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ローズ王国

二十八話 圧倒的な差

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いよいよ、ジェイルvsレン

レンside

「さてと、初めますかね」

「ああ、決着を着けようぜ」

「リノア、すぐ終わらせるから待っとけ」

「うん」

「なんだ?1人でも勝てるってか?」

「ああ、だって」

回想

同級生に

「頼りないな、お前って」

幼馴染に

「頼りないよ、蓮」

亡くなる前の父親に

「頼りないぞ、蓮」

母親に

「もう頼りないよ、蓮ったら」

妹に

「頼りないよ、お兄ちゃん」

あんなに頼りないって言われた、俺がさ

「レン」

「リーダー」

「ん?」

「リノアを頼んだよ」「リノアを頼みます」

「ああ」

回想終了

って頼まれたら、負けるわけには行かないよな、ん~まぁ楽しむか……どうしよ……わざと攻撃受けてみるとか?いやバレるな……

すると真ん前までジェイルが来ていた

「よそ見厳禁だ」

「レン!」

躱す

「お、はっや」

(早い……やっぱり、まだ速力は落ちてない……)

「今の避けるとは……お前相当やるやつだな」

「ん~まぁ、避けるまでが限界だったかな」

スキル 加速

スピードアップ

一瞬でこちらに来た、それを剣で止めた……やば、止めちゃった、でも

「お~すげ」

(なに!止められた?動きが読めたのか?)

(今の動きを止められる人、あまり居ないけど……レンならいけるかもしれない)

「だったら!」

更に加速する

どうやら、ジェイルしか使えないスキルみたいだな

「へぇ、はっや」

(まぁ……余裕なんだけど……本気で行った方がいいかな……ちょっと本気出すか)

後ろだな

振り向いて蹴りを入れた

「なっ!がハッ!」

「お~よし!当たった!」

(凄い……ジェイルの速さを見切って蹴り出した……)

バレない為にわざと喜びを入れた、いや実際嬉しかったんだけどね?もっと喜ぶべきだったか?

「よっしゃ!ん~違うか……普通にガッツポーズか?」

「何やってんだ、お前は」

「喜び方が分からなくて……ガッツポーズでいいのか?」

「いや知らねぇよ……お前と俺、敵なんだぞ?そんな呑気にやってられっかよ」

「敵……だから?それってお前には重要かもしれないけど、俺には重要?それ」

「っ………いやお前には確かに重要じゃないかもな、それはすまん」

「謝れるんかい、てっきり敵になったから……もう感情無いと思ってたよ」

「あるわ!」

なんだよ……あるなら、ちゃんといい奴じゃんか……ならなんで裏切るようなことをしたんだろうか、誰かに従ってるとか?だとしたら、誰だろう……

「お前が従ってるのってキング野郎の父か?」

「っ!何故分かった?最初から分かっていたのか?」

「図星かい、まぁ、勘だな」

「なるほど、お前は勘が鋭いやつなんだな」

「まぁな、んじゃ、俺も使わせて貰うわ」

「は?」

(残念だね、ジェイル、レンならいけるよ……その程度)

スキル 加速

「嘘だろ……お前!」

(ど、何処だ、何処から来る!)

右から

「ふっ!」

攻撃を当てる

「ぐっ!」

「おお、マジで真似出来ちゃった……というよりかは盗んだって感じかな」

スキル スティール

相手のスキルを盗むことが出来る

(馬鹿な、いやきっと使える!)

スキル 加速

だがもう使えなくなっている

「あの時の俺は確かに本気じゃなかったな、だが今も本気出してない……」

「は?本気じゃないだと?」

「あの時も今も本気じゃなかったの?」

「出したら出したで疲れるからやだ」

(俺は本気じゃないやつに苦戦してたのか……?)

本当にすまんと思ってはいる、俺ってほらさ……相手の実力から見たい派だから、行動が分からないと攻撃出来ないじゃん?それ……でも本気を出したくない理由は他にある、元仲間だった人に本気を出して倒したくないからだ

「なあ、辞めにしないか?」

「戦ったって意味ない」

「辞める訳ないだろ、絶対倒す」

「辞めにしろって言ってるんだ!」

斬り掛かってくる

剣と剣がぶつかる

「くっ!何してんだよ……!」

「ジェイル!やめて!」

「お前達のお遊びにうんざりなんだよ」

「正義バカは辞めて一旦本気出さないと、目覚まさないみたいだな……ジェイル」

押し返す

「くっ!」

(なんだコイツから感じられる、殺気は!)

憑依スキル サンダーソード

スキル 加速

斬る

「かハッ、クソッ!早い……!」

「ほら、殺れるんだろ?勝てるんだろ?やってみろよ、ジェイル」

(レンも辞めてよ……仲間同士の戦いなんて見たくないよ)

(クソッ!このままじゃ負ける所か……殺される!俺はこいつに……!)

「スピードは無しにしてやるか、面白くないしな……正面衝突しようか、それならお前も自由に戦えるだろ?」

(レンに手加減された?いやさっきより様子がおかしい、まるで正面衝突でも勝てると言っているように)

「舐めてんのか!クソがっ!」

「もう辞めて!!」

前に出てきたのはリノアだった、俺達に戦いをやめて欲しいのだろうか……俺もやめたいよ、やめたいけど、ジェイルが目を覚まさない限り終われないんだよ

「やめる?何をだ?戦いをやめるのか?馬鹿馬鹿しい」

「馬鹿馬鹿しいのはジェイルだよ……仲間なのに意味無い戦いに……戦っても勝てない戦いに……なんで……」

「俺が?俺がこいつに勝てない?ふ、あははは!馬鹿言ってんじゃねぇよ、こいつに勝てないなんて有り得ない!」

「勝てないよ、お前は俺に」

「クソッ!クソッ!クソが!勝てるって言ったら勝てるんだよ!」

「お前何があったんだよ、気がおかしくなってるぞ……お前そんな奴じゃなかっただろうが!正気に戻れ!ジェイル!」

「お願い……やめてジェイル……元に戻って」

「黙れ!黙れ黙れ黙れ!黙れよ!」

「ジェイル……」

完全におかしくなってる、こいつマジで何があったんだ……あの王に何かやられたのか?どうしても従わなくちゃいけない理由があるのだろうか

「お前に……お前なんかに負けるかよ!」

「レン!」

「クレア!ルリシア!」

「なあ!ジェイルのやつ、なんかおかしいんだ!ずっと気が狂ってやがる!」

「気をつけろ!レン!」

「は?」

「グァァァァァッ!」

叫びと共にモンスターへと変化していく

しかもこいつはブラックドラゴン……この国で最強と言われている……こいつと戦ったら、必ず死者が出るという噂

色で最強が分かる

赤のモンスターは中級

青のモンスターは上級

黒のモンスターは特級

銀のモンスターは王級

金のモンスターは帝級

ダイヤのモンスターは神級

だからブラックドラゴンは特級だ

なんだよ……なんなんだよ……これ、ジェイルは、ジェイルはどこに行ったんだよ……なあ!結局倒さないといけなくなっちまうのか……?

「ジェイル!」

「ジェイル!しっかりしろ!なあ!ジェイル!!」

体を揺らして声を掛ける

「殺ス、殺ス……お前ヲ殺ス!」

攻撃が来る

剣で抑えるが

「ぐっ!なんだこの攻撃っ!ぐぁっ!」

吹き飛ばされる

「ジェイル……あんた……」

「アレクと同じだ、アレクもモンスターへと変化してクレインと私で倒した」

「……馬鹿な……アレクも失って、今度はジェイルってか?なんでだよ……ジェイル……!なんでお前と戦わなきゃいけないんだよ……」

「レン……やるしかないよ、レンは英雄でしょ、ジェイルを倒して王も倒すよ!だから勝ちなさい!レン!」

「クレア………」

どんな事があろうと、仲間が裏切ろうと、仲間がモンスターだろうと、どんな敵でも……俺は倒したい、だからジェイルも倒すしかない、俺の手で、そして王……お前も倒す!まずはジェイルを楽にしてあげないといけない……あのまま苦しまさせるのは嫌だからな、だから……

「クレア、ルリシア、リノアを頼んだ」

「………分かった」

「任せてくれ」

「レンダメ!たとえレンが最強でも……」

「英雄って大変だな……けど英雄でも……最強でも……やらないといけない時がある……だからやるしかないんだ、分かってくれ、リノア」

「レン………」

「勝ってね、レン……やられたら、許さないから」

「ああ、任せろ」

クレアとルリシアはリノアを連れていき、王国へ戻った……よし、もう誰もいないな、本気も出せる……だからこれが最後の勝負だ

「殺ス!お前ヲ殺ス!お前ハあノ世行キ!」

「来いよ、ジェイル」
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