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尾ける
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〈加賀編〉
父の現在の愛車はアウディTTの限定モデル。美しいフォルムの白い車体は、自然と視線を惹きつけられてしまう。
休日出勤を終えた土曜日の午後。マンションに向かう帰宅途中、目の前を通り過ぎたアウディが、父のものだとすぐに気づいた。
運転中に発見するのは初めてだった。なぜだか嬉しくなり、こっちを見ているわけでもないのに軽く手を振って見送った。その手がはたと止まる。
助手席に倉知が乗っていた。
なんで? と疑念が渦巻いた。
なんで二人が一緒なんだよ?
急に落ち着かなくなった。信号が青に変わったのを見て、後を追う。
間に一台の軽を挟んだ状態で、図らずも尾行する形になってしまった。
別に、そんな意図はない。向こうに気づかれたところでなんの支障もないのだが、父と倉知が俺を差し置いて、一体どこに向かうのか。
単純に興味があった。
今日は倉知もバイトで、ちょうど仕事上がりの時間帯だ。バイトというのは嘘で、父とデートしていたとか。
なんだよ、デートって。
自分の不気味な言葉選びに、身震いが起きた。
父親と恋人が、仲良くどこかに出かけている。喜ばしいことじゃないか。ほほえましく見守ればいい。軽い気持ちでいいはずだ。でも、どう考えてもほのぼのとはかけ離れている。
一瞬だけ見えた倉知の横顔はこわばっていて、まるで、パトカーで署に連行される容疑者にも見えた。
二人は打ち解けてはいるが、倉知はいまだに少し、緊張している部分もある。息子の俺が言うのもなんだが、父は肩が凝る人だ。自分にも他人にも厳しい。父に対してフレンドリーに、敬語もなく、冗談を交えながら、気軽に接することができる人物は、相当肝が据わっていると言える。仕事関係でも友人関係でも、そんな猛者はほとんどいない。思いつくとしたら、倉知の父だ。
あの人は例外として、誰もが背筋を伸ばし、気を張り詰め、身構える男。それが父だ。
そんな男の運転する車で、倉知は大丈夫だろうか。とにかく心配だった。
一体どこに連れて行くつもりだ。俺の大事な倉知を、断りもなく連れ出して。
なんだそりゃ、と吹き出した。
倉知は俺の所有物じゃない。自分の意志で車に乗り、父と行動を共にしているのだ。
二十分後、アウディが到着した先は意外な場所だった。
大型ショッピングモールだ。
「親父が? 親父と倉知君が?」
笑いが起きる。カップルや家族連れで賑わう平和なスポットだ。長身の男二人組は明らかに浮いている。倉知はバイト帰りの普段着だが、父はスリーピースのスーツだ。すれ違う人たちが振り返って見ている。笑いが漏れてしまう。
父は俺と同じでウインドウショッピングが苦手だ。無目的にぶらぶらするなんて、絶対にしない。何か特別な用事でもあるのだろうか。
気づかれないように遠巻きに、二人の動向を観察した。微妙な距離感で並んで歩き、メンズファッションのショップの前で立ち止まった。マネキンの着ている服を指さし、二人で何か喋っている。
おいおいおい。
まさか本気で、ただの買い物か?
この二人が?
笑いたいのを必死で堪えて、対面のショップに身を潜め、二人を監視する。
見ようによっては親子に見える。普段、仕事ばかりで家庭を顧みない父親が、たまの休みに息子を連れて、「なんでも好きなものを買いなさい」と大盤振る舞いする光景。
顔が笑うのを止められない。父が倉知に、ハンガーにかかった服を当てて見立てている。楽しそうだ。倉知の恐縮しきりの表情も、面白い。
なんだよ、可愛い二人だな、とニヤニヤしていると、「いらっしゃいませ」と声がかかった。
「何かお探しですか? プレゼントとかですかぁ?」
店員に話しかけられてしまった。二人を見失うわけにはいかず、すぐそばにあったものを適当に指さして、「これなんかいいかなって」とうわの空で返事をした。
「こちら、人気の商品ですよ。カップのサイズはわかります?」
「カップ?」
自分の指の先を見て、固まった。ブラジャーだ。ショップの中は、どこを見ても女性ものの下着で溢れている。ランジェリーショップらしい。
店の中にいた女性たちが、俺を見ていた。顔を赤らめていたり、怪訝そうにしていたり、スーツの男が異質なのは間違いない。
「あー……、すいません、ちょっと一人でゆっくり見たいなって」
変態じみた俺の科白に、ニヤニヤが抑えられない様子で若い女性店員が一度唇を噛んでから、腰を折り曲げて頭を下げる。
「ごゆっくりどうぞ」
息をついて視線を戻す。父が数着の服を店員に手渡しているのが見えた。あの人は迷わない。インスピレーションで物を選ぶ。だから買い物も早いのだ。
倉知は呆気に取られながら、店員から紙袋を受け取っている。二人が移動するのを見て、俺も後に続く。
次に足を止めたのは、靴屋だ。店の奥に入っていく二人を、隠れながら目で追った。そこでの決断も早かった。あっという間に会計を済ませ、店を出る。
帽子の専門店、シルバーアクセサリーの店、時計屋、雑貨屋と巡り、そのたびに倉知の手に荷物が増えていく。
最後にオシャレなカフェに入っていく二人の背中を見届けると、苦笑いをした。
二人のデートを見せつけられた気分だった。
さて、どうする。偶然を装って乱入するか、それともこのまま何も見なかったことにして、帰宅するか。
悩んでいると、携帯が鳴った。取り出して画面を見ると、父だった。ぎく、として顔を上げる。カフェの中をガラス越しに覗いて、父と目が合った。
「うわ」
くそ、甘く見ていた。父が尾行に気づかないはずがない。
「いつから気づいてた?」
電話に出て訊ねると、父が感情の含まない声で言った。
『フェアレディは目立つ』
早い段階で気づいていたらしい。
「倉知君も気づいてたの?」
父の前の席でメニューを見ていた倉知が、フェアレディという単語に反応して、身を固くしている。
『本人に訊くといい』
電話が切れた。頭を掻く。こそこそと尾け回していたなんて、カッコ悪い。と思いながら脚はカフェの入り口へと向かっていた。
「加賀さん!」
倉知が立ち上がった。
「どうして……、すごい、奇遇ですね」
素直に驚く倉知に、父がほくそ笑む。
「うん、まあ、うん」
尾行してたんだよ、とは言わずに言葉を濁すと、父が立ち上がった。
「さて、私はこれで失礼しよう」
「え、なんで」
「二人の邪魔をしたくない」
「なんだよそれ」
軽く笑ったが、倉知は赤面した。
父は自分が座っていた椅子に俺を座らせると、「会えてよかった」と肩を撫でるようにさすってから倉知を見た。
「七世君、今日は付き合ってくれてありがとう」
「あっ、いえ、あの、こちらこそ、たくさん買っていただいて、ありがとうございます」
倉知が腰を上げて何度も頭を下げた。父は優しく微笑み「また」と言い置いて店を出て行った。
父の姿が見えなくなると、気が抜けたように倉知がドスンと椅子に尻を落とす。
「お疲れ」
笑って労うと、倉知が弾かれたように俺を見た。
「疲れてません」
「そう? で、なんで二人で買い物してたの?」
どうやったらそういう流れになるのかがわからない。
「店に、光太郎さんが来たんです」
俺にメニューを差し出しながら倉知が言った。
「店って?」
「俺のバイト先の」
「ラーメン屋? え? 何しに?」
「ラーメンを食べにです」
「親父が?」
「はい」
「何ラーメン食ったの?」
「ネギチャーシューです」
別に何もおかしくないのに、笑ってしまった。
「バイト終わったら買い物に付き合って欲しいって言われて……、でも全部俺に買ってくれて、……こんなにたくさんいいんでしょうか」
ソファ席の上に置かれた大量のショップバッグに目をやって、倉知が困った顔をする。
「いいんだよ。倉知君」
「はい」
「ありがとう」
父とあんなふうに買い物をした記憶がない。昔から忙しい人だった。いつも金だけ渡されて、好きなものを買えと一人で行動させられてきた。二人の姿を見て、倉知を自分に置き換えた瞬間、なんとも切ない気持ちになった。
羨ましい、と思ってしまった。
俺もあんなふうに親子らしく服を選んだりしてみたかった。
父は嬉しそうだった。父も俺とああしたかったのではないかと勝手に想像して、なおさら切なくなる。
でも、もしそうなら、倉知は父の望みを叶えてくれたことになる。
だから自然と礼を言いたくなったのだが、倉知は不思議そうにキョトンとしていた。
可愛い奴。父もきっと、倉知を可愛いと思ってくれている。
頬を撫でたいのを我慢して、革靴のつま先で、倉知のスニーカーにそっと触れた。
〈おわり〉
父の現在の愛車はアウディTTの限定モデル。美しいフォルムの白い車体は、自然と視線を惹きつけられてしまう。
休日出勤を終えた土曜日の午後。マンションに向かう帰宅途中、目の前を通り過ぎたアウディが、父のものだとすぐに気づいた。
運転中に発見するのは初めてだった。なぜだか嬉しくなり、こっちを見ているわけでもないのに軽く手を振って見送った。その手がはたと止まる。
助手席に倉知が乗っていた。
なんで? と疑念が渦巻いた。
なんで二人が一緒なんだよ?
急に落ち着かなくなった。信号が青に変わったのを見て、後を追う。
間に一台の軽を挟んだ状態で、図らずも尾行する形になってしまった。
別に、そんな意図はない。向こうに気づかれたところでなんの支障もないのだが、父と倉知が俺を差し置いて、一体どこに向かうのか。
単純に興味があった。
今日は倉知もバイトで、ちょうど仕事上がりの時間帯だ。バイトというのは嘘で、父とデートしていたとか。
なんだよ、デートって。
自分の不気味な言葉選びに、身震いが起きた。
父親と恋人が、仲良くどこかに出かけている。喜ばしいことじゃないか。ほほえましく見守ればいい。軽い気持ちでいいはずだ。でも、どう考えてもほのぼのとはかけ離れている。
一瞬だけ見えた倉知の横顔はこわばっていて、まるで、パトカーで署に連行される容疑者にも見えた。
二人は打ち解けてはいるが、倉知はいまだに少し、緊張している部分もある。息子の俺が言うのもなんだが、父は肩が凝る人だ。自分にも他人にも厳しい。父に対してフレンドリーに、敬語もなく、冗談を交えながら、気軽に接することができる人物は、相当肝が据わっていると言える。仕事関係でも友人関係でも、そんな猛者はほとんどいない。思いつくとしたら、倉知の父だ。
あの人は例外として、誰もが背筋を伸ばし、気を張り詰め、身構える男。それが父だ。
そんな男の運転する車で、倉知は大丈夫だろうか。とにかく心配だった。
一体どこに連れて行くつもりだ。俺の大事な倉知を、断りもなく連れ出して。
なんだそりゃ、と吹き出した。
倉知は俺の所有物じゃない。自分の意志で車に乗り、父と行動を共にしているのだ。
二十分後、アウディが到着した先は意外な場所だった。
大型ショッピングモールだ。
「親父が? 親父と倉知君が?」
笑いが起きる。カップルや家族連れで賑わう平和なスポットだ。長身の男二人組は明らかに浮いている。倉知はバイト帰りの普段着だが、父はスリーピースのスーツだ。すれ違う人たちが振り返って見ている。笑いが漏れてしまう。
父は俺と同じでウインドウショッピングが苦手だ。無目的にぶらぶらするなんて、絶対にしない。何か特別な用事でもあるのだろうか。
気づかれないように遠巻きに、二人の動向を観察した。微妙な距離感で並んで歩き、メンズファッションのショップの前で立ち止まった。マネキンの着ている服を指さし、二人で何か喋っている。
おいおいおい。
まさか本気で、ただの買い物か?
この二人が?
笑いたいのを必死で堪えて、対面のショップに身を潜め、二人を監視する。
見ようによっては親子に見える。普段、仕事ばかりで家庭を顧みない父親が、たまの休みに息子を連れて、「なんでも好きなものを買いなさい」と大盤振る舞いする光景。
顔が笑うのを止められない。父が倉知に、ハンガーにかかった服を当てて見立てている。楽しそうだ。倉知の恐縮しきりの表情も、面白い。
なんだよ、可愛い二人だな、とニヤニヤしていると、「いらっしゃいませ」と声がかかった。
「何かお探しですか? プレゼントとかですかぁ?」
店員に話しかけられてしまった。二人を見失うわけにはいかず、すぐそばにあったものを適当に指さして、「これなんかいいかなって」とうわの空で返事をした。
「こちら、人気の商品ですよ。カップのサイズはわかります?」
「カップ?」
自分の指の先を見て、固まった。ブラジャーだ。ショップの中は、どこを見ても女性ものの下着で溢れている。ランジェリーショップらしい。
店の中にいた女性たちが、俺を見ていた。顔を赤らめていたり、怪訝そうにしていたり、スーツの男が異質なのは間違いない。
「あー……、すいません、ちょっと一人でゆっくり見たいなって」
変態じみた俺の科白に、ニヤニヤが抑えられない様子で若い女性店員が一度唇を噛んでから、腰を折り曲げて頭を下げる。
「ごゆっくりどうぞ」
息をついて視線を戻す。父が数着の服を店員に手渡しているのが見えた。あの人は迷わない。インスピレーションで物を選ぶ。だから買い物も早いのだ。
倉知は呆気に取られながら、店員から紙袋を受け取っている。二人が移動するのを見て、俺も後に続く。
次に足を止めたのは、靴屋だ。店の奥に入っていく二人を、隠れながら目で追った。そこでの決断も早かった。あっという間に会計を済ませ、店を出る。
帽子の専門店、シルバーアクセサリーの店、時計屋、雑貨屋と巡り、そのたびに倉知の手に荷物が増えていく。
最後にオシャレなカフェに入っていく二人の背中を見届けると、苦笑いをした。
二人のデートを見せつけられた気分だった。
さて、どうする。偶然を装って乱入するか、それともこのまま何も見なかったことにして、帰宅するか。
悩んでいると、携帯が鳴った。取り出して画面を見ると、父だった。ぎく、として顔を上げる。カフェの中をガラス越しに覗いて、父と目が合った。
「うわ」
くそ、甘く見ていた。父が尾行に気づかないはずがない。
「いつから気づいてた?」
電話に出て訊ねると、父が感情の含まない声で言った。
『フェアレディは目立つ』
早い段階で気づいていたらしい。
「倉知君も気づいてたの?」
父の前の席でメニューを見ていた倉知が、フェアレディという単語に反応して、身を固くしている。
『本人に訊くといい』
電話が切れた。頭を掻く。こそこそと尾け回していたなんて、カッコ悪い。と思いながら脚はカフェの入り口へと向かっていた。
「加賀さん!」
倉知が立ち上がった。
「どうして……、すごい、奇遇ですね」
素直に驚く倉知に、父がほくそ笑む。
「うん、まあ、うん」
尾行してたんだよ、とは言わずに言葉を濁すと、父が立ち上がった。
「さて、私はこれで失礼しよう」
「え、なんで」
「二人の邪魔をしたくない」
「なんだよそれ」
軽く笑ったが、倉知は赤面した。
父は自分が座っていた椅子に俺を座らせると、「会えてよかった」と肩を撫でるようにさすってから倉知を見た。
「七世君、今日は付き合ってくれてありがとう」
「あっ、いえ、あの、こちらこそ、たくさん買っていただいて、ありがとうございます」
倉知が腰を上げて何度も頭を下げた。父は優しく微笑み「また」と言い置いて店を出て行った。
父の姿が見えなくなると、気が抜けたように倉知がドスンと椅子に尻を落とす。
「お疲れ」
笑って労うと、倉知が弾かれたように俺を見た。
「疲れてません」
「そう? で、なんで二人で買い物してたの?」
どうやったらそういう流れになるのかがわからない。
「店に、光太郎さんが来たんです」
俺にメニューを差し出しながら倉知が言った。
「店って?」
「俺のバイト先の」
「ラーメン屋? え? 何しに?」
「ラーメンを食べにです」
「親父が?」
「はい」
「何ラーメン食ったの?」
「ネギチャーシューです」
別に何もおかしくないのに、笑ってしまった。
「バイト終わったら買い物に付き合って欲しいって言われて……、でも全部俺に買ってくれて、……こんなにたくさんいいんでしょうか」
ソファ席の上に置かれた大量のショップバッグに目をやって、倉知が困った顔をする。
「いいんだよ。倉知君」
「はい」
「ありがとう」
父とあんなふうに買い物をした記憶がない。昔から忙しい人だった。いつも金だけ渡されて、好きなものを買えと一人で行動させられてきた。二人の姿を見て、倉知を自分に置き換えた瞬間、なんとも切ない気持ちになった。
羨ましい、と思ってしまった。
俺もあんなふうに親子らしく服を選んだりしてみたかった。
父は嬉しそうだった。父も俺とああしたかったのではないかと勝手に想像して、なおさら切なくなる。
でも、もしそうなら、倉知は父の望みを叶えてくれたことになる。
だから自然と礼を言いたくなったのだが、倉知は不思議そうにキョトンとしていた。
可愛い奴。父もきっと、倉知を可愛いと思ってくれている。
頬を撫でたいのを我慢して、革靴のつま先で、倉知のスニーカーにそっと触れた。
〈おわり〉
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