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本編
番外編・金色の海 前
しおりを挟むデートの時には必ず小太郎くんより先に向かう
、、、そもそも体が勝手に向かってしまうんだよね
え?いつから向かってるのかって?それは小太郎くんにも秘密にしてるからね
教えてあげられないよ
一時期、小太郎くんも僕より先に向かおうとしてたんだけど、、、
意地でも負けないようにしてたんだ
僕は愛しい恋人を迎える一瞬がこの世の何より大好きだからね
この瞬間だけは、小太郎くんにも譲れない唯一
------------------------------------------
「ばあぁ!レオン!おはよっ!」
「わっ、おはよう小太郎くん」
いつからだったかは覚えてないんだけど、小太郎くんは毎回僕を驚かせようとしてくる
多分僕との待ち合わせ時間で負けた意趣返しなんだろうけど、、、
、、、僕が大好きな恋人の存在を認識できないわけないじゃないか
でも、毎回驚いたふりをする
だってそうしたら小太郎くんが悪戯が成功した小悪魔みたいに笑うんだもん
可愛いしかないでしょ?、ないんだよ(圧)
「えへ。びくってしたろー!」
「うん。世界で一番可愛いね」
「、、、お前たまに会話の前後おかしくなるよな」
おっと、つい本音が
「まぁ、いいや!
今日は俺のエスコートだからな、着いてこいよ!」
「ふふっうん。よろしくね」
中学最後の夏休み
僕の予定の内容はほぼ小太郎くんだった、、、あとたまに家の用事
今日のデートは小太郎くんからのお誘い
なんでも僕を連れて行きたい場所があるらしい
「はいっ!まずはこちらの電車にお乗りください
あ、切符はこれです」
「うん。ありがとう
いくらだった?」
「いえ!今日は俺の奢りです」
「え?なんで?払うよ」
「俺が奢りたいからです!異論は認めん!」
あ、席に座っちゃった
恋人という関係性になって最初の頃は。僕が「小太郎くんに負担などさせてたまるか」精神で今後一切小太郎くんに出費させるつもりはなかったんだけど、、、
それを小太郎くんから断固拒否されて、、、
お互いの誕生日と、特別な日以外には自分のお金で自分を賄う、、、という約束を取り付けられてしまった
、、、だって『この約束をしないと別れる!』なんて言うんだよ?逆らえるわけないでしょ、、、
てなわけで、約束したわけなんだけど
あいにく今日は思い出す限り特別な日でもなんでもないはず、、、
隣でソワソワしてる小太郎くんに話しかける
「小太郎くん、、、約束は?」
「うっ、、、もう!理由は後で話すから今はしーっ!」
って
僕の唇に指を添えてくるもんだから、、、僕は黙るしかなかった
でもちょっと悔しかったから
ちゅ
そのまま手を引いて指先にキスする
「後で理由、、、教えてね?」
「お、おう」
あ、耳赤くなってる
可愛い
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