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第52話 エルドラの試練

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闇の中から現れた生物は、まるで影のように揺れ動きながら、ダンテたちに近づいてきた。全身から不気味な気配を発し、その目は赤く光っていた。

「私の名はシェイド。エルドラの森の守護者だ。お前たちの絆を試すために、ここに来た。」その声は低く、響き渡った。

「私たちは試練を受ける覚悟がある!」ダンテは自信を持って言った。

シェイドは冷笑を浮かべた。「では、始めよう。お前たちが本当に強い絆で結ばれているのか、私が確かめてやる。」

突然、シェイドが手を振ると、周囲の景色が歪み、森の中に数多くの影が現れた。それは彼らの過去の思い出や、弱さを象徴する影だった。

「これが、お前たちの心の中の影だ。こいつらを乗り越えなければ、先には進めない。」シェイドが告げると、影たちはダンテたちに襲いかかってきた。

「みんな、気をつけて!」カイルが叫び、剣を構えた。影が彼に襲いかかる。

「私が行く!」フィンがその影を一撃で斬りつけた。だが、影は簡単に消えず、再び形を変えて彼に向かってきた。

「これが試練なのか…?」フィンは息を切らしながら言った。

「私たちの心の中にある弱さを直視しなければならない。逃げずに立ち向かおう!」ダンテは仲間たちに呼びかけた。

影が次々と仲間たちに襲いかかる中、リーナは自分の影を見つめた。それは彼女がかつて抱えた孤独や恐怖を具現化したものだった。

「私は、もう孤独ではない!」リーナは叫び、影に向かって突進した。

その瞬間、影は一瞬怯んだ。彼女の声が力を持ったからだ。リーナはその隙を突いて、影を一撃で倒した。

「すごい!リーナ!」カイルが驚いた声を上げる。だが、彼の前にも新たな影が現れ、襲いかかる。

「俺も負けてられない!」カイルは剣を振るい、影を切り裂く。ダンテも仲間たちを励ましながら、次々と襲いかかる影を打ち倒していった。

「みんな、心を一つにして!」ダンテが叫ぶと、仲間たちの心が一つになり、影は次々と消えていく。

「この絆の力が、私たちを強くする!」フィンも声を合わせる。

ついに、全ての影を打ち倒した瞬間、シェイドの声が響いた。「見事だ。お前たちの絆は本物だ。だが、これで終わりではない。次の試練を受けなければ、真の力を得ることはできない。」

「まだ続くのか…?」ダンテは少し不安になったが、仲間たちの顔を見ると、彼らは決意に満ちていた。

「どんな試練でも受けて立つさ。」リーナが言った。

シェイドは手を掲げ、次の試練を告げた。「次の試練は、心の中の恐怖に立ち向かうことだ。」

森が再び揺らぎ、次の試練の場が現れた。そこには彼ら自身の内面的な恐怖が具現化した存在が待っていた。

「お前たちの心の中にある恐怖を、克服しなければならない。」シェイドは告げた。
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