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第二章

1人が語る1人は黙る

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そして結局、俺はなんのためにファミレスに連行されたのかわからないまま、双子と帰り道を歩いていた



「プハー!食った食ったー!ありがとなぁ小太郎!」

「こ、小太郎くん、本当に大丈夫?」

「うん、、、喜んでもらえて何よりだよ、、、(泣)」




ぐっ、、、これはまた姉ちゃんのアシスタントに今度は自ら参戦しなきゃいけないな、、、






「あ、そうだ。本題忘れてた」

「そ、そうだよな!俺に話があってファミレスに連れて来たんだよな?!」

「悪い悪い!外食なんて久々でテンションあがっちまってた。」

「いや、俺も2人の話が面白かったからつい忘れてたよ」




ふぁみれすでのあ2人は学園内でのアイドルっぽさなんて微塵も感じないほど普通の男子高校生で、俺との波長も似通ってるのかなんだか色々話しやすくて、、、


双子ならではのエピソードとか面白くて色々話が盛り上がっちゃったんだよなぁ





「ぼ、僕も小太郎くんの家族のお話とか、、、面白かったよ!お姉さんとのプリン争奪大乱闘の話は冗談でもすごかったよね!」


いや、、、それは本当に大乱闘したんだけれども、、、


「そうだな、、、。そんでさ小太郎、、、。お前はもうわかってんだろうけど、俺たちは学校で猫かぶってる、、、っていうか、キャラを作ってんだ。」

「まぁ、そうだよね。今の感じが素なんだろ。」

「おう。俺はこんな感じで大雑把だし、翔はビクビクしてる引っ込み思案だ」

「び、ビクビクは、、、してない、、、」

「それはどもりをなくしてから反論するんだな。お前は昔から内向的でネガティヴで、考えなしで、、、」

「そ、それで、なんでキャラを作ってるんだ?!」
  



なんかまたケンカの雰囲気が出て来たので無理やり話を戻す


「あー、、、それは。俺んち母子家庭の貧乏でさ。父ちゃんが小さい頃死んでから母ちゃんが1人で家計回してる。そのくせ俺たちに不自由がないようにって、食費も生活費もギリギリまで詰めて俺たちの小遣いに渡すような人で、、、。
すごい優しいのにどこか不器用で、でも俺たちはそんな母ちゃんが大好きなんだ。」


ファミレスに入った時からなんとなく感じてたけど、やっぱり家庭に事情があるみたいだな、、、。でもそれがどうしてキャラ作りに繋がるんだろう?


「俺たちはほら。容姿がいいだろ?」

「そんなにはっきり言われたらイエスとしか言えませんとも。」

「あははっ!まぁ事実だからな。そっくりの容姿で可愛らしい顔立ち、身体。これを生かして金を稼ぐには芸能映えするキャラが必要だ。
今は母ちゃんも心配するし、事務所とかと契約なんてできない。まぁ、スカウトはされるけど。
だから今のうちに基盤を揃えとくんだ。愛くるしい双子として芸能界で売り出せるように。
俺は頭悪いし、翔も行動力がないからいい会社とかにはつけない。でも芸能界なら俺たちなら、、、母ちゃんを不自由なく幸せにできるぐらい稼げると思うんだ。
実際にSNSのフォロワーは10万とか超えてるし」

「す、すごいな、、、」

「そうかよ?高校の頃から金稼ぎについて考えてるなんて可愛くねぇだろ?」





いや、本当にすごいと思った。

ここまで将来のことについて考えてる高校生は見たことないもん

(レオンくんは小太郎くんとの結婚を真面目に視野に入れてるし、一生共にする方法をすでにチャートまで作って計画しているのだが小太郎くんが知る由もないのであった。)




「てなわけで!俺らの本性のことを言いふらそうもんなら、、、って話をしようとしてたんだけど」

「そんなことしないよ。めちゃくちゃ応援する」

「うん。お前と話してそんなことするやつじゃねえって思ったわ。さすが生徒会と葛西を懐柔しただけあるなぁ!小太郎!」

「か、懐柔?!そんなつもりないんだけど!!」

「あははっ!そうかよ、、、。、、、ありがとな。」




龍くんは小さくつぶやいた。

彼の話は夢みがちなのかもしれない。でも俺は心から応援したいと思った。











ただ、、、。


翔くんがさっきから一言も話さなかったことが少し気がかりだった。
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