上 下
132 / 175
未知の世界

百三十二話 想い人に

しおりを挟む
~前回の話~

2日間を使ってようやくブリッジタワー港に着いたレン達は2日間でも取れなかった疲れを取るために宿屋に行って休むことにした。2日前のことは忘れないだろう、忘れられないくらいのトラウマを植え付けられたのだから。モンスターの生肉を食べている光景を見たあの日からずっと気持ち悪いと言い、ブリッジタワー港に着いて直ぐに休んだ。トラウマレベルのあの戦いを英雄ギルドみんなに話した、話す前にまず心配された。この3日間、音沙汰無しで連絡をしなかった、それを心配された。当たり前だろう、英雄ギルドは家族なのだから。レンが求めていた家族、友達がレンを、レン自身を叱ってくれたことに心から感謝している

そしてレンは3日間何があったか、2日前に何が起きたのか、狂人ギルドに何をされたのかをみんなに説明した。みんなはその情報を聞いた瞬間、吐きそうになった。吐きそうなくらいヤバいやつだからである。そして気付いた事が一つある、何故真夜中はモンスターが寝ているのか、何故人が通らなかったのか、理由はカール・ア・シャルテが全ての人を排除していたから、それにモンスターが脅えていたからである。キンキンと電話から鳴りながらエレナは怒鳴った、それに続いてレン、紫織がキンキンと電話から鳴りながら会話した、その会話は夜まで続き、夜には解散して朝を迎え、リノアと一緒に走り、いよいよブリッジタワーへ

「何の情報も無いからな、初見だ」

「初見が一番怖いでござるな」

「大丈夫、初見でも倒せば………」

「脳筋すぎないか……?」

初見のダンジョンは割と危険であるが、リノアは倒せばいいという脳筋プレイで挑もうとすることにツッコむレン。気楽に、肩の力を抜き、ダンジョンへ向かう。ダンジョンの扉の前に着いた、レンは好奇心旺盛のため、警戒もせずに速攻中へ入った、ブリッジタワーのダンジョンの中は豪邸であり、例えるならばそう、東京ドームより数百倍デカイ、戦うのならば当たり前のステージ、狭かったら狭かったで戦いずらい、天井ももちろん高かったため、飛びやすい、ぶつからない、という所ではポイント高い

ていうか、本当に広い

広すぎると警戒しなくちゃならなくなるからやめてね?

『ブリッジタワー港のダンジョンへようこそ、こちらは最大5層となっています、5層と言っても………強いですようふふ!』

「5層だからこそ、強いと相手にならない」

『あ、あはは……でも最終層は君達、英雄ギルドでも叶わない相手なのでお楽しみに~』

「なるほど、面白くなってきたでござるな」

頷く

入って直ぐにダンジョンかと思い込んでいたレンだが、まだ入口だった。レン達は更に奥の部屋へ進む

奥の部屋へ入る瞬間、一層が始まる。何処から出てくるのか警戒するのだが、本当に予想出来ないくらいのパリピ音楽であった。もっと戦闘身がある音楽が欲しいものだ。

ランダム登場か、それとも

固定登場の前からか

なんか匂ってくるな、モンスターの匂い

これも融合の効果か?チートだな

パリピ音楽に紛れながら降ってきた敵を蹴り飛ばした

「レン殿は中々にクレイジーでござるな」

「良く分かったね、モンスターが現れる場所」

「匂い感知って言う能力がな、手に入ったみたい」

「だから場所が分かったんだね」

パリピ音楽にイラついて蹴飛ばした一層のボスは壁にめり込んでいたが10秒も経たずに起き上がってきた、蹴り飛ばしただけでダウンされてちゃつまらないとレンは思っていた、蹴り飛ばした程度でダウンしてちゃこちらはレベルアップが出来ない、融合というシステムにまだ負担がある、この負担を克服出来るのはこのダンジョン

考えていると

「レン殿!攻撃が来てるでござるよ!!」

「え?ぁっ………」

拳がデカイモンスターは身体全体に当たってしまう、さっきのやり返し、いやさっきより数百倍の威力でやり返しをしてきた、それを受けてしまったレンは後ろまで吹き飛ばされ、壁にぶつかる。このモンスターはゴーレム、神級ゴーレム。

最近こんなに多く、神級モンスターが出てきていいのか

ていうかボーッとしちまったな、身体中痛い

なんか最近、、俺最弱になっちまったな、何やってんだろ、、、

融合してから油断が多いな………

リノアside

神級ゴーレムが更にオーバーキルをするためにこちらへ走ってきた、だがリノアとイザンが抑える

「リノア殿!そのまま抑えてて欲しいでござる!」

「うん、分かった」

リノアがゴーレムを抑える、イザンは神級ゴーレムを倒すために忍力を溜め始める。レンは神級ゴーレムの攻撃によりダウン中である、ダウンした時はリノアとイザンがカバー、思ったより時間を稼いでくれるリノアだが、そろそろ限界が来て押され始める

一ノ忍魔法 空撃破

ゴーレムに手をついて空撃を入れる、空撃を入れた神級モンスターのゴーレムは吹き飛ばされる

「リノア殿!今でござる!」

スキル 黒炎突

武器の持ち方を変え、ゴーレムの中心部を貫く

ブリッジタワー、ダンジョン一層クリアとモニターに出てくる。終わった後はレンの元へ向かった

「大丈夫でござるか?」

「あぁ………すまんな、迷惑かけた」

「どうしたの、レンらしくないよ」

「あぁ、まぁな。色々ある」

彼は色々あるっていう一言だけ残して二層に向かって行った、なんか悩んでいるはずなのにリノアは手を差し伸べてやれない。何も聞けずに彼は前へ進んでしまう、この時、莉乃香はどうしていたのだろうかと考えてしまうリノア。中々手を差し伸べられない、ずっと悩んでいるレンをただ見ていることしか出来ない。

あの時は差し伸べられた手を何故か差し伸べられない

私に壁があるの、今はレンから悩み事を聞かないと

止めないと

止めて、私

次の二層へ行く前に手を掴んだ

「………拙者は先に扉前まで行ってるでござるよ」

「うん」

空気を読んでくれたイザンは先に行ってくれた、手を掴まれたレンは少し驚いていた。だがリノアは手を掴んでから少し黙ってしまう

「あの、どうかしたか?」

「私に………私に悩み事、言って」

「え?いやでも………」

「言って!言ってよ!なんで言わないの!?私にだけなんで素直に吐かないの!?レン!」

「ご、ごめん……」

悩み事を言わないレンに対して珍しく怒鳴るリノア、言わないのに怒られないのは逆に甘いと思っている。悩み事をずっと引っ張って次の層へ進むなんてただの自殺行為であることをレンは自覚していない、さっきみたいにボーッとして攻撃を食らうのは二度と見たくは無いと思ったリノアはレンに怒鳴った、何故直ぐに仲間に頼ろうとしないのか、まだ信頼が無いのだろうか、闇植物の時から様子がおかしすぎる。闇植物との戦いから油断が多いレンは何について悩んでいるのかを聞いた

素直に話してくれた

「融合……?サカキってあのブラックナイトの」

「そう、あのブラックナイトのサカキは俺だ、まぁ、前の英雄と今の英雄が融合したって訳だな」

「融合してからまだ負担が大きいって事に悩んでたの?」

「まぁ、そういう事だな」

リノアは重大な悩み事じゃなく、安心した

「そんなか?」

人が沢山心配したのに

レンは

こんな沢山心配させて

レンに抱き着いた

「………すまん、大事にしちまったな」

「良かった、私に何も出来ないんじゃないかって思って、ちょっと焦った」

「いや、重大な事をしたよ、リノアは。ありがとう」

どうやら、レンの悩み事は消えたようだ。リノアは重大な事をしたお陰でレンの戦意は戻った。またあの時みたいにレンを前に向かせた、あの時みたいにまたレンがかっこよくなった

感謝と共に頭を撫でくれた

私の想い人がまた前を向いてくれた

かっこいい………

「よし、行くか。イザンを待たせてるしな」

「うん、行こ」

レン、リノア、イザンは次の層、二層に向かって進んだ
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

鑑定能力で恩を返す

KBT
ファンタジー
 どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。 彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。 そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。  この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。  帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。  そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。  そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

処理中です...