19 / 33
18話「シスター、危機一髪」
しおりを挟む
深月が腹痛を起こして何かを押し殺したような変な声を出したと思ったら、なんと金色に輝く十字架が掲げられた建物を発見することができた。
当然ここまで疑心暗鬼で教会を探し歩いていた俺たちにとって、その十字架は一筋の光が差すようなものであり、これが紛れもない神からの啓示ということであろう。
だがこの世界の神は創世神アステラであるが故に、アイツに助けられたと思うと素直に喜びの感情が湧かないのはなぜだろうか。まあだけど漸く、お目当ての建物を見つける事が出来たのだ。
これは急いで行くしか手はあるまいと横で呆然と立ち尽くしている深月へと視線を向けた。
「絶対にあれは教会だよ……。くっ、なんでこんな田舎の場所にあるんだよ! 探すのに滅茶苦茶、苦労したじゃないかぁ! もぉぉ!」
すると相方は教会を見つけられた安堵感よりも探す方で、自らの貴重な時間を取られた事を気にしているようで文句を吐き捨てていた。
確かにこの世界に来たばかりでやるべきことは多く有り、時間は有限だということで教会を探さなければ、その分他のことが多く出来ていたことはあるだろう。
しかし教会を見つけなけば深月の呪いを払うことはできず、このままではただのアニメキャラの容姿をした女子という括りで終わること間違いない。
「まあ場所が無かったとか、そんなところじゃないのか?」
取り敢えず相方の怒りを沈ませる為にも横から声を掛けると、そのまま肩を両手で無理やり押して発見した教会へと俺たちは足を進ませ始めるのであった。
あのままでは深月は永遠と小言をネチネチと言い続けて進む気配が無かったからだ。
――それから教会へと無事にたどり着く事が出来ると目の前にはちょうど修道服を着た女性が、木製の梯子に足を乗せながら建物全体を掃除している場面へと遭遇することが出来た。
「不安定な足場だな。落なければいいけど」
女性の姿を視界に収めると、そんな言葉が自然と口から出て行く。
だがそうすると横から深月が肘で俺の脇腹を小突いてきて、
「フラグのような事を言うなよ……。まあそれよりも今は呪いだ呪い!」
何処か不安気な表情を見せていたが直ぐに気を取り直して呪いを連呼していた。
「あのー! すみません!」
そして相方は呪いが漸く払えるとして気分が向上しているのか、矢継ぎ早に女性へと大声で話し掛けていた。
「は、はい! なんでしょう――おわっ!?」
すると修道服を着た女性は呼ばれて反応すると足場が不安定な場所で振り返るという、そこそこ大きな動作をしたせいで全体的にバランスを崩したようで梯子ごと揺らし始めていた。
「危ない! バランスを保って!」
咄嗟に深月が現状を維持するように声を掛けるが、それは逆効果のようで彼女に更なる焦りを生ませるだけの危険行為であった。
その証拠に女性が足を乗せている梯子が一段と揺れを増幅させているからだ。
「む、無理ですよぉ! きゃぁぁっ!?」
そしてついに梯子の足元が地面から浮いて一気に傾くと、そのまま女性を巻き込んで倒れ始めた。――だがそこで不思議なことに彼女の悲鳴が木霊すると共に、
「っ……!? な、なんだこれは!」
俺の視界に映る光景全てがスローモーション状態となると体は何故か自然と動いていた。
女性を助ける為に最初に落下してきた梯子を手の甲を使い上手く弾くと、そのあと両腕を大きく広げて彼女を優しく抱きとめる。
「っ!? がはっげほっ! ……はぁはぁ。これは一体どういうこと何だ?」
一連の出来事を全て成し遂げたあと視界がいつも通りの状態へと戻ると、どうやらその間は息を止めていたらしく急激な息苦しさが全身を襲うが、なんとか呼吸を整えることは可能であった。
「だ、大丈夫か? 怪我はないか?」
それから呼吸を整えてから腕の中の女性に声を掛けると、外見を確認した限りでは負傷箇所はなさそうだが念には念を重ねておいた方がいいだろう。
しかし間近で改めて彼女の容姿を目の当たりすると、修道服だけに注目を浴びせないほどに容姿が印象的であった。
髪は栗のように茶色で肩に毛先が触れぐらいの長さであり、表情は何処か気が抜けそうな程におっとりとしているような雰囲気が伝わる。
「は、はい……特には……」
彼女は呆然とした表情を浮かべて中身のない返事をしていた。多分だが現状がいまいち理解できていないのだろう。けれどそういう俺自身も何がなにやらで理解が出来てないのが現状だ。
本当にさっきのあれは一体なんだったのだろうか……。一瞬のゾーン状態だったのかも知れないが、いまここで答えが出ることはないだろうという答えだけは分かる。
「お、おまっ、お前まじなのか!?」
そして背後からは突然にも深月の困惑に満ちた声が聞こえてきた。
「どうした? 何かあったのか?」
我ながら何があったのかという聞き方は馬鹿っぽく思えるのだが、寧ろこっちが事情を知りたいとしてこの言葉が妥当ではないだろうか。
「あれあれ! あれを見ろ! あ・れ・を!」
何やら鬼気迫る表情で相方が人差し指を右側へと向けて言うと、面倒ながらも指示された方角へと顔を向けることにした。その際に何故か女性も深月の言葉に釣られたらしく同じ方角へと視線を向けていた。
――だが俺と女性が視線を向けた先には驚愕の事実が確かに残されていて、
「うわっ! な、なんだこれ!? 俺がやったのか!?」
そんな言葉が躊躇なく漏れ出るほどに目の前の光景は異質なものであった。
何故なら俺が手の甲で弾いた木製の梯子が、粉々となってその場に飛散していたからだ。
しかし幾ら木製の梯子と言えど軽く弾いただけで塵芥になるだろうか?
些か目の前の現実が受け入れ難いものだとして頭が痛くなるが、
「こ、これがチート能力という力の現実か……」
全てをチート能力の一端ということにして一先ず解決することにした。
現状でこれ以上の不可解な事象は手に負えないからだ。
というか頭痛を発症している時点で既に俺の脳内許容値を超えている証拠だ。
「チ、チート能力すげぇ。こりゃ異世界系のラノベが流行る訳だな……」
飛散した梯子の破片を見て深月は独り言を呟くと、最後に生唾を飲んでただ喉を鳴らしていた。
当然ここまで疑心暗鬼で教会を探し歩いていた俺たちにとって、その十字架は一筋の光が差すようなものであり、これが紛れもない神からの啓示ということであろう。
だがこの世界の神は創世神アステラであるが故に、アイツに助けられたと思うと素直に喜びの感情が湧かないのはなぜだろうか。まあだけど漸く、お目当ての建物を見つける事が出来たのだ。
これは急いで行くしか手はあるまいと横で呆然と立ち尽くしている深月へと視線を向けた。
「絶対にあれは教会だよ……。くっ、なんでこんな田舎の場所にあるんだよ! 探すのに滅茶苦茶、苦労したじゃないかぁ! もぉぉ!」
すると相方は教会を見つけられた安堵感よりも探す方で、自らの貴重な時間を取られた事を気にしているようで文句を吐き捨てていた。
確かにこの世界に来たばかりでやるべきことは多く有り、時間は有限だということで教会を探さなければ、その分他のことが多く出来ていたことはあるだろう。
しかし教会を見つけなけば深月の呪いを払うことはできず、このままではただのアニメキャラの容姿をした女子という括りで終わること間違いない。
「まあ場所が無かったとか、そんなところじゃないのか?」
取り敢えず相方の怒りを沈ませる為にも横から声を掛けると、そのまま肩を両手で無理やり押して発見した教会へと俺たちは足を進ませ始めるのであった。
あのままでは深月は永遠と小言をネチネチと言い続けて進む気配が無かったからだ。
――それから教会へと無事にたどり着く事が出来ると目の前にはちょうど修道服を着た女性が、木製の梯子に足を乗せながら建物全体を掃除している場面へと遭遇することが出来た。
「不安定な足場だな。落なければいいけど」
女性の姿を視界に収めると、そんな言葉が自然と口から出て行く。
だがそうすると横から深月が肘で俺の脇腹を小突いてきて、
「フラグのような事を言うなよ……。まあそれよりも今は呪いだ呪い!」
何処か不安気な表情を見せていたが直ぐに気を取り直して呪いを連呼していた。
「あのー! すみません!」
そして相方は呪いが漸く払えるとして気分が向上しているのか、矢継ぎ早に女性へと大声で話し掛けていた。
「は、はい! なんでしょう――おわっ!?」
すると修道服を着た女性は呼ばれて反応すると足場が不安定な場所で振り返るという、そこそこ大きな動作をしたせいで全体的にバランスを崩したようで梯子ごと揺らし始めていた。
「危ない! バランスを保って!」
咄嗟に深月が現状を維持するように声を掛けるが、それは逆効果のようで彼女に更なる焦りを生ませるだけの危険行為であった。
その証拠に女性が足を乗せている梯子が一段と揺れを増幅させているからだ。
「む、無理ですよぉ! きゃぁぁっ!?」
そしてついに梯子の足元が地面から浮いて一気に傾くと、そのまま女性を巻き込んで倒れ始めた。――だがそこで不思議なことに彼女の悲鳴が木霊すると共に、
「っ……!? な、なんだこれは!」
俺の視界に映る光景全てがスローモーション状態となると体は何故か自然と動いていた。
女性を助ける為に最初に落下してきた梯子を手の甲を使い上手く弾くと、そのあと両腕を大きく広げて彼女を優しく抱きとめる。
「っ!? がはっげほっ! ……はぁはぁ。これは一体どういうこと何だ?」
一連の出来事を全て成し遂げたあと視界がいつも通りの状態へと戻ると、どうやらその間は息を止めていたらしく急激な息苦しさが全身を襲うが、なんとか呼吸を整えることは可能であった。
「だ、大丈夫か? 怪我はないか?」
それから呼吸を整えてから腕の中の女性に声を掛けると、外見を確認した限りでは負傷箇所はなさそうだが念には念を重ねておいた方がいいだろう。
しかし間近で改めて彼女の容姿を目の当たりすると、修道服だけに注目を浴びせないほどに容姿が印象的であった。
髪は栗のように茶色で肩に毛先が触れぐらいの長さであり、表情は何処か気が抜けそうな程におっとりとしているような雰囲気が伝わる。
「は、はい……特には……」
彼女は呆然とした表情を浮かべて中身のない返事をしていた。多分だが現状がいまいち理解できていないのだろう。けれどそういう俺自身も何がなにやらで理解が出来てないのが現状だ。
本当にさっきのあれは一体なんだったのだろうか……。一瞬のゾーン状態だったのかも知れないが、いまここで答えが出ることはないだろうという答えだけは分かる。
「お、おまっ、お前まじなのか!?」
そして背後からは突然にも深月の困惑に満ちた声が聞こえてきた。
「どうした? 何かあったのか?」
我ながら何があったのかという聞き方は馬鹿っぽく思えるのだが、寧ろこっちが事情を知りたいとしてこの言葉が妥当ではないだろうか。
「あれあれ! あれを見ろ! あ・れ・を!」
何やら鬼気迫る表情で相方が人差し指を右側へと向けて言うと、面倒ながらも指示された方角へと顔を向けることにした。その際に何故か女性も深月の言葉に釣られたらしく同じ方角へと視線を向けていた。
――だが俺と女性が視線を向けた先には驚愕の事実が確かに残されていて、
「うわっ! な、なんだこれ!? 俺がやったのか!?」
そんな言葉が躊躇なく漏れ出るほどに目の前の光景は異質なものであった。
何故なら俺が手の甲で弾いた木製の梯子が、粉々となってその場に飛散していたからだ。
しかし幾ら木製の梯子と言えど軽く弾いただけで塵芥になるだろうか?
些か目の前の現実が受け入れ難いものだとして頭が痛くなるが、
「こ、これがチート能力という力の現実か……」
全てをチート能力の一端ということにして一先ず解決することにした。
現状でこれ以上の不可解な事象は手に負えないからだ。
というか頭痛を発症している時点で既に俺の脳内許容値を超えている証拠だ。
「チ、チート能力すげぇ。こりゃ異世界系のラノベが流行る訳だな……」
飛散した梯子の破片を見て深月は独り言を呟くと、最後に生唾を飲んでただ喉を鳴らしていた。
6
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
死んだ王妃は二度目の人生を楽しみます お飾りの王妃は必要ないのでしょう?
なか
恋愛
「お飾りの王妃らしく、邪魔にならぬようにしておけ」
かつて、愛を誓い合ったこの国の王。アドルフ・グラナートから言われた言葉。
『お飾りの王妃』
彼に振り向いてもらうため、
政務の全てうけおっていた私––カーティアに付けられた烙印だ。
アドルフは側妃を寵愛しており、最早見向きもされなくなった私は使用人達にさえ冷遇された扱いを受けた。
そして二十五の歳。
病気を患ったが、医者にも診てもらえず看病もない。
苦しむ死の間際、私の死をアドルフが望んでいる事を知り、人生に絶望して孤独な死を迎えた。
しかし、私は二十二の歳に記憶を保ったまま戻った。
何故か手に入れた二度目の人生、もはやアドルフに尽くすつもりなどあるはずもない。
だから私は、後悔ない程に自由に生きていく。
もう二度と、誰かのために捧げる人生も……利用される人生もごめんだ。
自由に、好き勝手に……私は生きていきます。
戻ってこいと何度も言ってきますけど、戻る気はありませんから。
異世界転生☆The saint アズリバ☆拳 シーズン1国王ワルドと4人のハーレムの女たち
Lotus碧い空☆碧い宇宙の旅人☆
ファンタジー
毒親と、心の病と、タバコとアルコール漬けになった主人公の猪狩達也はいじめっ子との辛い学童期のトラウマを持つ。そして物語の中盤で苛めっこに集団リンチを喰らい、死んでしまう。
異世界とこの世のはざまの占い師に、自分の中の魔王を倒しに異世界へ向かうことを誓い転生するが、
前世の記憶をうしなったタツヤは、一国の主の老人になり、わかかりし頃の異世界での記憶を失っていて、酒と女とギャンブルに明け暮れる毎日。勇者から、城を追放され、王様が勇者としてスライムと闘うはめに
スライム一匹も倒せないワルドは実は魔王すらも恐れる超チートを持つ、アズリバ聖闘士拳の持ち主だった?
主人公のワルド国王の初期設定がスライム一匹にも手こずる戦闘能力にも関わらず、ワルド国王の潜在能力、即ち秘めたパワーは、ドラゴンボールでいうところのビースト悟飯やブロリーやブラックフリーザに匹敵し、その能力を発動させるには、一週間、エロ本を読まないお○禁をしたり、一日、三食を一食にしたり、2時間、朝散歩するとか、そういったことをすると、自然にチート能力が覚醒して、魔王エスタークさえも凌駕する超チート能力であるアズリバ聖闘士拳を発動できる。しかし、そのことを一緒に旅路に出ている彼よりもレヴェルが20位、上の流星は気づいていない。しかし、そのチート能力とは、具体的にどういったモノかというと、相手を倒す技ではなく、相手を改心させる技で、この技がでると、どんなに強くて悪い敵でも改心せざるおえなくなり、
名乗る程でもありません、ただの女官で正義の代理人です。
ユウ
恋愛
「君との婚約を破棄する」
公衆の面前で晒し物にされ、全てを奪われた令嬢は噂を流され悲しみのあまり自殺を図った。
婚約者と信じていた親友からの裏切り。
いわれのない罪を着せられ令嬢の親は多額の慰謝料を請求されて泣き寝入りするしかなくなった。
「貴方の仕返しを引き受けましょう」
下町食堂。
そこは迷える子羊が集う駆け込み教会だった。
真面目に誠実に生きている者達を救うのは、腐敗しきった社会を叩き潰す集団。
正義の代行人と呼ばれる集団だった。
「悪人には相応の裁きを」
「徹底的に潰す!」
終結したのは異色の経歴を持つ女性達。
彼女は国を陰から支える最強の諜報員だった。
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
アルファポリス収益報告書 初心者の1ヶ月の収入 お小遣い稼ぎ(投稿インセンティブ)スコアの換金&アクセス数を増やす方法 表紙作成について
黒川蓮
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスさんで素人が投稿を始めて約2ヶ月。書いたらいくら稼げたか?24hポイントと獲得したスコアの換金方法について。アルファポリスを利用しようか迷っている方の参考になればと思い書いてみました。その後1ヶ月経過、実践してみてアクセスが増えたこと、やると増えそうなことの予想も書いています。ついでに、小説家になるためという話や表紙作成方法も書いてみましたm(__)m
追放された最強剣士〜役立たずと追放された雑用係は最強の美少女達と一緒に再スタートします。奴隷としてならパーティに戻してやる?お断りです〜
妄想屋さん
ファンタジー
「出ていけ!お前はもうここにいる資格はない!」
有名パーティで奴隷のようにこき使われていた主人公(アーリス)は、ある日あらぬ誤解を受けてパーティを追放されてしまう。
寒空の中、途方に暮れていたアーリスだったかが、剣士育成学校に所属していた時の同級生であり、現在、騎士団で最強ランクの実力を持つ(エルミス)と再開する。
エルミスは自信を無くしてしまったアーリスをなんとか立ち直らせようと決闘を申し込み、わざと負けようとしていたのだが――
「早くなってるし、威力も上がってるけど、その動きはもう、初めて君と剣を混じえた時に学習済みだ!」
アーリスはエルミスの予想を遥かに超える天才だった。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
4月3日
1章、2章のタイトルを変更致しました。
最低ランクの冒険者〜胃痛案件は何度目ですぞ!?〜
恋音
ファンタジー
『目的はただ1つ、1年間でその喋り方をどうにかすること』
辺境伯令嬢である主人公はそんな手紙を持たされ実家を追放された為、冒険者にならざるを得なかった。
「人生ってクソぞーーーーーー!!!」
「嬢ちゃんうるせぇよッ!」
隣の部屋の男が相棒になるとも知らず、現状を嘆いた。
リィンという偽名を名乗った少女はへっぽこ言語を駆使し、相棒のおっさんもといライアーと共に次々襲いかかる災厄に立ち向かう。
盗賊、スタンピード、敵国のスパイ。挙句の果てに心当たりが全くないのに王族誘拐疑惑!? 世界よ、私が一体何をした!?
最低ランクと舐めてかかる敵が居れば痛い目を見る。立ちはだかる敵を薙ぎ倒し、味方から「敵に同情する」と言われながらも、でこぼこ最凶コンビは我が道を進む。
「誰かあのFランク共の脅威度を上げろッッ!」
あいつら最低ランク詐欺だ。
とは、ライバルパーティーのリーダーのお言葉だ。
────これは嘘つき達の物語
*毎日更新中*小説家になろうと重複投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる