異世界で最強の魔導士になるために

椿空

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第37話 試練の守護者

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石像の目が赤く光り、低い声でダンテたちに問いかける。その威圧感は一瞬で場の空気を変え、仲間たちの心に緊張感が走った。まるで、命を懸けた戦いが始まるかのようだった。

「この試練を乗り越えるには、まず己の力を示すがいい。さすれば、道を開こう。」石像は静かに言った。

ダンテは仲間たちを振り返り、力強く頷いた。「これが私たちの新たな試練だ。互いに支え合って戦おう!」

「そうだ!私たちは一緒だ。絶対に負けない!」リーナが元気に声を上げた。

「それじゃ、行くぞ!」カイルが前に出ると、ダンテも続く。フィンは魔法の準備を整え、彼らの後ろで控えていた。

石像が一歩前に出ると、巨大な腕を振り上げた。すると、周囲の空気が震え、何かが迫ってくる気配を感じた。

「くるぞ!」ダンテは大きく叫び、カイルに合図した。カイルは盾を持って前に出る。石像の巨大な腕が彼に向かって振り下ろされ、地面が揺れた。

「クッ、来い!」カイルは盾を構え、全力でその一撃を受け止めた。衝撃が彼を押し戻し、地面に足が沈み込む。

「今だ、ダンテ!」リーナが叫ぶ。

ダンテは瞬時にその隙を見逃さず、剣を振り下ろした。光が剣の刃を包み込み、石像の腕に深い傷を刻んだ。しかし、石像は一瞬の隙を見せただけで、すぐに反撃をしてきた。

「痛みを知る者は、真の力を持たざる者。」石像は冷静に言い、再び腕を振り上げた。

「フィン、準備はいいか?」ダンテは声をかける。

「もちろん!強力な魔法を使うよ!」フィンは両手を掲げ、呪文を唱え始めた。その瞬間、空気が変わり、周囲が青い光で包まれていく。

「これが私の魔法、スパークバースト!」フィンが叫び、青い閃光が石像に向かって放たれた。光は石像に命中し、強烈な衝撃波を引き起こした。

石像は驚いたように揺れ、バランスを崩す。しかし、すぐに立ち直り、ダンテたちに向かって反撃の姿勢を取った。

「その程度の攻撃では、私を倒すことはできぬ!」石像は嘲笑うように言い放った。

「まだ終わっていない!私たちの力を見せつけてやる!」ダンテは剣を高く掲げ、仲間たちとともに突進する。

彼らは一斉に攻撃を仕掛けた。ダンテは剣を振るい、カイルは盾で防御しながら攻撃を受け流す。リーナは弓を引き、矢を放つ。フィンは魔法で後方からサポートする。

石像は彼らの攻撃を受けながらも、反撃してくる。ダンテは何度も攻撃を繰り返し、少しずつ石像の体力を削っていった。

「こいつ、なかなか手ごわいな。」カイルが息を切らしながら言った。

「でも、絶対に勝てる!私たちの力を信じよう!」リーナが元気を取り戻し、再び矢を放った。

その時、石像が大きく一歩前に出て、周囲に震えをもたらした。「全ての希望はここに消える!」

石像は巨大な拳を振り下ろし、ダンテたちを狙う。しかし、ダンテは冷静にその動きを見極め、すかさず横に避けた。

「今だ、みんな!集中して攻撃しよう!」ダンテは叫び、仲間たちに合図した。

全員が一斉に攻撃を仕掛け、力を合わせた。剣の閃き、魔法の光、矢の雨が石像に浴びせられる。

石像は傷だらけになり、徐々に動きが鈍くなっていく。「なぜ、私が…」

「私たちの絆が、あなたを越えるのさ!」ダンテは叫び、最後の一撃を放った。

強烈な一撃が石像を貫き、最後の力を振り絞った石像は崩れ落ちる。周囲には静寂が訪れ、仲間たちは勝利の余韻に浸った。

「やった…!やったんだ!」リーナが歓喜の声を上げ、仲間たちも互いに抱き合った。

「これが試練の守護者を倒した証だ。私たちの力が通じた。」ダンテは微笑んで言った。

石像が崩れた場所から、青白い光が現れ、遺跡の奥へと続いていく。仲間たちはその光に導かれ、さらに深く進んでいくことにした。

「この先には何が待っているのか、楽しみだね。」フィンがワクワクした様子で言った。

「何が待っていても、私たちなら乗り越えられる。今の私たちに、不可能はない!」ダンテは力強く答えた。
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