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※加賀さんの誕生日回です。なのでリバです。
〈加賀編〉
誕生日までの一週間を禁欲期間にしよう。
そう提案すると、倉知は意味がわからないという顔で「へえ」と他人事のような返事をした。
セックスどころか、自慰もなし。
付け足すと、目を丸くしてから、わかりやすく落胆した。
我慢させて、とろとろにエロくなった倉知を抱きたい。
そんな願望を叶えられるのは誕生日くらいだ。
わかりましたとしぶしぶ受け入れた倉知は、しかし早くに発狂した。禁欲生活三日目の、夜のことだった。
「まだ折り返しだぞ」
「だって、いってらっしゃいのキスで、勃起するんです。勃起したら駄目だって、意識したらなおさら勃起しちゃうんです」
切なげな顔で、勃起勃起と騒いでいる。
「まあまあ、落ち着け」
笑いを堪えて、肩をポンと叩くと勢いよく声が飛び出た。
「あ!」
「え、どした」
「触られると、反応、します」
くたくたと崩れ落ち、床にうずくまった倉知の頭を撫でようと伸ばした手を引っ込めて、ダイニングの椅子を引いた。悶々としながら作ったらしい夕飯は、いつも通り手間がかかっていて、すごく美味そうだった。美味そう、じゃない。すでに美味い。
俺は今、性欲より食欲だ。
「下半身と切り離して生活するのもいいもんだぞ」
「切り離せません、俺、だって、きっと俺、全身下半身なんです」
「お、おう。その可能性は否定しないけど、とりあえずご飯食べようよ」
帰宅してからずっとこんな調子で、悲壮感を漂わせている。
「ほら、いただきますしないと食べられないじゃん」
箸を持って急かすと、よろめきながら対面に腰を下ろした。
夕飯を終えてようやく落ち着いたかと思いきや、風呂行こうと声をかけると、「駄目だ!」と再び頭を抱えた。
「二人でお風呂に入れない……!」
「ええ?」
「加賀さんの裸見たら、出ます」
「出ますって、お前」
「先に入ってください」
湯船に浸かり、天井を見上げる。こんな天井だったのか、と新鮮な気がした。浴室のライトの色や形、タイルの質感、すべてが初めて見るもののように感じた。
一人だと静かだし、広くて、脚を伸ばせる。
こういうとき、たまには一人もいいもんだ、と思うのかもしれない。
「うーん」
一人きりの浴室に、うなり声が響く。
物足りないし、寂しい。
まさか、誕生日まで毎日一人で風呂に入らなければならないのだろうか。
誤算は、さらに続く。
「一緒のベッドで眠れません」
寝る時間になると倉知はソファの上で膝を抱え、深刻な顔で申告した。
「限界なんです。寝ながら襲うかもしれない……」
「いやいや、大丈夫だよ」
笑って手を差し伸べる。倉知は俺の手のひらを見つめて、ため息をつくと、弱々しく首を横に振った。
「今加賀さんに触ったら、多分俺、抑えられない」
苦しそうに息を吐き、俺を見る倉知の目は、獰猛な獣のそれだ。
「駄目だ、離れてください。ムラムラしてきた」
自分の体を抱きしめて、ああーと雄叫びを上げる倉知を、笑わないで見ているのはほとんど苦行だった。
「いいよ、別に」
ニヤニヤした声が出てしまった。倉知が怪訝そうに俺を見る。
「ヤる?」
「……え?」
「いいよ、ヤろう。俺もしたくなってきた」
「でも、まだ誕生日じゃ」
「最初から一週間我慢できるなんて思ってなかったし。我慢できない早漏の倉知君もプレゼントかなって」
「早漏?」
ぴく、と反応した倉知が精いっぱい、怒りましたよという顔で「早漏じゃないです」と真っ向から否定してきた。
「うん、知ってるけど、そういう意味の早漏じゃなくて」
「初志貫徹、有言実行、それができる男でありたい」
倉知が胸を張ってキリッと宣言する。
「やると約束したからには、やります。一週間、ちゃんと我慢してみせます」
右手を握り締め決意を新たにする倉知は、そのまま選挙のポスターに使えそうなほど、凛々しく頼もしい表情をしていた。顔の横に、「初志貫徹、有言実行! 清き一票を!」と文字を載せれば今すぐ出馬できる。
「早漏じゃないですからね」
「そこ強調するね。早漏なんてチャームポイントじゃん」
肩をすくめると、倉知がクスッと笑ったが、すぐに顔を曇らせた。
「加賀さん、俺」
「うん」
「早漏じゃないですよね?」
わざわざ訊くのが可愛いな、と胸がむず痒くなる。
「可愛い」
ソファに座った倉知の膝に向き合う形で乗り、頭をいい子いい子したのち、それでも足りずに堪らずキスをした。
至近距離で目が合う。瞳がやけに潤んでいるな、と思ったら、目の端から涙が零れ落ちた。
「うわ、泣いた」
「加賀さん、ひどい」
「え? 何が?」
「なんでこんなことするんですか、台無しになってもいいんですか?」
ほろほろと儚げに涙を落とす、大きな体が果てしなく可愛い。
しまった、可愛い。こんなに可愛い倉知を、今引き出してしまうと俺の首も締まるではないか。
「あーっ、ほら!」
倉知が声を上げ、自分の股間を見下ろした。つられて下を見る。勃っている。
「すまん」
「あ、あっ、駄目だ、加賀さん、早く降りて」
「何? イキそう? あー、あれだ、お前円周率で萎えるんだろ?」
飛び降りて、「3.14」と指を鳴らして合図すると、倉知の口から呪文のように数字が滑り出してきた。
「え、ちょっと怖い。どんだけ覚えてんの?」
倉知は返事をせずに、数字をつぶやき続けている。
「どう? 萎えそう?」
股間の生地を押し上げているふくらみは、健在だ。倉知が首を横に振る。時間がかかりそうだ。あくびが出た。
「ベッドで寝ながら続ければ?」
一緒のベッドで眠れません、とループするかと思ったが、倉知が数字を並べながら俺の後ろをついてくる。
布団に入る。まだ円周率は続いている。暗闇に、ぶつぶつと広がっていく数字たち。
子守歌のようだった。
いつの間にか眠っていて、倉知自身も「よく眠れました」と翌日ケロッとしていた。
いってらっしゃいのキスもなし、風呂も別々で、触れ合うことすらないまま、夜は円周率を唱え、数日が経過し、誕生日前日の夜を迎えた。
ようやくこのときがきた。あと数分で、十二月一日になる。
円周率は素晴らしい。僕はこの方法で誕生日まで乗り切りました、と円周率のCMに出ればいい。
そう言うと、ツボにハマった倉知がベッドの上で、楽しそうに笑った。
「円周率のCMって、意味わからないです」
こんなによく笑う倉知を見るのは久しぶりだ。ここ一週間、つらい思いをさせた。
「ごめんな」
「何がですか?」
「セックス禁止とか強制して」
「いえ、いい経験でした」
ナイトスタンドの淡い灯りに照らされた倉知の表情は、爽やかだった。清廉で、澄み渡っていて、目はキラキラと少年のように輝いている。
「もうなんか、一生セックスしなくてもいいみたいな気持ちです」
「お、言ったな?」
「……抱きしめていいですか?」
倉知がベッドの上で半身を起こした。
「うん」
寝たままで、両腕を広げてみせた。倉知が覆いかぶさってくる。ぎゅう、と体を抱きしめてくる。
「加賀さんだ」
声が、震えている。
「加賀さん」
「うん」
「触りたかった」
「うん」
「匂い」
首に顔をうずめて、深呼吸の音。
「好き。いい匂い」
くすぐったいのと嬉しいのとで、笑ってしまう。
一週間、平気な顔をしてはいたが、俺もしんどかった。下半身と切り離す生活は、悪くはない。それは確かだが、そばにいるのに触れることすらできない日々は、きつかった。
もう少し歳を重ねれば、あるいは、禁欲をしながら触れ合うことも可能かもしれないが、二十二歳の倉知には難しく、その青い部分が愛しくて、大切だと思う。
触れたかった。抱きしめたかった。匂いを嗅ぎたかった。俺だって。同じだ。
「大好き」
囁くと、倉知がかすかに笑った。照れ隠しか、俺の肩口に顔を押しつけて、ぐりぐりしてから、洟をすする。
「加賀さん好き、加賀さん、大好き」
うわごとのように、繰り返す。
上に乗る倉知が、手を握り合わせたり、髪を撫でたり、首に唇を這わせたり、確認作業を続ける中、俺は気づいていた。
勃起している。
このストレートな性欲が、俺にはたまらなく、可愛い。
「もうそろそろかな?」
「そろそろ?」
「誕生日。俺の」
「え、あ、あと、……二分です」
体を起こして時計を確認した倉知が、俺の上から身軽に飛びのき、ベッドの上で正座して、目を伏せ、口を開く。
「誕生日、おめでとうございます」
「うん、あと二分だけどね。サンキュ」
「加賀さん」
「うん」
倉知が目を上げる。
「二分も待てない」
もどかしそうに身を震わせるのが可愛くて、跳ね起きた。飛びついて、押し倒す。顔を両手で包み込み、唇を、塞ぐ。
やばい、泣きそうだ。
想定外の感動があった。触れることさえ久しぶりで、唇の柔らかさも、口の中の温かさも、真新しく感じる。
丁寧に、貪った。
しつこく、まさぐった。
倉知が、喘ぐ。
ずっと、泣きそうに、絶え間なく声を上げている。
「大丈夫?」
口を離して、頭を撫でながら訊いた。
「あ、あっ、加賀さん、なんか、俺、もう」
「もう? キスで?」
倉知の股間に手を突っ込んで、ペニスを引っ張り出した。顔を出すのと同時に、手のひらで脈打つ感覚。
白い液体が、飛ぶ。目の前で吐き出される精液は、まるで噴水のようだった。
「すげえ量」
止まったのを見計らい、擦ってやると、ぴゅ、と小さく弧を描く。擦れば擦った分だけ出てきそうで、もったいない。手を止めたが、倉知が止まらなかった。腰を浮かし、揺すってくる。手の中を往復する倉知の熱いペニスは、おそろしいことに、まだ硬い。
「んっ……、あっ、あ、はあ、気持ち、いい……」
倉知の服が、精液まみれだ。胸や腹に飛んだ精液と、イッた直後の溶けた表情が、非常にエロい。
いよいよ俺のほうも、辛抱できなくなってきた。いてえ、とぼやいて、怒張したモノを引きずり出す。
「加賀さんの」
倉知がハアハアと息を荒げながら、物欲しそうに俺の股間を凝視している。付け根をつかんで、軽く振りながら、訊いた。
「欲しい?」
「はい」
問いかけにかぶせてくる即答が、可愛い。
「どうしようかな」
倉知の体に跨り、乳首の位置を見定め、ペニスの先端で、ぐいぐいと押した。
「う……あ……っ」
倉知は本当に、乳首が好きだ。シーツを握り締め、体を震わせて、俺のペニスが服の上から乳首を押すのを歓迎した。服の上からでも、乳首が尖っているのがわかる。亀頭を押しつけて笑っていると、倉知が「もう駄目だ……」と両手で顔を覆った。
「乳首で、イッちゃう」
大きな両手の向こうから、確かにそんな科白が聞こえた。
「マジか」
「マジ、です」
「じゃあイッてみて。ほら、いじってやるから」
服の中に手を突っ込んで、両方の乳首を捕獲すると、倉知の体が大きく、ビク、と反応した。
「……っ、やめ、だ、だめ……っ」
首を仰け反らせて悶絶したあとで、痙攣が始まった。倉知のペニスが大きく跳ねたが、何も出ない。
「ドライ?」
と訊いたが、「んっ」とか「あっ」とか、艶めかしい声しか返ってこない。服の下から覗く逞しい腹筋が、上下に波打ち、肌は汗が滲んできた。手に吸いつく、滑らかな皮膚の弾力。胸、腹、と撫でさすり、落ち着くのを待ってから、服を脱がせた。
ときには、着衣が盛り上がる要素になりうるし、焦らしながら徐々に脱がす工程が楽しい場合もある。
でも今は、服が邪魔でしかない。倉知の服を剥くと、自分もあっという間に全裸になった。
上に、乗る。
肌を、重ね合わせた。
体温が、気持ちいい。
両手の指を絡ませて、深い、キスをする。
倉知は俺の下で肢体を弛緩させ、甘い快感に酔いしれている。緩くないのは、股間のみ。泉のように、文字通り精液を湧き出しておいて、いまだ硬く勃たせている。
「七世」
唇を離して、ひたいをくっつけた。倉知が薄く目を開け、視線を合わせた。なまめかしく濡れた瞳が、期待で揺らぐ。
「挿れていい?」
問いかけに、まばたきをした。いい、という意味だ。
「ちゃんと、してありますから」
倉知は抱かれるとわかっている日は自分で完璧に準備する。俺が入るところを、綺麗にして、ほぐして、入りやすいように整える。どんな顔でやっているのかとか、その光景を想像することを含めて、「抱く」というイベントは至高であり、「抱かれる倉知」はとても健気でスケベで尊い存在なのだ。
「愛してる」
倉知が泣き顔で「はい」と脚を開く。
二人ともが最高潮の状態に仕上がった。ローションで潤いを足すと、あとはいざ、結合を果たすのみ。
「んん……」
中に、入っていく。倉知が声を押し殺す。息が荒い。すでにギンギンに勃起している倉知のペニスが、腰を進めるごとに、生き物のように跳ねた。
「あっ、あっ、どうしよう……っ」
「え?」
「待って、加賀さん、俺、あっ……!」
ぎゅ、と締めつけられ、イッたのだと気がついた。倉知のペニスの先端から、ドロリと精液が流れ出ている。
「え、ちょ、まだ半分も挿れてないよ?」
「体、興奮しすぎて、変……、俺、おかしい」
うっうっと本気の泣きが入る。
「加賀さん、好き、加賀さんのが、俺の中、入るの嬉しくて……、ごめんなさい」
愛くるしい。なんということだ。この、繊細で可憐な生き物を今すぐ喘がせたい。
腰をつかむ。そして、一気に押し入った。倉知が声を上げる。構わない。穿つ。寝室に嬌声がこだまする。なんて声を出すんだよ、と口の端が持ち上がっていく。
「七世、ここ?」
知っている。ここが気持ちいい。泣きながら「きもちいい」と声を震わせる様を上から眺めて、満足する。
激しく腰を振る。右手でペニスを擦ってやりながら、左手で乳首を弾き、奥を突く。
「ん、あ、はあっ、ああっ、加賀さ、ん、や、あっ、イク、また、イク……っ」
とにかく声が可愛い。息遣いがエロい。
もっと、徹底的に、喘がせてやる。
「七世」
「うっ、うん、あっ、や……っ」
耳に口を当てて、名前を呼ぶ。倉知が身震いをして、しがみついてくる。
気持ちいい。いつでもイケる。
倉知を何度もイカせておいて、自分はイキそうになると、動きを止め、愛撫に集中する。
加賀さん、加賀さんと俺を呼ぶ倉知の声は、今にも泣き出しそうで、好きで好きで堪らないのだと、ひしひしと伝わってくる。
わかってるよ。
汗だくの体を抱きしめる。
力の抜けた倉知の体は、どこもかしこも性感帯で、触れるだけで悩ましい吐息を漏らし、貪欲に、自ら腰を揺すった。喘ぎまくり、イキまくり、一週間分の絶頂を取り戻すようだった。
抱き合ったまま律動を続け、長いまぐわいが終了すると、倉知が泣いた。なんとなく、泣く気がしていた。
「よしよし」
上に乗って、頭を撫でてやる。
「ごめんなさい」
「何が? 可愛くてごめんなさい?」
倉知が軽く咳き込んでから、息をついて消沈した声色で言った。
「キスだけでイクとか、俺、早漏に、我慢できない体になったのかも」
不安げな倉知の肩を撫でて「大丈夫」と慰めた。
「溜めてた反動だって。もし早漏逆戻りでも、可愛いからいい許す。早漏倉知君大歓迎」
「早漏が可愛いんですか?」
「昔に戻ったみたいでめっちゃ可愛い」
倉知が黙る。複雑そうだ。
「あ。……あー、しまった」
惜しいことをしてしまったとやおら気がつき、残念そうな声が出た。倉知が俺の下で身じろいで「なんですか?」と訊く。
「禁欲したのは大正解だったけど、ほら、お前、酔うとすげえじゃん。禁欲したセックスマシーンなんて絶対やべえ。アイアンマンの中にハルクが入ってるようなもんじゃん」
「それ、ちょっと無駄じゃないですか?」
「無駄とか言うな」
あはは、と二人で笑い合う。
笑い声のあとで、静かな間が空いた。
「やっぱ、もったいない」
あーあ、もったいない、失敗した、と嘆いていると、倉知が言いにくそうに「あの」と言った。
「うん?」
少しのもじもじタイムを経て、口を開く。
「今夜、俺を酔わせてください」
「え」
耳を疑った。今、すごい科白を吐かなかったか?
「え、いいの?」
思わず飛び起きて、念を押す。
「あ、でも、射精、すごいしたし……、禁欲はやり直し、ですね」
眠たそうな声でむにゃむにゃとつぶやく。
「けど俺、まだヤリ足りないから、酔わせて……ください。そしたら、ディナーのあとで……」
倉知が半分眠っている。すや、と寝息が聞こえてきた。急いで肩を揺する。
「え、何、ディナーのあとで何? ていうかお前、ヤリ足りないってお前、あんだけイキまくっておいてお前」
薄く目を開いた倉知が、手を伸ばす。俺の唇を人差し指で撫でて、「しー」と声を潜めた。
「俺今、すごく、眠たいんです」
「お、おう。おやすみ」
「加賀さん」
うとうとしながら、倉知が俺の手を握り、頬をすり寄せる。
「誕生日おめでとうございます。大好き」
安らかな倉知の寝顔を見ながら、きっと素晴らしいであろう今夜の饗宴を、夢想する。
〈おわり〉
〈加賀編〉
誕生日までの一週間を禁欲期間にしよう。
そう提案すると、倉知は意味がわからないという顔で「へえ」と他人事のような返事をした。
セックスどころか、自慰もなし。
付け足すと、目を丸くしてから、わかりやすく落胆した。
我慢させて、とろとろにエロくなった倉知を抱きたい。
そんな願望を叶えられるのは誕生日くらいだ。
わかりましたとしぶしぶ受け入れた倉知は、しかし早くに発狂した。禁欲生活三日目の、夜のことだった。
「まだ折り返しだぞ」
「だって、いってらっしゃいのキスで、勃起するんです。勃起したら駄目だって、意識したらなおさら勃起しちゃうんです」
切なげな顔で、勃起勃起と騒いでいる。
「まあまあ、落ち着け」
笑いを堪えて、肩をポンと叩くと勢いよく声が飛び出た。
「あ!」
「え、どした」
「触られると、反応、します」
くたくたと崩れ落ち、床にうずくまった倉知の頭を撫でようと伸ばした手を引っ込めて、ダイニングの椅子を引いた。悶々としながら作ったらしい夕飯は、いつも通り手間がかかっていて、すごく美味そうだった。美味そう、じゃない。すでに美味い。
俺は今、性欲より食欲だ。
「下半身と切り離して生活するのもいいもんだぞ」
「切り離せません、俺、だって、きっと俺、全身下半身なんです」
「お、おう。その可能性は否定しないけど、とりあえずご飯食べようよ」
帰宅してからずっとこんな調子で、悲壮感を漂わせている。
「ほら、いただきますしないと食べられないじゃん」
箸を持って急かすと、よろめきながら対面に腰を下ろした。
夕飯を終えてようやく落ち着いたかと思いきや、風呂行こうと声をかけると、「駄目だ!」と再び頭を抱えた。
「二人でお風呂に入れない……!」
「ええ?」
「加賀さんの裸見たら、出ます」
「出ますって、お前」
「先に入ってください」
湯船に浸かり、天井を見上げる。こんな天井だったのか、と新鮮な気がした。浴室のライトの色や形、タイルの質感、すべてが初めて見るもののように感じた。
一人だと静かだし、広くて、脚を伸ばせる。
こういうとき、たまには一人もいいもんだ、と思うのかもしれない。
「うーん」
一人きりの浴室に、うなり声が響く。
物足りないし、寂しい。
まさか、誕生日まで毎日一人で風呂に入らなければならないのだろうか。
誤算は、さらに続く。
「一緒のベッドで眠れません」
寝る時間になると倉知はソファの上で膝を抱え、深刻な顔で申告した。
「限界なんです。寝ながら襲うかもしれない……」
「いやいや、大丈夫だよ」
笑って手を差し伸べる。倉知は俺の手のひらを見つめて、ため息をつくと、弱々しく首を横に振った。
「今加賀さんに触ったら、多分俺、抑えられない」
苦しそうに息を吐き、俺を見る倉知の目は、獰猛な獣のそれだ。
「駄目だ、離れてください。ムラムラしてきた」
自分の体を抱きしめて、ああーと雄叫びを上げる倉知を、笑わないで見ているのはほとんど苦行だった。
「いいよ、別に」
ニヤニヤした声が出てしまった。倉知が怪訝そうに俺を見る。
「ヤる?」
「……え?」
「いいよ、ヤろう。俺もしたくなってきた」
「でも、まだ誕生日じゃ」
「最初から一週間我慢できるなんて思ってなかったし。我慢できない早漏の倉知君もプレゼントかなって」
「早漏?」
ぴく、と反応した倉知が精いっぱい、怒りましたよという顔で「早漏じゃないです」と真っ向から否定してきた。
「うん、知ってるけど、そういう意味の早漏じゃなくて」
「初志貫徹、有言実行、それができる男でありたい」
倉知が胸を張ってキリッと宣言する。
「やると約束したからには、やります。一週間、ちゃんと我慢してみせます」
右手を握り締め決意を新たにする倉知は、そのまま選挙のポスターに使えそうなほど、凛々しく頼もしい表情をしていた。顔の横に、「初志貫徹、有言実行! 清き一票を!」と文字を載せれば今すぐ出馬できる。
「早漏じゃないですからね」
「そこ強調するね。早漏なんてチャームポイントじゃん」
肩をすくめると、倉知がクスッと笑ったが、すぐに顔を曇らせた。
「加賀さん、俺」
「うん」
「早漏じゃないですよね?」
わざわざ訊くのが可愛いな、と胸がむず痒くなる。
「可愛い」
ソファに座った倉知の膝に向き合う形で乗り、頭をいい子いい子したのち、それでも足りずに堪らずキスをした。
至近距離で目が合う。瞳がやけに潤んでいるな、と思ったら、目の端から涙が零れ落ちた。
「うわ、泣いた」
「加賀さん、ひどい」
「え? 何が?」
「なんでこんなことするんですか、台無しになってもいいんですか?」
ほろほろと儚げに涙を落とす、大きな体が果てしなく可愛い。
しまった、可愛い。こんなに可愛い倉知を、今引き出してしまうと俺の首も締まるではないか。
「あーっ、ほら!」
倉知が声を上げ、自分の股間を見下ろした。つられて下を見る。勃っている。
「すまん」
「あ、あっ、駄目だ、加賀さん、早く降りて」
「何? イキそう? あー、あれだ、お前円周率で萎えるんだろ?」
飛び降りて、「3.14」と指を鳴らして合図すると、倉知の口から呪文のように数字が滑り出してきた。
「え、ちょっと怖い。どんだけ覚えてんの?」
倉知は返事をせずに、数字をつぶやき続けている。
「どう? 萎えそう?」
股間の生地を押し上げているふくらみは、健在だ。倉知が首を横に振る。時間がかかりそうだ。あくびが出た。
「ベッドで寝ながら続ければ?」
一緒のベッドで眠れません、とループするかと思ったが、倉知が数字を並べながら俺の後ろをついてくる。
布団に入る。まだ円周率は続いている。暗闇に、ぶつぶつと広がっていく数字たち。
子守歌のようだった。
いつの間にか眠っていて、倉知自身も「よく眠れました」と翌日ケロッとしていた。
いってらっしゃいのキスもなし、風呂も別々で、触れ合うことすらないまま、夜は円周率を唱え、数日が経過し、誕生日前日の夜を迎えた。
ようやくこのときがきた。あと数分で、十二月一日になる。
円周率は素晴らしい。僕はこの方法で誕生日まで乗り切りました、と円周率のCMに出ればいい。
そう言うと、ツボにハマった倉知がベッドの上で、楽しそうに笑った。
「円周率のCMって、意味わからないです」
こんなによく笑う倉知を見るのは久しぶりだ。ここ一週間、つらい思いをさせた。
「ごめんな」
「何がですか?」
「セックス禁止とか強制して」
「いえ、いい経験でした」
ナイトスタンドの淡い灯りに照らされた倉知の表情は、爽やかだった。清廉で、澄み渡っていて、目はキラキラと少年のように輝いている。
「もうなんか、一生セックスしなくてもいいみたいな気持ちです」
「お、言ったな?」
「……抱きしめていいですか?」
倉知がベッドの上で半身を起こした。
「うん」
寝たままで、両腕を広げてみせた。倉知が覆いかぶさってくる。ぎゅう、と体を抱きしめてくる。
「加賀さんだ」
声が、震えている。
「加賀さん」
「うん」
「触りたかった」
「うん」
「匂い」
首に顔をうずめて、深呼吸の音。
「好き。いい匂い」
くすぐったいのと嬉しいのとで、笑ってしまう。
一週間、平気な顔をしてはいたが、俺もしんどかった。下半身と切り離す生活は、悪くはない。それは確かだが、そばにいるのに触れることすらできない日々は、きつかった。
もう少し歳を重ねれば、あるいは、禁欲をしながら触れ合うことも可能かもしれないが、二十二歳の倉知には難しく、その青い部分が愛しくて、大切だと思う。
触れたかった。抱きしめたかった。匂いを嗅ぎたかった。俺だって。同じだ。
「大好き」
囁くと、倉知がかすかに笑った。照れ隠しか、俺の肩口に顔を押しつけて、ぐりぐりしてから、洟をすする。
「加賀さん好き、加賀さん、大好き」
うわごとのように、繰り返す。
上に乗る倉知が、手を握り合わせたり、髪を撫でたり、首に唇を這わせたり、確認作業を続ける中、俺は気づいていた。
勃起している。
このストレートな性欲が、俺にはたまらなく、可愛い。
「もうそろそろかな?」
「そろそろ?」
「誕生日。俺の」
「え、あ、あと、……二分です」
体を起こして時計を確認した倉知が、俺の上から身軽に飛びのき、ベッドの上で正座して、目を伏せ、口を開く。
「誕生日、おめでとうございます」
「うん、あと二分だけどね。サンキュ」
「加賀さん」
「うん」
倉知が目を上げる。
「二分も待てない」
もどかしそうに身を震わせるのが可愛くて、跳ね起きた。飛びついて、押し倒す。顔を両手で包み込み、唇を、塞ぐ。
やばい、泣きそうだ。
想定外の感動があった。触れることさえ久しぶりで、唇の柔らかさも、口の中の温かさも、真新しく感じる。
丁寧に、貪った。
しつこく、まさぐった。
倉知が、喘ぐ。
ずっと、泣きそうに、絶え間なく声を上げている。
「大丈夫?」
口を離して、頭を撫でながら訊いた。
「あ、あっ、加賀さん、なんか、俺、もう」
「もう? キスで?」
倉知の股間に手を突っ込んで、ペニスを引っ張り出した。顔を出すのと同時に、手のひらで脈打つ感覚。
白い液体が、飛ぶ。目の前で吐き出される精液は、まるで噴水のようだった。
「すげえ量」
止まったのを見計らい、擦ってやると、ぴゅ、と小さく弧を描く。擦れば擦った分だけ出てきそうで、もったいない。手を止めたが、倉知が止まらなかった。腰を浮かし、揺すってくる。手の中を往復する倉知の熱いペニスは、おそろしいことに、まだ硬い。
「んっ……、あっ、あ、はあ、気持ち、いい……」
倉知の服が、精液まみれだ。胸や腹に飛んだ精液と、イッた直後の溶けた表情が、非常にエロい。
いよいよ俺のほうも、辛抱できなくなってきた。いてえ、とぼやいて、怒張したモノを引きずり出す。
「加賀さんの」
倉知がハアハアと息を荒げながら、物欲しそうに俺の股間を凝視している。付け根をつかんで、軽く振りながら、訊いた。
「欲しい?」
「はい」
問いかけにかぶせてくる即答が、可愛い。
「どうしようかな」
倉知の体に跨り、乳首の位置を見定め、ペニスの先端で、ぐいぐいと押した。
「う……あ……っ」
倉知は本当に、乳首が好きだ。シーツを握り締め、体を震わせて、俺のペニスが服の上から乳首を押すのを歓迎した。服の上からでも、乳首が尖っているのがわかる。亀頭を押しつけて笑っていると、倉知が「もう駄目だ……」と両手で顔を覆った。
「乳首で、イッちゃう」
大きな両手の向こうから、確かにそんな科白が聞こえた。
「マジか」
「マジ、です」
「じゃあイッてみて。ほら、いじってやるから」
服の中に手を突っ込んで、両方の乳首を捕獲すると、倉知の体が大きく、ビク、と反応した。
「……っ、やめ、だ、だめ……っ」
首を仰け反らせて悶絶したあとで、痙攣が始まった。倉知のペニスが大きく跳ねたが、何も出ない。
「ドライ?」
と訊いたが、「んっ」とか「あっ」とか、艶めかしい声しか返ってこない。服の下から覗く逞しい腹筋が、上下に波打ち、肌は汗が滲んできた。手に吸いつく、滑らかな皮膚の弾力。胸、腹、と撫でさすり、落ち着くのを待ってから、服を脱がせた。
ときには、着衣が盛り上がる要素になりうるし、焦らしながら徐々に脱がす工程が楽しい場合もある。
でも今は、服が邪魔でしかない。倉知の服を剥くと、自分もあっという間に全裸になった。
上に、乗る。
肌を、重ね合わせた。
体温が、気持ちいい。
両手の指を絡ませて、深い、キスをする。
倉知は俺の下で肢体を弛緩させ、甘い快感に酔いしれている。緩くないのは、股間のみ。泉のように、文字通り精液を湧き出しておいて、いまだ硬く勃たせている。
「七世」
唇を離して、ひたいをくっつけた。倉知が薄く目を開け、視線を合わせた。なまめかしく濡れた瞳が、期待で揺らぐ。
「挿れていい?」
問いかけに、まばたきをした。いい、という意味だ。
「ちゃんと、してありますから」
倉知は抱かれるとわかっている日は自分で完璧に準備する。俺が入るところを、綺麗にして、ほぐして、入りやすいように整える。どんな顔でやっているのかとか、その光景を想像することを含めて、「抱く」というイベントは至高であり、「抱かれる倉知」はとても健気でスケベで尊い存在なのだ。
「愛してる」
倉知が泣き顔で「はい」と脚を開く。
二人ともが最高潮の状態に仕上がった。ローションで潤いを足すと、あとはいざ、結合を果たすのみ。
「んん……」
中に、入っていく。倉知が声を押し殺す。息が荒い。すでにギンギンに勃起している倉知のペニスが、腰を進めるごとに、生き物のように跳ねた。
「あっ、あっ、どうしよう……っ」
「え?」
「待って、加賀さん、俺、あっ……!」
ぎゅ、と締めつけられ、イッたのだと気がついた。倉知のペニスの先端から、ドロリと精液が流れ出ている。
「え、ちょ、まだ半分も挿れてないよ?」
「体、興奮しすぎて、変……、俺、おかしい」
うっうっと本気の泣きが入る。
「加賀さん、好き、加賀さんのが、俺の中、入るの嬉しくて……、ごめんなさい」
愛くるしい。なんということだ。この、繊細で可憐な生き物を今すぐ喘がせたい。
腰をつかむ。そして、一気に押し入った。倉知が声を上げる。構わない。穿つ。寝室に嬌声がこだまする。なんて声を出すんだよ、と口の端が持ち上がっていく。
「七世、ここ?」
知っている。ここが気持ちいい。泣きながら「きもちいい」と声を震わせる様を上から眺めて、満足する。
激しく腰を振る。右手でペニスを擦ってやりながら、左手で乳首を弾き、奥を突く。
「ん、あ、はあっ、ああっ、加賀さ、ん、や、あっ、イク、また、イク……っ」
とにかく声が可愛い。息遣いがエロい。
もっと、徹底的に、喘がせてやる。
「七世」
「うっ、うん、あっ、や……っ」
耳に口を当てて、名前を呼ぶ。倉知が身震いをして、しがみついてくる。
気持ちいい。いつでもイケる。
倉知を何度もイカせておいて、自分はイキそうになると、動きを止め、愛撫に集中する。
加賀さん、加賀さんと俺を呼ぶ倉知の声は、今にも泣き出しそうで、好きで好きで堪らないのだと、ひしひしと伝わってくる。
わかってるよ。
汗だくの体を抱きしめる。
力の抜けた倉知の体は、どこもかしこも性感帯で、触れるだけで悩ましい吐息を漏らし、貪欲に、自ら腰を揺すった。喘ぎまくり、イキまくり、一週間分の絶頂を取り戻すようだった。
抱き合ったまま律動を続け、長いまぐわいが終了すると、倉知が泣いた。なんとなく、泣く気がしていた。
「よしよし」
上に乗って、頭を撫でてやる。
「ごめんなさい」
「何が? 可愛くてごめんなさい?」
倉知が軽く咳き込んでから、息をついて消沈した声色で言った。
「キスだけでイクとか、俺、早漏に、我慢できない体になったのかも」
不安げな倉知の肩を撫でて「大丈夫」と慰めた。
「溜めてた反動だって。もし早漏逆戻りでも、可愛いからいい許す。早漏倉知君大歓迎」
「早漏が可愛いんですか?」
「昔に戻ったみたいでめっちゃ可愛い」
倉知が黙る。複雑そうだ。
「あ。……あー、しまった」
惜しいことをしてしまったとやおら気がつき、残念そうな声が出た。倉知が俺の下で身じろいで「なんですか?」と訊く。
「禁欲したのは大正解だったけど、ほら、お前、酔うとすげえじゃん。禁欲したセックスマシーンなんて絶対やべえ。アイアンマンの中にハルクが入ってるようなもんじゃん」
「それ、ちょっと無駄じゃないですか?」
「無駄とか言うな」
あはは、と二人で笑い合う。
笑い声のあとで、静かな間が空いた。
「やっぱ、もったいない」
あーあ、もったいない、失敗した、と嘆いていると、倉知が言いにくそうに「あの」と言った。
「うん?」
少しのもじもじタイムを経て、口を開く。
「今夜、俺を酔わせてください」
「え」
耳を疑った。今、すごい科白を吐かなかったか?
「え、いいの?」
思わず飛び起きて、念を押す。
「あ、でも、射精、すごいしたし……、禁欲はやり直し、ですね」
眠たそうな声でむにゃむにゃとつぶやく。
「けど俺、まだヤリ足りないから、酔わせて……ください。そしたら、ディナーのあとで……」
倉知が半分眠っている。すや、と寝息が聞こえてきた。急いで肩を揺する。
「え、何、ディナーのあとで何? ていうかお前、ヤリ足りないってお前、あんだけイキまくっておいてお前」
薄く目を開いた倉知が、手を伸ばす。俺の唇を人差し指で撫でて、「しー」と声を潜めた。
「俺今、すごく、眠たいんです」
「お、おう。おやすみ」
「加賀さん」
うとうとしながら、倉知が俺の手を握り、頬をすり寄せる。
「誕生日おめでとうございます。大好き」
安らかな倉知の寝顔を見ながら、きっと素晴らしいであろう今夜の饗宴を、夢想する。
〈おわり〉
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