抱かれてみたい

小桃沢ももみ

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授業

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 アーロンの受講希望が、一般教養だけじゃ無いと知って、若干勢いが落ちた補佐の上級生だったが、それからはてきぱきと説明していった。

 「じゃあ、火の国のお二人にも分かる様に説明していくね。後の二人は家で聞いて来てるかもだけど、大人しく聞いててね!」

 ぱちっと目配せされ、アーロンとイアンは頷く。目配せされてもきゅんとはしなくてぞわっとした事は内緒だ。
 補佐の上級生はこちらのそんな内心には気がつかずどんどん説明を続けていく。
 
 「まず、一日の講義は午前中に一時間目と二時間目、昼食を挟んで三時間目迄あります。その後に四時間目が課外授業の時間。これは次の時間に説明する事になってるけど、講義選択に関わって来るから簡単に触れながら話します! ここ迄、ついて来れてるかなー?」
 「は、はいっす」

 目の合ったタイスケが慌てて返事する。

 「うんうん。よしよし。もし質問があったら手を挙げて聞いてね? では資料一枚目の左半分に一般教養、右半分が選択科目になってます。これは一年生の内容、もしもう家で家庭教師に学んだ事だから必要無いっていう人が居たら、学院に申請して能力が認められたら上の学年の講義に参加したり、その時間は別の事をしたりとかも出来ます」
 「はい、質問っす」

 タイスケが手を挙げた。

 「別の事って何ですか?」
 「ん? あー、例えば三年生だと、嫡男だったら家の仕事を少しずつ引き継いでやってる人は空いた時間をそれに当てたりしてるね。あとは、家を継げない生徒は就職活動したりとか」
 「なるほどー」
 「一年生だったら、空いた時間は選択科目の講義に当てる人が多いかな。本気で勉強したいなら、学べる所だからね此処は。先生はいっぱい居るし、って事で問題無いかな?」
 「はい。大丈夫っす」
 「で、一般教養については後で各自で資料を読み込んで下さい。もし必要無い講義がある場合は、明日以降に担任か副担任に申し出て。で、講義を受ける場合だけど、その教員名の横にCって書いてあるのがCクラスの先生ね。時間も書いてあると思うので、それが講義の時間。基本的に、Cの先生は時間が重ならないようになっています。あ、渡し忘れてた!」

 と、慌てて補佐の上級生が四人にもう一枚の資料を配布する。

 「こっちの時間割には予めCクラスの一般教養の時間を書いておいたから! これ、僕が作ったの。分かりやすいでしょー。君達の為に作っておいたんだよ! 君達の分だけなんだよ! 分かりやすいでしょ!」

 二枚目に渡された空欄の時間割に、予め一般教養の科目が記入してあった。確かに分かり易い。危ない人物にしか思えなかった彼が書いたにしては綺麗な読み易い文字だったのでアーロンは驚いた。どう?どう?と感想を求めて来る所はうざったかったが。

 「基本的には三時間目迄の空いてる時間に選択教科を入れ込むんだけど、見れば分かると思うけど、先生によっては四時間目の講義になっている人もいるんだよね。そういう時は、四時間目に受ける事になります。もし、課外活動に参加しようと思っているのなら、どっちを優先させるか考える必要があります」
 
 タイスケがまた手を挙げた。

 「質問どうぞ」
 「課外活動っていうのがよく分からないっす」
 「うん、そうだよね。ま、それは次の時間に説明するから今は保留で」
 「はい……」

 よく分かってないのだろう、疑問が残ったまま納得していない顔でタイスケが引き下がった。

 「で、一般教養はクラス毎で受けるので、Cクラスの生徒、今ここにいる面々で講義を受けます。選択教科はそれと違って、クラス関係無く希望した人で受けます。つまり選択教科は他のクラスの生徒と一緒に講義を受ける事になります。ただ人数が多かったら結局クラス毎だけどね。人数が多い講義とか、少ない講義については夜、寮で君のお兄さん達が教えてくれる事になってるよね?」

 聞かれてイアンが頷いた。ああ、そうかルークが言っていたのがこれか、とアーロンは思い出した。

 「ただ、もし次の試験でクラスが変わると、一般教養のクラスも変わるので注意してね。選択教科は変わりません」
 
 そこでイチロウが手を挙げた。

 「それで新しいクラスで講義についていけるのでしょうか?」
 「うん、良い質問だね! それについては先生方も織り込み済みだから大丈夫。一学期は家で学んできた事の復習と学力の見極めだから。生徒の実力に合わせて実際に講義していくのは二学期からになるね」
 「なるほど」
 「じゃ後は、空いている時間にとる選択教科を決めるだけだね。さっきやりたい事を聞いたよね? それに合わせてとりたい講義を選んでみて。分からなかったり、迷ったりしたら、僕に聞いてね!」
 
 と、取り敢えず説明は終わった様なので、アーロンは資料に集中した。
 語学と魔道具についてとなると、と見ていく。火の国語入門は絶対とりたい。正に四時間目になっている講義で、先生の名前が空欄になっているのが気になったけれど。ぐっと誰かの顔が近づいてきて、ぎょっとすると、補佐の上級生だった。

 「アーロンちゃん、魔道具やりたいなら、古語入門はとった方が良いよ」
 「あ、あ、そうなんですね」
 「うん。イアン君も古語は必要だと思うけど、お家でやってるよね? 中級か上級でいいんじゃないかな」
 「アーロン様と同じにする」
 「あ、そう」

 何故かイアンに食い気味で否定された、補佐の上級生がちょっと驚いた顔をしたのが小気味良い。

 「おいら、剣術って騎士入門とか騎士実戦になるんすかね?」
 「あー、それもそうなんだけどね、あとこっちの医学系もとった方が良いよ」
 「へ、そうなんすか?」
 「うん、人間の身体についても学んだ方が良い」

 結構まともな事を言っているので、イチロウは彼を見直したのだろう、これは?あれは?と真剣に相談し始めた。
 

 
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