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第四章 イタリア少女の闇
25話「少女は変貌し、先輩を燃やす」
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望六とナタリアが覚悟を決めて校舎裏の端へと向かうと、既に例の場所には先輩達が先に来ているのか奥の方から数人が談笑する話し声が聞こえてきた。
そして彼はこれ以上先には一緒に行けないとして歩みを止めると、
「頑張れよ、ナタリア」
一樹の真似をして親指に力を込めてぐっと上げると精一杯の勇気を送る事にした。
「う、うん。頑張ってくるよ」
覚悟を決めたとしても少なからず緊張感を抱いているのか彼女の表情には一切の余裕らしきものは伺えないが、それでもデバイスを上手いこと背中に隠してナタリアは先輩達の元へと足を進めていく。
そんな彼女の後ろ姿を見届けながら望六はもしもの時を考慮して、いつでも魔法を発動できるようにデバイスを構えながら物陰の隅に隠れて顔だけ覗かせつつ様子を伺う事にした。けれどナタリアは自分の手で全て終わらせると公言していた事から、本当に緊急時以外は助けるつもりはない。
「おっと……ようやく主役の登場だね」
足音で気が付いたのか三年の先輩が談笑を辞めて顔を彼女の方へと向けると、それに続いて二年の先輩二人も両腕を組みながら顔を向けていた。しかし相変わらず三年の先輩だけは何処か余裕のある雰囲気を出していて、廃棄されていた長椅子に足を組みながら優雅に座り込んでいる。
「さて、ナタリア? 今日こそはしっかりと例の二人のデータを持ってきてくれたかな?」
三年の先輩は不敵な笑みを浮かべて右手を彼女へと伸ばすと、何かを渡すように要求しているのか手を広げて差し出していた。
だがナタリアは彼女らの目の前まで進むと両足を止めて顔を俯かせた。
「あ、あれはまさか……」
その光景を見て一瞬なにをしているのかと望六は考えたが、直ぐにUSBメモリのような記録媒体を要求しているのではと予想を立てた。恐らく先輩達は魔法実技での動きや、個人でトレーニングしている時の自分達を撮影したデータが欲しいのだろうと。
……だが授業内では無論のこと個人でトレーニングしている時でさえ、ナタリアは自分や一樹を撮影していたり、ましてや盗撮などは一切していないと望六は断言できる。
何故なら彼女は本国に情報は何一つ渡さないと何度も口にしていたからだ。
「デ、データは……ない」
三年の先輩からの問いかけに彼女は恐怖を押し殺したような声色で返事をする。
「あんだと!? お前ふざけてんのか!」
「アンタ……それ本気で言ってんの?」
二年の先輩たちは目尻を尖らせて反応すると辛辣な声を出していた女子は握り拳を向けながら怒鳴り始め、比較的に穏やかな声色をしている女子は前髪をかきあげて苛立ちが隠せない様子であった。
「ああ、本気だとも! 僕は大切な人達を裏切るような真似はしたくない! ……だから、これが僕の選んだ答えだッ!」
二年の先輩から強い言葉を掛けられた事で足枷が外れたのかナタリアの声が恐怖を堪えたようなものから一転して、敵対心剥き出しのへと変わると背中に隠していたデバイスを顕にして先輩達へと向けた。
「なっ……それがどういう意味なのか分かっているのか! ナタリアぁ”ぁ”あ”!」
「チッ、これだから金持ちの世間知らずのガキは嫌いだ!」
デバイスを向けられた事でその意味を理解したのか二人は声を荒らげて応戦する構えを見せると、彼女らも一応はデバイスを携帯していたようでレッグホルスターから拳銃型のデバイスを引き抜いていた。
「……おい、私を怒らせるのも大概にしろよ。言った筈だよな? 次で最後だと。ナタリア……キミは私達だけではなく、イタリア政府までも裏切るというんだな? 祖国を裏切るということだな!」
二年の先輩達が先制攻撃を仕掛けようとしていたのか引き金に人差し指を乗せると、そこで全くの同タイミングで三年の先輩が怒りの雰囲気を漂わせて眉間を手で押さえると、イタリアを裏切るという事を強く主張して言い放った。
「そうだ! 僕は政府の道具なんかじゃないっ! ましてや国家の犬でもないっ! この学園の生徒で、望六達と一緒に魔術士を目指す者だぁぁぁ!」
ナタリアは三年の先輩の言葉に自らの意思だという事を伝えると、そのままデバイスを手元で一回転させたあと構え直して三人との距離を縮める為なのか駆け出した。
そして彼女の話を物陰で訊いていた望六は、ナタリアはこの学園で普通に勉学に励みながら皆で魔術士を目指したいという純粋な気持ちしかないのだろうと思う。だがイタリアはそんな彼女の気持ちすらも踏みにじる、やり方を強要するのかと彼は政府に対して怒りが込み上げる。
「クソッ、これは誤差だったな。二人とも! ナタリアを取り押さえろ!」
薄汚い長椅子から腰を上げて二年の女子達に指示を出すと、三年の女子もデバイスを携帯していたのかレッグホルスターからナイフらしき物を取り出そうとして自身の手を太ももへと伸ばす。
「「はいっ!」」
二年の女子達が返事をすると共に拳銃の引き金に掛けてた指を引こうとすると、望六は今この瞬間こそが緊急時なのではないかと無属性の魔法を発動しようと構える。
――――だがしかし、それよりも早くに。
「全員ここで蹴散らしやるッ! 術式展開【Inferno Fieldtype1】全てを焼き尽くせええええ!」
周囲の温度が急激に上昇していく違和感に彼は体を掴まれたように動きが鈍くなると、ナタリアの熱気の篭った声が聞こえてきて火属性の魔法を発動した事だけは辛うじて理解できた。
何故なら彼女が口にした詠唱には聞き覚えがあり、尚且つハンマーを思いっきり地面へと叩きつけるとナタリアを軸として周囲に円形の炎の波動が放出されたのだ。
それは瞬く間に先輩達の元へと向かい炎が彼女らを包み込むと……
「「「ぎゃぁぁぁ――――ッ!」」」
幾ら先輩達と言えど先にデバイスを使用されて魔法も発動されてしまうと抵抗の術がないのか、劈くような悲鳴を周囲に撒き散らしながら地面に転がったり、息苦しそうに蹲ったりと三人は阿鼻叫喚な姿を晒していた。
「はぁはぁ……。二度と僕に関わらないと約束してくれるのなら、魔法を解除することを約束します」
過度なストレスにより興奮状態にあるのか、ナタリアは息を乱しながらも苦しんでいる先輩達へと声を掛ける。すると先輩達はそれどころではないのか、服を乱暴に破いて脱いだりして少しでも炎から逃げようと抵抗を見せていた。
「そうですか……残念です。なら次はもう少し、炎の威力と魔力を増やして……」
地面に伏せて返事のない先輩達を見下しながら彼女は確実な約束を結ぶまでは魔法を止める気はないようである。しかし普段から温厚のナタリアがこんなにも容赦のない、下手したら人を殺しそうな事を何の感情も見せずに淡々と眺めていることに望六は変な違和感を抱く。
「あははっ! 楽しい! 楽しいなぁ! ははははっ!」
そして彼女は唐突に何かに取り憑かれたように奇妙で甲高い笑い声をあげると、再び魔力を込めたデバイスを地面に振り下ろそうとしていた。
望六はそこで自身が抱いた違和感が確実なものへと変わると、ナタリアは嫌いな相手を蹂躙したことで脳内麻薬が異常に分泌されているのではないかと考え、このままでは取り返しのつかないことになるとして彼女を止めようと走り出すのだが――――
「そこまでだ。大人しく魔法を解除してデバイスを地面に捨てろ。妙な動きは見せるなよ? ナタリア」
突然として物が乱雑に置かれている端の隅から、木本がリボルバー型のデバイスを彼女に向けた状態で姿を現した。しかもご丁寧な事に引き金にはしっかりと指が掛けられていて、銃口はナタリアの心臓部に狙いを定めているように望六には見受けられた。
「き、木本先生……っ」
先生の唐突な出現に彼女は驚くというよりかは見られてしまったという印象の方が強いのか声に若干の震えが生じると、言われた通りに魔法を解除して即座にデバイスを放り投げると両手を上げて降伏の意思を見せる。
「まったく、本当に面倒なことを起こしてくれやがるな。おい、そこの二年と三年しっかりしろ。……はぁ、取り敢えず保健室へと連れて行く。話しはそのあとだ」
ナタリアに抵抗の意思なしとして判断したのか木本はリボルバーを腰に仕舞うと地面に伏せたまま身動き一つしない女子二人や、過呼吸になりつつも何とか意識を保とうと自らの手にナイフを突き刺している女子に声を掛けて、最後に冷たい視線を彼女へと向けて事情聴取の宣告をした。
「は、はい……」
先生の言葉を訊いて彼女は”停学”か”退学”のどちからが言い渡されるのかと想像したのか途端に手足を震えだしていたが、こればかりはやり過ぎだとして望六もどう言葉を掛けるべきかと頭を悩ませた。
「チッ、お前もだからな望六! さっさとコイツらを運ぶのを手伝え!」
すると木本が舌打ちをしながら何の予備動作もなく彼が身を潜めている場所へと顔を向けて手伝うように怒声を吐き捨てた。
「はいっ! ……って俺は最初から気づかれていたのか」
その余りの急展開に思考が追いつかずに反射的に物陰から姿を出して返事をしてしまうが、取り敢えず今は大人しく従う方がいいだろうと望六は考えて、倒れている先輩達のもとへと急いで駆け寄るのであった。
そして彼はこれ以上先には一緒に行けないとして歩みを止めると、
「頑張れよ、ナタリア」
一樹の真似をして親指に力を込めてぐっと上げると精一杯の勇気を送る事にした。
「う、うん。頑張ってくるよ」
覚悟を決めたとしても少なからず緊張感を抱いているのか彼女の表情には一切の余裕らしきものは伺えないが、それでもデバイスを上手いこと背中に隠してナタリアは先輩達の元へと足を進めていく。
そんな彼女の後ろ姿を見届けながら望六はもしもの時を考慮して、いつでも魔法を発動できるようにデバイスを構えながら物陰の隅に隠れて顔だけ覗かせつつ様子を伺う事にした。けれどナタリアは自分の手で全て終わらせると公言していた事から、本当に緊急時以外は助けるつもりはない。
「おっと……ようやく主役の登場だね」
足音で気が付いたのか三年の先輩が談笑を辞めて顔を彼女の方へと向けると、それに続いて二年の先輩二人も両腕を組みながら顔を向けていた。しかし相変わらず三年の先輩だけは何処か余裕のある雰囲気を出していて、廃棄されていた長椅子に足を組みながら優雅に座り込んでいる。
「さて、ナタリア? 今日こそはしっかりと例の二人のデータを持ってきてくれたかな?」
三年の先輩は不敵な笑みを浮かべて右手を彼女へと伸ばすと、何かを渡すように要求しているのか手を広げて差し出していた。
だがナタリアは彼女らの目の前まで進むと両足を止めて顔を俯かせた。
「あ、あれはまさか……」
その光景を見て一瞬なにをしているのかと望六は考えたが、直ぐにUSBメモリのような記録媒体を要求しているのではと予想を立てた。恐らく先輩達は魔法実技での動きや、個人でトレーニングしている時の自分達を撮影したデータが欲しいのだろうと。
……だが授業内では無論のこと個人でトレーニングしている時でさえ、ナタリアは自分や一樹を撮影していたり、ましてや盗撮などは一切していないと望六は断言できる。
何故なら彼女は本国に情報は何一つ渡さないと何度も口にしていたからだ。
「デ、データは……ない」
三年の先輩からの問いかけに彼女は恐怖を押し殺したような声色で返事をする。
「あんだと!? お前ふざけてんのか!」
「アンタ……それ本気で言ってんの?」
二年の先輩たちは目尻を尖らせて反応すると辛辣な声を出していた女子は握り拳を向けながら怒鳴り始め、比較的に穏やかな声色をしている女子は前髪をかきあげて苛立ちが隠せない様子であった。
「ああ、本気だとも! 僕は大切な人達を裏切るような真似はしたくない! ……だから、これが僕の選んだ答えだッ!」
二年の先輩から強い言葉を掛けられた事で足枷が外れたのかナタリアの声が恐怖を堪えたようなものから一転して、敵対心剥き出しのへと変わると背中に隠していたデバイスを顕にして先輩達へと向けた。
「なっ……それがどういう意味なのか分かっているのか! ナタリアぁ”ぁ”あ”!」
「チッ、これだから金持ちの世間知らずのガキは嫌いだ!」
デバイスを向けられた事でその意味を理解したのか二人は声を荒らげて応戦する構えを見せると、彼女らも一応はデバイスを携帯していたようでレッグホルスターから拳銃型のデバイスを引き抜いていた。
「……おい、私を怒らせるのも大概にしろよ。言った筈だよな? 次で最後だと。ナタリア……キミは私達だけではなく、イタリア政府までも裏切るというんだな? 祖国を裏切るということだな!」
二年の先輩達が先制攻撃を仕掛けようとしていたのか引き金に人差し指を乗せると、そこで全くの同タイミングで三年の先輩が怒りの雰囲気を漂わせて眉間を手で押さえると、イタリアを裏切るという事を強く主張して言い放った。
「そうだ! 僕は政府の道具なんかじゃないっ! ましてや国家の犬でもないっ! この学園の生徒で、望六達と一緒に魔術士を目指す者だぁぁぁ!」
ナタリアは三年の先輩の言葉に自らの意思だという事を伝えると、そのままデバイスを手元で一回転させたあと構え直して三人との距離を縮める為なのか駆け出した。
そして彼女の話を物陰で訊いていた望六は、ナタリアはこの学園で普通に勉学に励みながら皆で魔術士を目指したいという純粋な気持ちしかないのだろうと思う。だがイタリアはそんな彼女の気持ちすらも踏みにじる、やり方を強要するのかと彼は政府に対して怒りが込み上げる。
「クソッ、これは誤差だったな。二人とも! ナタリアを取り押さえろ!」
薄汚い長椅子から腰を上げて二年の女子達に指示を出すと、三年の女子もデバイスを携帯していたのかレッグホルスターからナイフらしき物を取り出そうとして自身の手を太ももへと伸ばす。
「「はいっ!」」
二年の女子達が返事をすると共に拳銃の引き金に掛けてた指を引こうとすると、望六は今この瞬間こそが緊急時なのではないかと無属性の魔法を発動しようと構える。
――――だがしかし、それよりも早くに。
「全員ここで蹴散らしやるッ! 術式展開【Inferno Fieldtype1】全てを焼き尽くせええええ!」
周囲の温度が急激に上昇していく違和感に彼は体を掴まれたように動きが鈍くなると、ナタリアの熱気の篭った声が聞こえてきて火属性の魔法を発動した事だけは辛うじて理解できた。
何故なら彼女が口にした詠唱には聞き覚えがあり、尚且つハンマーを思いっきり地面へと叩きつけるとナタリアを軸として周囲に円形の炎の波動が放出されたのだ。
それは瞬く間に先輩達の元へと向かい炎が彼女らを包み込むと……
「「「ぎゃぁぁぁ――――ッ!」」」
幾ら先輩達と言えど先にデバイスを使用されて魔法も発動されてしまうと抵抗の術がないのか、劈くような悲鳴を周囲に撒き散らしながら地面に転がったり、息苦しそうに蹲ったりと三人は阿鼻叫喚な姿を晒していた。
「はぁはぁ……。二度と僕に関わらないと約束してくれるのなら、魔法を解除することを約束します」
過度なストレスにより興奮状態にあるのか、ナタリアは息を乱しながらも苦しんでいる先輩達へと声を掛ける。すると先輩達はそれどころではないのか、服を乱暴に破いて脱いだりして少しでも炎から逃げようと抵抗を見せていた。
「そうですか……残念です。なら次はもう少し、炎の威力と魔力を増やして……」
地面に伏せて返事のない先輩達を見下しながら彼女は確実な約束を結ぶまでは魔法を止める気はないようである。しかし普段から温厚のナタリアがこんなにも容赦のない、下手したら人を殺しそうな事を何の感情も見せずに淡々と眺めていることに望六は変な違和感を抱く。
「あははっ! 楽しい! 楽しいなぁ! ははははっ!」
そして彼女は唐突に何かに取り憑かれたように奇妙で甲高い笑い声をあげると、再び魔力を込めたデバイスを地面に振り下ろそうとしていた。
望六はそこで自身が抱いた違和感が確実なものへと変わると、ナタリアは嫌いな相手を蹂躙したことで脳内麻薬が異常に分泌されているのではないかと考え、このままでは取り返しのつかないことになるとして彼女を止めようと走り出すのだが――――
「そこまでだ。大人しく魔法を解除してデバイスを地面に捨てろ。妙な動きは見せるなよ? ナタリア」
突然として物が乱雑に置かれている端の隅から、木本がリボルバー型のデバイスを彼女に向けた状態で姿を現した。しかもご丁寧な事に引き金にはしっかりと指が掛けられていて、銃口はナタリアの心臓部に狙いを定めているように望六には見受けられた。
「き、木本先生……っ」
先生の唐突な出現に彼女は驚くというよりかは見られてしまったという印象の方が強いのか声に若干の震えが生じると、言われた通りに魔法を解除して即座にデバイスを放り投げると両手を上げて降伏の意思を見せる。
「まったく、本当に面倒なことを起こしてくれやがるな。おい、そこの二年と三年しっかりしろ。……はぁ、取り敢えず保健室へと連れて行く。話しはそのあとだ」
ナタリアに抵抗の意思なしとして判断したのか木本はリボルバーを腰に仕舞うと地面に伏せたまま身動き一つしない女子二人や、過呼吸になりつつも何とか意識を保とうと自らの手にナイフを突き刺している女子に声を掛けて、最後に冷たい視線を彼女へと向けて事情聴取の宣告をした。
「は、はい……」
先生の言葉を訊いて彼女は”停学”か”退学”のどちからが言い渡されるのかと想像したのか途端に手足を震えだしていたが、こればかりはやり過ぎだとして望六もどう言葉を掛けるべきかと頭を悩ませた。
「チッ、お前もだからな望六! さっさとコイツらを運ぶのを手伝え!」
すると木本が舌打ちをしながら何の予備動作もなく彼が身を潜めている場所へと顔を向けて手伝うように怒声を吐き捨てた。
「はいっ! ……って俺は最初から気づかれていたのか」
その余りの急展開に思考が追いつかずに反射的に物陰から姿を出して返事をしてしまうが、取り敢えず今は大人しく従う方がいいだろうと望六は考えて、倒れている先輩達のもとへと急いで駆け寄るのであった。
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