳ありません……」
「い、いえいえ。みんなスキルを授かったばかりですし、謝る事はないです。それよりも凄いスキルですね! ありがとうございました!」
後ろにはまだ人が並んでいるのでお礼を言い、自分の結果を書いた紙を貰って横にずれる。
次はタックの番だ。
「剣術Lv8、槍術Lv8、体術Lv8、弓術Lv7です……」
タックも記録更新の様だ。
実際Lv8がどの程度なのか分からないけど、一般的には高そうだな。
Lv10が最高なんだろうか?
続いてススリーが“スキャン”を受ける。
「魔法Lv8、付与術Lv6です……。すみません、やっぱりもう1回調べてもいいですか?」
セリシャさんが3人連続で高Lvだったことに自信を無くし、ススリーにもう1度チャレンジしている。
テストで同じ選択が続くと自信が無くなってくるのと同じ感じかな。
「やっぱり同じでした。何度もすみません」
「大丈夫よ。ありがとう。お疲れさま」
ススリーも紙を受け取り、列から外れる。
次はグウェンさんだ。
グウェンさんは天使から授かったと言っていたから実際どうなのかはわからない。
でも元々薬草の調合をしていたから結構Lvは高いのかも?
「錬金術Lv8です……」
やっぱり高Lvだった。
グウェンさんも自分だけ低Lvだったらどうしようと緊張していたようだったが、ホッとして小躍りしている。
まぁLvなんか関係なく、これからも一緒なのは変わらないんだけどね。
無事に4人とも終わり、少し目立ったのか、視線を感じながら登録カウンターに向かう。
登録申請書とスキャンの結果を受付の人に差し出す。
「お願いします」
「はい、お預かり致しますね。書類の確認後、皆さんは魔物の“ハンター”として登録されます。登録後の説明も行ってよろしいですか?」
「はい、お願いします」
オレたち4人にまとめて説明してもらうことにした。
「登録後、“ハンター”はスキルLvに基づいてE~Sランクにランク分けされます。そして、ランクに応じた“ハンターカード”が発行されます。これは各国共通の身分証明証として利用で出来ます。」
フンフンと頷きながら皆で聞く。
「魔物の強さや危険性は未知数ですので、初めて確認された魔物などは、まず高ランクのハンターに調査、討伐をして頂くことになる予定です。その後、実際に戦ったハンターの感触や魔物の特徴、討伐の難易度によって、魔物のランクを決定していきます。魔物のランクが決まった後は、その魔物は同程度のランクのハンターに討伐をお願いしていくことになります」
なるほど。そういうシステムなのか。
「ランクというのは上がったり下がったりするんですか?」
「はい、実績を積み重ねたり、スキルLvが上がったりなどすればランクも上がっていく予定です。下がる方は……、まだ検討中ですが、任務の失敗があまりにも続いた場合や、ハンターとしてあるまじき行為を行った場合は、ランクの降格や登録が抹消される可能性があります。ただ、ランクの基準や昇格、降格条件などは今後変更される可能性もあります」
まぁそうだよね。
やってみないとわからないものね。
「そして報酬についてですが、任務に応じて報酬が支払われます。また、研究や調査のため、魔物の遺体も別途買取を行う予定です。ただし、金額などは今後詳細が決まっていく予定ですので、しばらくお待ちください」
やはり高ランクの任務のほど報酬も高いのだろうが、いくら位になるのだろうか。
生活できるくらいは貰いたいな……。
「続いてクランについてですが、クランにもランクが設定されます。こちらは個人のランクとは無関係で、設立した時点ではEランクからスタートします。クランとしての実績や貢献度によりポイントが加算され、ランクが変動していきます。高ランクのクランには追加の報酬や都市部に拠点を持てるなどのメリットがあったり、難易度の高い討伐をクランへ直接依頼したり等が生じてくるかと思います。ただし、一定期間クランとしての活動がない場合はクラン登録の取り消しになる場合もあります」
やっぱりクランも入った方がよさそうだな。
デメリットもあまりなさそうだし、いいところがなければ本当に自分たちで作ってしまおうかな。
「最後になりましたが、ハンターギルドも設立したばかりですので、今後変更点や新たな規約が加えられる可能性があります。皆さんへのサポートをより良い物にしていくためにも、ご意見やご要望がございましたら是非お知らせください。説明は以上になります。何かご質問はございますか?」
「いえ、現時点では特にないです。何かあったら聞きにきます」
「畏まりました。では登録とハンターカードの作成も終わったようなので……」
後ろから運ばれてきた書類を見て、受付のお姉さんが固まった。
「皆さんSランクとして登録されておりますね……。事前登録中なので登録者数はまだ多くは無いですが、今の所皆さんだけです。先ほど申し上げましたように、高ランクの方には調査や討伐の依頼があると思いますので、その際はご協力よろしくお願い致します」
そう言ってそれぞれの名前が記されたカードを渡された。
なんかやけにきれいな金属製のカードだ。
「これってもしかして……」
ススリーが驚いている。
「Sランクの皆様は白金カードになっています」
「何それやばい。落としたらどうしよう。恐ろしくて持ち歩きたくない……」
「紛失した場合、再発行は可能ですが、手数料を頂きますので失くさないようお願い致しますね。ハンターカードは、とあるスキルによって本人以外の使用は出来ないようになっております。紛失された物が勝手に使用されたり、売られたり加工されたりした場合には、それを行った者に厳罰な処分が下りますので、ご安心ください」
「はい。絶対に失くしません……」
世界共通の身分証明証が貰えるのはありがたいけど、こんなもの気軽に人に見せたくないよ。
縁がないと思っていた白金がこんな形で手元に来るとは。
プレッシャーが半端ないのでむしろ迷惑かもしれない。
万が一失くした時の為に、場所がすぐわかるような魔法を作ってみようかな。
登録と説明が終わったので引き揚げようとすると、ロビーにある広めのスペースで登録が終了した人たちがわいわいと話しをしていた。
その中から、オレたちより前にスキャンを受けていた獣人族の集団がこちらに来て、年齢不詳だった蜥蜴人族の人が話しかけてきた。
「スキル調査担当のセリシャです。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
猫人族でボブカットの可愛らしい女の子だった。
どうして猫人族や犬人族の人を見ると頭を撫でたくなるのだろう?
思わず撫でてしまいそうになる気持ちをグッとこらえて、説明されたように右手を差し出す。
「では失礼します」
オレの手を握り、セリシャさんは目を閉じてブツブツと詠唱を始めた。
先ほどまで見ていた光景と同じように、光がオレを包み、染み込むように消えていった。
握手した辺りから体内に暖かい波紋のようなものが広がっていく感覚がある。
そしてその波紋が自分の中にある何かに触れ、通り過ぎていった感じがした。
……が、セリシャさんは目を開けた後、口も開けてこちらをじっと見て固まっている。
「あの……、どうかしましたか?」
「い、いえ、すみません! もう一回やってみてもいいですか?」
「あ、はい。構いませんが」
先程と同じようにセリシャさんが手を握って目を閉じ、詠唱を始めると光に包まれる。
後ろから『あいつベタベタとヴィトに触りたいだけなんじゃないのか?』とご立腹の声が聞こえてくるが無視だ。
再び光が染み込んでセリシャさんが目を開ける。
「終わりました……。やっぱり剣術Lv7、体術Lv8、弓術Lv7、隠密術Lv8、魔法Lv8です……」
一瞬の沈黙の後、今までで一番大きなどよめきが起こった。
高すぎて間違えたのかと思ったからもう1回やったのか。
Lvが高くて少し驚いたけど、本当のスキルまでは分からなかったようで安心した。
そして“スキャン”の感覚も理解したので“模倣”も出来そうだ。
うふふ……これは便利だぞ。
「すみません。こんなに高いのは初めてだったので失敗したかと思ったのですが、2回やっても同じ結果でした。それと、他にもまだスキルがある気がするのですが、まだこの“スキャン”がLv4だからか分かりませんでした。申し訳ありません……」
「い、いえいえ。みんなスキルを授かったばかりですし、謝る事はないです。それよりも凄いスキルですね! ありがとうございました!」
後ろにはまだ人が並んでいるのでお礼を言い、自分の結果を書いた紙を貰って横にずれる。
次はタックの番だ。
「剣術Lv8、槍術Lv8、体術Lv8、弓術Lv7です……」
タックも記録更新の様だ。
実際Lv8がどの程度なのか分からないけど、一般的には高そうだな。
Lv10が最高なんだろうか?
続いてススリーが“スキャン”を受ける。
「魔法Lv8、付与術Lv6です……。すみません、やっぱりもう1回調べてもいいですか?」
セリシャさんが3人連続で高Lvだったことに自信を無くし、ススリーにもう1度チャレンジしている。
テストで同じ選択が続くと自信が無くなってくるのと同じ感じかな。
「やっぱり同じでした。何度もすみません」
「大丈夫よ。ありがとう。お疲れさま」
ススリーも紙を受け取り、列から外れる。
次はグウェンさんだ。
グウェンさんは天使から授かったと言っていたから実際どうなのかはわからない。
でも元々薬草の調合をしていたから結構Lvは高いのかも?
「錬金術Lv8です……」
やっぱり高Lvだった。
グウェンさんも自分だけ低Lvだったらどうしようと緊張していたようだったが、ホッとして小躍りしている。
まぁLvなんか関係なく、これからも一緒なのは変わらないんだけどね。
無事に4人とも終わり、少し目立ったのか、視線を感じながら登録カウンターに向かう。
登録申請書とスキャンの結果を受付の人に差し出す。
「お願いします」
「はい、お預かり致しますね。書類の確認後、皆さんは魔物の“ハンター”として登録されます。登録後の説明も行ってよろしいですか?」
「はい、お願いします」
オレたち4人にまとめて説明してもらうことにした。
「登録後、“ハンター”はスキルLvに基づいてE~Sランクにランク分けされます。そして、ランクに応じた“ハンターカード”が発行されます。これは各国共通の身分証明証として利用で出来ます。」
フンフンと頷きながら皆で聞く。
「魔物の強さや危険性は未知数ですので、初めて確認された魔物などは、まず高ランクのハンターに調査、討伐をして頂くことになる予定です。その後、実際に戦ったハンターの感触や魔物の特徴、討伐の難易度によって、魔物のランクを決定していきます。魔物のランクが決まった後は、その魔物は同程度のランクのハンターに討伐をお願いしていくことになります」
なるほど。そういうシステムなのか。
「ランクというのは上がったり下がったりするんですか?」
「はい、実績を積み重ねたり、スキルLvが上がったりなどすればランクも上がっていく予定です。下がる方は……、まだ検討中ですが、任務の失敗があまりにも続いた場合や、ハンターとしてあるまじき行為を行った場合は、ランクの降格や登録が抹消される可能性があります。ただ、ランクの基準や昇格、降格条件などは今後変更される可能性もあります」
まぁそうだよね。
やってみないとわからないものね。
「そして報酬についてですが、任務に応じて報酬が支払われます。また、研究や調査のため、魔物の遺体も別途買取を行う予定です。ただし、金額などは今後詳細が決まっていく予定ですので、しばらくお待ちください」
やはり高ランクの任務のほど報酬も高いのだろうが、いくら位になるのだろうか。
生活できるくらいは貰いたいな……。
「続いてクランについてですが、クランにもランクが設定されます。こちらは個人のランクとは無関係で、設立した時点ではEランクからスタートします。クランとしての実績や貢献度によりポイントが加算され、ランクが変動していきます。高ランクのクランには追加の報酬や都市部に拠点を持てるなどのメリットがあったり、難易度の高い討伐をクランへ直接依頼したり等が生じてくるかと思います。ただし、一定期間クランとしての活動がない場合はクラン登録の取り消しになる場合もあります」
やっぱりクランも入った方がよさそうだな。
デメリットもあまりなさそうだし、いいところがなければ本当に自分たちで作ってしまおうかな。
「最後になりましたが、ハンターギルドも設立したばかりですので、今後変更点や新たな規約が加えられる可能性があります。皆さんへのサポートをより良い物にしていくためにも、ご意見やご要望がございましたら是非お知らせください。説明は以上になります。何かご質問はございますか?」
「いえ、現時点では特にないです。何かあったら聞きにきます」
「畏まりました。では登録とハンターカードの作成も終わったようなので……」
後ろから運ばれてきた書類を見て、受付のお姉さんが固まった。
「皆さんSランクとして登録されておりますね……。事前登録中なので登録者数はまだ多くは無いですが、今の所皆さんだけです。先ほど申し上げましたように、高ランクの方には調査や討伐の依頼があると思いますので、その際はご協力よろしくお願い致します」
そう言ってそれぞれの名前が記されたカードを渡された。
なんかやけにきれいな金属製のカードだ。
「これってもしかして……」
ススリーが驚いている。
「Sランクの皆様は白金カードになっています」
「何それやばい。落としたらどうしよう。恐ろしくて持ち歩きたくない……」
「紛失した場合、再発行は可能ですが、手数料を頂きますので失くさないようお願い致しますね。ハンターカードは、とあるスキルによって本人以外の使用は出来ないようになっております。紛失された物が勝手に使用されたり、売られたり加工されたりした場合には、それを行った者に厳罰な処分が下りますので、ご安心ください」
「はい。絶対に失くしません……」
世界共通の身分証明証が貰えるのはありがたいけど、こんなもの気軽に人に見せたくないよ。
縁がないと思っていた白金がこんな形で手元に来るとは。
プレッシャーが半端ないのでむしろ迷惑かもしれない。
万が一失くした時の為に、場所がすぐわかるような魔法を作ってみようかな。
登録と説明が終わったので引き揚げようとすると、ロビーにある広めのスペースで登録が終了した人たちがわいわいと話しをしていた。
その中から、オレたちより前にスキャンを受けていた獣人族の集団がこちらに来て、年齢不詳だった蜥蜴人族の人が話しかけてきた。
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