外面天使の脳筋ゴリラな大国の姫は『可憐なレディ』をお休みしたいのです〜本当はモンスターを狩って絞ってぶちのめしたいのですわ!!〜

しおりんごん

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ある大国のとある姫君について話を聞いてみるとみんな口を揃えて称賛の言葉を贈る




現地の平民に聞くと
『美しく聡明で、それでいて我々平民にもお優しい天使のような姫さまだ』




他国の姫君によると
『同じ姫君という立場ですが、尊敬しています。大国の姫としてあるべき姿を完璧にこなされていますわ』




大国の王太子、、、つまりは姫君の実兄に聞くと
『アイリスはこの世に舞い降りた天使だ。それ以外の何者でもないよ。まぁ、、、少しお転婆なところもある。でもそれは僕たち家族の前でしか見せない彼女本来のお茶目な可愛い姿でもあるんだ。つまりは信頼してる僕たちの前でしか見せれない超絶レアなアイリスであって、君たちが知る由もないんだけれどね。だって僕たち家族の前でしか気の抜けたすが、、、』

、、、、、、失礼した。少々想いが強い兄上であるようだ。









まぁ、つまりは
聡明で見目麗しく、誰もが尊敬する完璧無敵なお姫様

とイメージを抱かれているカティレシアス王国の王女

アイリス・カティレシアス(15)なのだが、、、





















「筋肉が、、、足りない、、、プロテインが欲しいのですわーーーーーーっっっ!!!!!!」
















本性は脳筋ゴリラである





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第一話

脳筋ゴリラのお姫様


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昼下がり

王城でも特に力を入れている庭園のガゼボで花嫁稽古終わりの一息ティータイム



完璧無敵な天使姫(他称)は紅茶を口にした途端プロテインを欲した



そんな奇行に走っても、光に反射して艶めき輝いている黒曜石のような髪と、これでもかと生えているまつ毛の間に収まる黄金の瞳を持つ彼女は紛れもなく美少女である









カティレシアス王国の姫であるアイリスには幼い頃からカティレシアス王国に匹敵する大国、アレキサンドライト皇国に輿入れすることが決まっている



そのための花嫁修行と題して昔から刺繍に音楽にダンスにテーブルマナーなどの実技から
世界の歴史、他貴族の情報、世界情勢などの情報まで

ありとあらゆる『レディ』を叩き込まれて今日も先ほどまで座学の授業が行われていた




そんな毎日に疲弊してしまったアイリスは無意識にプロテイン、、、つまりはタンパク質を求めていた

なぜなら脳筋ゴリラなので、、、



疲弊=栄養を摂る=プロテイン

という方式が頭にインプットされている






「、、、そんなことを口にしていると、また王妃様からお叱りを受けますよ」

「口にするだけならいいでしょう?普段はお母様がおっしゃる『麗しきレディ』を務めているのだから!」

「アイリス様。わたくしミラは貴方様が幼い頃から側近メイドとしてお仕えしていますが、、、その、プロ、、、テイン?というものがいまだに理解できないのです」

「そ、れは、まぁ、この世界には(ボソッ)存在はしてないですもの、、、」

「つまりアイリス様はずっと存在しない架空のものを欲しい欲しいと口にして王妃様から毎回お叱りを受けているのですね、、、」




専属側近メイド、ミラから哀れなものを見る目で嘆かれるアイリス

日頃の立ち振る舞い(完璧無敵の天使姫)による疲弊で妄想と想像と現実が混ざってしまっているのだろうか、それほどアイリス様は精神的に参っているのだろうかとミラは考える



、、、が、アイリス様は日頃元気だし、元気すぎる時には想像のつかない行動を突如ぶちかまし、ミラや王妃の頭を抱えさせることも少なくはないので王妃の怒りは真っ当なものだと結論づけた





「お母様がわたくしに厳しすぎるのですわ!」

「イザベラ様はアイリス様のためを思って素敵なレディに導こうとなされているのですよ」

「素敵なレディ、、、ね」












「ご歓談中失礼致します。アイリス様。国王様がアレキサンドライト皇国との会談からお戻りになられました。謁見の間に婚約者の、、、「お父様がっっ!!?!?!」

「あ、アイリス様!走ってはなりません!!」

「今城内には身内のものしかいないのですから大丈夫ですわ!」

「そういう問題じゃ、、、!」




----------------------------------------------------------------------





くどいようだが、アイリスは脳筋ゴリラだ

彼女がそうなってしまった所以はいわゆる前世というものが関係している




アイリスは生まれ落ちた時には前世の記憶というものを持ち得ていた

アイリスの前世、、、それは『霊長類最強(最恐)の女』という肩書きを持った人生



世界柔道にてレジェンドと呼ばれている父、そんな父を長年隣で支え続けたスポーツトレーナーの母

世界空手にて頂点に君臨している兄(1)世界レスリングにて快進撃を続けている兄(2)世界柔道にて期待の新人と騒がれている弟

、、、という、筋肉スポーツ家族の唯一の女子供であり、そんな家族に囲まれて生きてきたからかお淑やかな和風女子というイメージの日本人女性とは思えないほどの筋肉思考を持ってしまった長女

それがアイリス(前)



家で出てくる料理といえば糖質脂質、ビタミンミネラル、タンパク質を突き詰めた母監修の筋肉専用料理
お供にプロテインを忘れずに

幼い頃、家族で遊びに出るとなったら大抵は運動施設

実家には開けた記憶のない穴が壁に定期的に増えていたり、父の特製スポーツジム室があったり、家より広い庭には様々な運動器具が置いてあったり、使用用途のわからない器具もあったり




そんな筋肉家族で少し一般家庭とは離れた生活をしてきた彼女だが、学校生活などでは支障もなく学生時代を謳歌して、無事卒業


やんちゃな男の子たちから少し突っかかられたりもしたが、『正当防衛』で返り討ちにしていた

、、、『正当防衛』という言葉は大変便利である







大学卒業後、そのまま幼い頃から続けていた女子レスリングの世界に参戦


数年のうちに挫折も栄光も経験して、何があろうと挫けず、ただただ自分を、筋肉を磨き続け、あらゆる大会で結果を出し、世界が認めた霊長類最強の女という肩書きを手にした、、、のだが











彼女は轢かれかけた子供を庇ってトラックに潰されてしまった
















、、、正直、、、彼女はトラックに勝てると思っていた






本当にバカな考えである

、、、あるのだが

正義感を持った立派な脳筋ゴリラに成長してしまった彼女はイメージでは幼い子供を公園の茂みに投げたあと、トラックと真っ向勝負で止める気でいた








霊長類最強の女としてトラックに挑んだ結果、、、




文明の力の圧勝であった、、、、、、











彼女が息絶える前に思ったことはただ一つ









『やっぱ機械には人力で勝てないか~、、、いけると思ったんだけどなー!!』


なんとも呑気な脳筋ゴリラである



------------------------------------------------------------------------------------













そんなこんなで、世界を去った彼女の魂は、なぜか形を保ったまま、新たな世界の第一王女へと生まれ変わってしまった



「イザベラ様、、、っ!!おめでとうございます!!第一王女様のご誕生です、っ」

「イザベラっっ、!よく頑張ったなっっ!!」

「あ、なた、、、わたくしの子のお顔を見せて、、、」




(、、、ん?なんだこの感覚、、、?私、トラックに負けて死んじゃったはずだよね?)


「、、、ふぎゃ、ふ、おぎゃ~!ふ、ふぇ」


(こ、これ、私の声?私が出してるの?)



「ああ、、、っ可愛らしい女の子だっ」

「ええ、、、とっても、可愛らしい、、、こんにちは、私がお母様よ」



(うわっ。スッゲー美男美女だ!!、、、外人さん?だよね、周りの人の目の色も髪の色も日本じゃ滅多に見ないし、、、というか、この部屋すごい豪華だなー!!キラキラ眩しい!!

、、、って、あれ?

これってもしかして、もしかしなくても、、、転生ってやつ?)







脳筋ゴリラとして霊長類最強を目指していた前世ではアニメや漫画などの娯楽に触れる機会は少なかったが、友人や兄弟が時にその手の話をしていたので、一応「転生」という概念は知っていた





が、知っていたところですんなり受け入れられるわけでもなく






「おにいたま!わたくしはちがうせかいからやってきたのですわ!」

「うん。そうだね。アイリスは天使だものね」

「ちがいましゅ!わたくしはれいちょうるいでいちばんつよいおんなだったんですの!!」

「うんうん。もちろんアイリスがこの世の何よりも一番強く愛らしいよ」

「かわいさとかではなく、まんぱわーのはなしですわ!!」





前世の記憶があろうとも、感性は年齢に引っ張られてしまうようで

幼いアイリスは自分の境遇をどうにか理解してもらおうと、家族やメイドに幾度となく訴えてきたのだが、うまく流されて話が終わってしまう

前世の境遇と今世の立場の差で心が不安定になってしまい、不意に泣き出してしまうこともあった






「うっ、ふっえ、ち、ちがうのですわ!うっ、、、う~、、、!!」

「あぁ、、、どうしたのアイリス泣かないで!!」

「わたくしは、このせかいのっ!うっ、にんげんじゃあうっ~ないっのでずわー、、、」

「何を言ってるのアイリス!君は僕の可愛い可愛い妹以外なんだというんだい?!」

「ゔ~、、、っっ!」

「ほら、アイリス!これを見てごらん?」

「、、、う?」



妹バカ過激派もといシスコン王子もとい、カティレシアス王国王太子、クリス・カティレシアス


彼がアイリスを宥めるために見せたものは、前世ではもしかしたら存在したかもしれないけれど、空想のものだと誰もが思っていた現象





「ほら。水の人形だよ!この間、教師に習ったんだ。
アイリスに見せたくってたくさん練習したんだよ!」

「、、、ま、ほう?」



そう。魔法である。




どうやらこの世界では、誰もが魔力を持っていて、魔法が日常に当たり前に存在しているらしい。


アイリスはこのことに歓喜した。

なぜかって?






魔法=パワーであるからだ。











(魔法を極めれば、、、トラックなんて木っ端微塵ですわ!!!!)


脳筋ゴリラは、どんな形であれ、力を欲するものであった


肉体ももちろん鍛えるつもりでいたが、魔法というさらなる高みを目指せそうな力のもとを知ってしまったアイリスは、学べる場を求めて両親に頼み込む






「まほうをまなばせていただきたいのですわ!!!」



ちなみに、わざとらしいほどの「ですわ」「ですの」などのお嬢様言葉は、姫様=この語彙、という脳筋ゴリラの最低限のファンタジー知識として自分の立場を理解した時から取り組んでいたものだ






「いけません」

カティレシアス王国王妃、イザベラ・カティレシアスは即断する

「な、なんででしゅか!!」

「イザベラ、、、少しぐらいならいいんじゃないかな?」

「いけません。あなたは子供に甘すぎます!、、、アイリス。レディたるもの、魔法や武力など身につけてはならないものよ。」

「で、でも、あぶないときに、じぶんをまもったり!」

「あなたはカティレシアス王国の姫君です。危険なことなど起こり得ません。もしそんなことがあるなら世界が滅亡する時でしょうね」

「うっ、うぅ~おとうしゃま、、、」



カティレシアス王国の国王サイラス・カティレシアス

彼は親バカであった

クリスの兄バカは、十中八九、彼の血から受け継いだものだろう





そしてそのことをアイリスは理解していた

「おとうしゃま?アイリスはまほうをまなびたいのです、、、キラキラきれいなまほうでみんなをしあわせにしたいのでしゅ、、、」




百嘘だ。
アイリスはいかに力を身につけ、兄から耳にしたこのファンタジー世界に存在しているモンスターを狩ることしか考えていない。


が、自分に甘い父はこの可愛らしい夢みがちな発言と下から目線で瞳を潤ませおねだりすると断れることができないとアイリスはこれまでの経験で理解していた

だから今回も、きゅるるんきゃわわ~なおねだりで迫ってみたのだが、、、






「うーん、、、アイリス、君は可愛いお姫様だ。クリスは次期国王としてこの国を守るために魔法や武術を学ばせているけれど、アイリスはアレキサンドライト皇国に輿入れする前に他のことをいっぱい勉強しなければならない
魔法を学ばせたい気持ちはたくさんあるのだけれど、、、それ以前に学ぶことがたくさんあるから、、、」




カティレシアス王国と、アレキサンドライト皇国はこの世界において二代大国と言われるほど大きな力と領土を持っている


万が一、戦争など勃発して仕舞えば、両国のみならず、大きな被害が世界に訪れるだろう


そんなことが起きないように、お互いの友好の証として古い昔からお互いの姫君を王族なり、公爵なりに嫁がせることが続いていた

、、、まぁつまりは両国間の人質とも言えなくもないが一応昔からのしきたりであって、今現在でも両国の関係性は友好である


それが必要なことはアイリスも幼いながら理解していたし、別に不満もなかった



、、、のだが、魔法が学べないとなると別である




「、、、それなら」

「うん?」

「それなら、およめさんしゅぎょうをがんばって、りっぱなれでぃになったのなら!!まほうをまなばせてくれるのですね!!」

「ん?、、、そ、そうだね?アイリスにもう教えることがありません~ってなったらできる、、、のかな?」

「あなた!適当なことを口にしてはなりません!!」

「おにいしゃま!ろくおんできましたか?!」

「うん!魔法道具でバッチリだよ!」

「「?!?!?!」」


どこからともなく出てきた息子に両親は驚き、さらに録音されていたという事実に驚愕する

アイリスの可愛さに踏みとどまった国王だが、兄はとっくの前に陥落していたようだ



「ふっふっふっ、、、あたまもつかってみるものですわね、、、!これでげんち?はとれましたわ」

「僕の考えだからアイリスは頭使ってないでしょ」

「おにいしゃまにそうだんするってことをおもいついたのはわたくしですわ!」



普段の脳筋ゴリラの彼女であれば即断即決で両親の元へ交渉していただろう

だが、自分の立場を考え、そう簡単に頷いてもらえないことはわかっていたので優秀な兄を味方につけ、どうにか『立派なレディになることができたら魔法を学べる』という言質を取ることができた


「おとうしゃま?おとこににごんはないですわよね?」



この時の心境を王はこう語る


「あの時からアイリスは魔法に魅了されていたようだね、、、絶対学びたいという気持ちが体から溢れていたよ。それにしても、私から言質を取った時のしてやったり顔は今思い出しても可愛かったなぁ。クリスと共同したいたずらじみた行動はこの時が初めてだったけど、2人ともとても愛らしかったよ、、、」


ただの親バカの惚気であった






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