最後の嘘シリーズ

咲良

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出会った時には既に貴方には別の人が居た
それでもお互い惹かれあってしまった
報われない恋なんてしてる時間なんてない
なのにどうして頭と心が言うことを聞かない
メッセージひとつに一喜一憂する
貴方からの着信に心躍る
なんてことない会話に胸が痛くなる貴方は私に好きと言う。
でもそれに私も応えてしまえば貴方の家庭を壊しそうで私からは何も言えない
苦しい…悲しい…寂しい
会いたい時にいつでも会える
胸をはって好きだと言える相手ではない
結婚適齢期を過ぎて既婚者と恋愛したい訳じゃない
私だって結婚できるならしたい
だからこんな遠回りしてる場合じゃない…
なのに…こんなにも胸に残るのは貴方だけ…
馬鹿馬鹿しい
先の見えない未来に縋っている暇はない
好きだと言えない、言ってはいけない心にブレーキをかける
これ以上好きになってはいけない

なのに…貴方からの連絡が途絶えると心に傷を負うかのように寂しくて今すぐに抱きしめて欲しくなる

ワガママだよね。
私は好きって言わないのに
ブレーキかけてる癖に

ブレーキ…壊れて居るみたい

家庭のある貴方へ私からは気軽に連絡出来ない
そうすると連絡を待つばかりで寂しさが襲ってくる

だからこそ胸をはって好きだと言える相手を見つけるべきだ
結婚適齢期を過ぎて既婚者と恋愛ごっこしてる暇はない
私だって結婚できるならしたいんだから…
だから…
だから…

言い訳ばかりが増えていく
惹かれていることには変わりないのに

週末会えるって連絡に心躍らせてる場合じゃない

やめなきゃ
未来のない恋愛なんて…
ズタズタに傷ついていく
自傷行為でしかない


最後にしようと決意して会う週末

いつものように食事を用意し密やかに2人の時間を過ごす
2人でベッドに横になり彼を抱きしめる
今日で最後にしよう
心にそっと誓う
寝息を零す彼にそっと内緒話をするように声を潜めて最後の嘘をつく
それは傷を癒すための嘘…
「欲しい物のは手に入れたから、もういいんだ」と。
目を開けて嘘だと見破ってくれたらいいのに…
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