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1 結婚ですか?
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「けっこん・・・」
「おめでとうございます。この度、政府で引きこもり対策として行われているHKD47に岬洋介様が選ばれました」
「まあ、洋ちゃん! 良かったじゃなぁい」
大喜びして洋介の肩をがくがく揺する母親の富士子のせいで、首がもげそうになる程、頭がぶらぶら揺れる。白髪頭の父親、平介は、少し離れた一人掛け用のソファで背中を丸め小さく溜息をつく。それが安堵なのか、諦めなのかは分からない。四十五歳になった息子が引きこもりで、政府にお世話して貰わないと結婚出来ないなんて、親にとっては恥でしかないだろう。
「ええ? でも、俺、申し込んでません」
HKD47というのは、政府のお偉方が考えた引きこもりと少子化を解決しようという対策の事だ。『引きこもり・婚活・大作戦・47都道府県』の略らしい。酷い命名だ。何でもアイドル好きで知られてる某大臣がノリノリで考えたのだと週刊誌で読んだ。
「あたしが申し込んだのよ! あたしとお父さんが亡くなったら、洋ちゃん一人になっちゃうから。今度は男の子の孫が欲しいわあ」
「ええ~」
五つ下の洋介の弟、行介は既に結婚して家を出ている。三年前に女の子が生まれたが、二人目を作るつもりがあるのかは分からない。大学を出てすぐ結婚したのに、なかなか子宝に恵まれなかったからだ。一人育てるので精一杯と、奥さんの康子ちゃんが白髪混じりの疲れた顔でよく言っている。康子ちゃんは、子供が生まれてからは白髪染めする時間も意欲もないようで、黒髪に白いものがちらほらと目立つ。その横で弟は何にも言わず黙って薄く微笑んでるだけなので、同意なのか、本当は二人目が欲しいのかは洋介には分からない。その辺はデリケートな問題なので、洋介は兄弟でも弟に訊けないでいる。無神経な富士子ですらその話題は避けるくらいである。
「洋介様におススメの方々はこちらになります」
政府の婚活アドバイザーが、釣書を広げる。黒いスーツを着、髪の毛を背後で一つに括った女性だ。若く見えるが、案外洋介よりも年上かもと思える様な年齢不詳の人物で、顔に表情が無い。最初に「おめでとうございます」と言った時にもにこりともしなかった。この仕事嫌々やっているのだろうかと洋介はちょっと心配になった。
「えっと、男性ですよね?」
見せられた釣書に洋介は固まった。
「はい」
真顔で答えられ、洋介は疑問に思った自分がおかしいのかと不安になる。だが、いつの間にか側に寄って来て、両脇から覗いてた両親も無言で固まっているから自分は正しいのだと勇気付けられた。
「ですが、岬様の挙げられた条件に合う方で、洋介様にお逢いしたいと仰って来られたのがこの方だけでして」
「……。母さん、どんな条件出したの?」
洋介と平介は、富士子の顔をじいっと見た。
「え? 普通よ。出産可能で子供好き。両親と同居可能。器量が良くて、気立ても良くて、家事が得意で、私達が倒れた時は介護してくれる人」
「……」
「あ、あと、年収三百万以上」
最後だけが、何とか許容範囲だったが、他は無茶言っていると洋介は恥ずかしくなった。何てったって洋介は、無職の上に四十五歳なのだ。
「この方は出産可能なんでしょうか?」
ずっと黙っていた父の平介がやっと喋ったと思ったら、訊く迄もない事を質問する。
「はい可能です」
「そうですか」
平介はその返事を聞くと、洋介の肩をポンと叩いてから定位置の一人掛けソファに戻って行った。えええ?なんなの、親父。今のポンの意味はと、洋介は父親に見捨てられた気になる。
「ご存知かと思いますが、この方は第三の性をお持ちです」
「第三の性?」
「はい、男性なのに妊娠できる方と、女性なのに妊娠させる事が可能な方です」
「ああそう言えば……」
洋介と富士子は顔を見合わせた。そう言えば時たま、彼等を題材にしたドラマや小説が話題になったりする。が、話題になるのはその時だけだ。洋介の身近には居ない。だから忘れていた。
昔は、第三の性は不治の病だと認識されていた。そして感染るとも。だから、家族は恥じて、第三の性を持つ子が生まれるとその事を隠した。他の病気だと偽り、普通の男性、または女性として育てた。学校へは行かせて貰えないのがほとんどで、仕事なんて以ての外。家で一生を家族と過ごす。本で読んだが、座敷牢に閉じ込めて死ぬまで出さないなんて事もあったらしい。それが戦後、海外で「第三の性は病気ではない。人類の性別の一種だ」という認識が一般的になるにつれ、日本でも彼らの境遇が改善されるようになったのだった。
そうか、ならお袋の条件の出産可能はクリアしている訳だと洋介は納得した。それにしても、写真の人物はどう見ても妊娠できるようには見えない。どう見ても男性にしか見えないからだ。第三の性を持つ男性は、自分で妊娠する事も女性を妊娠させる事も、両方可能だ。だのに、男の洋介を指名してくるということはゲイなのだろう。
昔見たドラマは、第三の性を持つ男性が葛藤や差別を乗り越え、理解ある幼馴染の男性と結婚し妊娠して母となる話だった。勿論俳優がやっていたのだが、中性的な男性が演じていた。そして言動も女性ぽかった。だが、写真の人物は見るからに男性だ。そしてかなりのイケメンだ。しかも若い。モデルや俳優と言われても納得できるくらいだ。
洋介としては、例え第三の性を持つ人であっても、そんなイケメンが政府のアホな政策に便乗しないと結婚できないのが不思議だった。自分はゲイではないからよく分からないが、これだけカッコ良かったらゲイの男にもモテるのではないかと。
釣書は、個人情報保護法とかで、最低限の情報しか載っていない。写真館で撮ったようなスーツ姿で椅子に座った上半身の写真と、名前と職業と住所。職業も会社員とだけで詳しい事は分からない。住所も都道府県名だけで、東京都と書かれている。洋介の家は千葉県。この人もしも、もしもだけど自分と結婚したらこの家から東京迄通うつもりなんだろうかと洋介は心配になる。彼の勤務先は恐らく都内だろう。東京迄、この家から片道一時間半ちょい掛かるのだ。毎日往復で三時間。慣れた洋介にとっても苦痛なのだ、東京でずっと暮して来た人には無理ではなかろうか。
「実は第三の性を持つ方にも引きこもりとなる方が多いのです。境遇は改善されたとはいえ、まだ社会の認識は疎く、差別や偏見は完全にはなくなっていないのです。そこで、彼等にも今回のHKD 47に参加して貰う事になりました。因みにこの方は引きこもりはされておりません。第三の性を持つ人の為の活動をされていて、彼等の参加を促すために率先して参加下さったのです」
「へええ……。じゃあ、引きこもり同士を結婚させるって訳じゃないって事ですか?」
「はい。ニュースでも取り上げられましたから、ご存知かと思いますが」
と前置きをして、婚活アドバイザーは説明を始めた。
洋介は直ぐに、そうだ、そうだったよ。引きこもりに、引きこもりでもいいから結婚したいって独身者を紹介する大作戦だったよと大作戦の内容を思い出した。そして、そんなの上手くいく筈ない、だってそんな物好きな独身者いる訳ないって思ったのも。テレビでコメンテーターが「そんな事に国の金を使うなら、待機児童をどうにかしてくれって思ってる母親いっぱいいますよ。大体彼等は怠けてるだけなんだ」って言っていて、頷けるけど最後の意見はどうなんだ、怠けてる訳じゃないんだよ、引きこもらなきゃやっていけない理由があるんだよ、なんでわかんねえんだやっぱ大学教授ってロクなのいねえと思ったのも。
それより、婚活アドバイザーの英語の発音がやけに良い事に驚いていた。エイチケーディー・フォーティセブンの、フォーティが凄く滑らかだったのだ。英語喋れる人なのかなと洋介は感心する。洋介は英語が苦手だからだ。
洋介は相手が男性だった事で、最早他人事だった。第三の性を持つ男性が妊娠可能な事は知識としてあるが、自分の結婚相手にと考えた事もなかった。大体洋介はゲイではない。相手が産むなら挿れるのは自分だろうが、勃つ自信がない。だからこの結婚は無しだ。
だが、その横で母の富士子は写真を目の近くに寄せる。イケメンに食い付いてるなと洋介は少し呆れた。
「あら? この方、目の色が青くないかしら?」
「ああ、ハーフなんですよ。身長も百八十センチあって、アメリカの大学を優秀な成績で卒業されています。会社を自身で経営されていらっしゃるので、勤務時間は自由に選べるそうです」
婚活アドバイザーは自分の手元の資料を見ながら話し出す。洋介があれ?という顔をすると、個人情報に関する事は釣書には書けないが、それだけでは判断出来ないと思うので、先方が話しても良いと言った事なら答えますと言われた。
でも、俺、訊きたい事ない。いくら妊娠出来ても男相手は無理。ゲイじゃないしと洋介には質問する気も起きなかった。
「あら、ハーフなのね。そう言えば髪の色もちょっと茶色い」
「はい。地毛だそうです。染めている訳ではないそうです」
富士子とアドバイザーの会話に興味を惹かれたのか、定位置に居た平介がまた洋介の横まで進出して来た。
「ねえ、お父さん。ハンサムじゃなぁい?」
「そうだな」
「ハーフですって。どうしましょう、こんな小顔でイケメンの孫が……。ねえ洋ちゃん?」
ねえ洋ちゃんじゃねえ。最初は自分と同じ側に居た冨士子は、イケメンなのとハーフなのに釣られてあっち側に行ってしまったようだ。ないない、結婚なんてない。無理無理って意味で洋介は首を横に振った。
「おめでとうございます。この度、政府で引きこもり対策として行われているHKD47に岬洋介様が選ばれました」
「まあ、洋ちゃん! 良かったじゃなぁい」
大喜びして洋介の肩をがくがく揺する母親の富士子のせいで、首がもげそうになる程、頭がぶらぶら揺れる。白髪頭の父親、平介は、少し離れた一人掛け用のソファで背中を丸め小さく溜息をつく。それが安堵なのか、諦めなのかは分からない。四十五歳になった息子が引きこもりで、政府にお世話して貰わないと結婚出来ないなんて、親にとっては恥でしかないだろう。
「ええ? でも、俺、申し込んでません」
HKD47というのは、政府のお偉方が考えた引きこもりと少子化を解決しようという対策の事だ。『引きこもり・婚活・大作戦・47都道府県』の略らしい。酷い命名だ。何でもアイドル好きで知られてる某大臣がノリノリで考えたのだと週刊誌で読んだ。
「あたしが申し込んだのよ! あたしとお父さんが亡くなったら、洋ちゃん一人になっちゃうから。今度は男の子の孫が欲しいわあ」
「ええ~」
五つ下の洋介の弟、行介は既に結婚して家を出ている。三年前に女の子が生まれたが、二人目を作るつもりがあるのかは分からない。大学を出てすぐ結婚したのに、なかなか子宝に恵まれなかったからだ。一人育てるので精一杯と、奥さんの康子ちゃんが白髪混じりの疲れた顔でよく言っている。康子ちゃんは、子供が生まれてからは白髪染めする時間も意欲もないようで、黒髪に白いものがちらほらと目立つ。その横で弟は何にも言わず黙って薄く微笑んでるだけなので、同意なのか、本当は二人目が欲しいのかは洋介には分からない。その辺はデリケートな問題なので、洋介は兄弟でも弟に訊けないでいる。無神経な富士子ですらその話題は避けるくらいである。
「洋介様におススメの方々はこちらになります」
政府の婚活アドバイザーが、釣書を広げる。黒いスーツを着、髪の毛を背後で一つに括った女性だ。若く見えるが、案外洋介よりも年上かもと思える様な年齢不詳の人物で、顔に表情が無い。最初に「おめでとうございます」と言った時にもにこりともしなかった。この仕事嫌々やっているのだろうかと洋介はちょっと心配になった。
「えっと、男性ですよね?」
見せられた釣書に洋介は固まった。
「はい」
真顔で答えられ、洋介は疑問に思った自分がおかしいのかと不安になる。だが、いつの間にか側に寄って来て、両脇から覗いてた両親も無言で固まっているから自分は正しいのだと勇気付けられた。
「ですが、岬様の挙げられた条件に合う方で、洋介様にお逢いしたいと仰って来られたのがこの方だけでして」
「……。母さん、どんな条件出したの?」
洋介と平介は、富士子の顔をじいっと見た。
「え? 普通よ。出産可能で子供好き。両親と同居可能。器量が良くて、気立ても良くて、家事が得意で、私達が倒れた時は介護してくれる人」
「……」
「あ、あと、年収三百万以上」
最後だけが、何とか許容範囲だったが、他は無茶言っていると洋介は恥ずかしくなった。何てったって洋介は、無職の上に四十五歳なのだ。
「この方は出産可能なんでしょうか?」
ずっと黙っていた父の平介がやっと喋ったと思ったら、訊く迄もない事を質問する。
「はい可能です」
「そうですか」
平介はその返事を聞くと、洋介の肩をポンと叩いてから定位置の一人掛けソファに戻って行った。えええ?なんなの、親父。今のポンの意味はと、洋介は父親に見捨てられた気になる。
「ご存知かと思いますが、この方は第三の性をお持ちです」
「第三の性?」
「はい、男性なのに妊娠できる方と、女性なのに妊娠させる事が可能な方です」
「ああそう言えば……」
洋介と富士子は顔を見合わせた。そう言えば時たま、彼等を題材にしたドラマや小説が話題になったりする。が、話題になるのはその時だけだ。洋介の身近には居ない。だから忘れていた。
昔は、第三の性は不治の病だと認識されていた。そして感染るとも。だから、家族は恥じて、第三の性を持つ子が生まれるとその事を隠した。他の病気だと偽り、普通の男性、または女性として育てた。学校へは行かせて貰えないのがほとんどで、仕事なんて以ての外。家で一生を家族と過ごす。本で読んだが、座敷牢に閉じ込めて死ぬまで出さないなんて事もあったらしい。それが戦後、海外で「第三の性は病気ではない。人類の性別の一種だ」という認識が一般的になるにつれ、日本でも彼らの境遇が改善されるようになったのだった。
そうか、ならお袋の条件の出産可能はクリアしている訳だと洋介は納得した。それにしても、写真の人物はどう見ても妊娠できるようには見えない。どう見ても男性にしか見えないからだ。第三の性を持つ男性は、自分で妊娠する事も女性を妊娠させる事も、両方可能だ。だのに、男の洋介を指名してくるということはゲイなのだろう。
昔見たドラマは、第三の性を持つ男性が葛藤や差別を乗り越え、理解ある幼馴染の男性と結婚し妊娠して母となる話だった。勿論俳優がやっていたのだが、中性的な男性が演じていた。そして言動も女性ぽかった。だが、写真の人物は見るからに男性だ。そしてかなりのイケメンだ。しかも若い。モデルや俳優と言われても納得できるくらいだ。
洋介としては、例え第三の性を持つ人であっても、そんなイケメンが政府のアホな政策に便乗しないと結婚できないのが不思議だった。自分はゲイではないからよく分からないが、これだけカッコ良かったらゲイの男にもモテるのではないかと。
釣書は、個人情報保護法とかで、最低限の情報しか載っていない。写真館で撮ったようなスーツ姿で椅子に座った上半身の写真と、名前と職業と住所。職業も会社員とだけで詳しい事は分からない。住所も都道府県名だけで、東京都と書かれている。洋介の家は千葉県。この人もしも、もしもだけど自分と結婚したらこの家から東京迄通うつもりなんだろうかと洋介は心配になる。彼の勤務先は恐らく都内だろう。東京迄、この家から片道一時間半ちょい掛かるのだ。毎日往復で三時間。慣れた洋介にとっても苦痛なのだ、東京でずっと暮して来た人には無理ではなかろうか。
「実は第三の性を持つ方にも引きこもりとなる方が多いのです。境遇は改善されたとはいえ、まだ社会の認識は疎く、差別や偏見は完全にはなくなっていないのです。そこで、彼等にも今回のHKD 47に参加して貰う事になりました。因みにこの方は引きこもりはされておりません。第三の性を持つ人の為の活動をされていて、彼等の参加を促すために率先して参加下さったのです」
「へええ……。じゃあ、引きこもり同士を結婚させるって訳じゃないって事ですか?」
「はい。ニュースでも取り上げられましたから、ご存知かと思いますが」
と前置きをして、婚活アドバイザーは説明を始めた。
洋介は直ぐに、そうだ、そうだったよ。引きこもりに、引きこもりでもいいから結婚したいって独身者を紹介する大作戦だったよと大作戦の内容を思い出した。そして、そんなの上手くいく筈ない、だってそんな物好きな独身者いる訳ないって思ったのも。テレビでコメンテーターが「そんな事に国の金を使うなら、待機児童をどうにかしてくれって思ってる母親いっぱいいますよ。大体彼等は怠けてるだけなんだ」って言っていて、頷けるけど最後の意見はどうなんだ、怠けてる訳じゃないんだよ、引きこもらなきゃやっていけない理由があるんだよ、なんでわかんねえんだやっぱ大学教授ってロクなのいねえと思ったのも。
それより、婚活アドバイザーの英語の発音がやけに良い事に驚いていた。エイチケーディー・フォーティセブンの、フォーティが凄く滑らかだったのだ。英語喋れる人なのかなと洋介は感心する。洋介は英語が苦手だからだ。
洋介は相手が男性だった事で、最早他人事だった。第三の性を持つ男性が妊娠可能な事は知識としてあるが、自分の結婚相手にと考えた事もなかった。大体洋介はゲイではない。相手が産むなら挿れるのは自分だろうが、勃つ自信がない。だからこの結婚は無しだ。
だが、その横で母の富士子は写真を目の近くに寄せる。イケメンに食い付いてるなと洋介は少し呆れた。
「あら? この方、目の色が青くないかしら?」
「ああ、ハーフなんですよ。身長も百八十センチあって、アメリカの大学を優秀な成績で卒業されています。会社を自身で経営されていらっしゃるので、勤務時間は自由に選べるそうです」
婚活アドバイザーは自分の手元の資料を見ながら話し出す。洋介があれ?という顔をすると、個人情報に関する事は釣書には書けないが、それだけでは判断出来ないと思うので、先方が話しても良いと言った事なら答えますと言われた。
でも、俺、訊きたい事ない。いくら妊娠出来ても男相手は無理。ゲイじゃないしと洋介には質問する気も起きなかった。
「あら、ハーフなのね。そう言えば髪の色もちょっと茶色い」
「はい。地毛だそうです。染めている訳ではないそうです」
富士子とアドバイザーの会話に興味を惹かれたのか、定位置に居た平介がまた洋介の横まで進出して来た。
「ねえ、お父さん。ハンサムじゃなぁい?」
「そうだな」
「ハーフですって。どうしましょう、こんな小顔でイケメンの孫が……。ねえ洋ちゃん?」
ねえ洋ちゃんじゃねえ。最初は自分と同じ側に居た冨士子は、イケメンなのとハーフなのに釣られてあっち側に行ってしまったようだ。ないない、結婚なんてない。無理無理って意味で洋介は首を横に振った。
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