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未知の世界

百二十一話 狂人姉妹

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2日間楽しんでいた、このまま続けば良かった。エレナの笑顔がずっと見たかったミラエル、楽しい日々が続けば良いと思ってしまったことが間違えだった。思った時にはもう遅かった。悲鳴が聞こえた、悲鳴が聞こえた方に向かったが、そこには怪我した人しか居なかった。2人は完全に油断していた、油断していた隙に誰かが斬りかかってきた

その斬りかかってきた本人は紫織とリノアに聞いたことがある特徴をしている姿だ。莉乃香を殺した人、その名は

「どぉもぉ~、ブラックナイト………いや狂人ギルドのトップ、シャル・エクサルシスでございまぁ~すぅ~!」

と名乗った

「狂人………ギルド?って何かしら、ミラエル」

「私が知る訳ありません、初めて聞きました。狂人ギルドなんて、ていうかあの人、倒したんじゃないんですか?紫織さんとリノアさんが」

「確か倒したはずよ、てことは生き返ったわね。それか倒しきれていなかったとか」

「だいせぇかぁい~、倒しきれてなかったの~可哀想にぃ~。あとぉ、私の顔に傷をつけた代償を貴方達に取って貰うねぇ~!!貴方達の血をちょうだぁ~い!ねぇ~ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ今すぐにぃ~!!」

流石はブラックナイトで狂人と呼ばれていた、このシャル・エクサルシス。いや元ブラックナイトのシャル・エクサルシス、今となっては狂人ギルドのトップ、シャル・エクサルシス。かなり面倒臭い相手である、シャル・エクサルシスが狂人ギルドを作ったせいで狂人達が集まり、更に強敵が増えたとシャル自身が言っていた。シャル・エクサルシスみたいな強さがうじゃうじゃ居ると、かなり面倒臭い

エレナは武器を構えた

「ちゃんと援護頼むわよ、ミラエル」

「はい、任せてください」

斬り掛かる

「あぁ~待ってえ~殺気を収めてっ、、、マイペットちゃぁん~」

「誰がマイペットですの!?」

中々話してくれないあの時の真実、ただみんなを和ませるたいだけのシャル・エクサルシス。みんなを和ませた後は事情を話した、莉乃香を殺した理由はただ血が欲しかっただけの狂人、血が欲しいの為に紫織、リノアを無視して莉乃香を狙った。狙った理由としては一番血が美味そうだったからだと、シャル・エクサルシスは言う。その発言に怒りを顕にし、斬り掛かろうとするが動けなかった

これは狂人の能力、呪いである

「君達にぃ~人が死ぬ瞬間を~見てもらいたいのぉ~~っ!!」

「なんですって!?やめなさい!シャル・エクサルシス……!」

英雄国のみんなもエレナに続き、やめろ!と家の子に手を出すな!となんてことを……!と言われている、うるさいと思ったのか、シャル・エクサルシスはもう一度和ませる、和ませた瞬間青年の脇からまたもう一人現れてきた、シャル・エクサルシスと少々似ている。あの狂人に似ているなんて有り得ない、その登場に英雄国民、エレナ、ミラエルが怯え出す

そして自己紹介をし出す

「狂人ギルドのぉ~No1でぇシャルお姉ちゃぁん~の~妹のぉ、シャル・アンリデットって言うのぉ~!!」

名前 シャル・アンリデット

髪色 銀髪

「嘘……よね………姉妹……?」

「本当に悪夢ですよ、これは」

まさかの姉妹揃ってここに来ていた、青年に剣を突き付けて、青年は突きつけられている事に怯えている。怯えている顔を見て興奮し始める、シャル・アンリデット。頭がおかしい姉妹に周りも少し怯え始める、青年の家族からは睨まれている。縛られているエレナとミラエルは一ミリも動くことが出来ない、青年を助けられない、怖がっている青年を助けることが出来ない、抵抗が出来ないエレナとミラエルはただ見ていることしか出来ない

青年の首から血が出てくる、シャル・エクサルシスとシャル・アンリデットの姉妹がその血を見て興奮する

「全く動かないわね、完敗よ。ミラエル」

「完敗ですね、私達は見ていることしか出来ません」

何かにずっと縛られていて全く動くことも出来ないエレナとミラエルはただ青年を見つめる。こちらを見て助けを求めているがエレナとミラエルは踏ん張っても動けず助けられない、そろそろ抹殺の時間である、罪もない青年を抹殺する時間、青年の両親からは泣きながらやめてくれと言っている、それでもやめない姉妹、シャル・エクサルシスとシャル・アンリデットは英雄国民を見てずっと顔を赤らめながら喜んでいる

姉妹2人で剣を突きつける

「「さようならぁ~青年ちゃぁん~!!」」

フルスイングで首と腹を斬った、かなりのグロテスクである、青年が斬られた瞬間、英雄国民とエレナとミラエルの意識は吹っ飛ぶ、いや飛ばされたと言っても過言でも無いだろう。気を失ったエレナとミラエルは目を覚ました、目を覚ました場所は宿屋のベッドだった。青年が斬られた記憶は記憶に嫌なほど残っている、エレナとミラエルは同じベッドで目を覚ましていた、手も握っていた。

エレナside

あの恐怖を忘れられない

助けられなかったことも

手足が出せなかったことも

全て覚えている

エレナは起き上がる

「全く歯が立たなかったわね………」

「はい………そして狂人ギルド、また厄介な相手が現れてきましたね。ブラックナイトだけでも苦戦していますのに」

「そんな事より、狂人ギルドが現れたとかブラックナイトに苦戦してたとかそんなのはどうでもいいわ。助けられなかった、ただそれだけよ」

エレナとミラエルは現れたとか苦戦してたとかどうでもよく、青年を助けられなかったことに後悔をする。睨んでいて、やめてくれと言っていた青年の家族の為に戦えなかった。エレナとミラエルはただ見ていることしか出来なかったのは悔しいと、あの時何かに縛られていて全く動くことが出来なかったのは何故だろうかと不思議に思うエレナとミラエル。シャル・エクサルシスとシャル・アンリデットは青年の血を奪いに来ただけなのだろうか

この事件についてレン達に報告する

『マジかよ、シャル・エクサルシスが』

『それより大丈夫だったんですか!エレナさん!ミラエルさん!』

「ええ、大丈夫ですわ。ただ………英雄国民に居る、まだまだ未来がある青年を救えませんでしたわ………」

青年よりエレナとミラエルの無事を心配する、変わらずの英雄ギルド。変わらず、自分達の安否確認よりエレナ達の安全かどうかを心配する何処までも優しい人達であった。狂人エクサルシスは本当に厄介な相手である、魔法攻撃しても喜ぶだけで全く通用しない、倒したと思いきや、また復活してきて英雄ギルドの目の前に現る、そんなに英雄ギルドの血が欲しいのだろうか、あの時からずっと血を狙われている

また厄介な相手を見つけてしまった

『狂人ギルド………厄介な相手だね、その内また鉢合わせしそう』

『そん時はぶっ飛ばしてやる、仇はまだ済んでないからな』

「まだ闇植物との戦いも終わってませんし、ブラックナイトとも決着が着いてませんね」

『だな、私達は強くなって再会するんだ、必ず』

せっかく未知の世界に送り込まれたのに何もしない、何も成長しないってことにはいかないだろう。亡霊国に居るレンとリノア、英雄国に居るエレナとミラエル、魔法国に居る紫織とカノン、底戦国に居る武翠とフェアリ、それぞれ違う国で成長していく彼らの姿を見届けよう、未知の世界と言ってもいずれは再会する、みんなはそれを楽しみにしながらただ前を進む

そして未知の世界に出ていつかクレアとリンジェ、莉乃香の再会が待ち受けている、それも楽しみにしながら前を向く

彼らの英雄の道はまだ終わらない

これからだ
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