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危険な森
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紅くルビーのような輝きを持ったカラスは
暗い木々を分けながら飛んでいった。
黒色の羽が私の足下にヒラヒラと落ちた。
あの子は何だったのだろう……
頭の中にはさっきの男の子のことで一杯
だった。
私は、何故なのかは知らないがいつの間にか
黒色のカラスの羽を手に取っていた。
ガサッガサッ
何かが近くにいる。
嫌な予感しかなかった。
こんな暗い森は、人も近寄らなく動物が最も
好む場所だ。
猛獣がいてもおかしくはない。
立ち、足を動かせる。
ガルルル
ピタッと足が止まる。
この鳴き声は、
狼だ。
私は、振り返ると黄色の威嚇の目で見られて
いた。
体は大きく、大人のようだった。
心臓の音が早びいていく。
あぁ、こんな森に入らずに家で紅茶を飲んで
いればこんなことには……
今の自分を思い詰める。
けれど、こんなことをしている間に
狼と私の距離が縮まっていた。
急いで足を動かせ、死にもの狂いで走る。
レディーとしての礼儀など今は関係なかった
「はぁ、 はぁ」
今まで走ることなど慣れていないためすぐに
息が苦しくなる。
「ヒダリにマガル」
突如、あの言葉を思い出す。
そして、私は左へ駆け抜ける。
心臓と狼の足音が私を急がせる。
すると、目の前が明るくなった。
きらきらとした太陽と青い空が見え、
一緒に、赤レンガの大きな館が見えた。
バラを司った門が近づいて来た。
キィン
自然と門が開いた。まるで導かれている様に
私は、導かれるままに走る。
館の庭に入り、急いで門を閉める。
狼はバァンと門にぶつかった。
狼が怯み、去っていく。
一気に力が抜け、尻餅を着く。
靴は泥だらけで、足に傷が出来ていた。
多分、草などで切ってしまったのだろう。
明日は、足が痛むでしょうね。
心の中で呟く。
白のドレスを叩き、整える。
立ち上がり私は扉の前で止まる。
手の甲で木の立派な扉を叩く。
コンコン
反応がなかった。
もう一度試し、声をかける
コンコン
「誰かいらっしゃいませんか」
反応がなかった。
金のドアノブを触ってみると、
カチャ ギィィー
扉が重く開いた。
「しっ、失礼致しますわ」
館内は暗く不気味だった。
恐る恐る一歩を踏み出すと
床がなかった。
「床がっ………」
トンっ
誰かに押された。
私の体は重力には逆らえず、真っ逆さまに
落ちていった。
驚きで、声さえも出なかった。
入り口が段々と離れていく。
「私、死にたくない…………」
.
.
.
ボワワワァン
体と中に浮く感触。
体は、跳ねて下に落ちた。
柔らかい感触と私の体の感覚。
「──私、生きてる」
カバっと起き上がり、周りを見渡す。
大きなボール、ジャグリング、箱が五つ、
照明、一輪車、縄、的の板、そして
今のっているトランポリン
どれも私が知っているサーカスの道具
ばかりだった。
きっとここは、道具室だ。
暗い木々を分けながら飛んでいった。
黒色の羽が私の足下にヒラヒラと落ちた。
あの子は何だったのだろう……
頭の中にはさっきの男の子のことで一杯
だった。
私は、何故なのかは知らないがいつの間にか
黒色のカラスの羽を手に取っていた。
ガサッガサッ
何かが近くにいる。
嫌な予感しかなかった。
こんな暗い森は、人も近寄らなく動物が最も
好む場所だ。
猛獣がいてもおかしくはない。
立ち、足を動かせる。
ガルルル
ピタッと足が止まる。
この鳴き声は、
狼だ。
私は、振り返ると黄色の威嚇の目で見られて
いた。
体は大きく、大人のようだった。
心臓の音が早びいていく。
あぁ、こんな森に入らずに家で紅茶を飲んで
いればこんなことには……
今の自分を思い詰める。
けれど、こんなことをしている間に
狼と私の距離が縮まっていた。
急いで足を動かせ、死にもの狂いで走る。
レディーとしての礼儀など今は関係なかった
「はぁ、 はぁ」
今まで走ることなど慣れていないためすぐに
息が苦しくなる。
「ヒダリにマガル」
突如、あの言葉を思い出す。
そして、私は左へ駆け抜ける。
心臓と狼の足音が私を急がせる。
すると、目の前が明るくなった。
きらきらとした太陽と青い空が見え、
一緒に、赤レンガの大きな館が見えた。
バラを司った門が近づいて来た。
キィン
自然と門が開いた。まるで導かれている様に
私は、導かれるままに走る。
館の庭に入り、急いで門を閉める。
狼はバァンと門にぶつかった。
狼が怯み、去っていく。
一気に力が抜け、尻餅を着く。
靴は泥だらけで、足に傷が出来ていた。
多分、草などで切ってしまったのだろう。
明日は、足が痛むでしょうね。
心の中で呟く。
白のドレスを叩き、整える。
立ち上がり私は扉の前で止まる。
手の甲で木の立派な扉を叩く。
コンコン
反応がなかった。
もう一度試し、声をかける
コンコン
「誰かいらっしゃいませんか」
反応がなかった。
金のドアノブを触ってみると、
カチャ ギィィー
扉が重く開いた。
「しっ、失礼致しますわ」
館内は暗く不気味だった。
恐る恐る一歩を踏み出すと
床がなかった。
「床がっ………」
トンっ
誰かに押された。
私の体は重力には逆らえず、真っ逆さまに
落ちていった。
驚きで、声さえも出なかった。
入り口が段々と離れていく。
「私、死にたくない…………」
.
.
.
ボワワワァン
体と中に浮く感触。
体は、跳ねて下に落ちた。
柔らかい感触と私の体の感覚。
「──私、生きてる」
カバっと起き上がり、周りを見渡す。
大きなボール、ジャグリング、箱が五つ、
照明、一輪車、縄、的の板、そして
今のっているトランポリン
どれも私が知っているサーカスの道具
ばかりだった。
きっとここは、道具室だ。
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