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ライム先輩との冬
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「これ、可愛いです。持って帰りたい位」
アーロンはご機嫌で、大理石で出来た白熊の首に抱き付く。その様子を見て、ライム先輩が優しげに微笑む。
今日の特別講義は美術鑑賞だ。やって来たのは、王家が使わなくなった古い城。庭の部分は、貴族平民問わず入れる公園として解放されている。建物は一般公開はしておらず、中には王家が国内外から貰った美術品と、現代作家の作品が収められていた。
アーロンが抱き付いている白熊は実物大で、現代作家の作らしく、触っても良いそうだ。ーーとはいえ、王家所蔵の美術品、触って良いと言われても自分の家の物なら兎も角、アーロンの様に言葉通りに受け取る様な生徒は他には居なかった。ーー
他にも動物の彫刻が並んでいたが、アーロンには白熊の、白い毛並みと大理石の白い色の組み合わせが一番しっくり来て、(何しろ他の動物は白くない動物だったから)一層好ましく感じた。ひんやりとして滑らかな大理石の肌触りも、今晩のやり取り、ライム先輩との契約についての仮問答を考え過ぎて、熱くなっていた頭の熱を吸い取ってくれるような気がして引っ付いていると気持ちが良い。
「異国の熊かい。森や山に居る熊とは少し違うような」
と、ライム先輩が首を傾げる。
「そうなんです、北の氷の島に居るらしいです。普通の熊とはちょっと顔の形が違いますよね」
「君は物知りだね」
「えへへ、図鑑で見ました」
ライム先輩に褒められて、アーロンは照れてしまう。
周りに他の生徒は居ない。
本日は、貴族学院の生徒だけの貸切になっている。館内を、管理している職員が所蔵されている美術品について説明しながら案内するのをついて行く事になっているのだが、前回のオペラ座鑑賞を覚えている生徒は、最初の内は、アーロンとライム先輩の後をついて回っていた。またライム先輩の美声で案内して貰えるかと期待したのだ。しかし、二人の間に妙な緊張感があり、ライム先輩が今日は何もアーロンに説明しないのを見てとると離れて行った。いつも二人を冷やかしに来るタイスケでさえも、今晩愛し子の返事をするのを知っているので遠慮したのか、寄って来なかった。
そして、この白熊の彫刻の前に来て、二人に、今日初めて、会話らしい会話が生まれたのだった。
「先輩は、此処、初めてですか?」
「いや、前にも来た事があるよ」
「そうなんですか、なら、先輩のお気に入りの美術品ってありますか?」
「私の……」
思い出しているのか、ライム先輩は少し考える様子だ。
アーロンがお気に入り云々と言い出したのは、今日は二人の間に中々会話が成り立たなかったからだ。
お昼もそんな感じで、ずっと途切れ途切れの会話だった。何方かが話して相手が答えると会話が終わり。少し沈黙して、また何方かが話して相手が答えると会話が終わる。普段の気安さが嘘みたいに、話す事が何も思いつかなくて会話がぶつぶつと切れた。この重い空気を何とかしたかった。
けれども純粋に先輩の好みを知りたい気持ちもあった。
伯爵家のライム先輩の家なら美術品はそこら中に当たり前にあって、見慣れているだろう。そういう人が選ぶ作品ってどんな物なんだろうとアーロンは思う。アーロンの家に美術品はたいして無かった気がする、確か父の執務室には絵が一枚飾ってあって、後は「応接室にある壺は高いから中で遊んじゃ駄目」と母に言われた気がする。それ位だ。それに対してライム先輩なら、目もさぞかし超えていて、自分みたいに見た目が大きくて触れて可愛いから、等という理由でお気に入りに選んだりはしないだろうな、と憧れを持って先輩の返事を待つ。
「そうだな、確か二階か三階だった気がするが……、行ってみるかい?」
「はい!」
アーロンは意気込んで白熊から離れると、ライム先輩の横に並んで見上げる。
「だがね、凄く小さい絵だよ。お気に入りというより、気になって仕方が無いのだが」
「構いません!」
アーロンは嬉しくて元気に返事をしたが、その元気さにライム先輩はたじろぐ様子を見せた。そして静かに「此方だ」と案内してくれた。
アーロン達の様に自由に行動している何人かの生徒達とすれ違ってから、その部屋に着いた。
白い壁に作品は一つだけ。広げた手の平を縦横に二つずつ並べた位の小さな絵は、椅子に座る少年とその背後に立つ男性を描いた物だ。
背景は真っ暗で、素朴な木の椅子に座っているが少年は服装から貴族だと分かる。利発そうな可愛らしい顔立ちでライム先輩と同じ金髪だ。頬を紅潮させて誇らしげにこちらを見ている事から、画家に描かれる事に興奮し喜ばしく感じている様子が見て取れ、微笑ましい。
一方その背後に立つ男性は、大人なのは分かるがその頭の部分がはっきりと書かれていない。背景の闇に溶ける様に暈されている。しかし身体ははっきりと描かれていて、片手は少年が座っている椅子の背もたれに置き、もう片方の手は本を抱えている様だ。
描かれる事が嬉しくてたまらない様子の少年に対して、背後の男性はどういう表情なのか全く分からないのが、不思議な気持ちにさせられる絵だった。
「王子とその家庭教師を描いた絵だと言われている」
「そうなんですか?」
アーロンは近づいて、家庭教師と言われた男性の抱えている本の題名が読めないか覗き込んでみた。だが、小さ過ぎてよく分からなかった。
「どこの国の王子様なんでしょう」
「我が国だよ」
「え」
でもという言葉をアーロンは飲み込んだ。だって、この国の王子なら髪の毛が黒い筈だ。
「よく見て、生え際が黒い筈だよ」
「あ、本当だ」
そう言われて見ると、確かに黒い。でも、アーロンは首を傾げた。だって眉毛と睫毛は金色だったから。魔道具を使っているのなら、眉毛と睫毛も髪と同じ金色になるのは分かる。でもそしたら生え際が黒いのは? もし魔道具を買う前の火の国の二人の様に染めているなら、王子様は眉毛と睫毛も染めたのだろうか?
不思議に思ったけれども、王子だと言われているのを否定する様な事をこの場所で口に出すのは良くないだろうと予想が付いたので、別の事を言った。
「でも、金髪だからかなあ、何だか先輩の子供の頃の様に思えます、って言って良いのか分からないけど……」
アーロンは言いながら、あ、こっちも失敗だったと気付き、最後の方は小声になりながら、当たりを見回した。
だがライム先輩は微笑んで、
「うん、大丈夫だよ。この部屋には私達しか居ない。それに私も同じ様に感じて、この絵が気になってしまったのだからね」
と言ってくれたのでほっとする。
「そうなんですね。確かにこの子、顔も先輩に似てる気がします」
とアーロンはライム先輩を見上げた。だが先輩は吸い寄せられたかの様に絵を見つめ続けていてアーロンの同意に反応は示さなかった。ライム先輩にしては珍しい事だ。先輩は一緒に居る時、いつもアーロンの言葉や行動、些細な事に必ず反応を返してくれるのに。
よっぽどお気に入りの絵らしいと、邪魔せずに、アーロンも絵の鑑賞に戻る事にした。
それにしても見れば見るほど不思議な絵だ。家庭教師の頭部が消されているのは何でなのか、最初からこうだったのか、後から消したのか。アーロンは絵に近付いて、絵の具の重なり具合を観察するが絵の技法に詳しくないし、絵自体も古い物なのでよく分からなかった。
「この家庭教師は西の国の出で、彼が西の国に帰る時に別れを惜しんだ王子が記念に描かせた絵だと言われている」
不意にライム先輩が話し出したので、アーロンは見上げた。先輩の目は絵に注がれたままだ。心は絵の世界に囚われたままらしいが、アーロンに絵について教えてくれる様だ。
「ただ顔が判らない様になっているのは、教師が西の国に渡ってしまうと同時に彼の魔法の力で消されてしまったという説と、王子の不興をかって後日塗り潰されたという説とがあるそうだよ」
「そうなんですね。どっちが正しいのでしょう? 先輩はどう思われますか?」
また反応が返ってこなかったらどうしようと思いつつも、思わず尋ねると、ライム先輩は考える様子を見せた。
そして、
「私は……、後者だと思う。そしてその理由が気になっている。だから、さっき君が白熊の彫刻をお気に入りと言ったのとは意味が違うかもしれないのだが、酷く心に残った絵なんだ」
と言うと、小さく息を吐いた。
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」
アーロンが礼を言うと、ライム先輩は急にはっとした様にアーロンを振り向いて目を開いた。そして小さく首を振ってから微笑みかける。やっとこちらの世界に戻って来てくれた様だ。
「すまない。私とした事が、つい夢中になってしまった」
「いいえ、それだけこの絵が先輩の心の中に訴えかける何かを持っているのでしょう?」
「そう? そうなのか? この絵が気になっていると、誰かに話したのは初めてだよ」
それを聞いてアーロンは自分が特別の様な気がして、嬉しくなった。
アーロンはご機嫌で、大理石で出来た白熊の首に抱き付く。その様子を見て、ライム先輩が優しげに微笑む。
今日の特別講義は美術鑑賞だ。やって来たのは、王家が使わなくなった古い城。庭の部分は、貴族平民問わず入れる公園として解放されている。建物は一般公開はしておらず、中には王家が国内外から貰った美術品と、現代作家の作品が収められていた。
アーロンが抱き付いている白熊は実物大で、現代作家の作らしく、触っても良いそうだ。ーーとはいえ、王家所蔵の美術品、触って良いと言われても自分の家の物なら兎も角、アーロンの様に言葉通りに受け取る様な生徒は他には居なかった。ーー
他にも動物の彫刻が並んでいたが、アーロンには白熊の、白い毛並みと大理石の白い色の組み合わせが一番しっくり来て、(何しろ他の動物は白くない動物だったから)一層好ましく感じた。ひんやりとして滑らかな大理石の肌触りも、今晩のやり取り、ライム先輩との契約についての仮問答を考え過ぎて、熱くなっていた頭の熱を吸い取ってくれるような気がして引っ付いていると気持ちが良い。
「異国の熊かい。森や山に居る熊とは少し違うような」
と、ライム先輩が首を傾げる。
「そうなんです、北の氷の島に居るらしいです。普通の熊とはちょっと顔の形が違いますよね」
「君は物知りだね」
「えへへ、図鑑で見ました」
ライム先輩に褒められて、アーロンは照れてしまう。
周りに他の生徒は居ない。
本日は、貴族学院の生徒だけの貸切になっている。館内を、管理している職員が所蔵されている美術品について説明しながら案内するのをついて行く事になっているのだが、前回のオペラ座鑑賞を覚えている生徒は、最初の内は、アーロンとライム先輩の後をついて回っていた。またライム先輩の美声で案内して貰えるかと期待したのだ。しかし、二人の間に妙な緊張感があり、ライム先輩が今日は何もアーロンに説明しないのを見てとると離れて行った。いつも二人を冷やかしに来るタイスケでさえも、今晩愛し子の返事をするのを知っているので遠慮したのか、寄って来なかった。
そして、この白熊の彫刻の前に来て、二人に、今日初めて、会話らしい会話が生まれたのだった。
「先輩は、此処、初めてですか?」
「いや、前にも来た事があるよ」
「そうなんですか、なら、先輩のお気に入りの美術品ってありますか?」
「私の……」
思い出しているのか、ライム先輩は少し考える様子だ。
アーロンがお気に入り云々と言い出したのは、今日は二人の間に中々会話が成り立たなかったからだ。
お昼もそんな感じで、ずっと途切れ途切れの会話だった。何方かが話して相手が答えると会話が終わり。少し沈黙して、また何方かが話して相手が答えると会話が終わる。普段の気安さが嘘みたいに、話す事が何も思いつかなくて会話がぶつぶつと切れた。この重い空気を何とかしたかった。
けれども純粋に先輩の好みを知りたい気持ちもあった。
伯爵家のライム先輩の家なら美術品はそこら中に当たり前にあって、見慣れているだろう。そういう人が選ぶ作品ってどんな物なんだろうとアーロンは思う。アーロンの家に美術品はたいして無かった気がする、確か父の執務室には絵が一枚飾ってあって、後は「応接室にある壺は高いから中で遊んじゃ駄目」と母に言われた気がする。それ位だ。それに対してライム先輩なら、目もさぞかし超えていて、自分みたいに見た目が大きくて触れて可愛いから、等という理由でお気に入りに選んだりはしないだろうな、と憧れを持って先輩の返事を待つ。
「そうだな、確か二階か三階だった気がするが……、行ってみるかい?」
「はい!」
アーロンは意気込んで白熊から離れると、ライム先輩の横に並んで見上げる。
「だがね、凄く小さい絵だよ。お気に入りというより、気になって仕方が無いのだが」
「構いません!」
アーロンは嬉しくて元気に返事をしたが、その元気さにライム先輩はたじろぐ様子を見せた。そして静かに「此方だ」と案内してくれた。
アーロン達の様に自由に行動している何人かの生徒達とすれ違ってから、その部屋に着いた。
白い壁に作品は一つだけ。広げた手の平を縦横に二つずつ並べた位の小さな絵は、椅子に座る少年とその背後に立つ男性を描いた物だ。
背景は真っ暗で、素朴な木の椅子に座っているが少年は服装から貴族だと分かる。利発そうな可愛らしい顔立ちでライム先輩と同じ金髪だ。頬を紅潮させて誇らしげにこちらを見ている事から、画家に描かれる事に興奮し喜ばしく感じている様子が見て取れ、微笑ましい。
一方その背後に立つ男性は、大人なのは分かるがその頭の部分がはっきりと書かれていない。背景の闇に溶ける様に暈されている。しかし身体ははっきりと描かれていて、片手は少年が座っている椅子の背もたれに置き、もう片方の手は本を抱えている様だ。
描かれる事が嬉しくてたまらない様子の少年に対して、背後の男性はどういう表情なのか全く分からないのが、不思議な気持ちにさせられる絵だった。
「王子とその家庭教師を描いた絵だと言われている」
「そうなんですか?」
アーロンは近づいて、家庭教師と言われた男性の抱えている本の題名が読めないか覗き込んでみた。だが、小さ過ぎてよく分からなかった。
「どこの国の王子様なんでしょう」
「我が国だよ」
「え」
でもという言葉をアーロンは飲み込んだ。だって、この国の王子なら髪の毛が黒い筈だ。
「よく見て、生え際が黒い筈だよ」
「あ、本当だ」
そう言われて見ると、確かに黒い。でも、アーロンは首を傾げた。だって眉毛と睫毛は金色だったから。魔道具を使っているのなら、眉毛と睫毛も髪と同じ金色になるのは分かる。でもそしたら生え際が黒いのは? もし魔道具を買う前の火の国の二人の様に染めているなら、王子様は眉毛と睫毛も染めたのだろうか?
不思議に思ったけれども、王子だと言われているのを否定する様な事をこの場所で口に出すのは良くないだろうと予想が付いたので、別の事を言った。
「でも、金髪だからかなあ、何だか先輩の子供の頃の様に思えます、って言って良いのか分からないけど……」
アーロンは言いながら、あ、こっちも失敗だったと気付き、最後の方は小声になりながら、当たりを見回した。
だがライム先輩は微笑んで、
「うん、大丈夫だよ。この部屋には私達しか居ない。それに私も同じ様に感じて、この絵が気になってしまったのだからね」
と言ってくれたのでほっとする。
「そうなんですね。確かにこの子、顔も先輩に似てる気がします」
とアーロンはライム先輩を見上げた。だが先輩は吸い寄せられたかの様に絵を見つめ続けていてアーロンの同意に反応は示さなかった。ライム先輩にしては珍しい事だ。先輩は一緒に居る時、いつもアーロンの言葉や行動、些細な事に必ず反応を返してくれるのに。
よっぽどお気に入りの絵らしいと、邪魔せずに、アーロンも絵の鑑賞に戻る事にした。
それにしても見れば見るほど不思議な絵だ。家庭教師の頭部が消されているのは何でなのか、最初からこうだったのか、後から消したのか。アーロンは絵に近付いて、絵の具の重なり具合を観察するが絵の技法に詳しくないし、絵自体も古い物なのでよく分からなかった。
「この家庭教師は西の国の出で、彼が西の国に帰る時に別れを惜しんだ王子が記念に描かせた絵だと言われている」
不意にライム先輩が話し出したので、アーロンは見上げた。先輩の目は絵に注がれたままだ。心は絵の世界に囚われたままらしいが、アーロンに絵について教えてくれる様だ。
「ただ顔が判らない様になっているのは、教師が西の国に渡ってしまうと同時に彼の魔法の力で消されてしまったという説と、王子の不興をかって後日塗り潰されたという説とがあるそうだよ」
「そうなんですね。どっちが正しいのでしょう? 先輩はどう思われますか?」
また反応が返ってこなかったらどうしようと思いつつも、思わず尋ねると、ライム先輩は考える様子を見せた。
そして、
「私は……、後者だと思う。そしてその理由が気になっている。だから、さっき君が白熊の彫刻をお気に入りと言ったのとは意味が違うかもしれないのだが、酷く心に残った絵なんだ」
と言うと、小さく息を吐いた。
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」
アーロンが礼を言うと、ライム先輩は急にはっとした様にアーロンを振り向いて目を開いた。そして小さく首を振ってから微笑みかける。やっとこちらの世界に戻って来てくれた様だ。
「すまない。私とした事が、つい夢中になってしまった」
「いいえ、それだけこの絵が先輩の心の中に訴えかける何かを持っているのでしょう?」
「そう? そうなのか? この絵が気になっていると、誰かに話したのは初めてだよ」
それを聞いてアーロンは自分が特別の様な気がして、嬉しくなった。
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