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本編

大好きで大好きで

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骨にヒビ入れたのが4月最後の月曜日
んで、それからとにかく部屋家で安静にしてろってことで、唯一の友が持ってきた課題を平日はやり続け、今日は日曜日

課題をやってる時点で俺の小さな脳みそをフル稼働してるから安静もクソもないんだけど

でもでも今日は!一週間ちょいぶりのレオンとデート!

普段は平日でも放課後デートをする自他共に認めるバカップルだけど(そもそも俺の周りには彼氏がいるなんて伝えてないけど)

家に見舞い来るって熱弁してたレオンをどうにかこうにか抑えて、一週間も顔を合わせなかったのは初めてかもしれない

側から見たらそんな長い期間でもあるわけないのに、めちゃくちゃ寂しさを感じていた俺も手遅れなほどに愛しい彼氏にベタ惚れなのだ



約束の時間に間に合う宵に準備を済ませて、玄関に向かおうとしたら母さんに呼び止められた

「小太郎外に出るの?大丈夫?」
「うん。激しい動きしなければいいって先生言ってたし
バスと電車使うからそこまで歩かないから」
「そう、、、どこにいくの?」
「駅前のあたり周りぶらぶらしてくる」
「気をつけるのよ、あんたいつもそそっかしいんだから」
「はぁい」

正直、家族にカミングアウトが怖いと言うわけではない
今時、同性同士の恋愛に批判する方が批判されるような、様々な愛の形に理解ある世界だし、なんなら10年ぐらい前から結婚も認められている
そもそも家族は腐っていて、きっと俺が紹介なんてものすれば三日三晩はしゃぎ回るだろう

それでもまだいえないのは、ただただ俺が小っ恥ずかしいだけ
絶対質問攻めされるし

まぁ、いつかは話すよ
俺の大好きな彼氏のこと





----------------------------------------------------------------------

バスに乗って15分ぐらいで駅に着く

上京してきた人が今年も多いのか、駅前の広場には結構人が密集していた

そんななか、明らかに不自然なくらい空いているスペースに優雅に佇む美少年。
そうです!俺の彼氏のレオンくんです!

俺はレオンより先に待ち合わせ場所に来れた覚えがない
いや、最初の頃は俺も張り合ってみたよ?一応年上だからかっこよく「今来たとこだから気にすんな、、、」て言ってみたかったし

でも15分前に行ってみてももう先にいるし、30分前にもいるし、一時間前にもいるし
最後に二時間前に向かってみてそれでも負けたから、俺は考える事をやめた

なんならレオンは、
『小太郎くん!まだ二時間前だよ!しかもそんなに急いでどうしたの?ふふっ寝癖ついてるよ?』
と、余裕をぶっかましながら俺の寝癖を治していた

それブーメランな、って言おうとしたが、奴は寝癖なんてものついてないパーフェクトスタイルで二時間前に着いていたもんだからそれ以降はもう勝手にさせていた


少し年上のお姉さん方が、多分逆ナンを企てているのか駅の周りをうろちょろしている

それでも話しかけていく様子はない
確かに現実離れした容姿だからな、、、もう、二次元の住民じゃないかと思う
、、、今度推しキャラのコスプレ頼んだらしてくれるかな?


俺はレオンの後ろに周りふいをつくように抱きしめた
「わっっ!」
「っ!!」

ふふん。今回も成功だ
レオンが毎回先につくのに多少年上としての威厳が傷ついてしまった俺は、毎回こうやって少し意地悪をする
俺の予想だが、多分レオンは不意打ちや、びっくりするものに弱い
毎回俺に驚いてるし。ホラーも苦手なのかな?
ホラーは俺が苦手だから、一緒に確かめようがないけど

「えへ。びっくりした?」
「うん。びっくりしたよ。小太郎くんおはよう」

レオンは花が咲くように微笑む
効果音をつけるならぶわわわわって感じ
俺はレオンのこの顔が大好きだ

「肋骨、大丈夫?動いてキツくない?ほんとは迎えに来たかったんだけど、、、」
「もー大丈夫!それに迎えを断ったのは俺だし」
「、、、うん。でもキツかったり違和感感じたらすぐ教えてね」
「わかった。、、、でもレオンとのデート久しぶりだから長く一緒にいたくて我慢しちゃうかも」
「ぐっっっっ」
「どした?」
「、、、小太郎くん今日も可愛いね」
「ふふん。そう?」

俺はもうレオンの言葉を素直に受け止めるとお仕置きという名のわからせを数回受けた後に心に決めた
俺自身は全く共感できないけど、彼氏に褒められて嬉しくない奴はいないもんだし。正直素直に受け止めてからはもっと言ってほしいとか考えてしまうほど、俺の自己肯定感は上がっていた

「今日レオンが場所決めてくれたんだよね?どこいくの?」
「今日はあんまり動かない方がいいかなって思ったから、この間行ったレンタルカフェを予約してるよ」
「え!マジ!あそこ楽しかったからまた行きたいって思ってたとこ!」
「うん。小太郎くん楽しそうだったから。置いてある漫画も読みきれなかったでしょ?あそこならゆっくりできるしね」

俺のことをなんでもわかってくれるレオンが優しくて愛しくて

「レオン大好き」

つい言葉にしてしまった
にぎにぎしていたレオンの左手から目線を上がると

「僕も小太郎くんのことが大好きだよ」

効果音をつけるならば、ぶわわわわわわっっ!って感じで微笑み、優しく囁いた






多分顔が赤くなっている俺を連れてゆっくり歩き出す

レンタルカフェでは置いてある漫画を読んだり、ゲームをしながら、ゆっくりまったりレオンとくっついていた
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