俺にはラブラブな超絶イケメンのスパダリ彼氏がいるので、王道学園とやらに無理やり巻き込まないでくださいっ！！

本編

俺の腐ってる家族

「それそれ！！絶対王道転校生だよぉぉ！！！」
「逆にそれ以外ありえないわね！でも少しアンチ気味な匂いがするわ､､､」
「まぁ、アンチはアンチでも、平凡くんや非凡くんや隠れ美形や元総長が輝く舞台になるかもじゃん！やっぱお母さんの見込み通り甘音学園は王道学園だった！」
「ふふん、お母さんが何年腐女子やってると思ってるのよ！
もう腐マダムとでも呼びなさいな！」




､､､みんな、信じられるか？
これ、病院に運び込まれて休んでる息子or弟の病室で繰り広げてるんだぜ？
少しは労わって欲しいモノだよな？俺骨ヒビ入ったんだけど

そう、結構重症だよ

気がついたら病室のベットの上でさ、先生から「肋骨ヒビ入ってます」ってさ




､､､マジあのマリモ許せねぇ！！！！！
あれから謝罪も見舞いも来てねぇし！！！！！
マジで人の心無いんだなっっ！モンスターみたいな見た目してたもんな！！




、、うん、落ち着こう冷静is俺

先生からなんか色々話されてとりあえず一ヶ月は安静に～とか言われて
なんもすることないし荷物もないからスマホもないしもう一眠りするかーっておもったんだけど
急に母さんと姉ちゃんが見舞いに来て、ことの顛末を話したら腐った話で盛りあがってさ



確かに甘音学園､､､俺の通ってる高校な
なんか、オーラある奴らが生徒会として学校まとめてて、入学前にねぇちゃんから見せられた王道学園BL漫画を再現するために作られてんの？って感じのやばい学校だけども､､､


どこら辺がヤバいのかと言うと
顔採用としか考えられない生徒会メンバーと、選挙制じゃないのに何故かイケメンしか選ばれない風紀委員会
それと、そいつらを崇め奉る親衛隊？ファンクラブ？みたいなやつが当たり前に存在してるし

まぁ、全寮制ではないし、金持ち学園ではないんだけど
それ以外はマジでBL漫画の世界
普通にホモばっかだし

閉鎖的でもなんでもないのに男にキャーキャーするチワワばっかで、もしかしたら理事長とか、そこら辺の偉い人がわざと狙って入学させてるまである

その説が立証するなら俺は顔が安定してないモブAか、 Bか、Cか
つまりは脇役として数合わせで入学できたのだろう

中学3年になっても進路が曖昧で、母親に流されるまま、受験しちまったが、まさか母親がBL展開を望んで息子を向かわせるなんて考えることができただろうか､､､いやない（反語）


「小太郎！学校復帰したら毎日報告してね！リアル王道学園ライフ知りたい！」


あ、今更ながらだけど俺の名前は笹島 小太郎です
これまたありふれた苗字にありふれた名前だろ？
うるせーやい


「あー､､､て言うか俺いつから通っていいの？」
「無理しないなら来週からもう大丈夫みたいよ。固定帯をつけるほどバラバラじゃないみたいだし。
湿布で痛みを軽減させなさいって先生もおっしゃったでしょう？」

ごめん話聞いてなかった

「もうその頃には生徒会が王道転校生に侵食されてるわね」
「はぁ？そんな即堕ち2コマみたいなことあるわけ､､､」
「甘いわよ小太郎！王道転校生は魔術でも使ってんのかって勢いで周りを魅了しちゃうんだから！」

え～？あのマリモが？
俺、出会ってたった数秒であいつの評価最底辺なんだけど？
やっぱ生徒会のイケメンどもはモブの俺とは感性が違うのか？

「まぁ、無理しない程度にBL要素を蓄えてきてね
無理はしなくていいけどできるだけ蓄えてきてね。最大限努力はしてね。」

はぁ。これが肋骨にひび入れた息子に送る言葉なんて､､､
もうどうしようもないほど腐ってんだな……俺の家族は

ちなみに父さんは母さんに尻に敷かれているので特に進言することはない
仲はいいし、俺も家族のことは好きだけどさ

母さんも姉ちゃんも、俺が生徒会たちに関わる前提じゃなくて完全にモブとして観客のように考えてるし
俺よりその王道展開？に詳しいんだろうから姉ちゃんたちに直接向かって欲しいぐらいだ
男子校だから無理だけどさ 

「はいはいわかりました、無理しない程度に最大限観察しとくわ」
「よし！それでこそ我が弟！！！共にボーイズのラブで萌え上がろうぞ！！」
「どこの武将だよ笑」

















……姉ちゃんも母さんも、それこそ気弱な父さんも

俺に超絶イケメンの年下完璧彼氏がいるって言った暁にはぶっ倒れるんだろうな……